JP3410069B2 - 極低炭素鋼板 - Google Patents

極低炭素鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極低炭素鋼板に関し、
とくに、表面性状の優れた亜鉛めっき鋼板の製造に好適
な極低炭素鋼板を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】連続焼鈍の普及に伴って、例えば自動車
の外板用材及び内板用材として、加工性に優れた極低炭
素冷延薄鋼板を、連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)
や連続電気亜鉛めっきライン(EGL)等の設備を利用
して、その表面に亜鉛めっきを施した亜鉛めっき鋼板が
供されている。この極低炭素亜鉛めっき鋼板の課題とし
て、亜鉛めっき後の鋼板表面に発生する筋模様のめっき
欠陥(以下、単に「表面欠陥」という)がある。
【0003】この表面欠陥は、従来スリーバーと呼ばれ
る、スラグ、脱酸生成物又はモールドパウダー等の製鋼
時に生じる非金属介在物に起因した欠陥と異なり、亜鉛
めっき前の冷延鋼板では発見されず、亜鉛めっき後に発
見されるものである。そして、この表面欠陥は、C:0.
01wt%以下の極低炭素鋼の中でも、特にTiを0.005 wt%
以上含有する鋼種に発生し易いこと、また表面欠陥から
は、上記スリーバーの原因である CaO−AlO等の酸
化物はみとめられないこと、が特徴である。
【0004】表面性状の良好な亜鉛めっき鋼板を得る方
法としては、特開昭59−82151 号および同61−190024号
各公報に開示の技術が、一般に知られている。これらの
手法は、いずれも凝固組織あるいは焼鈍後の組織を制御
することにより、めっき焼け等を改善することができる
が、Tiを含有する鋼種に発生する表面欠陥は抑制できな
いところに問題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、Tiを含有する鋼板における表面欠陥の発生を有利に
回避し得る極低炭素鋼板を提供しようとするものであ
る。
【0006】上記の目的を実現するものとして開発した
本発明は、C:0.01wt%以下、Mn:0.05wt%以上、Al:
0.04wt%以下、Ti:0.005wt%以上、S:0.004wt%以
上、下記式を満足するCaを50ppmを上限として含有し、
残部が不可避的不純物および鉄からなり、かつTiS、Ti
MnSおよびMnSからなる非金属介在物を実質的に含有し
ないことを特徴とする極低炭素鋼板である。 記 〔wt%Ca〕>12・〔wt%S〕・(〔wt%Ti〕/48+〔wt
%Mn〕/55) なお、本発明において、鋼板中に含有する非金属介在物
としては、CaS,CaTiSの形態をとる硫化物系の非金属
介在物を含有することが好ましい。
【0007】以下、亜鉛めっき鋼板に供するための極低
炭素鋼板を製造する例につき、まず極低炭素鋼を溶製
し、次いで極低炭素鋼板を製造し、さらに亜鉛めっき鋼
板を得るに至るまでを順次に説明して、本発明の構成の
詳細を明らかにする。さて、発明者らは、亜鉛めっき面
に発生した表面欠陥部分の成分を調査した。その結果、
かかる表面欠陥の一部の介在物からは、微量のAlおよび
Oが検出されたが、主成分はTi−Sとこれよりは少量の
Ti−Mn−S、すなわちサルファイド系介在物であること
が判明した。従って、上記表面欠陥は、サルファイド系
介在物を低減することによって効果的に防止できるはず
であり、そのためには、鋼中のSを低下して極低S鋼に
すればよい。しかし、このような方法ではコスト増をま
ねく他、Sを低下することによって熱間圧延時の脱スケ
ール性が悪化し、スケール残りによる欠陥が増加する不
利が生じるため、実際的ではない。
【0008】そこで、発明者らは、サルファイド系介在
物を他の複合介在物に変化させることを試みた。即ち、
Caを添加した、表1に示す成分組成の鋼塊を100 kg溶製
し、これらを1200℃で4時間加熱し、次いで、熱間圧延
して3mm厚のコイルとした後、冷間圧延して1.0 mm厚の
冷延板とし、その後、この冷延板を焼鈍に供した。この
ようにして得られた各コイルから10片の鋼板を採取
し、さらに各片からそれぞれ5個のサンプルを採取して
コイル当たり50枚のサンプルを用意し、各サンプル表
面をEPMA (Electron Probe Microanalyzer) にて分
析した。その分析結果を、サンプル表面の介在物の検出
率として表2に示し、また、介在物と鋼組成との関係を
図1に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】図1から、〔wt%Ca〕>12・〔wt%S〕・
(〔wt%Ti〕/48+〔wt%Mn〕/55)を満足する範囲で
Caを添加すると、TiS 及びTiMnS 等のサルファイド系介
在物が完全に消失することが判明した。すなわち上式を
満足する範囲のCaを鋼中に添加含有させることにより、
TiS 及びTiMnS が、CaS 又はCaTiS 系介在物に変化する
わけである。一方、Ca添加量の上限は特に設けないが、
Ca量の増加に伴ってCaO 系介在物も増加し他の欠陥の原
因となることもあるため、50ppm を上限とすることが好
ましい。なお、CaはCa合金の形で添加することも可能
で、要は鋼中のCa量が上式を満足すればよいことがわか
る。
【0012】さて、この発明において極低炭素鋼という
ときは、C:0.01wt%以下、Mn:0.05wt%以上及びTi:
0.005 wt%以上を含有する組成の鋼を対象とする。ここ
で、Mn:0.05wt%以上及びTi:0.005 wt%以上としたの
は、Mn及びTiの含有量がそれぞれ0.05wt%及び0.005 wt
%未満だと、表面欠陥の原因となるサルファイド系介在
物の生成がほとんどなくなるためである。また、C:0.
01wt%以下としたのは、良好な加工性を確保するためで
ある。
【0013】さらに鋼成分は、先に図1に結果を示した
実験結果から導いた式 〔wt%Ca〕>12・〔wt%S〕・(〔wt%Ti〕/48+〔wt
%Mn〕/55) を満足する範囲のCaを含むことが必須となるが、表面欠
陥を完全に抑制するにはCa量に加え取鍋スラグ中のT.
Fe量も調整することが肝要である。
【0014】すなわち、加工性の付与という観点から、
Cは0.01wt%以下に規制される。そのために、このよう
な鋼を工業的に生産する方法としては、RH法またはD
H法等の真空脱ガス精錬装置にてリムド脱炭処理を行う
が、この脱炭を容易にするため、転炉において出鋼Cを
低下して未脱酸出鋼を実施する。その結果、取鍋スラグ
中のT.Feは高くなり、脱炭後にAlを添加すると、通常
のキルド出鋼した溶鋼に比べて、鋼中に微小なAlO
が多量に発生し、しかも取鍋スラグとの酸素平衡により
AlOが常に発生する。一方、表面欠陥の一因となるT
iMnS 及びMnSは、微小なAlOを反応サイトとして生
成することが表2のEPMA分析により推定された。従
って、AlOを減少することが、サルファイド系介在
物を減少することにもなると推定された。
【0015】そこで取鍋スラグ中のT.Feと表面欠陥発
生率との関係を調べた。すなわち、表3に示す2鋼種か
ら、それぞれ図1に結果を示した実験と同様に製造した
コイルについて、その亜鉛めっき後の片面の表面欠陥数
を調べ、この欠陥数をコイル長で除して百分率で表した
ものを単位長さ当たりの表面欠陥発生率とし、この表面
欠陥発生率と取鍋スラグ中のT.Feとの関係を図2に示
した。
【0016】
【表3】
【0017】同図から、取鍋スラグ中のT.Feが増加す
ると表面欠陥発生率も増加することがわかる。しかし、
鋼中のCa量を、上記した式を満足する範囲に調整した鋼
種Iにおいては、T.Feを10wt%以下に規制することに
よって、表面欠陥の発生が抑えられた。従って、鋼中の
Ca量を上記式の範囲に調整した上で、T.Feを10wt%以
下に規制すれば、表面欠陥の全くない亜鉛めっき鋼板の
製造に適した本発明にかかる極低炭素鋼板を得ることが
できるわけである。
【0018】ちなみに、含Ti鋼へのCa添加については、
ノズル詰まりの防止を目的とした特公昭63−41671 号公
報に開示の技術があるが、この溶製法においては、キル
ド出鋼を行ったとしてもスラグ中のT.Feは10wt%以上
になるため、表面欠陥の発生を十分に抑制することは難
しい。また、Ca量も0.001 〜0.0047wt%の範囲であるた
め、例えば上記した式が 0.001以上ではCaが不足するこ
とがあり、表面欠陥を皆無にできない。
【0019】ここでT.Feを10wt%以下に規制するに
は、スラグ除去後に新たに造滓剤を添加してT.Feを希
釈するか、又はスラグ上にAlなどの還元剤を添加してFe
Oを還元する、等の手法が適合する。
【0020】
【実施例】230 トン底吹転炉で吹練して得た未脱酸溶鋼
を取鍋に出鋼後、この取鍋内にAlを添加してからArガス
によるバブリングを実施し、取鍋内スラグ中のT.Feは
10wt%以下とした。その後、RH法による脱炭処理を行
ってCを0.003 wt%以下とし、引続きAlを添加して脱酸
処理を行ってから取鍋内にCa−Al合金ワイヤーを装入
し、次いで連続鋳造によって18トンのスラブを鋳造し
た。さらにこのスラブに熱間圧延、次いで冷間圧延を施
して0.8mm厚の冷延板とし、連続溶融めっきラインにて
800 ℃ (ラインスピード50m/分)で連続的に焼鈍を
実施した。その後、得られた鋼板の表面に、片面目付量
50g/mの亜鉛めっきを板の両面に施した。なお、溶
鋼成分及び取鍋内スラグ中のT.Feは、表4に示す通り
である。
【0021】
【表4】
【0022】かくして得たコイル表面の表面欠陥につい
て調べた結果を図3に示すように、この発明に従う条件
で製造した鋼板は、表面欠陥の発生が皆無であった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、Tiを含有する鋼種においても表面欠陥のない美麗な
亜鉛めっき面を得ることができ、亜鉛めっきに最適の含
Ti鋼板を提供し得る。また、CaS系介在物は、鉄の溶解
反応に触媒的に作用し、めっき前の酸洗クリーニングの
効果を促進させ、めっきの付着を良くする。また、めっ
き後の化成処理性も同様のメカニズムで向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼組成と介在物との関係を示すグラフである。
【図2】取鍋内スラグ中のT.Feと表面欠陥との関係を
示すグラフである。
【図3】鋼中Ca量と表面欠陥との関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−195222(JP,A) 特開 昭63−195223(JP,A) 特開 昭63−195226(JP,A) 特開 昭63−195228(JP,A) 特開 昭61−276951(JP,A) 特開 昭62−207828(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01wt%以下、Mn:0.05wt%以上、A
    l:0.04wt%以下、Ti:0.005wt%以上、S:0.004wt%
    以上、下記式を満足するCaを50ppmを上限として含有
    し、残部が不可避的不純物および鉄からなることを特徴
    とする極低炭素鋼板。 記 〔wt%Ca〕>12・〔wt%S〕・(〔wt%Ti〕/48+〔wt
    %Mn〕/55)
  2. 【請求項2】鋼板中には、非金属介在物として、CaS,
    CaTiSの形態をとる硫化物系の非金属介在物を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の極低炭素鋼板。
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