JPH059182A - 新規なシクロブタン誘導体 - Google Patents

新規なシクロブタン誘導体

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JPH059182A
JPH059182A JP3287241A JP28724191A JPH059182A JP H059182 A JPH059182 A JP H059182A JP 3287241 A JP3287241 A JP 3287241A JP 28724191 A JP28724191 A JP 28724191A JP H059182 A JPH059182 A JP H059182A
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JP
Japan
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compound
group
formula
cyclobutyl
hydroxymethyl
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Application number
JP3287241A
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English (en)
Inventor
Masashi Nagai
昌史 永井
Masahiro Sagawa
征博 佐川
Ryuji Ikeda
龍治 池田
Akira Shiozawa
明 塩沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH059182A publication Critical patent/JPH059182A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は一般式(1) 【化1】 [式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1 は炭素数1から
6までの低級アルキル基を、R2 及びR3 はそれぞれ独
立に水素原子または水酸基の保護基を示す]で表される
シクロブタン誘導体及びこれらの化合物の生理的に許容
される塩に関する。 【効果】この化合物は抗ウイルス作用を有しており、抗
ウイルス剤として期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば抗ウイルス剤、
制癌剤等の医薬として期待される新規核酸誘導体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】核酸は生物の遺伝情報を司り分化、増殖
と極めて密接な関係にある物質なので、その天然由来ま
たは非天然の核酸誘導体には生物(ウイルスも含む)の
増殖を制御するものが数多く知られている。実際にその
いくつかは、無秩序な増殖を繰り返す癌や、ヒト細胞内
でのみ増殖を行い種々の疾病を引き起こすウイルス感染
症に有効な医薬として臨床に用いられている。また、抗
ウイルス剤という立場からみれば、医薬品としては核酸
誘導体がほとんどである。例えば抗ウイルス剤としては
ビダラビン(M.Privat de Garilhe and J. de Rubber,
C.R.Acad.Soc.D (Paris),259,2725(1964))、アシクロ
ビル(G.B.Elion et.al. Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 7
4,5716(1977) )、アジドチミジン(H.Mitsuya et.al,P
roc.Natl.Acad. Sci.USA, 82, 7096(1985) )等が知ら
れている。また制癌剤としては、5−フルオロウラシル
(5−FU)、シトシンアラビノシド(Ara−C)等
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記抗ウイルス
剤はウイルスに対する適応範囲が狭く、また溶解度、経
口吸収性、代謝等の要因により投与法が限られる等の難
点を有している。さらに、骨髄毒性等の副作用により投
与量、投与期間等に制限が生じてしまうものもある。一
方、予後の極めて不良な後天性免疫不全症(AID
S)、ヒト成人T細胞白血病(ATL)や、伝染性の高
い風邪症候群など、有効な医薬、ワクチンのないウイル
ス性疾患は数多くある。よって、今後新たな抗ウイルス
剤の開発が強く望まれている。また、上記制癌剤につい
てもその効果、副作用等の面で必ずしも充分でなく、新
たな制癌剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0005】
【化4】
【0006】[式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1
炭素数1から6まで低級アルキル基を、R2 及びR3
それぞれ独立に水素原子または水酸基の置換基を示す]
で表されるシクロブタン誘導体及びこれらの化合物の生
理学的に許容される塩及びその中間体に関する。
【0007】一般式(1)において、Bの核酸基塩誘導
体としては、例えばプリン系塩基やピリミジン系塩基及
びこれらに保護基がついているものが挙げられる。プリ
ン系塩基としては、例えば式
【0008】
【化5】
【0009】[ここで、Yは水素原子、アミノ基及び塩
素、臭素、フッ素等のハロゲン原子を示し、R5 は、メ
チル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル
基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基等の置換また
は無置換ベンジル基、メトキシエチル基等の(C1 −C
4 アルコキシ)C1 −C4 アルキル基、フェニル基等の
アリ−ル基を示す]で示される化合物が挙げられる。ピ
リミジン系塩基としては、例えば式
【0010】
【化6】
【0011】[ここでR6 は水素原子、メチル基、エチ
ル基、ブチル基等の炭素数1から4までの低級アルキル
基、2−ブロモビニル基、2−ヨ−ドビニル基等の2−
ハロゲン置換ビニル基、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等
のハロゲン原子を示す]で示される化合物が挙げられ
る。R2 及びR3 における水酸基の保護基としては、一
般に保護基として使用されるものならば特に制限はな
く、エステル型保護基、エ−テル型保護基等が使用でき
る。エステル型保護基としては例えばアセチル基、ベン
ゾイル基等のアシル基、ジメチルカルバモイル基等の置
換カルバモイル基などがあげられる。エ−テル型保護基
としては、例えばtert−ブチルジメチルシリル基、
tert−ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル
基、メトキシメチル基等の(C1 −C4 アルコキシ)C
1 −C4 アルキル基、テトラヒドロピラニル基等の環状
アセタ−ル基、またはベンジル基、4−メトキシベンジ
ル基、トリチル基等の、置換または無置換フェニル基で
1つ以上置換されたメチル基などが挙げられる。
【0012】R1 における炭素数1から6までの低級ア
ルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等の直鎖状、または例えばイソプロピル基、イソブ
チル基等の分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、生
理的に許容される塩とは、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩、塩
酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩、酢酸、フマル酸、マレイン
酸、酒石酸、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げら
れる。
【0013】次に一般式(1)で示される化合物の具体
例を次に示す。なお、ここに示した化合物については、
存在する全ての異性体、光学活性体、セラミ体を含む。
また塩についてはここに示していない。
【0014】1.2,6−ジアミノ−9−[2−(1−
ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシメチル−1−シク
ロブチル]プリン 2.9−[2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロ
キシメチル−1−シクロブチル]ヒポキサンチン 3.9−[2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロ
キシメチル−1−シクロブチル]アデニン 4.9−[2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロ
キシメチル−1−シクロブチル]グアニン 5.2−アミノ−6−クロロ−9−[2−(1−ヒドロ
キシエチル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブチ
ル]プリン 6.1−[2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロ
キシメチル−1−シクロブチル]シトシン 7.1−[2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロ
キシメチル−1−シクロブチル]チミン 8.1−[2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロ
キシメチル−1−シクロブチル]ウラシル 9.5−(2−ブロモビニル)−1−[2−(1−ヒド
ロキシエチル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブ
チル]ウラシル 10.5−フルオロ−1−[2−(1−ヒドロキシエチ
ル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブチル]ウラ
シル
【0015】11.9−[2−(1−ヒドロキシプロピ
ル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブ チル]
アデニン 12.9−[2−(1−ヒドロキシプロピル)−3−ヒ
ドロキシメチル−1−シクロブチル]グアニン 13.2,6−ジアミン−9−[2−(1−ヒドロキシ
プロピル)−3−ヒドロキシ メチル−1−シクロブ
チル]プリン 14.9−[2−(1−ヒドロキシプロピル)−3−ヒ
ドロキシメチル−1−シクロブチル]ヒポキサンチン 15.2−アミノ−6−クロロ−9−[2−(1−ヒド
ロキシプロピル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロ
ブチル]プリン 16.1−[2−(1−ヒドロキシプロピル)−3−ヒ
ドロキシメチル−1−シクロブチル]シトシン 17.1−[2−(1−ヒドロキシプロピル)−3−ヒ
ドロキシメチル−1−シクロブチル]チミン 18.1−[2−(1−ヒドロキシプロピル)−3−ヒ
ドロキシメチル−1−シクロブチル]ウラシル 19.5−(2−ブロモビニル)−1−[2−(1−ヒ
ドロキシプロピル)−3−ヒドロキシメチル−1−シク
ロブチル]ウラシル 20.5−フルオロ−1−[2−(1−ヒドロキシプロ
ピル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブチル]ウ
ラシル
【0016】21.9−[2−(1−ヒドロキシブチ
ル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブチル]アデ
ニン 22.9−[2−(1−ヒドアキシブチル)−3−ヒド
ロキシメチル−1−シクロブチル]グアニン 23.2,6−ジアミノ−9−[2−(1−ヒドロキシ
ブチル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブチル]
プリン 24.9−[2−(1−ヒドロキシブチル)−3−ヒド
ロキシメチル−1−シクロブチル]ヒポキサンチン 25.2−アミノ−6−クロロ−9−[2−(1−ヒド
ロキシブチル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブ
チル]プリン 26.1−[2−(1−ヒドロシキブチル)−3−ヒド
ロキシメチル−1−シクロブチル]シトシン 27.1−[2−(1−ヒドロシキブチル)−3−ヒド
ロキシメチル−1−シクロブチ ル]チミン 28.1−[2−(1−ヒドロキシブチル)−3−ヒド
ロキシメチル−1−シクロブチル]ウラシル 29.5−(2−ブロモビニル)−1−[2−(1−ヒ
ドロキシブチル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロ
ブチル]ウラシル 30.5−フルオロ−1−[2−(1−ヒドロキシブチ
ル)−3−ヒドロキシメチル−1−シクロブチル]ウラ
シル 本発明の一般式(1)で表される化合物は、例えば一般
式(4)
【0017】
【化7】
【0018】[式中R1 は炭素数1から6までの低級ア
ルキル基を、R2 、R3 はそれぞれ独立に水素原子また
は水酸基の保護基を示す]で表される化合物を既知の方
法(D.T.Browne et.al, J.Am.chem.Sci.,90, 7302(196
8),Y.F.Shealy et.al,J.Med.Chem.,30,1090(1987))に
従い、たとえば以下の反応式(1)のように一般式
(5)、更に一般式(6)で表される中間体を経由して
得ることができる。
【0019】
【化8】
【0020】即ち、式(4)の化合物に2−アミノ−6
−ハロゲノ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−5−ニト
ロピリジンをメタノ−ル、DMF、DMSO等の不活性
溶媒中、トリエチルアミン等の3級アミンの存在下室温
から溶媒の沸点付近で1−12時間程度反応させると式
(5)の化合物が得られる。次いで、ギ酸等の酸性溶媒
中で亜鉛末等の還元剤を用いて式(5)の化合物のニト
ロ基を還元し、式(6)の化合物を得る。式(6)の化
合物にギ酸、トリメチルオルトホルメ−トなどのトリ
(C1-4 )アルキルオルトホルメ−ト、ジエトキシメト
キシアセテ−ト又はホルムアミドなどのいずれかを反応
させることにより、式(1)の化合物が得られる。その
使用量は式(6)の化合物に対し、当量以上好ましくは
1.1当量以上がよく、通常は大過剰に使用される。
【0021】これらの試薬は溶媒として使用してもよ
く、トリ(C1-4 )アルキルオルトホルメ−トの場合に
は塩酸等の酸触媒の存在下に反応をおこなうとよい結果
が得られる。又、これらの試薬以外のものを溶媒とする
場合、その溶媒としてはDMF、DMSO、ジメチルア
セトアミド等の不活性溶媒があげられる。反応は0−1
90℃、好ましくは20℃〜140℃で1〜48時間程
度おこなえばよい。反応終了後、反応液に水を加え、必
要に応じアンモニア水等で処理することにより式(1)
の化合物が得られる。反応式(1)の製造原料となる一
般式(4)で表される化合物は、たとえば以下の反応式
(2)のように製造することができる。
【0022】
【化9】
【0023】反応式(2)において、一般式(7)で表
される化合物[式中R7 は炭素数1から20までの置換
または無置換の直鎖、分枝または環状のアルコキル基
を、R3 は水素原子または水酸基の保護基を、R4 は水
素原子、または−C(=X)−Yで表される置換基で、
Xはたとえば酸素、窒素、硫黄原子を表し、Yとしては
たとえば炭素数1から6までのアルキル置換または無置
換アミノ基、炭素数1から10までのアルキル基、炭素
数1から10までのアルコキシ基、炭素数1から10ま
でのアルキルチオ基等が挙げられる]は、例えば既知の
製造法(M.Kata-giri et.al, em.Pharm.Bull.,38,288(1
990) )にて製造することができる。次に、一般式
(2)で表される化合物は、一般式(7)で表される化
合物を還元することにより製造することができる。還元
剤としては通常の還元剤であれば何でもよく、例えば金
属水素化物、好ましくはジイソブチルアルミニウムヒド
リド(DIBAL−H)が用いられる。用いられる還元
剤の当量数としては0.5から30当量、好ましくは1
から10当量が用いられる。反応溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類が用いられ、ジ
クロロメタン等のハロゲン化炭化水素類が好ましい結果
を与える。反応温度としては、−100℃から50℃、
好ましくは−78℃から−30℃で、反応時間としては
1秒から10時間、好ましくは1分から1時間で行われ
る。
【0024】次に、一般式(3)で表される化合物(R
2 =H)は、一般式(2)で表される化合物にグリニャ
−ル試薬等のC1 −C6 アルキル金属化合物等のアルデ
ヒド基のアルキル化剤を反応させることにより製造する
ことができる。より具体的には、C1 −C6 アルキル金
属化合物としては例えばメチルマグネシウムブロミド、
エチルマグネシウムブロミド等のC1 −C6 の低級アル
キルマグネシウムプロミド、メチルリチウム、エチルリ
チウム等のC1 −C6 のアルキルリチウムなどがあげら
れる。反応溶媒としてはアルキル化剤に対して安定なも
のが使用でき、好ましくはジエチルエ−テル、ジオキサ
ン等のエ−テル系溶媒がよい結果を与える。反応温度と
しては−100℃から100℃、好ましくは−78℃か
ら50℃で行われる。次に一般式(4)で表される化合
物は、一般式(3)で表される化合物において、R4
水素原子の場合はその化合物が一般式(4)の化合物と
等しく、R4 が水素原子以外の置換基の場合、R4 を置
換基によって異なる方法で水素に置換することにより得
ることができる。例えばR4 がカルバモイル基の場合、
10%塩酸水溶液中亜硝酸ナトリウムで処理することに
より、またtert−ブトキシカルボニル基の場合、塩
酸で処理を行うことにより一般式(4)の化合物を得る
ことができる。
【0025】さらに、一般式(1)で表される化合物の
光学活性体は例えば次のように製造できる。ラセミ体で
ある一般式(4)で表される化合物と光学活性なカルボ
ン酸等各種の酸と混合することより得られる2種のジア
ステレオマ−塩から、各々のジアステレオマ−をクロマ
トグラフィ−法及び結晶化等で単離する。これらのジア
ステレオマ−は通常の方法、例えば塩基を加えて塩を分
解するか、またはイオン交換樹脂等の方法で、一般式
(4)で表される光学活性な遊離塩基に導くことができ
る。または、一般式(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)、(7)で表されるセラミ体の化合物に
おいて、R1 、R2 、R3 、R4 、R7 のいずれか少な
くとも1カ所に光学活性な置換基を導入してジアステレ
オマ−とし、それらを分割することにより光学活性な化
合物に導くことができる。または、製造過程に於いて、
化学的不斉合成、例えば一般式(2)で表される化合物
に不斉を誘起するリガンド存在化有機金属試薬を作用さ
せることにより、光学活性な一般式(3)で表される化
合物に導くことができる。
【0026】
【作用】本発明化合物は次の実験例から、強い抗ウイル
ス作用を有することがわかる。 実験例 DNAウイルスである単純ヘルペス1型ウイルス(HS
V−1)に対する抗ウイルス作用を次に記す方法で試験
した。Vero細胞(アフリカミドリザル腎細胞由来)
の単層を有する6穴のマルチプレ−トにウイルス100
−150PFU(Plaque Forming Un
it)を感染させ、37℃で1時間吸着後、各濃度の、
実施例4で得られた試料を含む寒天培地(1.5%寒天
を含むイ−グルMEM培地)を重層し、37℃、5%
(V/V)の炭酸ガスふ卵器中で72時間培養した後、
プラ−クの形成数を測定し、50%抑制値(IC50)を
求めた。以上の実験例の結果を次表に示す。
【0027】
【表1】 ─────────────────────────────────── 化合物番号 IC50(μg/ml) ─────────────────────────── HSV−1 ─────────────────────────────────── 4−1 45.2 4−2 0.163 ───────────────────────────────────
【0028】
【効果】本発明の一般式(1)で表される化合物は強い
抗ウイルス作用を示すことから、口唇及び性器ヘルペ
ス、免疫抑制時の単純ヘルペス感染症を引き起こす単純
ヘルペス1型及び2型、免疫抑制時に重篤な肺炎を発祥
させるサイトメガロウイルス、水痘、帯状疱疹の病原ウ
イルスであるバリセラ・ゾスタ−ウイルス、A型、B型
及びC型肝炎ウイルス、AIDSウイルス等に有効であ
ることが期待される。以上のようにして得られた本発明
化合物を抗ウイルス剤として使用する場合、経口投与、
静脈内投与及び経皮投与等に供することができる。投与
量は対象の哺乳動物の感染ウイルス、症状、年齢、投与
方法等によっても異なるが、通常0.01〜500mg
/kg/日程度である。本発明化合物は、適当な製剤用
担体と混合して調製した製剤の形で投与される。製剤の
形としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル
剤、注射剤、点眼剤、眼軟膏剤、軟膏剤及び坐剤等が用
いられる。製剤中に含まれる有効成分量は、0.01%
から99.99%程度である。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造に
ついて具体的に説明する。なお、ここに示す化合物は全
てラセミ体である。 実施例1 (1β、2α、3β)−1−tert−ブト
キシカルボニルアミノ−3−tert−ブチルジメチル
シロキシメチル−2−ホルミルシクロブタンの製造 (1β、2α、3β)−1−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−3−tert−ブチルジメチルシロキシメ
チル−2−メトキシカルボニルシクロブタン(1.52
g、4.07mmol)の無水ジクロロメタン溶液(3
0ml)をドライアイス−アセトン浴中で−70℃に冷
却し、DIBAL−H(1Mトルエン溶液、6.11m
l、6.11mmol)を滴下する。6分間攪拌後、
0.2Nリン酸バ−ファ−(pH7.0)を加え、激し
く攪拌しながら室温に戻す。反応液をエチルエ−テルで
3回抽出し、抽出液を合わせて水、飽和食塩水で洗浄、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去する。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出液:ヘ
キサン−酢酸エチル、5:1)に供し、(1β、2α、
3β)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3
−tert−ブチルジメチルシロキシメチル−2−ホル
ミルシクロブタン(1.40g、100%)を得る。
【0030】1 H-NMR (200MHz, CDCl3, TMS) δ (J value): 0.05 (6H,s), 0.90 (9H,s), 1.43 (9H,s), 1.78 (1H,ddd,J 8.7,8.7,8.7Hz), 2.30 (1H,dd,J8,7,10.6Hz), 2.41 (1H,m), 2.95 (1H,dd,J 7.9,2.0Hz), 3.58 (2H,dd,J 4.0,4.0Hz), 4.11 (1H,m), 9.81 (1H,d,J 2.2Hz).
【0031】実施例2 (1β、2α、3β)−1−t
ert−ブトキシカルボニルアミノ−3−tert−ブ
チルジメチルシロキシメチル−2−(1−ヒドロキシエ
チル)シクロブタンの製造 (1β、2α、3β)−1−tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ−3−tert−ブチルジメチルシロキシメ
チル−2−ホルミルシクロブタン(1.20g、3.4
9mmol)を減圧乾燥後、無水テトラヒドロフラン
(15ml)に溶解、ドライアイス−アセトン浴中−7
0℃に冷却する。その溶液にメチルマグネシウムブロミ
ド(0.94Mテトラヒドロフラン溶液、8.90m
l、8.38mmol)を6分間要して滴下し、−70
℃で30分間攪拌する。0.2Nリン酸バッファ−(p
H7.0)を加えることにより反応を止めた後室温に戻
し、エチルエ−テルで3回抽出する。抽出液を合わせ
水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
溶媒を減圧溜去する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ(溶出液:ヘキサン−酢酸エチル、5:1)に
供する。最初に原料の(1β、2α、3β)−1−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ−3−tert−ブチ
ルジメチルシロキシメチル−2−ホルミルシクロブタン
(386.1mg、32%)が溶出し、次に(1β、2
α、3β)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ
−3−tert−ブチルジメチルシロキシメチル−2−
(1−ヒドロキシエチル)シクロブタンの2種のジアス
テレオマ−が順次(185.3mg(15.0%)、3
83.8mg(30.7%))溶出する。先に溶出する
ジアテレオマ−を実施例2−1、後に溶出するジアステ
レオマ−を実施例2−2とする。
【0032】1 H-NMR (200MHz, CDCl3, TMS) δ (J value): (実施例2−1) 0.05 (6H,s), 0.90 (9H,s), 1.10 (3H,d,J 6. 2Hz). 1.44 (9H,s) 1.89 (2H,m), 2.24 (2H,m), 3.55 (2H,dd,J 2.1, 4.0Hz), 3.69 (1H,m), 4.77 (1H,m,brd, J 6.2Hz),
【0033】(実施例2−2) 0.03 (6H,s), 0.87 (9H,s), 1.12 (3H, d, J 6.2Hz), 1.41 (9H,s), 1.81 (2H, m), 2.07 (1H, ddd, J 7.3,7.3,7.3Hz), 2.28 (1H, ddd, J 3.3,7.7,18.6Hz), 3.54 (2H, m), 3.74 (1H, m), 4.72 (1H, br),
【0034】実施例3 (1β、2α、3β)−1−ア
ミノ−2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシ
メチルシクロブタンの製造 (3−1)(1β、2α、3β)−1−tert−ブト
キシカルボニルアミノ−3−tert−ブチルジメチル
シロキシメチル−2−(1−ヒドロキシエチル)シクロ
ブタン(実施例2−1、185.3mg、0.54mm
ole)の無水メタノ−ル(5ml)溶液に、4規定塩
酸(ジオキサン溶液)1mlを加え、室温で一晩攪拌す
る。反応溶液を減圧溜去後少量ノメタノ−ルに溶解し、
炭酸水素ナトリウムを加え中和、次いでろ過を行い沈殿
を除いた後、溶媒を減圧溜去する。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ(溶出液:ジクロロメタン−メタ
ノ−ル、3:1)に供し、(1β、2α、3β)−1−
アミノ−2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキ
シメチルシクロブタン−(1)(実施例3−1の化合
物)〔66.6mg、83%〕を得る。
【0035】1 H-NMR (200MHz, CD3OD, TMS) δ (J value): 1.16 (3H,d, J 6.3Hz), 1.75 (1H, ddd, J 8.7,8.7,8.7Hz), 2.11 (2H,m) 2.33 (1H, ddd, J 11.0,7.7,7.7Hz), 3.48 (1H,br), 3.55 (2H,d,J 1.8Hz), 3.76 (1H,qD, J 6.5,6.5Hz),
【0036】(3−2)実施例2−2の化合物383.
8mg(1.12mmol)を用い、上記(3−1)と
同様にして(1β、2α、3β)−1−アミノ−2−
(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシメチルシク
ロブタン−(2)(実施例3−2の化合物)〔71.9
mg(0.5mmol)、45%〕を得た。
【0037】実施例4 9−[(1β、2α、3β)
−2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシメチ
ル−1−シクロブチル]グアニン(化合物No. 4)の製
造 (4−1)(1β、2α、3β)−1−アミノ−2−
(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシメチルシク
ロブタン(実施例3、66.6mg、0.46mmo
l)を無水DMF(1ml)に溶解し、トリエチルアミ
ン(55.7mg、0.55mmol)、2−アミノ−
6−クロロ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−5−ニト
ロピリミジン(87.6mg、0.46mmol)を加
えて、50℃の油浴中で4時間加温する。溶媒を減圧溜
去し、ギ酸(3ml)に溶解する。亜鉛パウダ−(1.
1g、18mol)を10分間徐々に加え、加え終えた
ら桐山濾紙でろ過を行う。亜鉛パウダ−をメタノ−ルで
洗浄した後、ろ液を合わせて溶媒を減圧溜去し、未精製
の(1β、2α、3β)−1−(2,5−ジアミノ−
3,4−ジヒドロ−4−オキソ−6−ピリミジル)−2
−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシメチルシ
クロブタンを264.0mg得る。その半量(132.
0mg)をギ酸(2.0ml)に溶解し、180℃の油
浴中で10時間加熱する。空冷後、水(2ml)に懸濁
し、28%アンモニア水(2ml)を加え、室温で2時
間30分攪拌し、溶媒を減圧溜去する。残渣をHP−2
0カラムクロマトグラフィ(水から50%含水メタノ−
ルへのグラジュエント溶出)に供し、9−[(1β、2
α、3β)−2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒド
ロキシメチル−1−シクロブチル]グアニン−(1)
(化合物4−1、5.0mg)を得る。
【0038】 HPLC;Retention time:7.03min (Column, ODS-2 Solvent, 2% CH3CN-98%(1% phosphat
e buffer) Flow rate :1ml/min1 H-NMR (200MHz, CD3OD, TMS) δ (J value): 1.08 (3H,d, J 6.4Hz), 2.18 (1H,m) 2.34 (1H,m) 2.47 (1H,m) 2.67 (1H,m) 3.67 (2H, d, J 5.1Hz), 3.86 (1H,qb, J 6.5, 6.5Hz), 4.62 (1H, ddd, J 8.8, 8.8,8.8,Hz), 7.88 (1H, br),
【0039】(4−2)実施例3−2の化合物から、上
記(4−1)と同様にして、9−[(1β、2α、3
β)−2−(1−ヒドロキシエチル)−3−ヒドロキシ
メチル−1−シクロブチル]グアニン−(2)(化合物
4−2、15.1mg)を得る。HPLC;Retention
time:4.77min (Column, ODS-2 Solvent, 2% CH3CN-98%(1% phosphat
e buffer) Flow rate :1ml/min1 H-NMR (200MHz, CD3OD, TMS) δ (J value): 1.01 (3H,d, J 6.3Hz), 2.19 (1H,m) 2.32 (1H, ddd,J 9.9, 9.9, 9.9Hz), 2.52 (1H, ddd,J 10.6, 8.1, 8.1Hz), 2.78 (1H, m), 3.68 (2H,d, J 5.1Hz), 3.74 (1H, m), 4.53 (1H, ddd, J 8.5, 8.5, 8.5Hz), 7.84 (1H, brs).
【0040】又、ギ酸のかわりにトリメチルオルトホル
メ−ト、ジェトキシメトキシ アセテ−ト又はホルムア
ルデヒドを用い、他は本実施例と同様にすることによ
り、化合物No.4−2を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 223/04 6742−4H C07D 473/16 8415−4C 473/18 8415−4C 473/30 8415−4C 473/32 8415−4C 473/34 321 8415−4C 473/40 8415−4C 487/04 144 7019−4C C07F 7/18 A 8018−4H // A61K 31/505 ADU 7252−4C 31/52 ADY 7252−4C 31/53 7252−4C 7038−4C C07D 239/55

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 [式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1 は炭素数1から
    6までの低級アルキル基を、R2 及びR3 はそれぞれ独
    立に水素原子または水酸基の保護基を示す]で表される
    シクロブタン誘導体及びこれらの化合物の生理的に許容
    される塩。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 [式中R3 は水素原子または水酸基の保護基を、R4
    水素原子または置換基を示す]で表されるシクロブタン
    誘導体。
  3. 【請求項3】一般式(3) 【化3】 [式中R1 は炭素数1から6までの低級アルキル基を、
    2及びR3 はそれぞれ独立に水素原子または水酸基の
    保護基を、R4 は水素原子または置換基を示す]で表さ
    れるシクロブタン誘導体。
JP3287241A 1990-10-09 1991-10-08 新規なシクロブタン誘導体 Pending JPH059182A (ja)

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