JPH0591185U - ボイスコイルモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヨーク及びコイル内を通る磁束がヨークの開
口部側の箇所から外部に漏れるのを防止して、磁気の影
響を受け易い装置に使用しても問題を生じることのない
ボイスコイルモータを提供することである。 【構成】 磁束の漏れを防止するために、ボイスコイル
モータの一端が開口した中空状のヨーク１の開口部側を
磁性体製の蓋９で覆い、モータの推力は、コイル組立て
体５の上のコイル５ａの被移動体の取付け部７にロッド
８を設けて、蓋９の中央部に設けた穴９ｂを通したロッ
ド８に被移動体を取付けて伝達するようにした。 【効果】 ヨーク 1内及びヨーク１の中空部内に挿入し
たコイル組立て体５の上のコイル５ａ内を通る磁束が、
磁性体製の蓋９で覆うことによりヨーク１の開口部側の
箇所から漏出するのを防止でき、目的が達成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ボイスコイルモータに関し、特に磁束の漏洩防止を改善したボイス コイルモータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

リニアモータとして使用されるボイスコイルモータは、図２に示すように、一 端が開口した中空筒状のヨーク１の外側部（サイドヨーク）１ａの内周面に、環 状のマグネット２を接合し、ヨーク１の中空部の中央に設けられた突出部（セン ターヨーク）１ｂの外面に筒状のコイル３を被せるようにして、コイル３をヨー ク１の中空部内に挿入してなっている。

【０００３】 ボイスコイルモータの磁石２から出た磁束の流れは、コイル３を直角に横切る ようにしてセンターヨーク１ｂとのギャップを通って該センターヨーク１ｂに入 り、そこからヨーク１の底部１ｃを経てサイドヨーク１ａに入り、かくして、ボ イスコイルモータにコイル３を横切って一巡する磁気回路が形成される。

【０００４】 ボイスコイルモータは、コイル３に流す電流を制御することによりコイル３を 上下方向に移動し、コイル３上端のヨーク開口部側の部分に設けられた取付け部 ４に取付けた図示しない被移動体を上下方向の所望位置まで移動するように作動 される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のボイスコイルモータでは、ヨーク１及びコイル３内を通 る磁束がヨーク１の開口部側の箇所で外部に漏れるという問題があった。このた め磁気の影響を受け易い装置の駆動部にボイスコイルモータを使用すると、その 装置の正常な使用が妨げられることがあった。

【０００６】 本考案の目的は、ヨーク及びコイル内を通る磁束がヨークの開口部側の箇所か ら外部に漏れるのを防止して、磁気の影響を受け易い装置に使用しても問題を生 じることのないボイスコイルモータを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的は本考案に係るボイスコイルモータにて達成される。要約すれば本考 案は、一端が開口した中空状のヨークの内周面にマグネットを接合し、前記ヨー クの中空部内に、前記ヨークの一端の開口部側に被移動体の取付け部を有する可 動コイルを挿入したボイスコイルモータにおいて、前記被移動体を取付けるロッ ドを前記コイルの前記取付け部に設け、前記ヨークの前記一端の開口部側を、前 記ロッドを通す穴を設けた磁性体製の蓋で覆ったことを特徴とするボイスコイル モータである。

【０００８】

【実施例】

図１は、本考案のボイスコイルモータの一実施例を示す断面図である。本考案 では、ボイスコイルモータのヨーク１の一端の開口部側の箇所で磁束が外部に漏 れるのを防止するために、ヨーク１の開口部側を磁性体製の蓋９で覆ったことが 特徴である。

【０００９】 本実施例において、ボイスコイルモータは、コイル組立て体５に構成された筒 状の上下のコイル５ａ及び５ｂを有し、その上下のコイル５ａ及び５ｂは、ヨー ク１の中空部の中央に設けられたセンターヨーク（突出部）１ｂの外面に被せる ようにして、ヨーク１の中空部内に挿入されている。この上下のコイル５ａ及び ５ｂに対応するように、ヨーク１のサイドヨーク１ａ（外側部）の内周面に、上 下の環状のマグネット６ａ及び６ｂが接合されている。本実施例では、上のマグ ネット６ａは内側がＮ極、外側がＳ極とされ、これと極性を反対にされる下のマ グネット６ｂは内側がＳ極、外側がＮ極とされている。

【００１０】 本考案によれば、上記したように、磁性体製の蓋９でヨーク１の開口部側を覆 っている。この蓋９は中央に穴９ｂを有する上に凸の皿体に形成されており、縁 部９ａをサイドヨーク１ａのヨーク１開口部側の端部１ａ′上に載置して連続し た態様で、蓋９をヨーク１の開口部側全体に被せてこれを覆わせている。蓋９を 形成する磁性体としては、鉄、純鉄、ケイ素鉄、パーマロイ等が使用される。

【００１１】 又ヨーク１の開口部側を蓋９で覆ったので、上のコイル５ａのヨーク開口部側 の部分に設けられた被移動体の取付け部７に蓋９の穴９ｂを挿通するロッド８を 設け、このロッド８に図示しない被移動体を取り付けて、ボイスコイルモータの 推力を被移動体に伝達するようにしている。

【００１２】 以上のボイスコイルモータでは、上の磁石６ａから出た磁束の流れは、コイル ５ａを直角に横切るようにしてセンターヨーク１ｂとのギャップを通って該セン ターヨーク１ｂに入り、次いで磁束の流れは大部分がセンターヨーク１ｂから出 て、下のコイル５ｂを直角に横切るようにして下のマグネット６ｂとのギャップ を通って該マグネット６ｂに入る。そして磁束の流れは、下のマグネット６ｂか らサイドヨーク１ａを経て上のマグネット６ａに入る。磁束の流れの一部は、セ ンターヨーク１ｂからヨーク１の底部１ｃを経てサイドヨーク１ａに入り、上記 のサイドヨーク１ａの磁束の流れと合流する。かくして、ボイスコイルモータに コイル５ａ及び５ｂを横切って一巡する磁気回路が形成される。

【００１３】 このとき、サイドヨーク１ａ内及びコイル５ａ内を通る磁束がヨーク１の開口 部側から漏れ出そうになるが、本考案では、ヨーク１の開口部側全体に磁性体製 の蓋９を被せて、磁気回路全体を蓋９で覆ったようになっているので、シールド 効果が発生して磁束の漏出が防止され、磁束が外部に漏れ出るのが極端に減少す る。従って本考案のボイスコイルモータによれば、磁気の影響を受け易い装置の 駆動部に使用しても問題はなく、その装置に磁気の影響を与えることなく正常に 使用することができる。

【００１４】 以上の実施例では、コイル組立て体５は上下に２つのコイル５ａ、５ｂを設け た態様のものを示したがコイルが１つのものでもよく、又ヨーク１は中空部の中 央にセンターヨーク１ｂを有していたが、センタヨークのないヨークでもよい。 いずれの場合にも、本発明を同様に適用することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のボイスコイルモータによれば、ヨークの開口部 側の全体を磁性体製の蓋で覆ったので、ヨーク及びコイル内を通る磁束がヨーク の開口部側の箇所から外部に漏れるのを防止でき、ボイスコイルモータを磁気の 影響を受け易い装置にも問題を生じることなく使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のボイスコイルモータの一実施例を示す
断面図である。

【図２】従来のボイスコイルモータを示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ヨーク １ａ サイドヨーク １ｂ センターヨーク ５ａ、５ｂ コイル ６ａ、６ｂ マグネット ７ 取付け部 ８ ロッド ９ 磁性体製の蓋 ９ｂ 穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 亀沢 康文 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番１ 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)考案者 赤間 助広 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番１ 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端が開口した中空状のヨークの内周面
   にマグネットを接合し、前記ヨークの中空部内に、前記
   ヨークの一端の開口部側に被移動体の取付け部を有する
   可動コイルを挿入したボイスコイルモータにおいて、前
   記コイルの前記取付け部にロッドを設けて前記ロッドに
   前記被移動体を取付け、前記ヨークの前記一端の開口部
   側を、前記ロッドを通す穴を設けた磁性体製の蓋で覆っ
   たことを特徴とするボイスコイルモータ。