JPH0593968U - 自動車用シートにおけるシートサスペンション 装置の体重調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シートが前、後方向へスライドする自動車用シ
ートにおけるシートサスペンション装置の体重調整機構
において、シートと共に体重調整機構の操作ハンドルが
スライドし、操作ハンドルと着座者との距離を一定にし
て、操作ハンドルの操作を行い易くすることである。 【構成】調整軸１９には、この調整軸１９に噛合すると
共に調整軸１９に対して直交方向に操作ハンドル付可動
軸２１を設け、この可動軸２１をシート１に支持材２６
を介して連結し且つ調整軸１９に対して軸方向にスライ
ド可能に取付けてなるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用シートにおけるシートサスペンション装置の体重調整機構、 詳しくは、シートの側方に位置する操作ハンドルにより、シートサスペンション 装置のサスペンション力を調整する体重調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種、従来の自動車用シートには、シートをスライドレールを介して前、後 方向にスライド可能に上枠に取付け、この上枠と車床側の下枠との間に、上枠を 下枠に対して懸架支持するシートサスペンション装置を設けてなるものがある。

【０００３】 斯かる自動車用シートは、シートサスペンション装置に体重調整機構が設けら れ、この体重調整機構により、シートサスペンション装置のサスペンション力の 調整が行われている。

【０００４】 体重調整機構は、シートの前、後方向に沿って調整軸が回動可能に取付けられ 、シートの側方に位置する操作ハンドルにより、調整軸が回動する構造からなっ ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような自動車用シートにあっては、シートが前、後方向にスライド可能 に取付けられているので、シートがスライドすると、体重調整機構の操作ハンド ルの位置が変わり、着座者が操作ハンドルを操作する際、操作ハンドルとの距離 が離れるので、着座姿勢をくずさなければならず、体重調整機構の操作がし難い という不具合があった。

【０００６】 そこで、本考案はシートがスライドしても、シートと共に体重調整機構の操作 ハンドルもスライドし、着座者と操作ハンドルとの距離が一定となり、体重調整 機構の操作が容易に行えるようにするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係る自動車用シートにおけるシートサスペ ンション装置の体重調整機構は、調整軸に操作ハンドル付可動軸を噛合すると共 に、可動軸を調整軸に対して直交方向に設け、可動軸をシートに支持材を介して 連結し且つ調整軸に対して軸方向にスライド可能に取付けてなるものである。

【０００８】

【作用】

シートが前、後方向にスライドすると、可動軸はシートに支持材を介して連結 すると共に調整軸に対して軸方向にスライド可能に取付けられているため、可動 軸がシートと共に前、後方向にスライドする。 可動軸の操作ハンドルを操作すると、調整軸は可動軸に噛合しているので、調 整軸が回動して体重調整機構を行うことができる。

【０００９】 本考案に係る一実施例を図１乃至図４に基づいて説明する。 図中、自動車用シート１には、上方へのサスペンション力のもとで、シート側 の上枠３を車床側の下枠４に対して懸架、支持し、車床に伝達された衝撃、振動 等を減衰させるシートサスペンション装置５が装着されると共に、上枠３とシー トクッション２との間に、シート１を前、後方向へ移動案内する可動レール７ａ と固定レール７ｂからなるスライドレール７が設けられている。可動レール７ａ はシートクッション２に、固定レール７ｂは上枠３に各々固定し、可動レール７ ａが固定レール７ｂにスライド可能に嵌合している。

【００１０】 シートサスペンション装置５は、図１、２に示すように、略Ｘ形状に組立てら れた一対のリンクアーム８、９からなる伸縮自在なリンク１０が、上枠３、下枠 ４間に介在されている。 リンク１０は一対のリンクアーム８、９を段付ボルト等からなる枢支ピン６で 枢着して、上、下方向に伸縮自在な略Ｘ形状に組立てられている。 そして、リンク１０は上枠３、下枠４間で左、右サイドにそれぞれ配設され、 上枠３を下枠４に対して昇降可能に支持している。 左、右サイドのリンクアーム８、９の前端、後端は、連動可能にそれぞれ上枠 ３、下枠４に連結されている。 左、右のリンクアーム８の後端がコネクティングシャフト１１に各々固定され 、左、右のリンクアーム８、８間が連動可能に連結されている。 コネクティングシャフト１１は、下枠４の左、右サイドに固定された枢支ピン （図示せず）により、下枠４の後端部における左、右サイド間に架設、軸支され ている。

【００１１】 また、左、右のリンクアーム９の後端は、前記と同様にコネクティングシャフ ト１２に各々固定されて、左、右のリンクアーム９、９が連動可能に連結されて いる。 コネクティングシャフト１２は、上枠３の左、右サイドに固定された枢支ピン （図示せず）により、上枠３の後端部における左、右サイドに各々枢着されてい る。

【００１２】 更に左、右のリンクアーム８の前端は、フロントコネクティングシャフト１３ に固定されると共に、左、右のリンクアーム９の前端がフロントコネクティング シャフト１４に固定されて、左、右のリンクアーム８、９間が連動可能に連結さ れている。

【００１３】 フロントコネクティングシャフト１３、１４の左、右端末は、各々上枠３、下 枠４の左、右サイドに、各々前、後方向へ移動可能に取付けられている。

【００１４】 従って、リンクアーム８、９の前端がリンクアーム８、９の後端に対して前、 後方向へ移動する可動端として形成されているため、リンク１０の伸縮に伴って 、リンクアーム８、９の可動端が後端に対して前、後方向に移動し、上枠３のコ ネクティングシャフト１３、１２間及び下枠４のコネクティングシャフト１４、 １１間の間隔の変化を保障している。

【００１５】 そして、上枠３、下枠４の衝撃、振動等を減衰するショックアブソーバ１５が 上枠３、下枠４間に架設、枢着されている。 ショックアブソーバ１５は、上端を上枠３のフロントコネクティングシャフト １３に、下端を下枠４のコネクティングシャフト１１に枢支ピンによって各々回 動可能にして取付けられている。

【００１６】 従って、下枠４に対する上枠３の昇降の度合いに合わせて、ショックアブソー バ１５が揺動しながら伸縮し、上枠３、下枠４に作動する衝撃、振動等を吸収、 減衰して、乗員への伝達等を十分抑制している。

【００１７】 そして、このようなサスペンション装置５には、サスペンション力として上枠 ３に付与する引張コイルばね１６が、上枠３の後端部におけるコネクティングシ ャフト１２と体重調整機構１７のブラケット１８との間に架設されている。この ブラケット１８は、上枠３のフロントコネクティングシャフト１３に固定して取 付けられている。

【００１８】 体重調整機構１７は、前端と後端間の外周に軸方向に沿ってみぞ部１９ａを形 成すると共に、後端の外周にねじ部１９ｂを有する調整軸１９がブラケット１８ に螺合してなる。調整軸１９はその前端が上枠３の前枠部３ａに回動可能に嵌合 している。シートの前、後方向に沿う調整軸１９が回動することにより、ブラケ ット１８と上枠３のフロントコネクティングシャフト１３とが前、後方向へ移動 し、フロントコネクティングシャフト１３とコネクティングシャフト１２との間 隔が変動する。

【００１９】 その為、ブラケット１８とコネクティングシャフト１２間に張設された引張コ イルばね１６の初期張力が加減されて、サスペンション力が調整される。

【００２０】 前記調整軸１９は、図３に示すように、そのみぞ部１９ａには、スライド用傘 歯車２０が取付けられている。スライド用傘歯車２０には、その中央の孔に調整 軸１９が挿通し、調整軸１９のみぞ部１９ａがスライド用傘歯車２０の孔面に形 成したみぞに係合している。

【００２１】 従って、スライド用傘歯車２０は、調整軸１９と一体に回動すると共に、調整 軸１９のみぞ部１９ａを軸方向へスライドする。

【００２２】 そして、スライド用傘歯車２０には、調整軸１９に直交する可動軸２１が連結 している。 可動軸２１には、その先端にスライド用傘歯車２０と噛合する連結用傘歯車２ ２が設けられる。

【００２３】 その為、可動軸２１が回動すると、連結用傘歯車２２によって、スライド用傘 歯車２０と調整軸１９とが回動する。

【００２４】 そして、スライド用傘歯車２０と連結用傘歯車２２とは、常にこれらの傘歯車 ２０、２２が噛合するように、ギアボックス２３によって囲撓されている。

【００２５】 ギアボックス２３には、調整軸１９と可動軸２１とが回動可能に挿通し、連結 用傘歯車２２と共に、ギアボックス２３が調整軸１９に対して軸方向へスライド する。

【００２６】 従って、スライド用傘歯車２０が軸方向へスライドしても、連結用傘歯車２２ と共にギアボックス２３によって囲撓されているので、連結用傘歯車２２とスラ イド用傘歯車２０とは、常に噛合する状態となっている。

【００２７】 可動軸２１は、上枠３の側枠部３ｂからシートの側方へ突出し、可動軸２１の 外端には操作ハンドル２４が設けられている。

【００２８】 上枠３の側枠部３ｂには、図２、４に示すように、可動軸２１が前、後方向へ スライド可能に、長孔からなるスライド溝２５が形成されている。

【００２９】 そして、可動軸２１は、支持材２６を介してシートクッション２の下面に連結 して取付けられている。 支持材２６は、可動軸２１が回動可能に挿通する筒部２７と、この筒部の上部 からシートクッション２の方向へ延出する取付部２８とからなり、取付部２８が シートクッション２にねじ２９により固定して取付けられている。

【００３０】 従って、シートクッション２が前、後方向へスライドすると、シートクッショ ン２と共に、可動軸２１もスライドする。

【００３１】

【考案の効果】

本考案によれば、調整軸に対して直交する操作ハンドル付可動軸を調整軸に噛 合すると共に調整軸に対して調整軸の軸方向にスライド可能に取付け、可動軸を シートに支持材を介して連結しているので、シートが前、後方向へスライドする と、可動軸もシートと共に前、後方向へスライドする。 その為、着座者はシートの前後位置が変化しても、常に所定位置で可動軸の操 作ハンドルを操作することができるので、体重調整機構の操作が行い易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案機構を用いたシートサスペンション装置の
斜視図である。

【図２】図１に示すサスペンション装置にシートが載置
した状態の側面図である。

【図３】図１に示す装置の要部の平面図である。

【図４】図１に示す装置における要部の拡大図である。

【符号の説明】

１９ 調整軸 ２１ 可動軸 ２４ 操作ハンドル ２６ 支持材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートをスライドレールを介して前、後
   方向にスライド可能に取付けた上枠と車床側の下枠との
   間に、前記上枠を下枠に対して懸架支持するシートサス
   ペンション装置を設け、該シートサスペンション装置に
   はサスペンション力を調整可能とする体重調整機構を設
   け、この体重調整機構は回動可能な調整軸を前記シート
   の前、後方向に沿って有してなる自動車用シートにおい
   て、 前記調整軸には、この調整軸に噛合すると共に調整軸に
   対して直交方向に操作ハンドル付可動軸を設け、該可動
   軸を前記シートに支持材を介して連結すると共に調整軸
   に対して軸方向にスライド可能に取付けてなることを特
   徴とする自動車用シートにおけるシートサスペンション
   装置の体重調整機構。