JPH059497Y2 - - Google Patents

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JPH059497Y2
JPH059497Y2 JP1987136617U JP13661787U JPH059497Y2 JP H059497 Y2 JPH059497 Y2 JP H059497Y2 JP 1987136617 U JP1987136617 U JP 1987136617U JP 13661787 U JP13661787 U JP 13661787U JP H059497 Y2 JPH059497 Y2 JP H059497Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば電子制御式燃料噴射装置等に
好適に用いられるフユーエルインジエクタに関
し、特に、ニードル弁の開弁時等の応答性を向上
できるようにしたフユーエルインジエクタに関す
る。
〔従来の技術〕
第4図および第5図に従来技術のフユーエルイ
ンジエクタを示す。
図において、1は段付筒状に形成されたインジ
エクタ本体(以下、本体1という)、2は該本体
1の先端側に設けられた段付筒状の噴射ノズルを
示し、該噴射ノズル2の先端側内周には弁座2A
が形成され、該弁座2Aには後述のニードル弁4
が離着座するようになつている。また、該噴射ノ
ズル2の基端には略U字形またはC字形の板材に
よつて形成されたストツパ3が本体1の段部1A
との間に位置して設けられ、該ストツパ3はニー
ドル弁4の開弁位置を規制するようになつてい
る。
4は噴射ノズル2内に軸方向に可動に設けられ
たニードル弁を示し、該ニードル弁4の基端側は
本体1の段部1A内へと伸長し、後述のアンカー
9と一体的に変位するように該アンカー9に固着
されている。そして、該ニードル弁4の先端側は
噴射ノズル2との間に燃料通路5を確保した状態
で該噴射ノズル2内を伸長し、その先端は弁座2
Aに離着座して、噴射ノズル2の開閉を行なうよ
うになつている。また、該ニードル弁4の軸方向
中間部には環状の突起4Aが形成され、該突起4
Aはニードル弁4の開弁時にストツパ3と当接し
て、開弁位置の規制を行なうようになつている。
6は本体1内に軸方向に伸長して設けられた筒
状のコア部材を示し、該コア部材6は電磁ステン
レス鋼等の磁性材料によつて段付筒状に形成さ
れ、基端側に位置し、本体1から図中上向きに突
出した突出部6Aと、軸方向中間部に位置し、本
体1の基端側を施蓋すべく、該本体1の基端側に
カシメ等の手段で固着されたフランジ部6Bと、
該フランジ部6Bから図中下向きに伸長し、先端
側内周に拡径穴6Cが形成されたコア部6Dとか
ら大略構成されている。そして、該コア部6Dの
外周には電磁コイル7が巻回されたコイルボビン
8が本体1との間に位置して設けられ、これらは
アンカー9を図中上向きに吸引してニードル弁4
を開弁させる電磁アクチユエータを構成してい
る。
9はコア部材6とニードル弁4との間に位置し
て本体1内に可動に配設されたアンカーを示し、
該アンカー9はコア部材6と同様の磁性材料によ
つて有蓋筒状に形成され、その先端部(下端側)
内周にはニードル弁4の基端側がカシメ等の手段
を用いて固着されている。そして、該アンカー9
の基端側端面はコア部6Dの先端面と所定寸法の
隙間を介して対面し、該コア部6Dからの磁力に
よつて図中上向きに吸引されるようになつてい
る。また、該アンカー9の外周側にはコイルボビ
ン8、本体1の段部1Aとの間に小さな隙間が形
成され、後述の燃料パイプ10からの燃料はこの
隙間を介して前記燃料通路5内へと流通するよう
になつている。
10はコア部材6内に軸方向に嵌挿して固着さ
れた燃料パイプ、11は該燃料パイプ10の先端
とアンカー9の端面との間に配設された弁ばねを
示し、該弁ばね11はコア部材6の拡径穴6C内
を第5図中にも示す如く軸方向に伸長し、第6図
に例示するように倒れ等が発生したときに、コア
部6Dの内周面に干渉して摩耗したり、ばね荷重
が変化したりするのを拡径穴6Cによつて防止さ
れるようになつている。そして、該弁ばね11は
アンカー9を図中下向きに押圧することによつ
て、ニードル弁4を常時閉弁方向に付勢してい
る。ここで該弁ばね11のばね荷重は燃料パイプ
10によつて調整され、該燃料パイプ10はばね
荷重の調整後にカシメ等の手段でコア部材6に固
着されている。
12はコア部材6の突出部6Aに接続された燃
料ホースを示し、該ホース12は燃料ポンプ(図
示せず)から圧送される燃料をフイルタ13を介
して燃料パイプ10内等に供給するようになつて
いる。さらに、14は本体1の基端側に位置して
突出部6A外周に一体化されたコネクタを示し、
該コネクタ14は電磁コイル7に外部から給電を
行ない、コア部6Dの先端面側に磁力を発生させ
るようになつている。
従来技術のフユーエルインジエクタは上述の如
き構成を有するもので、燃料ポンプからの燃料は
燃料ホース12、燃料パイプ10等を介して本体
1内へと所定の燃圧をもつて供給され、アンカー
9とコイルボビン8、本体1の段部1Aとの間の
隙間を通つて燃料通路5内へと達する。そして、
外部からの噴射信号によつてコネクタ14を介し
て電磁コイル7に給電を行なうと、コア部材6が
励磁され、コア部6Dの先端面側にアンカー9を
弁ばね11に抗して吸引し、ニードル弁4を開弁
させ、噴射ノズル2の先端から外部に向けて燃料
が噴射される。そして、前記給電の停止時には弁
ばね11によつてアンカー9が押圧され、ニード
ル弁4は弁座2Aに着座して、燃料の噴射を停止
させる。
〔考案が解決しようとする問題点〕
ところで、上述した従来技術では、コア部材6
のコア部6Dに先端側内周に位置して拡径穴6C
を形成しているから、該拡径穴6Cによつてコア
部6D先端6D1の有効断面積が減少し、磁気抵
抗が大きくなつて、アンカー9に対するコア部6
Dの磁力が低下してしまい、ニードル弁4の開弁
時における応答性が悪くなるという欠点がある。
一方、第6図に示す他の従来技術では、拡径穴
6C(第5図参照)を省略して、コア部6D先端
6D1の有効断面積を増加させるようにしている
ものの、この場合には弁ばね11に倒れ等が発生
したときに、該弁ばね11がコア部6Dの先端側
内周6D2に干渉し、例えば800時間程度の耐久試
験で弁ばね11は摩耗してしまい、ばね荷重が小
さくなつて、閉弁時の応答性等が悪くなるという
欠点がある。
本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、本考案は弁ばねをアンカー内に収容す
ることによつて、ニードル弁の開、閉弁時におけ
る応答性を確実に向上できるようにしたフユーエ
ルインジエクタを提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上述した問題点を解決するために本考案は、イ
ンジエクタ本体と、該インジエクタ本体の先端側
に設けられた噴射ノズルと、該噴射ノズル内に軸
方向に可動に設けられ、先端側で該噴射ノズルを
開閉するニードル弁と、前記インジエクタ本体内
に軸方向に伸長して設けられ、外周側に電磁コイ
ルが巻回された筒状のコア部材と、該コア部材と
前記ニードル弁との間に位置して前記インジエク
タ本体内に可動に配設され、基端側が該コア部材
の先端面と吸引可能に対面し、先端側内周が前記
ニードル弁の基端側に燃料通路を確保した状態で
固着された筒状のアンカーと、前記コア部材内に
軸方向に嵌挿して固着され、先端側が該アンカー
の基端側内周まで伸長した燃料パイプと、前記ア
ンカー内に位置して該燃料パイプの先端と前記ニ
ードル弁の基端との間に配設され、該ニードル弁
を常時閉弁方向に付勢した弁ばねとから構成し、
前記アンカーの内周側には、先端側がニードル弁
の基端側に固着され、前記弁ばねを収容すべく該
弁ばねの外径よりも大径に形成された大径穴部
と、該大径穴部よりも基端側に位置して該大径穴
部よりも小径に形成され、前記燃料パイプの先端
側が挿入された小径穴部とを設け、前記ニードル
弁の基端面側には、前記弁ばねの先端側に係合し
て該弁ばねの該大径穴部内での径方向の倒れを抑
制する座面を形成してなる構成を採用している。
〔作用〕
弁ばねをアンカー内に配設するようにしたか
ら、コア部材の先端側内周に拡径穴等を形成する
必要がなくなり、該コア部材先端側の磁気抵抗を
小さくして磁力を大ならしめ、アンカーに対する
吸引力を高められると共に、前記弁ばねはアンカ
ーの内周側の大径穴部によつて該アンカーへの干
渉が防止され、ニードル弁の基端面側に形成され
た座面によつて径方向の位置ずれが防止される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図ないし第3図に
基づいて説明する。なお、実施例では前述した第
4図に示す従来技術と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、21は噴射ノズル2内に軸方向に可動に
設けられたニードル弁を示し、該ニードル弁21
は従来技術で述べたニードル弁4とほぼ同様に形
成され、軸方向中間部にはストツパ3と当接する
環状の突起21Aが形成されている。然るに、該
ニードル弁21には本体1の段部1A内へと伸長
する基端側21Bの外周に両面取り加工等によつ
て平面部21C,21Cが形成され(第3図参
照)、基端側21Bの端面には後述の弁ばね27
と係合する座面22が円形に凹設されている(第
2図参照)。
23は本体1内に軸方向に伸長して設けられた
筒状のコア部材を示し、該コア部材23は従来技
術で述べたコア部材6とほぼ同様に、突出部23
A、フランジ部23Bおよびコア部23Cとから
構成されているものの、拡径穴6Cに対応する部
分が省略され、コア部23C先端23C1の有効
断面積を増加させるようになつている。そして、
該コア部23Cは外周側にコイルボビン8を介し
て巻回された電磁コイル7によつて磁界が形成さ
れ、磁気抵抗を小さくした状態で、アンカー24
に対して強い吸引力(磁力)を作用させうるよう
になつている。
24はコア部材23とニードル弁21との間に
位置して本体1内に可動に配設されたアンカーを
示し、該アンカー24は電磁ステンレス鋼等の磁
性材料によつて筒状に形成され、その内周側は、
後述の弁ばね27を収容すべく長尺に形成された
大径穴部24Aと、該大径穴部24Aの上側に位
置する短尺の小径穴部24Bとからなり、前記大
径穴部24Aの内径寸法は伸、縮する弁ばね27
が干渉しないように十分に大きく設定されてい
る。そして、該アンカー24の基端側端面(上端
面)は小径穴部24Bによつてコア部23Cと同
様大きな有効断面積を有し、コア部23Cに吸引
されるべく、該コア部23Cの先端23C1と所
定寸法離間して対面している。また、該アンカー
24の先端(下端)側には大径穴部24A内に位
置して、ニードル弁21の基端側21Bがカシメ
等の手段で固着され、該アンカー24はニードル
弁21と一体化されている。そして、該アンカー
24の大径穴部24Aとニードル弁21の各平面
部21Cとの間には第3図に示す如く燃料通路2
5,25が形成され、該各燃料通路25は後述す
る燃料パイプ26からの燃料をアンカー24内を
介して燃料通路5側へと流通させるようになつて
いる。
26はコア部材23内に嵌挿して固着された燃
料パイプを示し、該燃料パイプ26は従来技術で
述べた燃料パイプ10と比較して長尺に形成さ
れ、その先端側はアンカー24の小径穴部24B
内へと挿入されている。そして、該燃料パイプ2
6の先端には外周側にテーパ状の面取り部26A
が形成され、該面取り部26Aには弁ばね27の
基端側が係合するようになつている。さらに、2
7はアンカー24の大径穴部24A内に位置し
て、燃料パイプ26の先端側とニードル弁21の
基端側との間に配設された弁ばねを示し、該弁ば
ね27の基端側および先端側は、それぞれ燃料パ
イプ26の面取り部26Aおよびニードル弁21
の座面22に係合状態で支持され、これによつて
径方向に位置決めされている。そして、該弁ばね
27は、前記燃料パイプ26によつて所定のばね
荷重が与えられてニードル弁21を常時閉弁方向
に付勢するようになつている。
本実施例によるフユーエルインジエクタは上述
の如き構成を有するもので、その基本的作動につ
いては従来技術によるものと格別差異はない。
然るに本実施例では、アンカー24を筒状に形
成して、大径穴部24Aと小径穴部24Bとを設
け、大径穴部24Aの先端側に固着したニードル
弁21の基端側21B端面に座面22を形成する
と共に、燃料パイプ26の先端側を小径穴部24
B内へと伸長させて、該燃料パイプ26の面取り
部26Aとニードル弁21の座面22との間でア
ンカー24の大径穴部24A内に弁ばね27を収
容する構成としたから、コア部材23のコア部2
3C先端側に従来技術で述べたコア部6Dの如く
拡径穴6Cを形成する必要がなくなり、コア部2
3C先端23C1の有効面積を大きくできると共
に、アンカー24の小径穴部24B側でアンカー
24の肉厚を大きくすることができ、該アンカー
24とコア部材23のコア部23Cとの間の磁気
抵抗を小さくしてアンカー24に大きな吸引力
(磁力)を作用させることができ、ニードル弁2
1の開弁時の応答性を確実に向上できる。
また、弁ばね27は、アンカー24の大径穴部
24A内に収容されると共に、その基端側および
先端側が燃料パイプ26の面取り部26Aおよび
ニードル弁21の座面22によつて径方向に支持
されているから、第6図に示す従来技術で述べた
弁ばね11の如く、倒れ等が生じるのを確実に防
止することができる上に、該弁ばね27がアンカ
ー24の内周面に干渉するのを防止することがで
き、該弁ばね27の摩耗や損傷等を防止してニー
ドル弁21の閉弁時の応答性を確実に向上するこ
とができる。
さらに、ニードル弁21の基端側21B外周に
は各平面部21Cを設け、該各平面部21Cとア
ンカー24の大径穴部24Aとの間には各燃料通
路25を形成したから、燃料パイプ26からアン
カー24内へと流入してきた燃料を各燃料通路2
5を介してニードル弁21と噴射ノズル2との間
の燃料通路5内へとスムーズに流動させることが
でき、噴射ノズル2の先端から燃料を良好に噴射
させることができる。
また、アンカー24を大径穴部24A、小径穴
部24Bの穿設によつて軽量化できる上に、ニー
ドル弁21も各平面部21C、座面22の形成に
よつて軽量化でき、これによつても開、閉弁時の
応答性をさらに向上させることができる。
〔考案の効果〕
以上詳述した通り、本考案によれば、燃料パイ
プの先端側をアンカーの小径穴部内まで伸長さ
せ、弁ばねを該アンカーの大径穴部内に位置し
て、燃料パイプの先端とニードル弁の基端側に凹
設された座面との間に配設する構成としているか
ら、コア部材の先端側内周に拡径穴等を形成する
必要がなくなり、該コア部材の先端側とアンカー
との間の磁気抵抗を小さくして該コア部材による
磁力を大ならしめ、アンカーに対する吸引力を高
めることができ、ニードル弁の開弁時の応答性を
向上することができる上に、前記弁ばねが倒れや
たわみによつてアンカーの内周面に干渉して早期
のうちに摩耗を生じるのを防止でき、ニードル弁
の閉弁時の応答性をも向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本考案の実施例を示し、
第1図はインジエクタの縦断面図、第2図は第1
図中の要部を拡大して示す断面図、第3図は第2
図中の−矢示方向断面図、第4図および第5
図は従来技術を示し、第4図はインジエクタの縦
断面図、第5図は第4図中の要部拡大断面図、第
6図は他の従来技術を示す第5図と同様の断面図
である。 1……インジエクタ本体、2……噴射ノズル、
5,25……燃料通路、7……電磁コイル、8…
…コイルボビン、21……ニードル弁、21C…
…平面部、22……座面、23……コア部材、2
3C……コア部、24……アンカー、24A……
大径穴部、24B……小径穴部、26……燃料パ
イプ、27……弁ばね。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. インジエクタ本体と、該インジエクタ本体の先
    端側に設けられた噴射ノズルと、該噴射ノズル内
    に軸方向に可動に設けられ、先端側で該噴射ノズ
    ルを開閉するニードル弁と、前記インジエクタ本
    体内に軸方向に伸長して設けられ、外周側に電磁
    コイルが巻回された筒状のコア部材と、該コア部
    材と前記ニードル弁との間に位置して前記インジ
    エクタ本体内に可動に配設され、基端側が該コア
    部材の先端側と吸引可能に対面し、先端側内周が
    前記ニードル弁の基端側に燃料通路を確保した状
    態で固着された筒状のアンカーと、前記コア部材
    内に軸方向に嵌挿して固着され、先端側が該アン
    カーの基端側内周まで伸長した燃料パイプと、前
    記アンカー内に位置して該燃料パイプの先端と前
    記ニードル弁の基端との間に配設され、該ニード
    ル弁を常時閉弁方向に付勢した弁ばねとから構成
    し、前記アンカーの内周側には、先端側がニード
    ル弁の基端側に固着され、前記弁ばねを収容すべ
    く該弁ばねの外径よりも大径に形成された大径穴
    部と、該大径穴部よりも基端側に位置して該大径
    穴部よりも小径に形成され、前記燃料パイプの先
    端側が挿入された小径穴部とを設け、前記ニード
    ル弁の基端面側には、前記弁ばねの先端側に係合
    して該弁ばねの該大径穴部内での径方向の倒れを
    抑制する座面を形成してなるフユーエルインジエ
    クタ。
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