JPH059050B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、覆土が不要で、取扱が便利な育苗
器を提供するものである。

〔従来技術とその課題〕

特開昭56−144017号公報に示すように、底辺が
1.5cm×1.5cm程度の台形をした小形のポツトが30
cm×60cm程度の大きさに接続されて出来た育苗器
が、作物の育苗に用いられるようになつた。とこ
ろが、このポツトは、上に発芽用の孔（発芽孔）
を備え、下に土入用の口を備えていて、育苗器を
平な板の上に発芽孔を下にして載せ、土入口から
少量の覆土を入れ、播種し、そののち床土を入れ
て反転して発芽させていた。従つて、少量の覆土
が均平に入れ難いうえ、反転に当つて落下してな
くなつたりして、取扱には細心の注意が必要であ
つた。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上記課題を解決すべく、紙或は樹
脂で出来た単一のポツトが下辺において他の同形
のポツトと接続して所定の大きさの集団に形成さ
れ、各ポツトは上下にそれぞれ発芽孔と土入口を
備え、この発芽孔は水溶性若しくは発芽できる繊
維材で閉されていることを特徴とする育苗器とし
たものである。

〔発明の効果〕

この発明は、上記技術手段により、発芽孔が水
溶性若しくは発芽できる繊維材で閉されているか
ら、この繊維材は、工業的に最適の厚みに形成出
来て覆土を兼ねてポツト内への覆土を入れる作業
を不要とし、作業中に種子や床土がこの発芽孔か
らこぼれることをなくし、もつて均一で適正な発
芽と育苗が行なわれることになつた。

〔実施例〕

この発明を施した育苗器を図面に基づいて説明
すると、１は、ポツトで底辺が約1.5cm×1.5cmの
大きさに作られ、底辺において他のポツト１，１
…と連つて、全体として30cm×60cm程度の大きさ
になり、所定の厚みの古紙や薄い樹脂で出来てい
る。なお、形状は、図では断頭角錐形をしている
が、断頭円錐形或は上下において円形から正方形
に順次変化するものであつても良く、又、一定の
方向には連続した条の形をしたものであつても良
い。２は、発芽孔で、各ポツト１の上面に設けら
れている。３は、繊維材で、水溶性の糊で固めら
れて所定の厚みで発芽孔２を閉している。この繊
維材３は、ポツト１が紙の場合は、これよりも早
く溶けるように調整することは勿論であり、目が
粗くて通水性の良い繊維を用いる方が好ましい。
４は土入口で、各ポツト１の下に開口している。

この育苗器は、上記のように構成されるので、
平な板５の上に、発芽孔２，２…側を下にして育
苗器を載せ、土入口４，４…から各ポツト１ごと
に種子６，６…を播き、床上７，７…を入れ苗箱
８を下に向けてかぶせ（第３図）たのち、板５と
共にこれら全体を反転させ（第４図）、灌水する。

すると、所定の期日ののち、繊維材３を通して
或はこれが溶けたのちに芽が発芽孔２，２……か
ら伸び出し、苗に生育する。なお、床土７，７と
しては、ブロツクごとの或は育苗箱に合つた連続
形状の人口床土を用いることも出来る。また、播
種や床土は、機械的につめて自動的に反転させる
ことも出来、必ずしも苗箱８を要しない。

そして、特に、上記の発芽孔２，２…は水溶性
若しくは発芽できる繊維材３，３…で閉されてい
るから、育苗作業に当り、覆土作業が不要なう
え、発芽孔２，２…から種子や床土がこぼれるこ
とがなくて、取扱が簡便であることはもとより、
繊維材３，３…が覆土となり、これが工業的に均
等に作られて、発芽むらや苗の生育むらがなく、
均一な苗が得られる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示し、第１図はこの
発明を施した育苗器の一部の斜面図、第２図はそ
の切断正面図、第３図及び第４図は作業の過程を
示すその切断正面図である。なお、図中の符号
は、次の通り。 １……ポツト、２……発芽孔、
３……繊維材、４……土入口、５……板、６……
種子、７……床土、８……苗箱。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 紙或は樹脂で出来た単一のポツトが下辺にお
   いて他の同形のポツトと接続して所定の大きさの
   集団に形成され、各ポツトは上下にそれぞれ発芽
   孔と土入口を備え、この発芽孔は水溶性若しくは
   発芽できる繊維材で閉されていることを特徴とす
   る育苗器。