JPH0594079U - 履帯緊張装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 装軌式車両の足回り装置において、スプロケ
ット又はアイドラとキャリアローラ間の履帯のばたつき
によってスプロケット及びアイドラが履帯でたたかれて
発生する騒音を低減する。 【構成】 装軌車両のトラックフレーム８の上面に付着
したブラケット９に巻装されたピン７を支点として揺動
し、左右にアームを形成したキャリアローラサポート５
の一方のアームの端部に、履帯の上部を担持するキャリ
アローラ４を回転自在に装着するとともに、他方のアー
ムへ形成したプレート５ａとんブラケット９間に、キャ
リアローラ４が上方へ移動する方向に弾性的に付設する
弾性対組立品１３を介設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

装軌式車両の走行装置を構成する履帯緊張装置のキャリアローラ部における懸 架構造に関する。

【０００２】 図４は、装軌式車両の一般的な履帯緊張装置の側面図である。 トラックフレーム８の前方に配設したアイドラ１と後方に配設したスプロケッ ト２の間に、履帯３が巻装されている。 ここで、履帯３の上部は、トラックフレーム８の上面に付設された回転自在の キャリアローラ４によって懸架され、また、履帯３の下部は、トラックフレーム ８の下部に付設された複数の回転自在なトラックローラ１４によって懸架されて いる。 かかる履帯緊張装置では、図におけるスプロケット２を左又は右回転させると 、スプロケット２の歯部に係合する履帯３が前方又は後方へ移動することによっ て、車両が前進あるいは後進を行う。

【０００３】 次に、図５は、履帯緊張装置の騒音低減に係る先行技術の一例におけるスプロ ケット要部の側面図である。 ここで図のＡ部は、ツース１５をスプロケット１６に結合した状態、また、Ｂ 部は、分解した状態を示している。 図示しない履帯と係合するツース１５には、凸部１５ａとピン穴１５ｂが形設 されている。また、スプロケット１６の外周部には、凹部１６ａと、外周部がゴ ム等の騒音低減材料で作製されたブッシング１７を嵌合するブッシング穴１６ｂ が形設してある。 これらの部品を結合するには、ツース１５の凸部１５ａとスプロケット１６の 凹部１６ａの間に非金属材料製のインサート１８を挟設した上で、両部品を結合 し、ピン１９を挿入して固定する。

【０００４】 また、図６は、アイドラ部の騒音低減に係る先行技術の一例を示す断面図であ る。 アイドラ２０の外周部には、左右対称位置にＵ字形のみぞ２０ａが形設してあ る。このみぞ２０ａに被装したゴム製のリング２１の上から円周方向に複数個に 分割したセグメント２２を環装し、さらにその外周部へ円周方向に複数個に分割 したクランプ２３を環装し、ボルト２４でアイドラに固定している。 ここで、セグメント２２の内周部は、アイドラ２０及びリング２１で形成され るＵ字形のみぞと係合する凸状断面となっているため、セグメント２２の左右方 向へのずれが防止される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

かかる一般的な従来構造の履帯緊張装置では、走行状態でスプロケット又はア イドラとキャリアローラ間の履帯のばたつきによってスプロケット及びアイドラ が履帯でたたかれ、騒音が発生するという不具合がある。 また、これを改善するために、スプロケット及びアイドラが部にゴム等の騒音 低減材料を装入する構造では、履帯緊張装置の騒音は低減するが、ゴム等の劣化 によって、比較的短期間にこれらの部品の交換が必要となるため、保守費が増加 する。 本考案は、かかる課題を解決することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案では、装軌式車両の履帯緊張装置において、 トラックフレームの前方に配設したアイドラと後方に配設したスプロケットの間 に巻装され、上部のキャリアローラと下部のトラックローラで懸架された履帯を 備えた装軌式車両の履帯緊張装置において、トラックフレーム上面に固着したブ ラケットに水平方向に装着されたピンを支点として揺動する、左右のアームより 成るキャリアローラサポートと、該キャリアローラサポートの一方のアーム端部 に回転自在に装着された、履帯の上部を担持するキャリアローラと、他方のアー ム端部と前記トラックフレームとの間に介設された、前記キャリアローラを上方 に回動するように付勢する弾性体からなる。

【０００７】

【作用】

上記構造によれば、弾性体の付勢力によってキャリアローラには常時上向きの 力が作用し履帯のたるみを防止するため、キャリアローラとスプロケット及びア イドラ間の履帯のばた付きが減少する。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案を図に示す実施例によって説明する。 図１は、本考案に係る履帯緊張装置要部の側面図、図２は、図１におけるキャ リアローラ部分の平面図、また、図３は図１のＰ部の拡大断面図である。 ここで、図示しないアイドラとスプロケット２の間に巻装した履帯３の上部を 担持するキャリアローラ４は、左右にアームを形成したキャリアローラサポート ５の一方のアームの端部にシャフト６によって回転自在に装着されている。 キャリアローラサポート５は、ピン７によってトラックフレーム８の上面に付設 したブラケット９にピン７を支点として揺動可能に装着されている。 また、ボックス１０、スプリング１１及びプシュロッド１２で構成されるスプ リング組立品１３のボックス１０は、ブラケット９に固設されている。 一方プッシュロッド１２の端部１２ａは、キャリアローラサポート５の他方の アームを構成するプレート５ａに前記スプリング組立部品１３に対向する位置に 設けられているため、スプリング１１がブッシュロッド１２を付勢しキャリアロ ーラ４を上方へ移動させ、履帯３を常に緊張させる。

【０００９】

【考案の効果】

かかる構造の履帯緊張装置では、ばね力によってキャリアローラに常時上向き の力が作用し履帯が緊張しているため、走行時にキャリアローラとスプロケット 及びアイドラ間の履帯のばた付きが減少し、騒音が低減される。 また、スプロケットやアイドラにゴム等の非金属材料製の部品を使用していな いため、これらの部品を交換する必要がなく、保守費が低減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る履帯緊張装置要部の側面図であ
る。

【図２】図１におけるキャリアローラ部分の平面図であ
る。

【図３】図１のＰ部の断面図である。

【図４】従来構造に係る一般的な履帯緊張装置の側面図
である。

【図５】履帯緊張装置の騒音低減に係る先行技術を適用
したスプロケット側面図である。

【図６】履帯緊張装置の騒音低減に係る先行技術を適用
したアイドラの側面図である。

【符号の説明】

１，２０ アイドラ ２，１６ スプロケット ３ 履帯 ４ キャリアローラ ５ キャリアローラサポート ６ シャフト ７，１９ ピン ８ トラックフレ−ム １０ ボックス １１ スプリング １２ プッシュロッド １３ 弾性体組立品 １４ トラックローラ １５ ツース １７ ブッシング １８ インサート ２１ リング ２２ セグメント ２３ クランプ ２４ ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラックフレームの前方に配設したアイ
   ドラと後方に配設したスプロケットの間に巻装され、上
   部のキャリアローラと下部のトラックローラで懸架され
   た履帯を備えた装軌式車両の履帯緊張装置において、ト
   ラックフレーム上面に固着したブラケットに水平方向に
   装着されたピンを支点として揺動する、左右のアームよ
   り成るキャリアローラサポートと、該キャリアローラサ
   ポートの一方のアーム端部に回転自在に装着された、履
   帯の上部を担持するキャリアローラと、他方のアーム端
   部と前記トラックフレームとの間に介設された、前記キ
   ャリアローラを上方に回動するように付勢する弾性体か
   らなることを特徴とする履帯緊張装置。