JPH0595605U - 脱水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スラリー等の注入物質の注入からスラリー・
ケーキ等の固形物の回収までの脱水処理時間の短縮を図
った脱水装置を提供する。 【構成】 複数の脱水ユニット１を備え、互いに隣接す
る脱水ユニット１の間に流し込まれた注入物質を脱水し
た後に、上記隣接する脱水ユニット１を引き離し、脱水
ユニット１間に残存する固形物を回収するようにした脱
水装置において、上記脱水ユニット１同士を所定距離引
き離した状態で連結する連結手段９，１０を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、脱水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、セメント・スラリー（以下単にスラリーという）を脱水するために図７ に示される脱水装置が使用されていた。 この脱水装置では、油圧ジャッキ７０で端部を押圧しながら複数の脱水ユニッ ト７１の間に加圧したスラリーを流し込み、脱水を行っていた。脱水されたスラ リーは、スラリー・ケーキ７３として、取り出されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、上記従来の脱水装置では、脱水後、脱水ユニット７１を１つずつスラ イド治具７２で移動させながら、スラリー・ケーキ７３を１つずつ下方に落下さ せて回収していた。

【０００４】 しかし、このようにスラリー・ケーキ７３を１つずつ落下させなければならな いために、スラリーの注入からスラリー・ケーキ７３の回収までに長時間を要す るという不都合があった。

【０００５】 したがって、本考案の目的は、スラリー等の注入物質の注入からスラリー・ケ ーキ等の固形物の回収までの脱水処理時間の短縮を図った脱水装置を提供するこ とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、請求項１に記載の本考案は、複数の脱水ユニットを備え 、互いに隣接する脱水ユニットの間に流し込まれた注入物質を脱水した後に、上 記隣接する脱水ユニットを引き離し、脱水ユニット間に残存する固形物を回収す るようにした脱水装置において、上記脱水ユニット同士を所定距離引き離した状 態で連結する手段を設けてなることを特徴とする。

【０００７】 請求項２に記載の考案は、請求項１に記載の脱水装置において、上記連結手段 が、上記脱水ユニットの側面に設けた取付ブラケットと、該取付ブラケット同士 を連結する連結チェーンよりなることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

請求項１に記載の脱水装置によれば、脱水ユニット同士を所定距離引き離した 状態で連結する手段を設けているので、全ての脱水ユニットを一度に引き離し、 残存する固形物を一度に回収することができる。

【０００９】 請求項２に記載の脱水装置によれば、上記脱水ユニットの側面に設けた取付ブ ラケットに連結チェーンを装着し、簡易かつ確実に脱水ユニット同士を所定距離 引き離した状態で連結することができる。

【００１０】

【実施例】

以下に添付図面に示した実施例を参照しながら、本考案にかかる脱水装置を説 明する。

【００１１】 まず、図１ないし図４は、本考案に係る脱水装置に使用される脱水ユニットの 実施例を説明するものである。

【００１２】 これらの各図において、１は脱水ユニットである。脱水ユニット１は、中央部 に注入されるスラリーの流入する流入孔２を備え、図２に示すようにスラリーを 保持するために両側面を凹部３としている。凹部３は、有孔鋼板４で構成されて おり、通常この表面を濾布５で覆う。６は分離した排出水の排出孔である。

【００１３】 次に、図１，図３において、７はガイドローラ、８は係合突起である。ガイド ローラ７によって、脱水ユニット１は図示しないガイドレールに沿って前後方向 にガイドされる。また、係合突起８は、スライド治具による操作を移動可能とす るためのものである。

【００１４】 さらに、図１，図３，図４において、９は取付ブラケット、図４において、１ ０は連結チェーンである。取付ブラケット９は、各脱水ユニット１の両側面に設 けられており、これら取付ブラケット９を相互に連結チェーン１０で接続する。 脱水ユニット１を引き離したときに、連結チェーン１０は、後述するスラリー・ ケーキが落下するに十分な距離が形成されるような所定の間隔ａで各脱水ユニッ ト１を連結する。

【００１５】 本実施例では、図５に示すように、上記脱水ユニット１を複数（通常１０個程 度）使用してスラリーの処理を行う。すなわち、油圧ジャッキ１１で脱水ユニッ ト１を押圧保持しながら、互いに隣接する脱水ユニット１の間に形成される空間 １２に、注入管１４より注入孔２を通して加圧スラリー１３を注入する。分離さ れた排水は、排水孔６から下方向に排出される。

【００１６】 排水の排出完了後、油圧ジャッキ１１で脱水ユニット１を引っ張り、脱水ユニ ット１同士を所定距離引き離す。ここで、連結チェーン１０があるので、全ての 脱水ユニット１が、図６に示すように、一度に連動し引き離される。したがって 残存するスラリー・ケーキ１５（固形物）を一度に回収することができる。

【００１７】 このように一度にスラリー・ケーキ１５を回収することができるので、スラリ ーの注入からスラリー・ケーキの回収に至る時間が大幅に短縮される。

【００１８】 本考案は上記実施例に限定されるものではなく、当業者にとって自明な変更・ 修飾・付加はすべて本考案の技術的思想の範囲に含まれる。例えば、上記連結手 段は、簡易な構成とするために連結チェーンを使用した機構としたが、他にもリ ンク機構で相互に脱水ユニットを連結すること等種々の変形が可能である。また 、連結機構は、脱水ユニットの片側のみに設けることもできる。また、スライド 治具を全く使用しない場合は、脱水ユニットの係合突起は不要である。さらに、 注入物質はスラリーのみならず、汚泥等の他の産業廃棄物とすることもできる。

【００１９】

【考案の効果】

上記したところから明らなように、本考案によれば、スラリー等の注入物質の 注入からスラリー・ケーキ等の固形物の回収までの脱水処理時間の短縮を図った 脱水装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる脱水装置に使用する脱水ユニッ
トの実施例を説明する正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線による断面図である。

【図３】本考案にかかる脱水装置に使用する脱水ユニッ
トの実施例を説明する側面図である。

【図４】本考案にかかる脱水装置に使用する脱水ユニッ
トを連結チェーンによって接続した状態を示す部分側面
図である。

【図５】本考案にかかる脱水装置の実施例を説明する断
面図である。

【図６】本考案にかかる脱水装置の実施例を説明する側
面図である。

【図７】従来の脱水装置を説明する側面図である。

【符号の説明】

１，７１ 脱水ユニット ２ 注入孔 ４ 有孔鋼板 ５ 濾布 ６ 排出孔 ７ ガイドローラ ９ 取付ブラケット １０ 連結チェーン １１，７０ 押圧ジャッキ １４ 注入管 １５，７３ スラリー・ケーキ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の脱水ユニットを備え、互いに隣接
   する脱水ユニットの間に流し込まれた注入物質を脱水し
   た後に、上記隣接する脱水ユニットを引き離し、脱水ユ
   ニット間に残存する固形物を回収するようにした脱水装
   置において、上記脱水ユニット同士を所定距離引き離し
   た状態で連結する連結手段を設けてなることを特徴とす
   る脱水装置。
2. 【請求項２】 上記連結手段が、上記脱水ユニットの側
   面に設けた取付ブラケットと、該当取付ブラケット同士
   を連結する連結チェーンよりなることを特徴とする請求
   項１に記載の脱水装置。