JPH059549A - 亜鉛めつき用鋼板の製造方法 - Google Patents

亜鉛めつき用鋼板の製造方法

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JPH059549A
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廣 西川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面性状の優れた亜鉛めっきの形成に有利に
適合する鋼板、特にTiを含有する鋼板を製造する方法に
ついて提案する。 【構成】 C:0.01wt%以下、Mn:0.05wt%以上及びT
i:0.005wt %以上を含有し、取鍋内におけるスラグ中
のT.Fe量を10wt%以下にかつ、鋼中のCa量を〔wt%C
a〕>12・〔wt%S〕・(〔wt%Ti〕/48+〔wt%Mn〕
/55)の範囲に調整して溶製した鋼を用いることによっ
て、主にサルファイド系介在物の生成を防止し、表面欠
陥のない美麗な亜鉛めっき面を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表面性状の優れた亜
鉛めっきの形成に有利に適合する鋼板を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍の普及に伴って、例えば自動車
の外板及び内板用材として、加工性に優れた極低炭素冷
延薄鋼板に連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)や連続
電気亜鉛めっきライン(EGL)等の設備を利用して、
表面に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板が供されてい
る。この極低炭素亜鉛めっき鋼板の課題として、亜鉛め
っき後の鋼板表面に発生する筋模様の表面欠陥(以下表
面欠陥と示す)がある。
【0003】この表面欠陥は、従来スリーバーと呼ばれ
る、スラグ、脱酸生成物又はモールドパウダー等の製鋼
時に生じる非金属介在物に起因した欠陥と異なり、亜鉛
めっき前の冷延鋼板では発見されずに亜鉛めっき後に発
見されるものである。そして表面欠陥は、C:0.01wt%
(以下単に%と示す)以下の極低炭素鋼の中でも、特に
Tiを0.005 %以上含有する鋼種に発生し易いこと、また
表面欠陥からは、上記スリーバーの原因である CaO−Al
2O3 等の酸化物はみとめられないこと、が特徴である。
【0004】表面性状の良好な亜鉛めっき鋼板を得る方
法としては、特開昭59−82151 号および同61−190024号
各公報に開示の技術が、一般に知られている。これらの
手法は、いずれも凝固組織あるいは焼鈍後の組織を制御
することにより、めっき焼け等を改善することができる
が、Tiを含有する鋼種に発生する表面欠陥は抑制できな
いところに問題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、特
にTiを含有する鋼種における表面欠陥の発生を有利に回
避し得る亜鉛めっき用鋼板の製造方法について提案する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、C:0.01%
以下、Mn:0.05%以上及びTi:0.005 %以上を含有し、
取鍋内におけるスラグ中のT.Fe量を10%以下にかつ、
鋼中のCa量を 〔%Ca〕>12・〔%S〕・(〔%Ti〕/48+〔%Mn〕/55) の範囲に調整して溶製した鋼を用いることを特徴とする
亜鉛めっき用鋼板の製造方法である。
【0007】次にこの発明を導くに到った実験結果につ
いて説明する。まず亜鉛めっき面に発生した表面欠陥部
の成分を調査したところ、一部の介在物から微量のAl及
びOが検出されたが、主成分はTi−Sとこれよりは少量
のTi−−Mn−S、すなわちサルファイド系介在物である
ことが判明した。従ってサルファイド系介在物を低減す
ることによって表面欠陥の発生を回避できるが、鋼中の
Sを低下して極低S鋼にすればよいが、コスト増をまね
く他、Sを低下することによって熱間圧延時の脱スケー
ル性が悪化し、スケール残りによる欠陥が増加する不利
が生じるため、実際的ではない。
【0008】そこでサルファイド系介在物を他の複合介
在物に変化させることを目的としてCaを添加した、表1
に示す成分組成の鋼塊を100kg 溶製し、これらを1200℃
で4時間加熱し、次いで熱間圧延にて3mm厚のコイルと
した後冷間圧延にて1.0mm 厚とし、その後焼鈍を施して
得た各コイルから10片の鋼板を採取し、さらに各片から
それぞれ5個のサンプルを採取してコイル当たり50枚の
サンプルを用意し、各サンプル表面をEPMA(Electr
on Probe Microanalyzer)にて分析した。この分析結果
を、サンプル表面の介在物の検出率として表2に示し、
また介在物と鋼組成との関係を図1に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】図1から、〔%Ca〕>12・〔%S〕・
(〔%Ti〕/48+〔%Mn〕/55)を満足する範囲でCaを
添加すると、TiS 及びTiMnS 等のサルファイド系介在物
が完全に消失することが判明した。すなわち上式を満足
する範囲のCaを鋼中に添加することにより、TiS 及びTi
MnS がCaS 又はCaTiS 系介在物に変化するわけである。
一方Ca添加量の上限は特に設けないが、Ca量の増加に伴
ってCaO 系介在物も増加し他の欠陥の原因となることも
あるため、50ppm を上限とすることが好ましい。なおCa
はCa合金の形で添加することも可能で、要は鋼中のCa量
が上式を満足すればよい。
【0012】
【作用】さてこの発明においては、C:0.01%以下、M
n:0.05%以上及びTi:0.005 %以上を含有する組成の
鋼を対象とする。ここでMn:0.05%以上及びTi:0.005
%以上としたのは、Mn及びTiの含有量がそれぞれ0.05%
及び0.005 %未満であると、表面欠陥の原因となるサル
ファイド系介在物の生成がほとんどないためである。ま
たC:0.01%以下としたのは、良好な加工性を確保する
ためである。
【0013】さらに鋼成分は、先に図1に結果を示した
実験結果から導いた式 〔%Ca〕>12・〔%S〕・(〔%Ti〕/48+〔%Mn〕/55) を満足する範囲のCaを含むことが必須であるが、表面欠
陥を完全に抑制するにはCa量に加え取鍋スラグ中のT.
Fe量も調整することが肝要である。
【0014】すなわち、加工性の付与からCを0.01%以
下に規制するに当たり、RH法またはDH法等でリムド
脱炭処理を行うが、この脱炭を容易にするため、転炉に
おいて出鋼Cを低下して未脱酸出鋼を実施するのが通例
である。この結果、取鍋スラグ中のT.Feは高くなり、
脱炭後にAlを添加すると、通常のキルド出鋼した溶鋼に
比べて、鋼中に微小なAl2O3 が多量に発生し、しかも取
鍋スラグとの酸素平衡によりAl2O3 が常に発生する。一
方表面欠陥の一因となるTiMnS 及びMnS は、微小なAl2O
3 を反応サイトとして生成することが表2のEPMA分
析により推定された。従って、Al2O3 を減少すること
が、サルファイド系介在物を減少することにもなると推
定された。
【0015】そこで取鍋スラグ中のT.Feと表面欠陥発
生率との関係を調べた。すなわち表3に示す2鋼種か
ら、それぞれ図1に結果を示した実験と同様に製造した
コイルについて、その亜鉛めっき後の片面の表面欠陥数
を調べ、この欠陥数をコイル長で除して百分率で表した
ものを単位長さ当たりの表面欠陥発生率とし、この表面
欠陥発生率と取鍋スラグ中のT.Feとの関係を図2に示
した。
【0016】
【表3】
【0017】同図から、取鍋スラグ中のT.Feが増加す
ると表面欠陥発生率も増加することがわかる。しかし鋼
中のCa量を上記した式を満足する範囲に調整した鋼種I
においては、T.Feを10%以下に規制することによっ
て、表面欠陥の発生が抑えられた。従って鋼中のCa量を
上記式の範囲に調整した上で、T.Feを10%以下に規制
すれば、表面欠陥の全くない亜鉛めっき鋼板を得ること
ができるわけである。
【0018】ちなみに含Ti鋼へのCa添加については、ノ
ズル詰まりの防止を目的とした特公昭63−41671 号公報
に開示の技術があるが、この溶製法においてはキルド出
鋼を行ったとしてもスラグ中のT.Feは10%以上になる
ため、表面欠陥の発生を十分に抑制することは難しい。
またCa量も0.001 〜0.0047%の範囲であるため、例えば
上記した式が 0.001以上ではCaが不足することがあり、
表面欠陥を皆無にできない。
【0019】ここでT.Feを10%以下に規制するには、
スラグ除去後に新たに造滓剤を添加してT.Feを希釈す
るか、又はスラグ上にAlなどの還元剤を添加してFeOを
還元する、等の手法が適合する。
【0020】
【実施例】230 トン底吹転炉で吹練して得た未脱酸溶鋼
を取鍋に出鋼後、この取鍋内にAlを添加してからArガス
によるバブリングを実施し、取鍋内スラグ中のT.Feは
10%以下とした。その後、RH法による脱炭処理を行っ
てCを0.003 %以下とし、引続きAlを添加して脱酸処理
を行ってから取鍋内にCa−Al合金ワイヤーを装入し、次
いで連続鋳造によって18トンのスラブを鋳造した。さら
にこのスラブに熱間圧延、次いで冷間圧延を施して0.8
mm厚の冷延板とし、連続溶融めっきラインにて 800 ℃
(ラインスピード50m/分)で連続的に焼鈍を実施し、
片面目付量50g/m2の亜鉛めっきを板両面に施した。な
お、溶鋼成分及び取鍋内スラグ中のT.Feは、表4に示
す通りである。
【0021】
【表4】
【0022】かくして得たコイル表面の表面欠陥につい
て調べた結果を図3に示すように、この発明に従う条件
で製造した鋼板は、表面欠陥の発生が皆無であった。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、Tiを含有する鋼種に
おいても表面欠陥のない美麗な亜鉛めっき面を得ること
ができ、亜鉛めっきに最適の含Ti鋼板を提供し得る。ま
たCaの含有によって、例えば連続鋳造における、Al2O3
やTiO2等の介在物によるイマージョンノズル詰まりを解
消でき、安定した鋳造の実現に加え、イマージョンノズ
ルへの吹込みガスをArからN2 に変更することも可能で
ある。また、CaS系介在物は、鉄の溶解反応に触媒的に
作用し、めっき前の酸洗クリーングの硬化を促進させ、
めっきの付着を良くする。また、めっき後の化成処理性
も同様のメカニズムで向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼組成と介在物との関係を示すグラフである。
【図2】取鍋内スラグ中のT.Feと表面欠陥との関係を
示すグラフである。
【図3】鋼中Ca量と表面欠陥との関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 C:0.01wt%以下、Mn:0.05wt%以上及
    びTi:0.005wt %以上を含有し、取鍋内におけるスラグ
    中のT.Fe量を10wt%以下にかつ、鋼中のCa量を 〔wt%Ca〕>12・〔wt%S〕・(〔wt%Ti〕/48+〔wt%Mn〕/55) の範囲に調整して溶製した鋼を用いることを特徴とする
    亜鉛めっき用鋼板の製造方法。
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