JPH0592927A - 養殖水生動物の配合飼料に添加される病原菌感染予防及び治療剤 - Google Patents
養殖水生動物の配合飼料に添加される病原菌感染予防及び治療剤Info
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- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Abstract
び治療剤を提供することを目的とする。 [構成] 前記病原感染予防及び治療剤は、未変性のラ
クトフェリン、ラクトパーオキシダーゼ又はそれらの混
合物から成り、養殖水生動物の飼料配合物に添加されて
使用される。
Description
料に添加される病理菌感染予防及び治療剤に関する。
化にともない、クルマエビ、イセエビ、タラバガニ、ズ
ワイガニ、ケガニなどの甲殻類及びマダイ、ヒラメなど
の高級魚に対する需要が飛躍的に増大した。これらは、
元来、個体数が少なく希少価値が高い水産資源である。
しかも、乱獲によって生息密度が著しく減少しているこ
とに加え、資源ナショナリズムの高まりにより、漁場に
近い諸国は 200海里を越え自国の影響が及ぶ水域に生息
する水産資源に対しても所有権を主張して、他国がみだ
りに漁獲することを制限するようになり、量的な確保が
ますます困難になってきている。一方、これまでの漁業
は自然界に生息する魚類を捕獲することで成り立ってい
るので、自然条件により漁獲量が大きく変動し、経営的
には不安定である。わが国で希少水産資源の確保及び経
営の安定化などのために、天然の水産資源に依存する従
来の漁業から、“つくる漁業”である養殖漁業への移行
が行なわれたのは当然の成り行きだったと言えよう。
り、ハマチ、ヒラメ、マダイなどの海水魚、アユ、イワ
ナ、ニジマスなどの淡水魚、クルマエビ、カキ、ホタテ
貝など甲殻類及び貝類のように古来わが国に生息してい
た漁業資源に加え、最近ではテラピア、ペヘレイ、ピラ
ニアなどのように海外産の水産資源までも養殖活用され
るようになってきた。
つきものの不合理性を持っている。すなわち、養殖の対
象となる水産資源は、大部分が広い水中に生息している
ので、生態研究が行き届いていないものが多い。水産資
源の養殖では、対象となる動物にどのような餌を、どの
くらい、いつ与えたら良いかという飼料効率の研究が非
常に重要であるが、いまだに経験とカンに頼る部分が大
きく、科学的な解明はほとんどなされていないと称して
も過言ではない。それと並んで重要なことは、養殖の対
象動物にどのような疾病があって、それを予防治療する
方法は何かという研究である。特に、疾病の中でも病原
菌感染症は、広大な自然界と異なり狭い水中に高密度で
飼育する養殖漁業の場合には、いったん、病原菌感染症
が発生すると全滅するほどの致命的な被害を与えかねな
い。実際に、病理菌感染による養殖水生動物のへい死が
養殖産業における最も深刻な問題である。とりわけ稚魚
は病原菌の感染に対し感受性が高いので、飼育に当って
細心の注意が必要とされている。しかも、養殖漁業の場
合には、ごく一部を除けば病原菌の感染症に対する的確
な対策は発見されていない。従って、いったん病原菌の
感染症が発生すると、治療と予防をかねて抗菌性物質、
例えば、βラクタム系、テトラサイクリン系又はマクロ
ライド系抗生物質を飼料に混合して与えるだけである。
これらの抗菌性物質及び抗生物質は高価であり、又、養
殖漁業において、感染予防及び治療のためのそれらの使
用量は膨大である。養殖漁業は経済行為であるから、経
済性を損なわない、病原菌感染症に対する予防及び治療
法の開発は待望されていたのである。しかも、わが国で
は食品中への抗生物質残留は、食品衛生法により厳禁さ
れているので、その使用に当っては大きな制約を受けて
いる。そのために、抗菌性物質を使った場合には、出荷
前には一定の休薬期間をおかなければならない。
たり水産動物の病原菌感染症を研究した結果、養殖水生
動物の病原菌感染症を有効に予防及び治療する手段を見
出し、本発明を完成するにいたった。すなわち、あらゆ
る動植物はその種に固有の病原菌を持ち、生息環境には
常に病原菌が存在するが、正常状態では感染を防ぐ機構
を備えているために発症を免れていると考えられてい
る。この感染を免れる身体の働きは、生体防御構成と呼
ばれているが、免疫学の興隆にもかかわらず、生体防御
機構の実体は必ずしも明確ではない。しかし、水生動物
にも自らの体を病原菌の感染から守る生体防御機構が備
わっていることについては、異論の余地がないものと考
えられている。水生動物にも異物を鈍食する食細胞が、
血中に存在することからである。生体防御機構の働きが
低下したり、病原菌が多すぎて生体防御機構で処理しき
れない場合、感染症が起こるものと考えられる。養殖漁
業で、いったん病原菌が感染すると、急激に周囲に広が
って大量の養殖動物が感染症に冒され、死亡するに至
る。自然状態と比べて高密度で飼育される養殖漁業の場
合には、環境悪化から生体防御能の低下をまねきやす
く、飼育される水生動物は病原菌が感染し易い状態、易
感染状態に陥っているものと考えられる。
治療するためには、抗菌性物質による病原菌の感染阻止
と並んで、養殖条件下における生体防御能の正常状態維
持、さらに正常状態より病原菌に対する抵抗力を亢進さ
せるための何らかの措置が重要である。
微量含まれる生理活性乳タンパク質、ラクトフェリン及
びラクトパーオキシダーゼは、哺乳動物の体内及び消化
管内で生体防御能を正常に維持させる作用を担う生体防
御因子の一つと考えられている。先に本発明者らは病原
性細菌を接種して実験的感染症をおこしたマウスにラク
トフェリンを経口投与すると、βラクタム系抗生物質、
テトラサイクリン系抗生物質及びマクロライド系抗生物
質のような静菌性抗生物質の in vivoにおける抗菌活性
を増強し、抗生物質がマウスを敗血症による死亡から救
う半数有効量ED50を有意に低下させることを見いだし
た。すなわち、ラクトフェリンは哺乳動物におては宿主
依存的に生体防御能を強化し、生体内では抗菌活性物質
と相乗作用を発揮して、非特異的に病原菌感染症を防御
するはたらきがある。
離れており、病原菌感染に対して著しく感受性が高い、
生簀又は養殖池で養殖されている養殖水生動物を使い、
上記哺乳動物の生体防御因子、ラクトフェリン及びラク
トパーオキシダーゼを単独、又は抗生物質と併用して飼
料に混合して感染症予防及び治療効果を検討したとこ
ろ、病原菌感染症を予防及び治療することにより有意に
死亡率を低下させること、及び養殖の歩留りを向上させ
ることにより収穫量が著しく増大することを見出し、本
発明を完成するに至った。以下、発明の詳細を述べる。
びラクトパーオキシダーゼは、主として牛乳から分離し
たものであるが、それ以外にもヒト、ヒツジ、ヤギ、ウ
マ、イヌ、ネコ由来のものもウシと同様に有効である。
ラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼは動物種を
越えて普遍的に存在するタンパク質であり、その構造は
互いによく類似している。又、それらの生理活性は同一
であり、各動物種間で互換性があることが知られてい
る。例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、
ネコの各乳汁から精製したラクトフェリン及びラクトパ
ーオキシダーゼについてMDCK細胞(ラット正常腎細
胞由来)などの正常細胞を用い、レセプターアッセイを
行い、スキャチャード解析により細胞膜上の受容体を解
析したところ、種の違いによる受容体特性の差が認めら
れないことが確認されている。
り分離することができる。すなわち、未変性の哺乳動物
乳汁を弱酸性イオン交換樹脂(Na+型)を充填したカラ
ムを通過させ、ラクトフェリン及びラクトパーオキシダ
ーゼを吸着させる。次にカラムを純水で洗浄した後、稀
薄な食塩水を流下させて溶出する。溶出液を分取してタ
ンパク質の紫外部吸収を測定し、タンパク質が溶出され
た分画を集める。このタンパク質溶液を分画分子量2万
ダルトンの限外濾過膜で処理して、水、電解質及び低分
子化合物を除去し、主として乳タンパク質からなる濃縮
溶液を分離することができる。このようにして分離した
乳タンパク質混合物中におけるラクトフェリン及びラク
トパーオキシダーゼの含有量は、通常、主要成分である
前者が50−70重量%、後者が10−20重量%である。その
他の乳成分としては、αラクトアルブミン、βラクトグ
ロブリン、ウシ血清アルブミンなどのタンパク質が含ま
れているが、ヘパリン−セファロースを充填したカラム
クロマトグラフィーでラクトフェリン及びラクトパーオ
キシダーゼを吸着させることにより両者を分離する。こ
れらのタンパク質は塩基性であるからスルホン酸基を有
するヘパリンに吸着する。次に、カラムを洗浄した後に
食塩水の濃度勾配で溶出すると、両者が別々に分離して
溶出される。両者が分離した溶出液は、限外濾過して電
解質及び低分子化合物を除去してから凍結乾燥して粉末
化する。
フィーを繰り返すことにより他のタンパク質を分離し、
ラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼを精製する
ことも公知である(特開昭61-145200 号、特開昭61-246
198 号、特開昭62-19523号及び国際公開WO 89/04608
号参照)。
から、これらの生理活性乳タンパク質を製造する原料と
しては適当でない。ラクトフェリン及びラクトパーオキ
シダーゼを分離精製するためには、最も普遍的な哺乳動
物乳汁である牛乳を使うことが入手容易性の点でかなっ
ているが、牛乳からチーズ、バター及びその他の乳成分
を分離した際に生ずる副産物、乳清あるいは脱脂乳など
が原料として好適である。ラクトフェリン及びラクトパ
ーオキシダーゼを含む酪農副産物のなかでも大量に副生
するのは、牛乳からチーズを生産する際の副生物、チー
ズホエイである。従って、チーズホエイはラクトフェリ
ン及びラクトパーオキシダーゼを効率よく生産するため
に最も適した原料である。哺乳動物乳汁からラクトフェ
リン及びラクトパーオキシダーゼを分離した方法と同様
に、適当な吸着剤と溶出条件を選び、カラムクロマトグ
ラフィーによって両者を他の乳成分から分離することが
できる。すなわち、pH中性付近でホエイを弱酸性イオ
ン交換樹脂(Na+ 型)カラムに流下させると、ホエイ中
のラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼはイオン
交換樹脂に吸着される。イオン交換樹脂がこれらのタン
パク質で飽和された後、カラムを純水で洗浄してから希
薄な食塩水で吸着されたタンパク質を溶出する。溶出液
は分取してタンパク質の紫外部吸収を測定し、タンパク
質が溶出された分画を集める。このタンパク質溶液を分
画分子量2万ダルトンの限外濾過膜で処理して、水、電
解質並びに低分子化合物を除去し、濃縮化されたタンパ
ク質溶液を凍結乾燥して粉末化する。このようにして調
製したタンパク質粉末の平均的な組成は、ラクトフェリ
ン60−75重量%、ラクトパーオキシダーゼ10−15重量%
である。次にヘパリン−セファロースを充填したカラム
を用い、ラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼを
スルホン酸基を有するヘパリンに吸着させ、カラムを洗
浄した後に食塩水の濃度勾配で溶出すると、両者が分離
して溶出される。両者が分離した溶出液は、限外濾過し
て電解質及び低分子化合物を除去してから凍結乾燥して
粉末化する。
生する酸ホエイもチーズホエイと同様に好適に使用でき
る。
トパーオキシダーゼは鉄を含有するタンパク質であり、
両者の鉄飽和度は20−30%である。精製したラクトフェ
リン及びラクトパーオキシダーゼはpH3.0 以下に調整す
ることにより、鉄イオンを失ったアポラクトフェリン及
びアポラクトパーオキシダーゼのアポタンパクになる。
又、アポタンパクでも、20−30%鉄飽和ラクトフェリン
及びラクトパーオキシダーゼでも、炭酸塩の存在下で計
算量の3価鉄イオン(ラクトフェリン)又は2価鉄イオ
ン(ラクトパーオキシダーゼ)を添加すると、鉄イオン
を飽和した、ホロラクトフェリン及びホロラクトパーオ
キシダーゼのホロタンパクまでの種々の鉄飽和度を有す
るラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼを調製す
ることができる。それらの種々の鉄飽和度を有するラク
トフェリン及びラクトパーオキシダーゼは本発明の病原
菌感染予防及び治療剤として有効に用いられる。
パーオキシダーゼは単独であっても、混合物であって
も、in vitroで抗菌活性を検定する限りでは、1,000 μ
g/mlの高濃度でも病原菌の生育を阻止しない。しか
し、ラクトフェリンを混合した各魚種用の配合飼料を用
いて、生簀又は養殖池で養殖中のウナギ、ブリ、マダ
イ、クロダイ、ヒラメ、ギンザケ、ニジマス、クルマエ
ビ、ウシエビ及びテナガエビなどを飼育した場合、生存
率及び収量に顕著な効果を示す。表1に養殖動物に出荷
前の2カ月間、本発明の病原菌感染予防及び治療剤を添
加した飼料を与えた場合の生存率及び収量を示す。これ
ら水生動物の試験区は、なるべく環境条件が同一になる
ように設定し、対照区には通常飼料を与え、ラクトフェ
リン投与区は対照区と同様の通常飼料にラクトフェリン
を0.03重量%混合して与えた。表1から明らかなように
ラクトフェリン添加は、生存率を著しく高め、収量を有
意に増大させる作用を示す。
単独で飼料に添加して養殖魚類に摂取させても、養殖に
おける歩留りを著しく向上させると同時に、収穫量も対
照区と比べると常に増加させるはたらきがある。
ダーゼ混合物及びラクトパーオキシダーゼを単独添加し
た飼料でブリ、マダイ、クルマエビを出荷前2カ月間飼
育し、生存率に及ぼす影響を検討した成績を表2に示
す。
LPO、0.033 重量%添加 LPO混合飼料: 対照飼料にLPO 、0.015 重量%添加
パーオキシダーゼ及び両者の混合物は、人工配合飼料並
びに養殖現場で調製される配合飼料に添加することがで
きる。例えば、養魚用の人工飼料としては、魚粉、カゼ
イン、イカミール、粉末乳清、その他の動物性原料、大
豆粕、小麦粉、α澱粉、乾燥酵母、その他の植物性原
料、動物性油脂、植物性油脂、ビタミン類、ミネラル類
及び抗酸化剤などの原料に混合した後、少量の水と一緒
に充分に練合してから押し出し造粒機にかけ、低温で乾
燥して顆粒化することができる。高温による乾燥を避け
る理由は、ラクトフェリン及びラクトパーオキシダーゼ
の加熱変性を防止するためである。
防及び治療及び治療のために用いられている抗生物質又
は抗菌性物質を含有した配合飼料に本発明の病原菌感染
予防及び治療剤を添加したものを養殖水生動物に与える
と、抗生物質又は抗菌性物質と相乗的に作用して、抗生
物質又は抗菌性物質単独で与えたときに比べ、著しい効
果を示すことが見出だされた。
常、配合飼料の重量に対して、0.0001乃至1.0 重量を配
合飼料に添加して用いられ、優れた効果を現わす。以下
に、実施例により本発明を詳細に示す。
量%、乾燥酵母10重量%、小麦グルテン10重量%、小麦
粉5重量%、ミネラル混合物5重量%、ビタミン混合物
5重量%からなる粉末100kgに、純度85重量%のラクト
フェリン粉末を1重量%含有する乳清蛋白を1Kg添加
し、充分に混合した。この粉末に少量の水を加えて練合
し、エクストルーダーにかけて、直径3mm、長さ 15-20
mmの円柱状ペレットに成形し実用に供した。
クトフェリンの効果を検討した。例年、類結節症が多発
する養魚場に縦横 1.4m、水深 1.5mの生簀3個をもう
け、それぞれに600 尾のブリを収容し、牛乳由来未変性
ラクトフェリンを0.01重量%及び0.03重量%混合した参
考例の配合飼料を与えて昭和63年6月1日から7月31日
までの2カ月間飼育した。この間、毎日、生簀ごとの類
結節症によるへい死尾数を調査し、累積死尾数として表
3に示した。
による死尾数が75%を越えているのに対し、同一飼料に
ラクトフェリン0.01重量%を添加した試験区及び0.03%
を添加した試験区では死尾数が用量依存的に減少してい
ることがわかる。
ラクトフェリンの効果を検討した。連鎖球菌症が多発す
る養魚場に縦横 1.4m、水深 1.5mの生簀3個をもう
け、それぞれに 300尾のブリを収容し、ブリ用ドライペ
レット飼料を与えて昭和63年6月11日から7月30日まで
の50日間飼育した。試験区1は対照飼料で飼育した群と
し、試験区2は試験区1と同一のブリ用ドライペレット
にエリスロマイシンを 0.3重量%添加し、試験区3には
試験区1と同一のブリ用ドライペレットにエリスロマイ
シン 0.3重量%及び牛乳由来未変性ラクトフェリン(LF)
0.03重量%を添加して与えた。毎日、生簀ごとの連鎖球
菌症によるへい死尾数を調査し、累積死尾数として表4
に示した。
症による死尾率が55%であるのに対し、同一飼料にエリ
スロマイシンを 0.3重量%添加した試験区では、死尾率
が30%に減少した。一方、エリスロマイシン 0.3重量%
にラクトフェリン0.03重量%を併用した試験区3では死
尾率は、さらに11%まで減少し、試験区2と試験区3の
差は、統計的に高度に有意であった。従って、ラクトフ
ェリンはエリスロマイシンと相乗的に作用して、ブリの
連鎖球菌症を予防することがわかる。
池をナイロン・ネットで均等に仕切り、それぞれクルマ
エビ用の試験区とした。4月10日に体長約4cmの稚エビ
をm2 当り20匹づつ放養し、一方の池は対照区として配
合飼料を与え、他方は対照区と同じ配合飼料に牛乳由来
未変性ラクトフェリンを0.01重量%添加して与えた。6
カ月後に養殖を打ち切り、生き残ったエビの頭数と収量
を測定した。
加により単位面積当たりの生存頭数は 3.7倍、収量は
3.4倍に上昇し、ラクトフェリン添加のへい死予防効果
は明らかである。
及びラクトパーオキシダーゼ混合物(ラクトフェリン60
重量%、ラクトパーオキシダーゼ15重量%、残りの25重
量%は他の乳タンパク質)を0.03重量%混合し、水を加
えて練り餌機にかけて練り餌を調製した。対照餌として
は上記と同一のウナギ用粉末配合飼料を練り餌として与
えた。
積の水温29−31℃の水槽を用い、平均体重 105gのウナ
ギを各 1,000匹づつ収容し、飼育は日間給餌率は 0.7-
2.0%の範囲で40日間行った。結果は表6に示すとおり
である。
は、飼料に未変性のラクトフェリン又はラクトパーオキ
シダーゼ、あるいはその両者を飼料に添加することによ
り、魚類及び甲殻類の生体防御機構を賦活し、養殖水生
動物の病原菌感染症を予防治療する手段を提供すること
によって、養殖漁業の発展に寄与することができる。ラ
クトフェリン及びラクトパーオキシダーゼ、又は両者の
混合物は、それ自身でも養殖水生動物の病原菌感染症を
予防治療することができるが、抗菌活性物質、例えばβ
ラクタム系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質が共
存すると、これらの抗菌活性物質の効果が相乗的に増強
されるので、病原菌感染症の予防治療にとっていっそう
効果的である。
Claims (10)
- 【請求項1】 未変性のラクトフェリン、ラクトパーオ
キシダーゼ又はそれらの混合物から成り、養殖水生動物
の配合飼料に添加される養殖水生動物の病原菌感染予防
及び治療剤。 - 【請求項2】 前記ラクトフェリン及びラクトパーオキ
シダーゼが、動物の乳汁から分離したラクトフェリン及
びラクトパーオキシダーゼである、請求項1に記載の病
原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項3】 前記動物の乳汁が、ヒト、ウシ、ヒツ
ジ、ヤギ、ウマ、イヌ又はネコの乳汁である、請求項2
に記載の病原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項4】 前記ラクトフェリン及びラクトパーオキ
シダーゼが、鉄イオンを飽和したホロタンパクから、鉄
イオンを完全に除去したアポタンパクに至るまでの種々
の鉄飽和段階にあるラクトフェリン及びラクトパーオキ
シダーゼである、請求項1乃至請求項3のいずれか1請
求項に記載の病原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項5】 配合飼料が、養殖水生動物の病原菌に対
し抗菌活性を有する抗生物質又は合成抗菌剤を含有して
いる、請求項1乃至請求項4のいずれか1請求項に記載
の病原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項6】 配合飼料の重量に対し0.0001乃至1.0 重
量%の、前記未変性のラクトフェリン、ラクトパーオキ
シダーゼ又はそれらの混合物から成る、請求項1乃至5
のいずれか1請求項に記載の病原菌感染予防及び治療
剤。 - 【請求項7】 前記養殖水生動物が、生簀又は養殖池で
養殖されている魚類である、請求項1乃至6のいずれか
1請求項に記載の病原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項8】 前記魚類が、ウナギ、ブリ、マダイ、ク
ロダイ、ヒラメ、ギンザケ又はニジマスである、請求項
7に記載の病原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項9】 前記養殖水生動物が、養殖池で養殖され
ている甲殻類である、請求項1乃至6のいずれか1請求
項に記載の病原菌感染予防及び治療剤。 - 【請求項10】 前記甲殻類が、クルマエビ、ウシエビ
又はテナガエビである、請求項9に記載の病原菌感染予
防及び治療剤。
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JP3103615B2 (ja) | 2000-10-30 |
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