JPH0595786A - 変異ヒトプロウロキナーゼ - Google Patents

変異ヒトプロウロキナーゼ

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JPH0595786A
JPH0595786A JP3289257A JP28925791A JPH0595786A JP H0595786 A JPH0595786 A JP H0595786A JP 3289257 A JP3289257 A JP 3289257A JP 28925791 A JP28925791 A JP 28925791A JP H0595786 A JPH0595786 A JP H0595786A
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amino acid
dna
plasmid
puk
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Toshizumi Tanabe
利住 田辺
Masanori Morita
将典 森田
Masaaki Hirose
正明 広瀬
Yasuo Amatsuji
康夫 天辻
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒトプロウロキナーゼ(ヒトPUK)のエピ
ダーマルグロースファクター(epidermal growth facto
r)領域内の中性アミノ酸を塩基性アミノ酸に置換、また
は酸性アミノ酸を非酸性アミノ酸に置換した変異ヒトプ
ロウロキナーゼ、および当該変異ヒトプロウロキナーゼ
をコードするDNA配列が組み込まれたプラスミドによ
り形質転換された宿主を培養して変異ヒトプロウロキナ
ーゼを発現することを特徴とするヒトプロウロキナーゼ
の製造方法。 【効果】 繊維素溶解酵素であるヒトPUKのEGF領
域内の中性アミノ酸を塩基性アミノ酸に置換することに
より、あるいは酸性アミノ酸を非酸性アミノ酸に置換す
ることにより、血中半減期を増加させると同時に、フィ
ブリンへの親和性を改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトプロウロキナーゼ
(以下ヒトPUK)を分子構造的に修飾してなる変異ヒ
トPUK、その製造方法、該変異ヒトPUKをコードす
るDNA配列、該DNA配列の組み込まれたプラスミ
ド、および該プラスミドによって形質転換された形質転
換体に関する。さらに詳しくは、遺伝子レベルにおいて
特定遺伝子のアミノ酸配列を他のアミノ酸配列にて置換
させ、該遺伝子を組み換えDNA技術を応用して発現さ
せることからなる変異ヒトPUKを提供する一連の技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維素溶解に係わるプラスミノーゲン活
性化因子には、血管内皮細胞の産生する組織性のt−P
A、ウロキナーゼ(UK)が知られており、従来繊維素
溶解酵素としてはUKが著名である。このものは、従来
人尿および人腎細胞の培養液から精製されていたが、近
年DNA組み換え技術による生産も可能となった(特開
昭60−180591号明細書)。しかし、UKは大量
に用いると、凝固・線溶諸因子の分解並びに活性化を惹
起し、出血傾向を誘起する欠点を有している。他方、本
発明者らは、人腎細胞によって産生されるヒトウロキナ
ーゼの不活性型前駆物質(PUK) [特開昭60−62
981号明細書、J. Biol. Chem., 260, 12377 (1985)]
が、UKと異なり出血傾向を惹起することなく血栓を溶
解することをすでに見出している [Cell Struc. Func.,
10, 151 (1985)]。
【0003】ヒトPUKは、3つのドメイン(domain)
、即ち、エピダーマルグロースファクター(epidermal
growth factor、以下EGFと略称する)ドメイン、ク
リングル(kringle)ドメイン、酵素活性ドメインから構
成されている[Hoppe-Seyler■sZ. Physiol. Chem., 36
3, 1155(1982)] 。
【0004】ところで、従来より、血中半減期を延長さ
せる目的をもってヒトPUKを修飾することが試みられ
ている。例えば、EGF全領域の欠失(特開昭63−1
46789号)、EGF領域中の第1または第3ループ
の欠失(特開平3−87171号)、EGF領域内のア
ミノ酸を置換して特定の部分構造を構築して糖鎖の付加
をめざしたもの(特開平3−87179号)等が検討さ
れている。
【0005】しかし、フィブリン親和性の向上の試み
は、具体的には、抗フィブリン抗体とUK、tPAのハ
イブリッドタンパク、プラスミノーゲンのようなフィブ
リン親和性の高い蛋白質のクリングル領域をtPAやU
Kに組み入れたものが報告されているが、アミノ酸置換
でフィブリン親和性を上げた例はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はEGF領域を欠失させることなく、極力少ない修飾に
よって、EGF領域除去ヒト変異PUKの血中半減期の
増加を維持しながら、フィブリンへの親和性が向上し、
しかも他の性質はヒトPUKと実質的に変わらない変異
ヒトPUK、その製造方法、当該変異ヒトPUKをコー
ドするDNA配列、該DNA配列の組み込まれたプラス
ミド、形質転換体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記事情に
鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ヒトPUKのEGF領域
内の中性アミノ酸を塩基性アミノ酸に置換することによ
り、あるいは酸性アミノ酸を非酸性アミノ酸に置換する
ことにより、血中半減期を増加させると同時に、フィブ
リンへの親和性を改善できることを見出し、本発明を完
成した。
【0008】本発明は、ヒトプロウロキナーゼのエピダ
ーマルグロースファクター(epidermal growth factor)
領域内の中性アミノ酸を塩基性アミノ酸に置換、または
酸性アミノ酸を非酸性アミノ酸に置換した変異ヒトプロ
ウロキナーゼ、および当該変異ヒトプロウロキナーゼを
コードするDNA配列が組み込まれたプラスミドを形質
転換された宿主を培養して変異ヒトプロウロキナーゼを
発現することを特徴とするヒトプロウロキナーゼの製造
方法に関する。
【0009】本発明において、各用語は以下のように定
義されている。ヒトPUKは411のアミノ酸から成
り、そのアミノ酸配列およびDNA配列は後記の配列表
で表されている。PUKのEGF領域は10番目のAsn
から49番目のThr までである。このEGF領域は3つ
のループから成る。すなわち、第1ループは10番目の
Asn から19番目のCys までであり、第2ループは20
番目のVal から31番目のCys までであり、第3ループ
は33番目のCys から42番目のCys までである。
【0010】(1)変異ヒトPUK 本発明者の変異ヒトPUKは、ヒトPUKのEGF領域
内の中性アミノ酸を塩基性アミノ酸に置換されたもの
()、あるいは酸性アミノ酸を非酸性アミノ酸に置換
されたもの()である。
【0011】の中性アミノ酸としては非電荷のアミノ
酸が挙げられ、具体的にはGly 、Ser 等が例示される。
また、塩基性アミノ酸としてはLys 、Arg 、His 等が例
示される。の酸性アミノ酸としてはGlu 、Asp 等が例
示される。非酸性アミノ酸としては酸性アミノ酸のアミ
ド体、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸等が挙げられる。
酸性アミノ酸のアミド体としてはAsn 、Gln 等が例示さ
れる。
【0012】具体的には、16番目のGly をLys に置換
したもの、38番めのGly をLys に置換したもの、45
番目のAsp をAsn に置換したもの等が例示される。
【0013】アミノ酸配列は、通常EGFドメインの任
意のアミノ酸配列を欠失させ、所望のアミノ酸、ないし
はアミノ酸配列を導入することによって置換される。ア
ミノ酸配列の置換処理には、プロテインエンジニアリン
グとして知られる方法が広く利用できるが、例えばSite
-directed deletion (部位指定削除)法 [Nucl. Acids
Res., 11. 1645 (1983)]、Site-specific mutagenesis
(部位特異的変異)法、制限酵素処理と合成遺伝子の利
用による方法等がある。
【0014】具体的にはヒトPUKをコードするDNA
配列を用いて処理を行う。このDNA配列は後記配列表
で示される。また、このDNAは特開昭60−1805
91号明細書、特開昭63−146789号明細書等に
開示された方法により調製することができる。このヒト
PUKをコードするDNA配列を担持するプラスミドと
してはpSV−G1 −preUK(図1または特開昭6
0−180591号明細書)が例示される。
【0015】(2)発現系 置換処理された変異PUKは、発現ベクター系に挿入し
て、発現用宿主・ベクター系を構築する。宿主・ベクタ
ー系は一般に宿主細胞とコンバーチブルな種から由来す
るレプリコンと制御配列を有するプラスミドベクター
と、この宿主を組み合わせて使用する。ベクターは一般
に複製部位を有しており、また形質転換細胞中で表現型
の選択が可能となるマーカーの配列を有している。宿主
として、大腸菌、酵母、枯草菌、動物細胞を用いる方法
については特開昭63−146789号で開示されてい
る。このうち、好ましくは動物細胞を用いる。動物細胞
を用いる方法として上記公報以外にもDHFR遺伝子を
利用した増幅系を利用する方法(特開昭63−1059
75号)、DHFR遺伝子をUKプロモーターで制御す
ることによりさらに増幅系を強化する方法(特願平2−
123503号)等を利用できる。
【0016】(3)具体的な発現方法 本発明は、動物細胞での発現を制御できるプロモーター
を上流部に付加させた変異ヒトPUK遺伝子及びウロキ
ナーゼ(UK)プロモーターを付加させたジヒドロ葉酸
還元酵素(DHFR)遺伝子を組み込んでなるプラスミ
ドを用いて形質転換させた動物細胞、該動物細胞を培養
して変異ヒトPUKを発現させることによる変異ヒトP
UKの製造方法に関する。
【0017】以下、これを詳述する。 〔I〕プラスミド 本発明においてプラスミドは、(i) 動物細胞での発現
を制御できるプロモーターを上流部に付加させた変異ヒ
トPUKをコードするDNA、及び(ii) ウロキナーゼ
(UK)プロモーターを上流部に付加させたジヒドロ葉
酸還元酵素(DHFR)をコードするDNAを同一プラ
スミドに組み込んでなる。
【0018】当該プラスミドにおいては、動物細胞での
発現を制御できるプロモーターを変異ヒトPUKをコー
ドするDNAの上流部に付加させ、動物細胞での発現を
制御できるプロモーターの支配下にヒトPUKをコード
するDNAが働くようにしたものである。
【0019】動物細胞での発現を制御できるプロモータ
ーは、ポリオーマ、アデノウイルス.2、あるいは最も
多用されているシミアンウイルス40(SV40)由来
である。SV40ウイルスの初期及び後期プロモーター
は特に有用である。というのは、これらは、SV40の
複製起点を含む断片として容易にウイルスから得られる
からである〔Fiers et al. Nature, 273, 113(1978)]
。ウイルスのHindIII部位から複製起点のBglI部位まで
の約250 bpを含む断片も使用できる。更に目的とする遺
伝子に関連したプロモーターや制御配列(エンハンサ
ー) も宿主とコンバーチブルならば使用できる。
【0020】動物細胞発現ベクターに用いるプロモータ
ー・エンハンサーとしては、SV40初期遺伝子又は後
期遺伝子のプロモーター・エンハンサーやアデノウイル
スメジャーレート・プロモーター領域、グロブリンエン
ハンサー・プロモーター領域、RNAウイルスのLT
R、メタロチオネインプロモーター領域、β−アクチン
プロモーターなどが使用できる。複製起点は、SV40
や他のウイルス(ポリオーマ、アデノ、VSV、BPV
等) 由来のものをベクターに組み込んでもよいし、宿主
細胞染色体の複製機構を用いてもよい。ベクターが宿主
細胞の染色体に組み込まれるならば後者で十分である。
【0021】UKプロモーターを上流部に付加させたD
HFRをコードするDNAは、UKプロモーターの支配
下にDHFRをコードするDNAが働く様にしたもので
ある。当該UKプロモーター及びDHFRをコードする
DNAは、共に公知のものであり、UKプロモーターは
Nucl. Acids Res., 13, 2759-2771(1985) 等に、DHF
RをコードするDNAは特開昭59-192089 、同63-10567
5 等に開示されている。
【0022】なお、当該プラスミドにおいて、動物細胞
での発現を制御できるプロモーターと変異ヒトPUKを
コードするDNAからなるユニット、及びUKプロモー
ターとDHFRをコードするDNAからなるユニット
は、順方向に配置されていてもよく、逆方向に配置され
ていてもよい。また、当該プラスミドは、動物細胞での
発現を制御できるプロモーターを上流側に付加した変異
ヒトPUKをコードするDNAユニットの上流側に複製
起点、下流側に、リボソーム結合部位、RNAスプライ
ス部位、ポリA付加部位あるいは転写終結配列を有して
いてもよい。
【0023】〔II〕 形質転換体 形質転換体は〔I〕のプラスミドを用いて動物細胞を形
質転換させたものである。
【0024】本発明で使用される動物細胞としては、細
胞株として有用な例として、VERO、HeLa細胞、Chinese
hamster ovary (CHO) cell line 、W138、BHK、COS-7
、MDCK Cell line、C127、HKG 、Human kidney cell l
ineなどが挙げられる。具体的にはCHO-K1(チャイニー
ズハムスター卵巣細胞:ATCC CCL61) 、BHK(新生子ハム
スター腎細胞:ATCC CCL10) 、COS-7(CV-1 Origin, SV-
40細胞:ATCC CRL1651)、Vero( アフリカミドリザル腎
細胞:ATCC CCL-81)等がある。また、このような細胞と
しては特にDHFR遺伝子欠損細胞であることが好まし
い。
【0025】動物細胞の形質転換は公知の方法、例え
ば、リン酸カルシウム沈澱法、プロトプラストポリエチ
レングリコール融合法、エレクトロポレーション法など
により行うことができる。
【0026】また、MTX(メトトレキセート)による
遺伝子増幅の方法としては、形質転換体を10nM〜4
μMのMTXを含む培地(MTX濃度は段階的に上げて
いってもよく、最初から高濃度でシングルステップで行
ってもよい)中で耐性株を選択すればよい。
【0027】培地としては、1 〜10%FCSを含んだME
M-α、或いはダルベッコ変法−MEM(D−MEM)等
が挙げられる。培養条件は10〜37℃,1〜200時
間程度である。
【0028】[III] 変異ヒトPUKの製造方法 [II]の形質転換体を培養し、自体既知の手段に変異ヒト
PUKを発現させる。
【0029】(4)精製 変異ヒトPUKの精製は、既知のヒトPUKの精製法に
準じておこなうことができる(特開昭60−62981
号)。本発明では、精製にはChelating Sepharose 6B,
anti-UK formyl cellurofine, Benzamidine-Sepharose
6Bのカラムクロマトグラフィーを併用したが、特にChel
ating Sepharose 6Bは粗精製に、anti-UK formyl cellu
rofine 4B は高度精製に、さらにBenzamidine-Sepharos
e 6Bは混入活性型ウロキナーゼ(UK)の除去に各々有
効である。
【0030】かくして得られた産生物を解析したとこ
ろ、PUK活性においては変異型および非変異型で全く
差はなく、変異型PUKは分子量約50,000〜5
5,000の一本鎖型のプロエンザイムであり、プラス
ミン処理により完全に活性型に変換した。さらにこの変
異ヒトPUKのフィブリンへの親和性を人腎細胞由来P
UK[J. Biol. Chem., 260, 12377(1985)] のそれと比
較したところ、変異ヒトPUKのほうが有意に増強され
た。
【0031】
【発明の効果】本発明においては、繊維素溶解酵素であ
るヒトPUKのEGF領域内の中性アミノ酸を塩基性ア
ミノ酸に置換することにより、あるいは酸性アミノ酸を
非酸性アミノ酸に置換することにより、血中半減期を増
加させると同時に、フィブリンへの親和性を向上できる
ことが判明した。
【0032】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例を
挙げるが、本発明は、これらによって何ら限定されるも
のではない。尚、本発明においては以下のプラスミド、
酵素、キット、技術等を用いる。
【0033】 使用プラスミド pUH7:特開昭63−146789号において構築さ
れた発現ベクターで、PUKのcDNAより、全EGF
領域(Asn10 〜Cys42)が除去されている。 pSV−G1−preUK:ヒトPUKの発現ベクター
(特開昭60─180591号)。 pTT06:DHFR発現ベクター(後記参考例1参
照)。 尚、上記3つのプラスミドの構造を図1に示す。 酵素、キット 制限酵素、T4DNAポリメレース、T4ポリヌクレオ
チドカイネース、バクテリア由来アルカリフォスファテ
ース(BAP)、M13シークエンスキット、ライゲー
ションキット、JM109コンピテントセルは、宝酒造
製のものを用いた。ミュータジェネシスにはOligonucle
otide-directed mutagenesis system ver.2 (アマーシ
ャム)を用いた。 リコンビナントDNAテクニック Maniatisら、"Molecular Cloning" Cold Spring Harbo
r, NY : Cold Spring Harbor Laboratory (1982) の方
法に準じた。
【0034】実施例1 アミノ酸置換変異型PUK発現
用プラスミドの構築 〔I〕Lys16-PUK 発現用プラスミドの構築 (i) 合成プライマーの調製 381A DNA合成機(アプライド バイオシステ
ム)を用いて、一本鎖DNAを作製した。SD16はミ
ュータジェネシスのプライマーで、Gly16(GGA)をLys16
(AAA) に置換し、新たにKpnI site を導入した(図
2)。合成したDNAを3mlの30%アンモニア水で
カラムから溶出し、うち1mlを一夜加熱後、オリゴヌ
クレオチド精製カラム(ABJ)にて精製した。その結
果、SD16を133μg得た。
【0035】(ii) 一本鎖DNA、spTT10の構築 構築工程の概略を図3に示した。pSV−G1−pre
UKのHindIII− EcoRI断片(1.2kb)をpUC1
18のHindIII − EcoRI間に挿入し、pTT10とし
た。このDNA断片はSV40のエンハンサー・プロモ
ーター、スプライシングジャンクションに続き、PUK
のcDNAの第653塩基まで、即ちクリングルドメイ
ン内のGly162までをコードする塩基配列を含む。pTT
10を大腸菌JM109にトランスフォームし、ヘルパ
ーウィルスM13K07株を感染させた。この培養液2
40mlから1本鎖DNAを調製し、350μgのsp
TT10を得た。
【0036】(iii) Site directed mutagenesis プライマーDNA(SD16)とtemplateDNA(sp
TT10)を用いてLys16-PPA をコードするDNAを担
持するプラスミドpMR326を構築した。得られたp
MR326を用いて、JM109をトランスフォームし
た。各反応の成否をモニターするため、サンプルをアガ
ロース電気泳動して、DNAバンドの大きさをチェック
した。
【0037】(iv) pMR326を保持する株のスクリ
ーニング ミュータジェネスの結果得られたトランスフォーマント
のうちランダムに12株を選んで、プラスミドのミニプ
レップを行った。これらのプラスミドを KpnIで消化
し、アガロースゲル上で電気泳動して、4.1 kbp と220
bpの二本のDNAバンドが見えるか否かでスクリーニン
グした。その結果、12株中4株が目的のプラスミドを保
持していた。
【0038】(v) シークエンシングによるミューテー
ションの確認 スクリーニングで選出されたプラスミドにつき、意図し
た位置にミューテーションが起こっていること、及びミ
ュータジェネシスの過程を通じてその他の部分が変異し
ていないことを確認するため、pMR326の KpnI −
BglII 間(430bp) をダイデオキシ法でシークエンシング
した。シークエンシングの結果、塩基番号51〜BglII 間
の配列はこれと一致していた。
【0039】(vi) DHFR発現ユニットとΔE1E2E3
−PUK発現ユニットを持つプラスミドの構築 プラスミドの構築の手順を図4に示した。DHFR遺伝
子発現ユニットを持つプラスミド、pTT06をBglII
で部分消化し、末端をKlenowfragment で平滑化した
後、セルフライゲーションを行い、出来上がったプラス
ミドをpMR343とした。この操作により、DHFR
cDNAとSV40のpolyA付加領域との間にあっ
たユニークサイトのBglII サイトが除去された。次にp
MR343を SalI 、 KpnI 、 ApaLIの3酵素で消化
後、アガロースゲル電気泳動し、DHFR発現ユニット
である SalI − KpnI 断片(2.9kb)をDEAE紙
法で精製した。このDNA断片とpUH7を SalI で消
化したものをライゲーションした。この反応では、DH
FR発現ユニットの SalI サイトとpUH7の一方のSa
lIサイトのみがライゲーションされるだけなので、ライ
ゲーションされずに残った末端をT4DNAポリメラー
ゼにより平滑化した。セルフライゲーション後、大腸菌
JM109にトランスフォームした。得られたコロニーから
プラスミドを抽出し、BamHI で消化してインサートの有
無及び向きを確認した。DHFR発現ユニットとm−P
UK発現ユニットが順方向になっているpMR344で
は、3.4 、1.6 、1.4 、1.0 、0.3kb のバンドが、それ
らが逆方向になっているpMR345では、3.1 、1.6
、1.4 、1.3 、0.3kb のバンドが生成した。
【0040】(vii) ミューテーションを導入したDN
A断片の発現ベクターへの組み込みシークエンス確認
後、pMR326の KpnI −BglII 部分(430bp)を、p
MR345の KpnI −BglII 部分と置換し、できあがっ
たプラスミドをpMR327とした。プラスミドの構築
の概略を図5に示した。これを大量調製し、333 μgの
プラスミドを得、トランスフェクションに供した。
【0041】[II] Lys38-PUK 発現用プラスミドの構築 (i) 合成プライマーの調製 381A DNA合成機(アプライド バイオシステ
ム)を用いて、一本鎖DNAを作製した。SD13はミ
ュータジェネシスのプライマーで、Gly38(GGA)をLys38
(AAA) に置換し、新たにDraI site を導入した(図
6)。合成したDNAを3mlの30%アンモニア水で
カラムから溶出し、うち1mlを一夜加熱後、オリゴヌ
クレオチド精製カラム(ABJ)にて精製した。
【0042】(ii) ミュータジェネシス 〔I〕−(iii) 項に準じてspTT10およびSD13
から、pMR316を構築した。
【0043】(iii)pMR316を保持する株のスクリ
ーニング ミュータジェネシスの結果得られた形質転換体のうちラ
ンダムに12株を選んで、プラスミドのミニプレップを
行った。これらのプラスミドを DraI で消化し、アガロ
ースゲル上で電気泳動して、2.95、1.25、0.7 kbの3本
のDNAバンドが見えるか否かでスクリーニングした。
その結果、12株中4株が目的のプラスミドを保持してい
た。
【0044】(iv) シークエンシングによるミューテー
ションの確認 スクリーニングで選出されたプラスミドにつき、意図し
た位置にミューテーションが起こっていること、及びミ
ュータジェネシスの過程を通じてその他の部分が変異し
ていないことを確認するため、pMR316の KpnI −
BglII 間(430bp) をダイデオキシ法でシークエンシング
した。シークエンシングの結果、塩基番号52〜BglII 間
の配列はこれと一致していた。
【0045】(v) ミューテーションを導入したDNA
断片の発現ベクターへの組み込み シークエンシング確認後、pMR316の KpnI −BglI
I間(430bp) を、pMR345の、 KpnI −BglII 部分
と置換し、できあがったプラスミドをpMR317とし
た。プラスミドの構築の概略を図7に示した。これを大
量調製して543μg のプラスミドを得、トランスフェク
ションに供した。
【0046】[III] Asn45-PUK発現用プラスミドの構築 (i) 合成プライマーの調製 381A DNA合成機(アプライド バイオシステ
ム)を用いて、一本鎖DNAを作製した。SD30はミ
ュータジェネシスのプライマーで、Asp45(GAT)をAsn45
(AAT) に置換し、新たにVspI site とNsp(7524)I site
を導入した(図8)。合成したDNAを3mlの30%ア
ンモニア水でカラムから溶出し、うち1mlを一夜加熱
後、オリゴヌクレオチド精製カラム(ABJ)にて精製
した。その結果、SD30を80μg、SD33を109 μ
g得た。
【0047】(ii) ミュータジェネシス 〔I〕−(iii) 項に準じてspTT10およびSD30
から、pMR347を構築した。
【0048】(iii)pMR347を保持する株のスクリ
ーニング ミュータジェネシスの結果得られたトランスフォーマン
トのうちランダムに12株を選んで、プラスミドのミニ
プレップを行った。これらのプラスミドを VspI で消化
し、アガロースゲル上で電気泳動して、2.5 、1.2 、0.
5 kbの3本のDNAバンドが見えるか否かでスクリーニ
ングした。その結果、12株中2株が目的のプラスミド
を保持していた。
【0049】(iv) シークエンシングによるミューテー
ションの確認 スクリーニングで選出されたプラスミドにつき、意図し
た位置にミューテーションが起こっていること、及びミ
ュータジェネシスの過程を通じてその他の部分が変異し
ていないことを確認するため、pMR347の KpnI −
BglII 間(430bp) をダイデオキシ法でシークエンシング
した。シークエンシングの結果、塩基番号 KpnI −BglI
I 間の配列は高次構造形成のため当該方法ではシークエ
ンシング出来なかった塩基番号50までを除きこれと一
致していた。
【0050】(v) ミューテーションを導入したDNA
断片の発現ベクターへの組み込み シークエンス確認後、pMR347の KpnI −BglII 間
(430bp) を、pMZ117の、 KpnI −BglII部分と置
換し、できあがったプラスミドをpMZ348とした。
pMR317からDHFR発現ユニット(2.9kb)をSalI
で切り出し、pMZ348のSalIサイトに挿入した。得
られたプラスミドをBamHIで消化し、DHFR発現ユニ
ットとm−PUK発現ユニットが逆方向になっているも
のを選択して、pMR371とした。プラスミドの構築
の概略を図9、図10に示した。
【0051】実施例2 アミノ酸置換m−PUKの産生 (1) 細胞 DXB−11細胞:CHO−K1細胞由来DHFR欠損
株 Proc.Natl.Acad.Sci(USA) 77, 4216 (1980) に記載の方
法で調製、増殖させた。
【0052】(2) メトトレキセート(MTX) Sigma 社製(+)Amethopterinを0.14M NaCl, 0.02M HE
PES (ナカライテスク)に溶解し、2mMストック液を調
製した。これを培地に、目的の濃度になるように添加し
使用した。
【0053】(3) 培地と血清 MEM-α(リボヌクレオシドとデオキシリボヌクレオシド
入り)(Gibco) MEM-α(リボヌクレオシドとデオキシリボヌクレオシド
無し)(Gibco) それぞれ、MEM-α(w)、MEM-α(w/o)と略す。血清は牛
胎児血清(FCS)(三菱化成 MH01)を非働化し使用した。
【0054】(4) DNA導入とトランスフェクタントの
選択 MEM-α(W), 10%FCS で継代しているDXB-11細胞をトリ
プシン(0.25 %トリプシン、0.02%EDTA) 処理により、
ディッシュよりはがし、107cell/mlとなるようHanks 液
に懸濁した。この懸濁液0.5 ml, 5×106 個の細胞に5
μgのプラスミドDNAを、Electroporation 法により
導入した。この細胞を5枚の10cmディッシュにまい
た。2日間、MEM−α(w)、10%FCSで培養後、
選択培地であるMEM−α(w/o)、10%FCSに交
換した。2〜3日毎に培地交換を行い、10日間培養する
とコロニーの形成が見られたので、各コロニーを96ウェ
ルプレートに移し、さらに培養を続けた。96ウェルプレ
ート中で細胞がほぼコンフルエントなったところで各培
養上清中のプラスミノーゲン アクチベーター(PA)
活性を測定した。高い活性を与えたいくつかの細胞をス
ケールアップし、MTXによるDNA増幅に供した。
【0055】(5) MTXによる導入遺伝子の増幅 (4) で得られたアミノ酸置換m−PUK産生細胞をME
M−α(w/o)、10%FCS、10nM MTXを培地と
して1×104cell/ml の濃度で6ウェルプレート(Falco
n, 3046)に2ml植え込んだ。培養3〜4日でかなりの
細胞が死滅するが、3日毎に培地交換を続けていると細
胞の成長が見られた。2〜4週間で充分な細胞数になる
ので、次の段階のMTX濃度の培地に継代した。このよ
うに10nMのMTX濃度からスタートして順次2〜4倍ず
つMTX濃度を上げていった。各濃度のMTX耐性細胞
はそれぞれ6cmディッシュまたは10cmディッシュ
(Falcon, 3803) で培養し、上清中のPA活性をフィブ
リン平板法により測定した。尚、活性測定の標準品とし
て、Urokinase reference standard(ミドリ十字社製、
Lot.S-004)を用いた。増幅による各m−PUK産生量の
増加を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】(6) アミノ酸置換m−PUK産生細胞のロ
ーラーボトルでの培養 得られた各アミノ酸置換m−PUK産生細胞を、順次ス
ケールアップし、850cm2 ローラーボトル(Falcon, 302
7)で培養を行った。細胞増殖中はFCS(三菱化成、Lo
t.MH01) を10%添加したMEM−α(W)を、ハーベス
ト用には、無血清培地〔基礎培地としてRPMI164
0培地[Goding, J.W (1980) J. Immunol. Methods 39,
285, JAMA 199 (1957)]10.2gを用い、添加物としてイン
シュリン1mg 、BP(牛肉由来ペプトン)5g、トラン
スフェリン10mg、HSA(ヒト血清アルブミン)1g、
ヒポキサンチン13mg、チミジン4mg、α−トコフェロー
ル0.13mgおよびセレン4μgを加えたもの〕にアプロチ
ニン(Sigma) を10 KIU/ml添加したものを用いた。細胞
は10cmディッシュ1枚分を750cm2ローラーボトル1本に
継代し、さらに 850cm2 ローラーボトル1本に継代して
スケールアップした。ローラーボトルで細胞がコンフル
エントになったところで増殖用培地からハーベスト培地
に交換し、培養を続けた。培養上清のハーベストは細胞
のm−PUK産生量に応じて2日ないしは3日おきに行
った。継代なしに、4〜5回ハーベストを行えるが、さ
らにハーベストが必要なものは継代を行った後にハーベ
ストを行った。なお、培養上清中のPA活性はペプチド
MCA法によった。
【0058】実施例3 アミノ酸置換m−PUKの精製 培養上清を5μmフィルター濾過後にZn-chelating Sep
harose カラムクロマトグラフィーで処理した。吸着・
洗浄は、1M NaCl, 20mM Tris-Cl, pH7.5, 10KIU/ml Apr
otininで、溶出は1M NaCl, 20mM Tris-Cl, 50mM Imidaz
ole, pH7.5, 10KIU/ml Aprotininで行った。得られた溶
出画分を抗UK抗体Formyl Cellulofineカラムクロマト
グラフィーで処理した。吸着・洗浄は、0.5M NaCl, 0.1
M Na-PO4, pH6.5 で、溶出は0.5M NaCl, 0.2M Glycine-
Cl, pH2.5 で行った。得られた溶出画分をpH6.3 に調整
(2M Tris液) し、0.5M NaCl, 0.1M Na-PO4,pH6.2 で透
析した。その透析画分をBenzamidine Sepharose カラム
クロマトグラフィーで処理した。吸着・洗浄を、0.5M N
aCl, 0.1M Na-PO4, pH6.2 で行い、非吸着画分を回収し
た。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例4 フィブリンへの親和性 (i) フィブリンセライトカラムの調製 Husainらの方法を若干変更して行った。 A緩衝液:50mM Sodium Phosphate (pH 7.4), 1mM EDT
A, 100mM NaCl B緩衝液:50mM Sodium Phosphate (pH 7.4), 1mM EDT
A, 100mM NaCl, 0.2M Arginine C緩衝液:50mM Sodium Phosphate (pH 7.4), 1mM EDT
A, 100mM NaCl, 0.02%NaN3 Celite (Hyflo Super-Cel, 半井化学) 10g を1Lの蒸
留水に懸濁し、1時間放置した。上清を除去し、再び蒸
留水に懸濁した後に、Celiteをブフナー漏斗に受け、A
緩衝液で洗浄した。CeliteをA緩衝液で50mlに懸濁し、
A緩衝液に溶解した2% Plasminogen-free fibrinogen
(生化学工業社製)溶液50mlを添加した。混合液を30℃
に保ち、攪拌しながら、0.15M NaClに溶解した100 unit
s/ml thrombin 2mlを1分間費やして一滴ずつ添加し
た。さらに30℃で15分間攪拌した。直ちにガラスフィル
ター上で吸引し、100mlのA緩衝液で洗浄した。当該操
作をA緩衝液またはB緩衝液で繰り返し、後にガラスフ
ィルター上で吸引した。次に100ml のC緩衝液に懸濁
し、Settled volumeで約5mlのフィブリン−セライトを
カラムに充填し、残りは4℃で保存した。A緩衝液で平
衡化(流速10ml/hr)して、試験に供した。
【0061】(ii) セライトに結合したフィブリン量の
測定 Settled volumeで1ml のフィブリン−セライトに1Nの
NaOHを5mlを加え、90℃で15分間加熱した。室温で冷却
した後、上清の280nm での吸光度を測定した。既知濃度
のフィブリン溶液を同様に処理して得られた検量線から
試料中のフィブリン量を算出した。
【0062】(iii) サンプルの調製 n−PUK(Lot No. T-012)、ΔE1E2E3-PUK (Lot No.
C-006)、3種のm−PUKは5000IU/ml となるように、
使用直前にA’緩衝液 [50mM Sodium Phospate(pH 7.
4), 1mM EDTA, 100mM NaCl, 0.1% BSA]にて希釈した。
【0063】(iv) フィブリン−セライトへの吸着能の
測定 バッチ法により各PUKに付き3回づつ測定した。測定
手順の概略を以下の通りである。 A’緩衝液による平衡化操作 遠心後のカラム容積が1mlとなるようにフィブリン−セ
ライト緩衝液を15ml遠心管(コーニング、#25311)に分
注し、卓上遠心機にて1300回転で30秒間遠心し、上清を
除去した。10mlのA’緩衝液を添加し、回転機(大洋科
学工業、ローライターII) にて5分間30rpm(回転数目盛
5)で回転し、卓上遠心機にて1300回転で30秒間遠心
し、上清を除去した。 A’緩衝液による洗浄操作 A’緩衝液で5000IU/ml に調製されたPUKサンプルを
500μl 添加し、10分間攪拌した。直ちに10mlのA’緩
衝液を添加し、回転機にて5分間30rpm で回転した。後
に卓上遠心機にて1300回転で30秒間遠心、上清を除去し
活性測定用に保存した(パス画分)。 B’緩衝液による溶出操作 10mlのB’緩衝液(0.2M Arginine を含有するA’緩衝
液)を添加し、回転機にて5分間30 rpmで回転した。後
に卓上遠心機にて1300回転で30秒間遠心、上清を除去し
活性測定用に保存した(溶出画分)。各上清(10ml) 中
のPA活性を、フィブリン平板法で測定した。
【0064】(v) フィブリンセライトへの吸着率の計算 ただし、パス画分とはA’緩衝液にて洗浄したときの上
清、溶出画分とはB’緩衝液にて溶出したきの上清をい
う。吸着率を次式より求める。
【0065】
【数1】
【0066】結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】実施例5 変異ヒトPUKの性状 (i) 比活性 比活性は3種の変異ヒトPUK(Lys16-PUK 、Lys38-PU
K 、Asn45-PUK)ともに15万IU/mg 蛋白(プラスミン処理
時) であった。
【0069】(ii) 分子量 Laemmli の方法[Nature, 227 p680, (1970)]に基づき、
以下の条件で泳動SDS−PAGE(SDS-polyacrylamid
e gel electrophoresis)を行った。180-350IUの各種変
異ヒトPUKを2%2-mercaptoethanol 、2%SDS、
10%glycerin、50mM Tris-HCl(pH6.8)の還元溶液中100
℃で10分間煮沸後、10〜20%のグラジエントゲル(第一
化学薬品製)に重層し、30mAの定電流で2時間泳動し
た。なお、分子量マーカーは低分子量マーカー(Phospho
rylase b 94000, bovineserum albumin 67000, ovalubm
in 43000, carbonic anhydrase 30000, trypsin inhibi
tor20100, α-lactalbumin 14400、ファルマシア社製)
を使用した。ゲル上のバンドはCoomassie Brilliant Bl
ue R-250で染色した。その結果、3種の変異ヒトPUK
ともに、54000 付近に同一のバンドが認められた。ま
た、3種の変異ヒトPUKとも、還元条件および非還元
条件下でバンドの移動は認められず、一本鎖の分子構造
を有することが判明した。
【0070】(iii) 酵素動力学的検討 材料と方法 試薬類 Glt-Gly-Arg-MCA (以下MCAと略す)、7-amino-4-me
thyl-Coumarin (以下AMCと略す)はペプチド研究所
より購入した。UK標準品、Plasmin は(株)ミドリ十
字社製を用いた。 初期反応速度の測定 30IU/ml の変異ヒトPUK50μl と0.2CU/mlのプラスミ
ン50μl とを混合後、37℃で10分間インキュベートし
た。前もって37℃に加温した2.0, 0.4, 0.25, 0.2, 0.1
5mM のMCA溶液50μl を添加した後、37℃で3分間イ
ンキュベートした。40% 酢酸溶液50μl を添加(反応停
止)の後に蛍光強度を測定した。AMC(0.2, 5, 10,
20μM)の蛍光強度を測定して検量線を作製し、酵素反応
により生成したAMCの濃度を算出した。 Km 値とkcat 値の導出) Lineweaver-Burk plot法[Segei, I. H. (1976) Biochem
ical Calculcations.2nd ed. John Wiley & Sons, In
c., New York.) によりKm 値と、Vmax 値を導入し
た。UKの1IUは1.33×10-7μmoleに相当するから、
cat は下記の式にて代入して算出した。
【0071】
【数2】
【0072】 結果各変異ヒトPUKの酵素力学的定
数を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】表4に示したように、各変異ヒトPUKの
酵素力学的定数に顕著な差はなかった。
【0075】(iv) 血中半減期 実験方法 投与動物 ラットのウィスター系雄性ラット(6週令)を使用し
た。 125I-PUK調製法 各薬剤をlactroperoxidase Enzymobeads(BIO-RAD) 法に
より125Iで標識した。得られた 125I-PUK の放射化学的
比活性は280nm での吸光度から求めた蛋白含量および放
射活性より算出した。各薬剤の比活性は6000〜10000cpm
/IU であった。 投与量及び投与方法 投与液は各薬剤共非標識の薬剤で2×104IU/ml(ヒトア
ルブミン濃度:5%)に調製し、尾静脈より投与した。
投与容量は1ml/kg とした。 採血法 動物をケタラール(三共)35mg/kg i.m.と、ウレタン
(半井化学)1.5g/kg i.m.の併用で麻酔し、背位に固定
した。左頸動脈に3.8 %クエン酸ナトリウム水溶液〔チ
トラート、(株) ミドリ十字)〕を満たしたアトム静脈
カテーテル(3Fr)を挿入した。薬物投与1、2、
3、5、7、10、15、20分後のチトラート30μl を入れ
たJMS1mlディスポーザブル・シリンジで330 μl
の目盛りまで(血液300 μl)採血した。3000rpm で10分
間遠心して得られた血漿を100 μl 採取し、ドライアイ
ス上で急速に凍結し、血漿の放射能をγ−カウンターで
測定した。 血漿中濃度推移の解析 血漿中放射活性は%of dose として算出した。血中半減
期は、市販のソフトにより算出した。 実験結果 血中半減期の結果は表5に示した。今回新たにスクリー
ニングされた変異ヒトPUKの放射活性からみた血中半
減期はn−PUKと比較して1.2 〜1.4 倍延長し有意な
差を求めた。
【0076】
【表5】
【0077】(v) 血栓溶解能 ウィスター系雄性ラットの肺塞栓モデルを用いて実験を
行った。 125I-Fibrin suspension(125I-FS )作成法の改良 ラットのクエン酸血漿40mlに125-フィブリノゲン約60μ
Ciを加え混和した後、2ml 宛分注した。この2ml にCaCl
2 およびトロンビンを終濃度がそれぞれ25mMおよび10U
になるように添加して、37℃、30分間インキュベート
し、クロットを作成した。クロットは生理食塩水で洗浄
した後、液体窒素で冷却した乳鉢中で粉砕した。これに
生理食塩水5mlを加え、125I-FS とした。 ラットの肺塞栓モデルの作成方法および被験薬剤の
投与方法 体重216 〜263gのラットをウレタン1.25g/kg皮下投与に
より麻酔し、尾静脈より2%NaI溶液100 μl を注入
した。その後、あらかじめ放射活性を測定した125I-FS
1mlを尾静脈より投与し、肺塞栓を作成した。125I-F
S 投与5分後に被験薬剤(10万IU/kg)を尾静脈よりbolu
s 投与した( 投与容量はvehicle を用いてすべて1.5ml
になるようにする) 。125I-FS 投与60分後、動物を屠殺
し、肺に残存する125I- フィブリンの放射活性を測定
し、血栓溶解率を求めた、尚、血栓溶解率は次式により
計算した。
【0078】
【数3】
【0079】結果を表6に示す。
【0080】
【表6】
【0081】参考例1 pTT06の構築 〔動物細胞での発現を制御できるプロモーター(SV4
0)及びウロキナーゼ(UK)プロモーターを上流部に
付加させたジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)をコード
するDNAを組み込んでなるプラスミドの構築〕
【0082】(i) pUKP−1の構築:ウロキナーゼ
(UK)プロモーターをコードするDNAの調製
【0083】 プローブの作製 ヒトウロキナーゼcDNAの一部を含むプラスミドpU
K4(特開昭61-177987 号公報) をPstIで消化して、1
%アガロースゲルで電気泳動後、約400 bpの断片をエレ
クトロエリューションにより回収した。このDNA断片
0.4 μgをマルチプライムにより [α- 32P]dCTP(アマ
ーシャム, PB10205)でラベルした。 目的分画を集めてCerenkov countを調べた結果、9.69×
107cpmであった。ラベルの収率は41%ラベルの比放射活
性は2.4 ×108 cpm/μgと計算された。
【0084】 HKG細胞DNAのサザンハイブリダ
イゼーション Riccio et al.[(Nucl.Acids Res., 13, 2759-2771 (198
5)] の報告によれば、ヒトウロキナーゼプロモーター領
域はヒト染色体DNAの5.8 kb EcoRI断片及び12 kb の
BamHI 断片として得られる。HKG細胞高分子DNAを
EcoRI 及びBamHI で消化し各10μg を0.8%アガロー
スゲルで電気泳動後、で調製したプローブを用いてサ
ザンハイブリダイゼーションによりこれを確認した。そ
の結果、それぞれのサイズに相当する位置にシグナルが
検出された。
【0085】 5.8 kb EcoRI断片の調製 HKG細胞高分子DNA 200μg を1000ユニットのEcoR
I で37℃、一夜消化した。0.8%アガロースゲル(宝
酒造、HE-12 泳動装置)で電気泳動後、エチジウムブロ
マイド染色し、マーカーとして泳動した。λ−DNA H
indIII消化物から求めた5.8 kbの位置を中心に2mm幅
でゲルを切り出し(ゲル2)、更にその上(ゲル1)下
(ゲル3)各3mm幅についてもゲルを切り出し、エレ
クトロエリューションによりDNA断片を抽出した。抽
出したDNAの一部を0.8%アガロースゲルで電気泳
動し、サザンハイブリダイゼーションにより目的のDN
A断片が含まれているかどうか確認した。ゲル2から抽
出したDNA断片中に目的のウロキナーゼプロモーター
領域が存在すると推定された。
【0086】 DNAライブラリーの作製とスクリー
ニング 前項で抽出したDNAについてファージベクターλgt10
を用いてDNAライブラリーを作製した。合計6.5×
105 個の組み換えファージをプラークハイブリダイゼ
ーションにより一次スクリーニングした。一次スクリー
ニングで28個のポジティブクローンが得られた。これを
更にプラークハイブリダイゼーションによる二次スクリ
ーニングしたところ、5個のポジティブクローンに絞ら
れた。ポジティブクローンの組み換えファージより簡易
抽出法でDNAを抽出し、EcoRI消化後、1%アガロー
スゲルで電気泳動し、サザンハイブリダイゼーションを
行った。その結果、2種類の組み換えファージがポジテ
ィブと判定された。クローン1,4,5は同じクローン
由来であり1種類とみなした。クローン15はこれらと
は別のクローン由来である。
【0087】 5.8kb EcoRI 断片のサブクローニング サザンハイブリダイゼーションでポジティブと判定され
たクローンよりファージDNAを簡易抽出法にて調製
し、 EcoRI消化した。これをフェノールクロロホルム抽
出し、水相を更にクロロホルム抽出後エタノール沈澱し
た。プラスミドpUC9(Pharmacia 社)を EcoRI消化
後アルカリフォスファターゼ処理し、その一部(1μ
g)と上記ファージDNAの EcoRI消化物をライゲーシ
ョンし、 E.Coli HB101 を形質転換させた。形質転換菌
のいくつかについて簡易抽出法にてプラスミドDNAを
抽出し、 EcoRI消化後1%アガロースゲルで電気泳動し
た。その結果、いくつかのサブクローンが5.8 kbに相当
するDNA断片を有していた。これらのクローン1と4
を更に各種制限酵素で消化後1%アガロースゲルで電気
泳動した。クローン1と4は切断様式は異なったもの
の、いくつかの共通する断片も見られたので5.8 kb断片
が逆方向に挿入されたものと推定された。それぞれのプ
ラスミドをpUKP1(図11参照)及びpUKP2と
命名した。
【0088】 pUKP1の制限酵素処理 Riccio等(前述)が報告したヒトウロキナーゼ遺伝子の
塩基配列から推定した制限酵素切断部位地図を基に、こ
の図から推定される酵素断片が得られるかどうかを確認
した。pUKP1を有するE.coli HB101を40μg/ml ア
ンピシリン含有スーパーブロス100 mlで37℃、一夜培養
後、ミニプレップ法にてプラスミドDNAを調製した。
このDNAについて各種制限酵素処理を行った。また、
プラスミドについて推定される制限酵素断片はすべて検
出され、目的のヒトウロキナーゼプロモーター部位をコ
ードするDNA断片がクローニングされたことが確認さ
れた。
【0089】 pUKP1の一部塩基配列の確認 前項で調製したプラスミドDNAについてダイデオキシ
法にて塩基配列の一部を調べた結果、Riccio等の報告
(前述)と一致した。
【0090】(ii) pTT06の構築 〔UKプロモーター,DHFR cDNA, SV40ポリAを
含むプラスミドの構築〕図12にプラスミド構築の概要
を示した。pSV2-dhfr (特開昭63-105675 号公報)をPv
uII, PstIで処理して得たSV40エンハンサー・プロ
モーター、dhfrcDNA, SV40 late ポリA付加シ
グナルを含む2.5 KbのDNA断片をさらにHindIII で切
断しSV40エンハンサー・プロモーターを除いた2.1
KbのDNA断片を得た。このHindIII- PstI DNA断片
をT4DNAポリメラーゼで平滑末端化した後、pUC
19(宝酒造)のSmaI切断部位にクローニングした。そ
の結果、dhfr cDNAの5’側(タンパクのN末側)が
pUC19のポリリンカーのHindIII の方を向いたpT
T04が得られた。プラスミドの確認はBamHI 消化によ
りpUC19のポリリンカー中のBamHIとSV40ポリ
A付加シグナルの下流にあるBamHI で切り出されるDN
A断片の大きさにより行った。pTT04からは1.6 kb
のDNA 断片が得られた。次に、pUKP−1をHpaIとSm
aIで切断し、ウロキナーゼ遺伝子転写開始点より下流約
30 bp のSmaI認識部位と転写開始点より上流約800 bpの
HpaI認識部位より切り出される約800 bpのDNA 断片を回
収した。このUKプロモーター部位を含むDNA断片を
pTT04のDHFR cDNAの上流に挿入した。すな
わちpTT04をXbaIで消化後、BAP処理、T4 DN
Aポリメラーゼで平滑末端化し、UKプロモーターのHp
aI−SmaI断片とライゲーションを行った。トランスフォ
ーメーション後、得られたコロニーよりDHFR遺伝子
とUKプロモーターが同じ転写方向を向いたクローンを
選択した。pTT04からはUKプロモーターDNA断
片の5’近傍のEcoRV とpUC19のSalIでの切断で 2
80 bpのDNA断片を与えるプラスミドを選び、pTT
06とした。プラスミドはさらに、 EcoRV+SacI, EcoR
V +BamHI の切断によりその構造を確認した。pTT0
6の EcoRV, SacI消化では、0.9, 1.8, 2,9 kbの断片
が、EcoRV, BamHI消化では0.6, 1.6, 3.5 kbの断片が得
られた。これらの断片のサイズは、目的とするプラスミ
ドの制限酵素地図と一致した。
【0091】
【配列表】配列の長さ:1236 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:両形態 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:ヒト 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1−1233 特徴を決定した方法:E 他の特徴:PUKのEGF領域は10番目のAsn から4
9番目のThr までである。このEGF領域は10番目の
Asn から19番目のCys までの第1ループ、20番目の
Val から31番目のCysまでの第2ループ、33番目のC
ys から42番目のCys までの第3ループから成る。 配列 AGC AAT GAA CTT CAT CAA GTT CCA TCG AAC TGT GAC TGT CTA AAT GGA 48 Ser Asn Glu Leu His Gln Val Pro Ser Asn Cys Asp Cys Leu Asn Gly 5 10 15 GGA ACA TGT GTG TCC AAC AAG TAC TTC TCC AAC ATT CAC TGG TGC AAC 96 Gly Thr Cys Val Ser Asn Lys Tyr Phe Ser Asn Ile His Trp Cys Asn 20 25 30 TGC CCA AAG AAA TTC GGA GGG CAG CAC TGT GAA ATA GAT AAG TCA AAA 144 Cys Pro Lys Lys Phe Gly Gly Gln His Cys Glu Ile Asp Lys Ser Lys 35 40 45 ACC TGC TAT GAG GGG AAT GGT CAC TTT TAC CGA GGA AAG GCC AGC AGT 192 Thr Cys Tyr Glu Gly Asn Gly His Phe Tyr Arg Gly Lys Ala Ser Thr 50 55 60 GAC ACC ATG GGC CGG CCC TGC CTG CCC TGG AAC TCT GCC ACT GTC CTT 240 Asp Thr Met Gly Arg Pro Cys Leu Pro Trp Asn Ser Ala Thr Val Leu 65 70 75 80 CAG CAA ACG TAC CAT GCC CAC AGA TCT GAT GCT CTT CAG CTG GGC CTG 288 Gln Gln Thr Tyr His Ala His Arg Ser Asp Ala Leu Gln Leu Gly Leu 85 90 95 GGG AAA CAT AAT TAC TGC AGG AAC CCA GAC AAC CGG AGG CGA CCC TGG 336 Gly Lys His Asn Tyr Cys Arg Asn Pro Asp Asn Arg Arg Arg Pro Trp 100 105 110 TGC TAT GTG CAG GTG GGC CTA AAG CCG CTT GTC CAA GAG TGC ATG GTG 384 Cys Tyr Val Gln Val Gly Leu Lys Pro Leu Val Gln Glu Cys Met Val 115 120 125 CAT GAC TGC GCA GAT GGA AAA AAG CCC TCC TCT CCT CCA GAA GAA TTA 432 His Asp Cys Ala Asp Gly Lys Lys Pro Ser Ser Pro Pro Glu Glu Leu 130 135 140 AAA TTT CAG TGT GGC CAA AAG ACT CTG AGG CCC CGC TTT AAG ATT ATT 480 Lys Phe Gln Cys Gly Gln Lys Thr Leu Arg Pro Arg Phe Lys Ile Ile 145 150 155 160 GGG GGA GAA TTC ACC ACC ATC GAG AAC CAG CCC TGG TTT GCG GCC ATC 528 Gly Gly Glu Phe Thr Thr Ile Glu Asn Gln Pro Trp Phe Ala Ala Ile 165 170 175 TAC AGG AGG CAC CGG GGG GGC TCT GTC ACC TAC GTG TGT GGA GGC AGC 576 Thr Arg Arg His Arg Gly Gly Ser Val Thr Tyr Val Cys Gly Gly Ser 180 185 190 CTC ATC AGC CCT TGC TGG GTG ATC AGC GCC ACA CAC TGC TTC ATT GAT 624 Leu Ile Ser Pro Cys Trp Val Ile Ser Ala Thr His Cys Phe Ile Asp 195 200 205 TAC CCA AAG AAG GAG GAC TAC ATC GTC TAC CTG GGT CGC TCA AGG CTT 672 Tyr Pro Lys Lys Glu Asp Tyr Ile Val Tyr Leu Gly Arg Ser Arg Leu 210 215 220 AAC TCC AAC ACG CAA GGG GAG ATG AAG TTT GAG GTG GAA AAC CTC ATC 720 Asn Ser Asn Thr Gln Gly Glu Met Lys Phe Glu Val Glu Asn Leu Ile 225 230 235 240 CTA CAC AAG GAC TAC AGC GCT GAC ACG CTT GCT CAC CAC AAC GAC ATT 768 Leu His Lys Asp Tyr Ser Ala Asp Thr Leu Ala His His Asn Asp Ile 245 250 255 GCC TTG CTG AAG ATC CGT TCC AAG GAG GGC AGG TGT GCG CAG CCA TCC 816 Ala Leu Leu Lys Ile Arg Ser Lys Glu Gly Arg Cys Ala Gln Pro Ser 260 265 270 CGG ACT ATA CAG ACC ATC TGC CTG CCC TCG ATG TAT AAC GAT CCC CAG 864 Arg Thr Ile Gln Thr Ile Cys Leu Pro Ser Met Tyr Asn Asp Pro Gln 275 280 285 TTT GGC ACA AGC TGT GAG ATC ACT GGC TTT GGA AAA GAG AAT TCT ACC 912 Phe Gly Thr Ser Cys Glu Ile Thr Gly Phe Gly Lys Glu Asn Ser Thr 290 295 300 GAC TAT CTC TAT CCG GAG CAG CTG AAG ATG ACT GTT GTG AAG CTG ATT 960 Asp Tyr Leu Tyr Pro Glu Gln Leu Lys Met Thr Val Val Lys Leu Ile 305 310 315 320 TCC CAC CGG GAG TGT CAG CAG CCC CAC TAC TAC GGC TCT GAA GTC ACC 1008 Ser His Arg Glu Cys Gln Gln Pro His Tyr Tyr Gly Ser Glu Val Thr 325 330 335 ACC AAA ATG CTG TGT GCT GCT GAC CCA CAG TGG AAA ACA GAT TCC TGC 1056 Thr Lys Met Leu Cys Ala Ala Asp Pro Gln Trp Lys Thr Asp Ser Cys 340 345 350 CAG GGA GAC TCA GGG GGA CCC CTC GTC TGT TCC CTC CAA GGC CGC ATG 1104 Gln Gly Asp Ser Gly Gly Pro Leu Val Cys Ser Leu Gln Gly Arg Met 355 360 365 ACT TTG ACT GGA ATT GTG AGC TGG GGC CGT GGA TGT GCC CTG AAG GAC 1152 Thr Leu Thr Gly Ile Val Ser Trp Gly Arg Gly Cys Ala Leu Lys Asp 370 375 380 AAG CCA GGC GTC TAC ACG AGA GTC TCA CAC TTC TTA CCC TGG ATC CGC 1200 Lys Pro Gly Val Tyr Thr Arg Val Ser His Phe Leu Pro Trp Ile Arg 385 390 395 400 AGT CAC ACC AAG GAA GAG AAT GGC CTG GCC CTC TGA Ser His Thr Lys Glu Glu Asn Gly Leu Ala Leu *** 405 410
【図面の簡単な説明】
【図1】pSV−G1 −preUK,pUH7及びpT
T06の構造を示す。
【図2】SD16 (32mer)の配列と導入した変異を示す。
【図3】一本鎖DNA、spTT10の構築工程を示
す。
【図4】DHFR及びΔE1E2E3-PUK発現ユニットを持つ
プラスミドの構築工程を示す。
【図5】pMR327の構築手順の概略を示す。
【図6】SD13 (33mer)の配列と導入した変異を示す。
【図7】pMR317の構築手順の概略を示す。
【図8】SD30 (45mer)の配列と導入した変異を示す。
【図9】pMR371の構築手順の概略を示す。
【図10】pMR371の構築手順の概略(続き)を示
す。
【図11】pUKP1の構造を示す。
【図12】pTT06の構築手順の概略を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 天辻 康夫 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトプロウロキナーゼのエピダーマルグ
    ロースファクター(epidermal growth factor)領域内の
    中性アミノ酸を塩基性アミノ酸に置換、または酸性アミ
    ノ酸を非酸性アミノ酸に置換した変異ヒトプロウロキナ
    ーゼ。
  2. 【請求項2】 請求項1の変異ヒトプロウロキナーゼを
    コードするDNA配列。
  3. 【請求項3】 請求項2のDNA配列が組み込まれたプ
    ラスミド。
  4. 【請求項4】 請求項3のプラスミドによって形質転換
    された宿主。
  5. 【請求項5】 請求項4の宿主を培養して変異ヒトプロ
    ウロキナーゼを発現することを特徴とするヒトプロウロ
    キナーゼの製造方法。
JP3289257A 1991-10-07 1991-10-07 変異ヒトプロウロキナーゼ Pending JPH0595786A (ja)

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