JP2019157925A - ディスクブレーキパッドの製造方法、ディスクブレーキパッド及びディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型 - Google Patents

ディスクブレーキパッドの製造方法、ディスクブレーキパッド及びディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型 Download PDF

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昭生 白土
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Hisashi Sakamoto
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Abstract

【課題】摩擦部材の使用量と廃棄のためのコストを低減することができるディスクブレーキパッドの製造方法を提供する。【解決手段】下面を成形する下部金型と、側面を成形する側部金型と、上面を成形する上部金型とを備えるディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型を用意する工程と、前記下部金型及び前記側部金型により形成されるキャビティに摩擦部材の原材料を投入し、前記原材料上に前記上部金型を配置する工程と、(工程A)前記原材料を前記摩擦部材用金型で熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る工程、又は、(工程B)前記原材料を前記摩擦部材用金型で予備成形し、上面に凹凸を有する予備成形体を得た後、前記予備成形体を熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る工程と、前記熱圧成形体の上面の凹凸を平坦に機械加工する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車及び自動二輪車等の制動に用いられるディスクブレーキパッドに関するものであり、特に、摩擦部材が、直接又は中間層を介してバックプレートに固着されたディスクブレーキパッドの製造方法、ディスクブレーキパッド及びディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型に関するものである。
自動車及び自動二輪車等の制動に用いられるディスクブレーキパッドは、キャリパ内に収容されて用いられる。ディスクブレーキパッドは、車軸と共に回転するディスクロータの側面を油圧等により挟み込んで、ディスクロータに押さえつけることで摩擦力を発生し、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して制動を行う部品である。ディスクブレーキパッドは、キャリパに取り付けられるバックプレート(裏金)上に、ディスクロータと摩擦摺動を行う摩擦部材が直接積層される構造、又は、摩擦部材が接着等を担う中間層を介して積層される構造となっている。
ディスクブレーキパッドの製造方法としては、摩擦部材の原材料である摩擦部材組成物を金型のキャビティに充填し、充填された摩擦部材組成物を押圧して予備成形し、得られた予備成形体をバックプレートと共に熱圧成形して一体化した後、必要に応じて熱処理をおこなって結合材の硬化を行い、摩擦部材の上面及びチャンファの研削加工、溝部(スリット)の切削加工等の機械加工を経て製造される(例えば、特許文献1参照)。
中間層を有するディスクブレーキパッドの場合は、中間層を形成する組成物上に摩擦部材組成物を積層して充填し、摩擦部材組成物と中間層組成物を予備成形することで製造することができる。
特開平9−136255号公報
ディスクブレーキパッドは、摩擦部材の上面が研削加工等により機械加工されて製造されているが、摩擦部材は既に熱硬化しているため除去される部分に関しては、再利用することができず廃棄するしかなく、無駄になってしまう摩擦部材の使用量の問題及び廃棄に要するコストの問題があった。
本発明者らは、鋭意研究した結果、機械加工により平坦にされて摩擦面となる摩擦部材の上面に、敢えて凹凸を形成し、後に機械加工により摩擦部材の上面の凸部を除去することで、摩擦部材の機械加工による廃棄量が削減できることを見出した。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決し、摩擦部材の使用量と廃棄のためのコストを低減することができるディスクブレーキパッドの製造方法、ディスクブレーキパッド及びディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型を提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)下面を成形する下部金型と、側面を成形する側部金型と、上面を成形する上部金型とを備えるディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型を用意する工程と、前記下部金型及び前記側部金型により形成されるキャビティに摩擦部材の原材料を投入し、前記原材料上に前記上部金型を配置する工程と、(工程A)前記原材料を前記摩擦部材用金型で熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る工程、又は、(工程B)前記原材料を前記摩擦部材用金型で予備成形し、上面に凹凸を有する予備成形体を得た後、前記予備成形体を熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る工程と、前記熱圧成形体の上面の凹凸を平坦に機械加工する工程とを含むディスクブレーキパッドの製造方法。
(2)前記工程Bを含む、(1)のディスクブレーキパッドの製造方法。
(3)前記工程Bは、前記予備成形体の凹凸の位置に対応する凹凸を有する熱圧成形用型を用いて熱圧成形する、(1)又は(2)のディスクブレーキパッドの製造方法。
(4)前記上部金型は、凸部を成形する第1上部金型及び凹部を成形する第2上部金型を有する、(1)〜(3)のいずれかのディスクブレーキパッドの製造方法。
(5)前記工程Aの熱圧成形又は前記工程Bの予備成形において、前記原材料を前記第2上部金型で押圧し、前記第2上部金型によって形成される凹部の体積分に相当する前記原材料を周囲に流動させた後に、前記上部金型を降下させて前記原材料を加圧成形する、(4)のディスクブレーキパッドの製造方法。
(6)前記工程Aの熱圧成形又は前記工程Bの熱圧成形において、前記第1上部金型及び前記第2上部金型の凹凸を所定の位置で一致させた後、前記第1上部金型及び前記第2上部金型を同期して降下させて加圧成形する、(4)又は(5)のディスクブレーキパッドの製造方法。
(7)前記工程Aの熱圧成形又は前記工程Bの予備成形において、前記摩擦部材用金型の凹凸の高さの差によって、前記原材料の圧縮比を調整する、(1)〜(6)のいずれかのディスクブレーキパッドの製造方法。
(8)前記工程Bの熱圧成形において、前記熱圧成形用型の凹凸の高さの差によって、前記予備成形体の圧縮比を調整する、(3)〜(7)のいずれかのディスクブレーキパッドの製造方法。
(9)(1)〜(8)のいずれかのディスクブレーキパッドの製造方法で製造された摩擦部材を備える、ディスクブレーキパッド。
(10)摩擦部材の下面を成形する下部金型と、摩擦部材の側面を成形する側部金型と、凹凸を有する摩擦部材の上面を成形する上部金型とを備えるディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型。
(11)前記上部金型は、摩擦部材の上面に形成される凸部を成形する第1上部金型と、摩擦部材の上面に形成される凹部を成形する第2上部金型とを有する、(10)のディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型。
本発明によれば、摩擦部材の使用量と廃棄のためのコストを低減することができるディスクブレーキパッドの製造方法、ディスクブレーキパッド及びディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型を提供することができる。
本発明のディスクブレーキパッドの製造方法の製造工程を示すフローチャートである。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、摩擦部材用金型の構造と摩擦部材の原材料の投入工程を示す模式図である。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、熱圧成形体を得る工程において、第2上部金型を降下させた状態を示す模式図である。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、熱圧成形体を得る工程において、第1上部金型を降下させて、第1上部金型と第2上部金型の下端面を一致させた状態を示す模式図である。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、熱圧成形体を得る工程において、第1上部金型と第2上部金型を同期して降下させて摩擦部材組成物の予備成形を行う状態を示す模式図である。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、熱圧成形工程を示す模式図である。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、機械加工部分を示す模式図(その1)である。 本発明のディスクブレーキパッドの製造方法における、機械加工部分を示す模式図(その2)である。 ディスクブレーキパッドの形状を示す模式図であり、図9(a)は上面図であり、図9(b)はバックプレート上に摩擦部材が直接積層された構造の場合の図8(a)のA−A断面を示す模式図であり、図9(c)はバックプレート上に摩擦部材が中間層を介して積層された構造の場合の図9(a)のA−A断面を示す模式図である。
[ディスクブレーキパッドの製造方法]
本発明の実施の形態に係るディスクブレーキパッドの製造方法は、図1に示すように、摩擦部材用金型を用意する工程S1と、摩擦部材の原材料を投入し、原材料上に上部金型を配置する工程S2と、熱圧成形体を得る工程S3と、機械加工する工程S4とを含む。
<摩擦部材用金型を用意する工程>
まず、摩擦部材用金型を用意する工程S1として、下面を成形する下部金型と、側面を成形する側部金型と、上面を成形する上部金型とを備えるディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型を用意する。
ディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型は、図2に示すように、下面を成形する下部金型11と、側面を成形する側部金型12と、上面を成形する上部金型13とを備える。下部金型11は、側部金型12と組み合わせることによって、摩擦部材の原材料を投入可能であり、摩擦部材の下面及び側面を形成するキャビティ12aを構成する。上部金型13は、摩擦部材の上面に形成される凸部を成形する第1上部金型13aと、摩擦部材の上面に形成される凹部を成形する第2上部金型13bとを有することが好ましい。第1上部金型13aと第2上部金型13bは、それぞれ独立して稼働させることができる。第1上部金型13aの下端面と第2上部金型13bの下端面は、摩擦部材の上面を滑らかに形成する観点から、それぞれのなす面が滑らかに接続していることが好ましい。
<摩擦部材の原材料を投入し、上部金型を配置する工程>
次に、摩擦部材の原材料を投入し、原材料上に上部金型を配置する工程S2として、図2に示すように、下部金型11及び側部金型12により形成されるキャビティ12aに摩擦部材の原材料Mを投入し、原材料M上に上部金型13を配置する。
原材料Mとしては、基材繊維、結合剤、有機充填材及び無機充填材等を含む摩擦部材組成物を用いることができる。
基材繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、ロックウール、アラミド繊維及びアクリル繊維等を用いることができる。
結合材は、熱硬化性樹脂であって、フェノール骨格を有し、熱劣化しても炭素として残りにくい樹脂が好ましい。結合材としては、フェノール樹脂及びアクリル又は各種エラストマで変性したフェノール樹脂等を用いることができる。
有機充填材としては、カシューダスト、ゴムダスト等の有機粉末を用いることができる。
無機充填材としては、アルミナやジルコニア等の無機粉末粒子、黒鉛、硫化アンチモン、硫化錫等の潤滑剤、銅、アルミニウム、亜鉛等の金属粉末粒子などを用いることができる。
<熱圧成形体を得る工程>
次に、熱圧成形体を得る工程S3として、直接成形(工程A)S31又は予備成形及び熱圧成形(工程B)S32を採用し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る。
《直接成形(工程A)》
工程Aとしては、原材料Mを摩擦部材用金型で熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る。
工程Aにおいて、図3に示すように、原材料Mを第2上部金型13bで押圧し、第2上部金型13bによって形成される凹部の体積分に相当する原材料Mを周囲に流動させた後に、上部金型13を降下させて原材料Mを加圧成形することが好ましい。具体的には、まず、原材料Mを第2上部金型13bで押圧することで、図3に示すように、熱圧成形体の凹部に相当する体積分の原材料Mを、第2上部金型13bの周囲に流動(図中矢印の方向)させる。そして、図4に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bの凹凸を所定の位置で一致させる。ここで、所定の位置とは、第1上部金型13aの下端面と第2上部金型13bの下端面が、段差を形成することなく、連続して滑らかに接続している状態の位置をいう。その後、図5に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bを同期して降下させて熱圧成形することで熱圧成形体が得られる。得られた熱圧成形体は、上面に凹凸を有するものとなるが、予め熱圧成形体の凹部に相当する体積分の原材料Mを、第2上部金型13bの周囲に流動させた後に熱圧成形するため、熱圧成形体の密度分布は比較的均一となる。
《予備成形及び熱圧成形(工程B)》
工程Bとしては、原材料Mを摩擦部材用金型で予備成形し、上面に凹凸を有する予備成形体を得た後、予備成形体を熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る。
工程Bにおいて、図3に示すように、原材料Mを第2上部金型13bで押圧し、第2上部金型13bによって形成される凹部の体積分に相当する原材料Mを周囲に流動させた後に、上部金型13を降下させて原材料Mを加圧成形することが好ましい。具体的には、まず、原材料Mを第2上部金型13bで押圧することで、図3に示すように、熱圧成形体の凹部に相当する体積分の原材料Mを、第2上部金型13bの周囲に流動(図中矢印の方向)させる。そして、図4に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bの凹凸を所定の位置で一致させる。ここで、所定の位置とは、第1上部金型13aの下端面と第2上部金型13bの下端面が、段差を形成することなく、連続して滑らかに接続している状態の位置をいう。その後、図5に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bを同期して降下させて予備成形することで予備成形体が得られる。得られた予備成形体は、上面に凹凸を有するものとなるが、予め予備成形体の凹部に相当する体積分の原材料Mを、第2上部金型13bの周囲に流動させた後に予備成形するため、予備成形体の密度分布は比較的均一となる。
得られた予備成形体は、熱圧成形を行う。熱圧成形は、図6に示すように、予備成形体Pの凹凸の位置に対応する凹凸を有する熱圧成形用型23を用いて行うことが好ましい。
まず、予備成形体Pは、図6に示すように、熱圧成形用第1金型22と熱圧成形用第2金型23で構成される熱圧成形用キャビティ22aに配置する。熱圧成形用第2金型23の表面は、凸部23a及び凹部23bを有する。凸部23aは予備成形体Pの凹部P1に対応する位置に設けられている。凹部23bは予備成形体Pの凸部P2に対応する位置に設けられている。
次いで、予備成形体Pの凹凸が形成された上面と対向する面(下面)に、バックプレート1を配置する。その後、熱圧成形用第1金型22と熱圧成形用第2金型23を介して予備成形体Pを加熱して熱圧成形を行い、熱圧成形体を得るとともに、熱圧成形体とバックプレート1の一体化を行う。熱圧成形用第2金型23の凸部23aと凹部23bのなす面は、凸部23aと凹部23bの凹凸の高さの差によって、予備成形体Pの圧縮比を調整することができる。予備成形体Pの上面に形成される凹凸の各部で圧縮比を等しくすることで、熱圧成形体の密度分布は比較的均一となる。
<機械加工する工程>
次に、機械加工する工程S4として、熱圧成形体の上面の凹凸を平坦に機械加工する。ここで、熱圧成形体の上面の「凹凸」とは、熱圧成形体の上面において、最下部と最上部との高さの差が0.1mm以上1.0mm以下である隣接する凹部と凸部を有することをいう。また、熱圧成形体の上面の「平坦」とは、熱圧成形体の上面において、最下部と最上部との高さの差が0.1mm以上である隣接する凹部と凸部を有していないことをいう。
熱圧成形体を得る工程S3で得られた熱圧成形体Tは、図7(a)に示すように、上面に凹部Ta及び凸部Tbが形成されている。熱圧成形体Tは、図7(a)の点線部より上部にあたる凹部Ta及び凸部Tbを研削等の機械加工により除去し、図7(b)に示すように、平坦な摩擦面(上面)2aを形成する。さらに、図7(b)に示すように、チャンファ部2b及び溝部2cの機械加工を適宜行って、ディスクブレーキパッド2とする。摩擦面(上面)2aの機械加工においては、熱圧成形体Tの凸部Tbの分は廃棄することとなるが、熱圧成形体Tの凹部Taの分だけ廃棄量が削減でき、熱圧成形体Tの凹部Taを形成するための原材料が不要になり、その分製造コストを低減することができる。
熱圧成形体の上面の凹凸において、隣接する凹部Taの最下部と凸部Tbの最上部との高さの差は、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましい。上記範囲であることによって、摩擦面(上面)2aの機械加工において廃棄量が削減できる。
熱圧成形体の上面の凹凸において、隣接する凹部Taの最下部と凸部Tbの最上部との高さの差は、1.0mm以下であることが好ましく、0.9mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることがさらに好ましい。上記範囲であることによって、摩擦面(上面)2aの凹部Ta及び凸部Tbを容易に形成することができる。
熱圧成形体の上面の凹凸において、隣接する凹部Taの最下部と凸部Tbの最上部との間隔の距離は、1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以上4.5mm以下であることがより好ましく、2.0mm以上4.0mm以下であることがさらに好ましい。隣接する凹部Taの最下部と凸部Tbの最上部との間隔の距離が上記範囲であることによって、摩擦面(上面)2aの機械加工において廃棄量が削減できる。
熱圧成形体Tは、繊維基材、結合剤、有機充填材及び無機充填材等を含む摩擦部材組成物である粉体の原材料Mを熱圧成形することにより成形されるので、原材料Mが偏在する場合には、図8(a)に示すように、凹部Ta及び凸部Tbが形成されている上面は傾斜していることがある。本実施形態の熱圧成形体Tは、厚さtの摩擦部材を得るために、図8(a)の点線部より上部にあたる凹部Ta及び凸部Tbを含む箇所を研削等の機械加工により除去し、平坦な摩擦面(上面)を形成する。これに対して、従来の製造方法で得られる熱圧成形体T’は、図8(b)の点線部より上部を研削等の機械加工により除去し、平坦な摩擦面(上面)を形成する。即ち、本実施形態の熱圧成形体Tは、図8(c)に示すように、従来の製造方法で得られる熱圧成形体T’と比して、凹部Taの分(斜線部)だけ廃棄量が削減でき、熱圧成形体Tの凹部Taを形成するための原材料が不要になり、その分製造コストを低減することができる。
上記の形態は、凹部Ta及び凸部Tbの凹凸を波形として形成した例であるが、矩形、台形等としてもよい。また、上記の形態は、上部金型13及び熱圧成形用成形型23の凹凸の間隔を等間隔に配置した例であるが、上部金型13及び熱圧成形用成形型23の凹凸の間隔を不等間隔に配置することもできる。また、凹凸は一方向に連続した形状とすることもできるし、斑状に形成することもできる。
以上は、バックプレート上に直接摩擦部材を積層したディスクブレーキパッドの製造方法の例であるが、摩擦部材の原材料を投入し、原材料上に上部金型を配置する工程S2において、下部金型11と側部金型12と組み合わせにより構成されるキャビティ12aに中間層を形成する中間層組成物を充填した後、充填された中間層組成物の上に摩擦部材用の原材料を積層して充填し、後の工程は上記と同様にすることで、バックプレート上に、摩擦部材が中間層を介して積層されたディスクブレーキパッドを製造することができる。
また、上記の摩擦部材用金型を用意する工程S1と、摩擦部材の原材料を投入し、原材料上に上部金型を配置する工程S2と、熱圧成形体を得る工程S3と、機械加工する工程S4の他、従来から行われている他の工程を必要に応じ追加してもよい。例えば、本発明のディスクブレーキパッドの製造方法において、樹脂の硬化を促進する熱処理工程を設けてもよく、摩擦部材の表面をスコーチ処理するスコーチ処理工程を設けてもよく、ディスクブレーキパッドの塗装工程を追加してもよい。
[ディスクブレーキパッド]
本発明の実施の形態に係るディスクブレーキパッドは、上記のディスクブレーキパッドの製造方法で製造された摩擦部材を備えるものである。
具体的には、本発明の実施の形態に係るディスクブレーキパッドは、図9(a)に示すように、キャリパに取り付けられるバックプレート(裏金)1上に、摩擦部材2が設けられた構造となっている。ディスクブレーキパッドは、図9(b)に示すように、ディスクロータと摩擦摺動を行う摩擦部材2が直接積層された構造とすることができる。また、ディスクブレーキパッドは、図9(c)に示すように、摩擦部材2が接着等をになう中間層3を介して積層された構造とすることができる。なお、中間層3を有するディスクブレーキパッドにおいては、摩擦部材2を上張材、中間層3を下張材と称すこともある。
摩擦部材2は、図9(a)〜(c)に示すように、上面2aに、チャンファ部2b及び溝部2cを適宜設けることができる。
[ディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型]
本発明の実施の形態に係るディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型は、図2に示すように、摩擦部材の下面を成形する下部金型11と、摩擦部材の側面を成形する側部金型12と、凹凸を有する摩擦部材の上面を成形する上部金型13とを備える。
本明細書において、ディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型は、摩擦部材を製造する工程において、熱圧成形体又は予備成形体を成形するための金型である。
上部金型13は、摩擦部材の上面に形成される凸部を成形する第1上部金型13aと、摩擦部材の上面に形成される凹部を成形する第2上部金型13bとを有することが好ましい。上部金型13は、第1上部金型13aと第2上部金型13bとを有することで、図3に示すように、原材料Mを第2上部金型13bで押圧し、第2上部金型13bによって形成される凹部の体積分に相当する原材料Mを周囲に流動させた後に、図4に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bの凹凸を所定の位置で一致させ、上部金型13を降下させて原材料Mを加圧成形することができる。ここで、所定の位置とは、第1上部金型13aの下端面と第2上部金型13bの下端面が、段差を形成することなく、連続して滑らかに接続している状態の位置をいう。その後、図5に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bを同期して降下させて熱圧成形することで熱圧成形体が得られる。又は、図5に示すように、第1上部金型13a及び第2上部金型13bを同期して降下させて予備成形することで予備成形体が得られる。得られた熱圧成形体又は予備成形体は、上面に凹凸を有するものとなるが、予め熱圧成形体又は予備成形体の凹部に相当する体積分の原材料Mを、第2上部金型13bの周囲に流動させた後に予備成形するため、熱圧成形体又は予備成形体の密度分布は比較的均一となる。
上部金型13において、隣接する凹部の最下部と凸部の最上部との高さの差は、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましい。上記範囲であることによって、摩擦面(上面)の機械加工において廃棄量を削減可能な熱圧成形体を形成することができる。
上部金型13において、隣接する凹部の最下部と凸部の最上部との高さの差は、1.0mm以下であることが好ましく、0.9mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることがさらに好ましい。上記範囲であることによって、熱圧成形体の摩擦面(上面)に、凹凸を容易に形成することができる。
上部金型13において、隣接する凹部の最下部と凸部の最上部との間隔の距離は、1.0mm以上5.0mm以下であることが好ましく、1.5mm以上4.5mm以下であることがより好ましく、2.0mm以上4.0mm以下であることがさらに好ましい。隣接する凹部の最下部と凸部の最上部との間隔の距離が上記範囲であることによって、摩擦面(上面)の機械加工において廃棄量を削減可能な熱圧成形体を形成することができる。
本発明の実施の形態に係るディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型によれば、摩擦部材の製造過程において、上面に凹凸を有する熱圧成形体又は予備成形体を形成することができる。上面に凹凸を有する熱圧成形体又は予備成形体であることによって、原材料の使用量と廃棄のためのコストを低減することができる。
本発明のディスクブレーキパッドは、摩擦部材の原材料の使用量を低減でき、機械加工により廃棄される量を低減できる分、製造コストが抑制できるものであり、自動車及び自動二輪車等の制動に用いられるディスクブレーキパッドの製造方法、ディスクブレーキパッド及びディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型として好適なものである。
1…バックプレート
2…摩擦部材
2a…摩擦面(上面)
2b…チャンファ部
2c…溝部
3…中間層、
11…下部金型
12…側部金型
12a…キャビティ
13…上部金型
13a…第1上部金型
13b…第2上部金型
22…熱圧成形用第1金型
22a…熱圧成形用キャビティ
23…熱圧成形用第2金型
23a…熱圧成形用第2金型の凹部
23b…熱圧成形用第2金型の凸部
P…予備成形体
P1…予備成形体の凹部
P2…予備成形体の凸部
T…熱圧成形体
Ta…熱成形体の凹部
Tb…熱成形体の凸部

Claims (11)

  1. 下面を成形する下部金型と、側面を成形する側部金型と、上面を成形する上部金型とを備えるディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型を用意する工程と、
    前記下部金型及び前記側部金型により形成されるキャビティに摩擦部材の原材料を投入し、前記原材料上に前記上部金型を配置する工程と、
    (工程A)前記原材料を前記摩擦部材用金型で熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る工程、又は、(工程B)前記原材料を前記摩擦部材用金型で予備成形し、上面に凹凸を有する予備成形体を得た後、前記予備成形体を熱圧成形し、上面に凹凸を有する熱圧成形体を得る工程と、
    前記熱圧成形体の上面の凹凸を平坦に機械加工する工程
    とを含むディスクブレーキパッドの製造方法。
  2. 前記工程Bを含む、請求項1に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  3. 前記工程Bは、前記予備成形体の凹凸の位置に対応する凹凸を有する熱圧成形用型を用いて熱圧成形する、請求項1又は2に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  4. 前記上部金型は、凸部を成形する第1上部金型及び凹部を成形する第2上部金型を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  5. 前記工程Aの熱圧成形又は前記工程Bの予備成形において、前記原材料を前記第2上部金型で押圧し、前記第2上部金型によって形成される凹部の体積分に相当する前記原材料を周囲に流動させた後に、前記上部金型を降下させて前記原材料を加圧成形する、請求項4に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  6. 前記工程Aの熱圧成形又は前記工程Bの熱圧成形において、前記第1上部金型及び前記第2上部金型の凹凸を所定の位置で一致させた後、前記第1上部金型及び前記第2上部金型を同期して降下させて加圧成形する、請求項4又は5に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  7. 前記工程Aの熱圧成形又は前記工程Bの予備成形において、前記摩擦部材用金型の凹凸の高さの差によって、前記原材料の圧縮比を調整する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  8. 前記工程Bの熱圧成形において、前記熱圧成形用型の凹凸の高さの差によって、前記予備成形体の圧縮比を調整する、請求項3〜7のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッドの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスクブレーキパッドの製造方法で製造された摩擦部材を備える、ディスクブレーキパッド。
  10. 摩擦部材の下面を成形する下部金型と、
    摩擦部材の側面を成形する側部金型と、
    凹凸を有する摩擦部材の上面を成形する上部金型
    とを備えるディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型。
  11. 前記上部金型は、摩擦部材の上面に形成される凸部を成形する第1上部金型と、摩擦部材の上面に形成される凹部を成形する第2上部金型とを有する、請求項10に記載のディスクブレーキパッドの摩擦部材用金型。
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