JPH0595609A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高さ方向寸法が小さく、且つ、絶縁スペーサ
の汚損を防止可能な、信頼性の高いガス絶縁開閉装置を
提供する。 【構成】 側面の上下に端子１ａ，１ｂを有する縦置き
配置の遮断器１の上方端子１ａに、線路側機器２が接続
される。遮断器１の下方端子１ｂに、下方向と水平方向
に分岐を有する分岐母線６が接続される。分岐母線６の
下方向の分岐に、第１の母線側断路器７が横置き配置で
接続される。分岐母線６の水平方向の分岐に、第２の母
線側断路器８が横置き配置で接続される。第１の母線側
断路器７の水平方向に第１の主母線９が接続される。第
２の母線側断路器８の下方向に第２の主母線１０が接続
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、密閉容器内に絶縁媒体
と共に、母線、断路器、遮断器などが収納されたガス絶
縁開閉装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】大都市周辺、臨海地区に設置される変電
所あるいは開閉所においては、用地の入手難、塩害対策
上の理由により電気所スペースの大幅縮小化、低騒音
化、対汚損性能の向上及び美観の改善を目的として、開
閉装置本体を絶縁ガスと共に密閉容器内に収納したガス
絶縁開閉装置が近年数多く採用されるようになってい
る。

【０００３】この種のガス絶縁開閉装置は、遮断器ある
いは断路器などの所用機器を立体的に配置し、各機器相
互間の間隔を狭め、敷地面積の大幅な縮小を図るように
しているので、気中絶縁方式の開閉装置に比べて著しく
小型化することができる。このようなガス絶縁開閉装置
の機器配置構成について、図２を参照して説明する。こ
の場合、図２は、従来の二重母線方式のガス絶縁開閉装
置の機器配置の一例を示す概略構成図である。

【０００４】すなわち、図２に示すように、同じ側の側
面の上下に２つの端子１ａ，１ｂを有する縦置き配置の
遮断器１の上方端子１ａには、線路側機器２、例えば、
線路側断路器３、接地開閉器４，５などが接続されてい
る。また、遮断器１の下方端子１ｂには、接地開閉器６
を介して２つの縦置き配置の母線側断路器７，８が水平
方向に接続されている。そして、２つの縦置き配置の母
線側断路器７，８の下側には、主母線９，１０がそれぞ
れ接続されている。なお、図中１１は立ち上げ母線、１
２は変流器である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図２に
示したような従来のガス絶縁開閉装置における各機器の
配置構成においては、主母線９，１０の上方に母線側断
路器７，８が縦置き配置されているため、母線側断路器
７と遮断器１の下方端子１ｂを接続する位置が高くな
り、図２に示すように、架台１３などで遮断器１の高さ
を高くして接続する必要がある。

【０００６】また、線路側機器２の下方には、母線側断
路器７，８の操作機構７１，８１が、その上方の線路側
機器２側に突出する形で配置されるため、線路側機器２
を遮断器１の上方端子１ａのレベルにそのまま配置した
場合には、操作機構７１，８１が、線路側機器２に干渉
してしまうことになる。この干渉を避けるために、立ち
上げ母線１１を介して線路側機器２の高さを高くする必
要がある。

【０００７】従って、以上のような配置構成とした場合
には、ガス絶縁開閉装置全体の高さが高くなり、耐震強
度が低下する問題があり、場合によっては、特別な耐震
構造を設けなければならない。また、建屋内や地下室に
設置する際には、特に高さ寸法の制約から、必要な設置
スペースを確保することが困難な場合があり、このよう
な場合に無理にスペースを確保しようとすると、建設費
の大幅な増大などの各種の不都合を生じてしまう。

【０００８】一方、母線側断路器７，８が縦置きに設置
されていることにより、接点７２，８２の真下に絶縁ス
ペーサ７３，８３が配置される形となる。そのため、接
点７２，８２の電流開閉により生じる溶融金属粉や摺動
金属粉が絶縁スペーサ７３，８３の表面に堆積すること
により、絶縁スペーサ７３，８３が汚損され、絶縁破壊
に至る重大事故の原因となる恐れもある。

【０００９】本発明は、上記のような従来技術の課題を
解決するために提案されたものであり、その目的は、高
さ方向寸法が小さく、且つ、絶縁スペーサの汚損を防止
可能な、信頼性の高いガス絶縁開閉装置を提供すること
である。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明によるガス絶縁開
閉装置は、側面の上下に端子を有する縦置き配置の遮断
器と、遮断器の上方端子に接続される線路側機器と、遮
断器の下方端子に接続される第１及び第２の母線側断路
器と、第１及び第２の主母線とを有するガス絶縁開閉装
置において、遮断器の下方端子に、下方向と水平方向に
分岐を有する分岐母線が接続され、且つ、この分岐母線
の下方向の分岐に、第１の母線側断路器が横置き配置で
接続されると共に、分岐母線の水平方向の分岐に、第２
の母線側断路器が横置き配置で接続され、さらに、第１
の母線側断路器の水平方向に第１の主母線が接続される
と共に、第２の母線側断路器の下方向に第２の主母線が
接続されたことを特徴としている。

【００１１】

【作用】以上のような構成を有する本発明の配置構成に
おいては、遮断器の下方端子の水平方向に、分岐母線と
横置き配置の第２の母線側断路器を順次配置し、この下
方に、横置き配置の第１の母線側断路器と第１及び第２
の主母線とを、水平方向に配置することにより、母線側
の機器の接続を適切に行うことができる。このような配
置において、遮断器の下方端子の下方に必要なスペース
は、これらの機器のタンク径寸法程度であるため、遮断
器の下方端子と第２の母線側断路器とを接続する位置を
低くすることができる。

【００１２】また、第１及び第２の母線側断路器を横置
き配置としているため、その操作機構は、断路器本体の
水平方向に突出する形となり、上方に突出することはな
い。従って、遮断器の上方端子に接続される線路側機器
が、母線側断路器の操作機構に干渉する恐れがないた
め、線路側機器の高さを高くする必要がなく、線路側機
器を、遮断器の上方端子の水平方向に配置することがで
きる。

【００１３】従って、本発明の配置構成とした場合に
は、ガス絶縁開閉装置全体の高さを、遮断器自体の高さ
寸法で決まる必要最小限の高さに縮小できるため、耐震
強度を格段に向上できる。その上、このように高さ寸法
の小さいガス絶縁開閉装置を、建屋内や地下室に設置す
る際には、高さ寸法の制約の問題がないため、必要な設
置スペースを確保することが容易になり、建設費を増大
する問題もなく、好都合である。

【００１４】一方、第１及び第２の母線側断路器が横置
きに配置されているため、これらの母線側断路器の接点
の真下に絶縁スペーサが配置されることはない。従っ
て、母線側断路器の接点の電流開閉により生じる溶融金
属粉や摺動金属粉などによって絶縁スペーサが汚損され
る恐れがないため、絶縁破壊に至るような重大事故を回
避することができ、信頼性に優れている。

【００１５】

【実施例】以下には、本発明によるガス絶縁開閉装置の
一実施例を、図１を参照して具体的に説明する。この場
合、図１は、ガス絶縁開閉装置の機器配置を示す概略構
成図である。なお、理解の容易化の観点から、前述した
従来技術と同一機器には同一符号を付している。

【００１６】まず、図１に示すように、同じ側の側面の
上下に２つの端子１ａ，１ｂを有する縦置き配置の遮断
器１の上方端子１ａには、変流器１２を介して、線路側
機器２、例えば、線路側断路器３、接地開閉器４，５な
どが接続されている。また、遮断器１の下方端子１ｂに
は、変流器１２を介して、分岐を有するＴ形の接地開閉
器６が接続されている。この場合、この接地開閉器６
は、水平両方向及び垂直下方向に分岐を有する状態で配
置されている。すなわち、この接地開閉器６は、本発明
に従う分岐母線に相当する。

【００１７】そして、接地開閉器６の垂直下方向の分岐
と水平両方向分岐の遮断器１と反対側の分岐には、タン
ク軸方向端子７ａ，８ａとタンク軸直角方向端子７ｂ，
８ｂを有する母線側断路器７，８が、それぞれ横置き配
置で接続されている。すなわち、接地開閉器６の垂直下
方向の分岐には、母線側断路器７のタンク軸直角方向端
子７ｂが接続され、接地開閉器６の水平方向の分岐に
は、母線側断路器８のタンク軸方向端子８ａが接続され
ている。また、母線側断路器７，８の操作機構７１，８
１は、タンク軸方向端子７ａ，８ａと反対側に配置され
ている。一方、母線側断路器８の下方における、母線側
断路器７のタンク軸方向には主母線９，１０が並べて配
置されている。そして、母線側断路器７のタンク軸方向
端子７ａは、主母線９の水平方向に接続され、母線側断
路器８のタンク軸直角方向端子８ｂは、主母線１０の垂
直上方向に接続されている。

【００１８】以上のような構成を有する本実施例の作用
は、次の通りである。すなわち、遮断器１の下方端子１
ｂの水平方向に、接地開閉器６と横置き配置の母線側断
路器８を順次配置し、この下方に、横置き配置の母線側
断路器７と主母線９，１０とを水平方向に配置すること
により、母線側の機器の接続を適切に行うことができ
る。このような配置において、遮断器１の下方端子１ｂ
の下方に必要なスペースは、これらの機器のタンク径寸
法程度であるため、フロアレベルから遮断器１の下方端
子１ｂまでの高さ方向寸法は、遮断器１自体の寸法で決
まる必要最小限の寸法に縮小できる。

【００１９】また、母線側断路器７，８を横置き配置と
していることから、その操作機構７１，８１を、遮断器
１の下方端子１ｂの高さ以下の低い位置に配置できるた
め、、操作機構７１，８１が、線路側機器２に干渉する
ことがない。従って、線路側機器２を遮断器１の上方端
子１ａの高さに配置することができる。この場合、従来
必要であった立ち上げ母線１１が不要となり、その分だ
け構成が簡略化される利点もある。

【００２０】このように、本実施例においては、母線側
機器の高さ寸法を縮小することによって、遮断器１の下
方端子１ｂの高さ方向寸法を縮小できると共に、線路側
機器２の高さを高くする必要もなく、遮断器２の上方端
子１ａの高さに配置できるため、ガス絶縁開閉装置全体
の高さを、遮断器１自体の高さ寸法で決まる必要最小限
の高さに縮小できる。従って、耐震強度を格段に向上で
きるため、特別な耐震構造を設ける必要はない。また、
建屋内や地下室に設置する際には、従来技術のような高
さ寸法の制約の問題がないため、必要な設置スペースを
確保することが容易になり、建設費を増大する問題もな
く、好都合である。

【００２１】一方、母線側断路器７，８が横置き配置さ
れているため、母線側断路器７，８の接点７２，８２の
真下に絶縁スペーサ７３，８３が配置されることはな
い。従って、接点７２，８２の電流開閉により生じる溶
融金属粉や摺動金属粉などによって絶縁スペーサ７３，
８３が汚損される恐れがないため、絶縁破壊に至るよう
な重大事故を回避することができ、信頼性が向上してい
る。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、遮断器の下方端子に分岐母線を接続し、この分岐母
線の下方及び水平方向に第１及び第２の母線側断路器を
横置き配置でそれぞれ接続し、さらに、第１の母線側断
路器の水平方向及び第２の母線側断路器の下方に第１及
び第２の主母線をそれぞれ接続することにより、高さ方
向寸法が小さく、且つ、絶縁スペーサの汚損を防止可能
な、信頼性の高いガス絶縁開閉装置を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるガス絶縁開閉装置の一実施例を示
す概略構成図。

【図２】従来のガス絶縁開閉装置の一例を示す概略構成
図。

【符号の説明】

１…遮断器 １ａ…上方端子 １ｂ…下方端子 ２…線路側機器 ６…接地開閉器（分岐母線） ７，８…母線側断路器 ９，１０…主母線 １２…変流器 ７１，８１…操作機構 ７２，８２…接点 ７３，８３…絶縁スペーサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 側面の上下に端子を有する縦置き配置の
   遮断器と、遮断器の上方端子に接続される線路側機器
   と、遮断器の下方端子に接続される第１及び第２の母線
   側断路器と、第１及び第２の主母線とを有するガス絶縁
   開閉装置において、 前記遮断器の下方端子に、下方向と水平方向に分岐を有
   する分岐母線が接続され、且つ、この分岐母線の下方向
   の分岐に、第１の母線側断路器が横置き配置で接続され
   ると共に、分岐母線の水平方向の分岐に、第２の母線側
   断路器が横置き配置で接続され、さらに、第１の母線側
   断路器の水平方向に第１の主母線が接続されると共に、
   第２の母線側断路器の下方向に第２の主母線が接続され
   たことを特徴とするガス絶縁開閉装置。