JPH0591820U - 摩擦パッド用熱プレス型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 粉体状摩擦材材料を熱板に密接した上型(3')
及び熱板に密接した下型(4) で加熱加圧して摩擦パッド
を成形する熱プレス型において、上型(3')又は下型のう
ち熱板から成形材料(1) に接する面までの距離が大きく
て熱容量の大きい型内にプレスストローク方向に沿って
ヒートパイプ(8) を埋設した摩擦パッド用熱プレス型。 【効果】 摩擦パッドの熱プレスにおいて材料に一様な
熱を加えられることが可能となり、均質性に優れた摩擦
パッドが得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はディスクブレーキ等の摩擦パッドを製造する際に使用する熱プレス型 に関し、特に品質の均一な摩擦パッドが得られるものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から上記摩擦パッドは、摩擦材材料である有機或いは無機繊維などの補強 材、銅や鉄等の金属粉末、リン酸カルシウムやアルミナ等の充填材、カーボン粉 等の潤滑材及びゴムや熱硬化性樹脂等の結合材の粉体を配合して混合し、図１に 示す熱プレスにより加熱加圧することで上記結合材を軟化させ、これらの材料を 一体に結合して得られるものである。

【０００３】 この熱プレスは上記摩擦材材料(1) を金属製の中型(2) 、上型(3) 及び下型(4 ) で支持された裏金(5) で形成される空間に充填し、該材料を上型(3) と下型(4 ) で加圧するものであるが、この際同時に上型(3) の上端面に上熱板(6) を密接 させ、且つ下型(4) の下端面には下熱板(7) を密接させることにより、これら上 型及び下型を介して摩擦材材料を加熱する構造となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところがこれら上型及び下型は通常鋼からなり同質の材料であり、さらに一般 に金型の構成上上型は下型より大きく、従って熱容量は下型のそれより大きいも のとなる。従って上型と下型との温度制御に係わる時定数に差が生じてしまい、 これらを等しく制御することが難しかった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はこれに鑑み種々検討の結果、摩擦材材料を熱プレスする際の上型と下 型の温度制御に係わる時定数を等しくして、成形される摩擦パッドの上下の熱バ ランスを均一にできる熱プレス型を開発したものである。

【０００６】 即ち本考案は、粉体状摩擦材材料を熱板に密接した上型及び熱板に密接した下 型で加熱加圧して摩擦パッドを成形する熱プレス型において、上型又は下型のう ち熱板から成形材料に接する面までの距離が大きくて熱容量の大きい型内にプレ スストローク方向に沿ってヒートパイプを埋設したことを特徴とするものである 。

【０００７】

【実施例】

以下本考案を図面により説明する。 図２に示すように熱プレスの熱板から成形材料に接する面までの距離が大きく 、熱容量の大きい上型(3')の内部にヒートパイプ(8) を上下方向に埋設した。 このような構成とすることにより、上型(3')の上部から下部への熱伝達を促進 し、上型内の温度勾配を緩やかにできる。そして熱板温度制御による熱プレス成 形において上型と下型の温度、特にそれぞれの材料、裏金に接触する部分の温度 を等しく制御できる効果がある。

【０００８】

【考案の効果】

このように本考案によれば、熱プレス型の上型及び下型の温度制御の時定数を 実質的に等しくすることができるので上型及び下型が材料に接する温度を常に等 しく制御することが容易になるものである。従って摩擦パッドの熱プレス成形に おいて材料に一様な熱を加えられることが可能となり、品質の優れた摩擦パッド が得られる等顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の熱プレス型を説明する断面図である。

【図２】本考案の熱プレス型を説明する断面図である。

【符号の説明】

１ 摩擦材材料 ２ 中型 3,3'上型 ４ 下型 ５ 裏金 ６ 上熱板 ７ 下熱板 ８ ヒートパイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 粉体状摩擦材材料を熱板に密接した上型
   及び熱板に密接した下型を用いて加熱加圧して摩擦パッ
   ドを成形する熱プレス型において、上型又は下型のうち
   熱板から成形材料に接する面までの距離が大きくて熱容
   量の大きい型内にプレスストローク方向に沿ってヒート
   パイプを埋設したことを特徴とする摩擦パッド用熱プレ
   ス型。