JPH0590511U - ブラシ帯電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体表面の均一な帯電を行なうことのでき
るブラシ帯電器を提供することである。 【構成】 ブラシ帯電器１０は、基材部１２とそれに貼
り付けられた基布１５上のブラシ１４とブラシ１４に電
圧を印加する電源とを備えており、ブラシ１４の毛先
は、２本に分かれている。そして、感光体１８との接触
部において毛先がバラバラの方向を向くことにより、軸
方向における接触状態を均一にすることができ、その結
果、感光体１８を均一に帯電することが可能になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、感光体表面を所定の電位に帯電するブラシ帯電装置に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電子写真装置に於て、静電潜像を担持するための感光体上を所定の初期 電位に帯電する帯電装置には、スコロトロン帯電器と呼ばれる装置が実用化され ている。このスコロトロン帯電器は、直径１００μｍ以下のワイヤと、感光体に 対向して設けられているグリッドと、それらを一体に保持したケースとで構成さ れている。この帯電器に於て、ワイヤに約−５ｋＶの高電圧を印加すると、ワイ ヤ周囲でコロナ放電を生じる。この放電で生じた電荷をグリッドに印加する約− ５００Ｖの電圧で制御して感光体上をほぼグリッドに印加した電圧に等しい電圧 にまで一様に帯電させることができる。

【０００３】 このように、スコロトロン帯電器は、グリッドに印加する電圧により帯電電位 を制御でき、かつ、帯電電位の均一性に優れているという特長を有しているが、 ワイヤに高電圧を印加しコロナ放電を起こさせるため、オゾンが発生する。この オゾンは、独特の臭気を発するので、電子写真装置の使用者を不快にするのみな らず、その化学的活性に富んだ性質から、ゴムなどの有機物を侵したり、人体に も悪影響を及ぼす。

【０００４】 そこで、よりオゾンの発生量の少ない帯電方式として電圧を印加した多数の導 電性接触子を感光体に摺擦させて帯電させるブラシ帯電装置が提案されている。 その例を図４に示す。

【０００５】 帯電装置５０は、導電性材料で形成した基材部５２に導電性の繊維５４を多数 植えた構成になっている。そして、基材部５２に電圧を印加する電源５６が備え られている。この帯電装置５０を感光体５８に摺擦させることにより、感光体５ ８表面を所定の電位に帯電する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このようなブラシ帯電装置には、次のような欠点があった。つ まり、細い繊維を感光体に押し付けて帯電させる方式なので、感光体表面の帯電 むらが生じて、これが画像上では筋状のむら、いわゆる掃き目と呼ばれる画像汚 れとなって現われる。

【０００７】 本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、感光体表面 の帯電むらを生じにくいブラシ帯電装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案は、感光体に接触して設けられた導電性を有 するブラシと、該ブラシに電圧を印加する電源とを有するブラシ帯電装置で、前 記のブラシ形状が、自由端において枝分かれした形状を成している。

【０００９】

【作用】

上記の構成を有する本考案のブラシ帯電装置では、感光体に対し枝分かれした 形状を有する自由端で接触したブラシに電圧を印加して感光体表面を所定の電位 に帯電する。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。図１は、本考 案を実施したブラシ帯電装置を示した図である。

【００１１】 ブラシ帯電装置１０は、基材部１２と、ブラシ１４を多数本植えられたパイル 織物である基布１５と、基布１５に電圧を印加するように備えられた電源１６と で構成されている。そして、感光体１８に対しブラシ１４の自由端を適当な接触 圧で接触させて設けられている。

【００１２】 基材部１２は、アクリルまたはＡＢＳなどの樹脂材料によって角柱状に成形さ れている。そして基布１５は、基材部１２に対して接着剤もしくは粘着テープに よって貼り付けられている。

【００１３】 基布１５およびブラシ１４としては、レーヨンやポリエステルなどの絶縁性繊 維により帯状に形成した基布１５の表面に単糸デニール１．５〜２０ｄのフィラ メントを１０〜２００本束ねた導電性繊維を植設したものを用いている。

【００１４】 ブラシ１４の形状は図２に示すとおりである。すなわち、ブラシ１４は前述し たように導電性繊維を多数本束ねた構成を有しているが、自由端において撚り合 わせを変えて２本に分かれる様にしている。そして、この２本に分かれた部分を 感光体表面に接触させるようにブラシ帯電装置１０をニップする。

【００１５】 ブラシ帯電装置１０の動作を説明する。感光体１８に対してブラシ１４を接触 するように設けられたブラシ帯電器１０は、感光体１８が矢印方向に回転する動 作に連動して電源１６よりブラシ１４に直流波形で絶対値が１〜２ｋＶ程度の電 圧が印加されて、ブラシ１４の表面のコロナ放電及び電荷注入によって感光体１ ８表面を所定の極性に帯電させる。この時ブラシ１４が感光体１８に接触してい る毛先の部分は、既に述べたように２本に分かれているので、毛先の方向が一方 向を向かずにバラバラになる。したがって、感光体１８の軸方向において一様に 接触帯電を行なうことができるので、従来の固定ブラシ帯電器のように画像上に 帯電むらによるいわゆる掃き目が生じることが無い。

【００１６】 あるいは本考案の他の実施例としては図３に示すようないわゆるローラブラシ 帯電器３０と言った形状が考えられる。これは、導電性樹脂等で形成された中心 軸３２の周囲に、帯状に形成した基布にブラシ３４を植えたものを螺旋状に巻き 付けたような形状を成している。このようなローラブラシ帯電器３０においても 、ブラシの先を２本に分かれた形状とすることで、毛先の向きをバラバラにする ことができるので、その結果、感光体３６との接触状態を軸方向で均等にするこ ととなり、均一な帯電に有利な構成とすることができる。

【００１７】 また、ブラシ帯電器に印加する電圧波形は、上記した直流波形に限定されず、 直流に交流電圧を重畳した波形を用いてもよい。

【００１８】 そのほかブラシの毛先を２本以上に分かれた構成とする方法であるが、上記に 示したような撚り合わせを途中から分ける方法の他に、先端部が複数に分かれた 形状である一体的なブラシ状導電性樹脂材料で形成する方法も考えられる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したことから明かなように、本考案のブラシ帯電装置は、ブラシの毛 先が２本以上に分かれているので、感光体との接触部において毛先方向がバラバ ラになることにより感光体との軸方向におけるブラシの接触状態が均一になるの で、感光体を均一に帯電することができ、その結果画像上に掃き目の生じない良 好な帯電を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例であるブラシ帯電器を示した
図である。

【図２】本考案の一実施例のブラシ帯電器に用いられる
ブラシの毛先の状態を示した図である。

【図３】本考案の他の実施例であるローラブラシ帯電器
を示した図である。

【図４】従来用いられているブラシ帯電器を示した図で
ある。

【符号の説明】

１０ ブラシ帯電器 １２ 基材部 １４ ブラシ １５ 基布 １６ 電源 １８ 感光体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光体表面に接触して設けられた導電性
   を有するブラシと、該ブラシに電圧を印加する電源とを
   有するブラシ帯電装置において、 前記ブラシ形状が、自由端において枝分かれした形状を
   成していることを特徴とするブラシ帯電装置。