JPH0590292A - 半導体集積回路およびその作製方法 - Google Patents

半導体集積回路およびその作製方法

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JPH0590292A
JPH0590292A JP3278704A JP27870491A JPH0590292A JP H0590292 A JPH0590292 A JP H0590292A JP 3278704 A JP3278704 A JP 3278704A JP 27870491 A JP27870491 A JP 27870491A JP H0590292 A JPH0590292 A JP H0590292A
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舜平 山崎
Akira Mase
晃 間瀬
Hideki Uoji
秀貴 魚地
Yasuhiko Takemura
保彦 竹村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 単結晶半導体基板上に形成されたMOSトラ
ンジスタを有する集積回路において、該MOSトランジ
スタのゲイト電極・配線等の第1の配線層の表面を陽極
酸化することによって、その表面に絶縁性の被膜を形成
し、その上に直接、あるいは別に層間絶縁物を形成した
のち、ソース・ドレイン電極あるいはその配線等の第2
の配線を形成することによって歩留りと信頼性の向上を
得ることを特徴とする半導体集積回路の作製方法および
そのようにして作製された半導体集積回路

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信頼性および量産性に
優れ、歩留りの高い半導体集積回路およびその作製方法
に関する。本発明による半導体素子は、マイクロプロセ
ッサーやマイクロコントローラ、マイクロコンピュー
タ、あるいは半導体メモリー等に使用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の微細化、高集積化に関し
て、多くの研究開発が進められている。特に、MOSF
ETと呼ばれる絶縁ゲイト電界効果型半導体素子の微細
化技術の進歩はめざましい。MOSとは、金属(Metal)
−酸化物(Oxide) −半導体(Semi-conductor)の頭文字を
取ったものである。金属は、純粋な金属でなくとも、十
分に導電率の大きな半導体材料や、半導体と金属の合金
なども含めた広い意味で使用される。また、金属と半導
体の間の酸化物のかわりに、純粋な酸化物だけではな
く、窒化物等の十分に抵抗の大きな絶縁性材料が用いら
れることもあり、そのような場合には、厳密にはMOS
という用語は正しくないが、以下、本明細書では窒化物
その他の絶縁物をも含めて、このような構造を有する電
界効果型素子をMOSFET、あるいはMOSトランジ
スタと称することとする。
【0003】MOSFETの微細化は、ゲイト電極の幅
を小さく、また、ソース領域やドレイン領域における配
線のコンタクト部分(電極部分)を小さくすることによ
っておこなわれる。ゲイト電極の幅が小さくなるという
ことは、その下のチャネル領域の長さ、すなわち、チャ
ネル長が小さくなるということであり、このことは、チ
ャネル長をキャリヤが通過するに要する時間を小さくす
ることとなり、結果的には高集積化とともに高速化もも
たらされる。
【0004】しかしながら、そのことによって、別な問
題(短チャネル効果)も生じる。その中で最も重要なも
のはホットエレクトロンの問題である。従来のような、
十分に不純物濃度の大きなソースおよびドレインという
不純物領域に、極性が反対の不純物がドープされたチャ
ネル領域がはさまれた構造では、チャネル領域をせばめ
るにしたがって、ソースとドレインに印加される電圧に
よってチャネル領域と不純物領域の境界付近の電界が大
きくなる。その結果、MOSFETの動作は極めて不安
定になる。
【0005】従来のシリコンゲイトのMOSFETの作
製方法を図5に示す。まず、単結晶シリコン等の単結晶
半導体基板501上に、素子分離領域、例えばLOCO
S、502を選択的に形成し、さらに、乾式熱酸化法等
の方法によってゲイト酸化膜503を形成し、さらに、
多結晶シリコンによって、ゲイト電極を形成した。そし
て、このゲイト電極と素子分離領域をマスクとして、基
板に不純物イオンを、例えばイオン注入法等の方法によ
って注入し、ソース、ドレインといった不純物領域50
4を形成した。(図5(A))
【0006】ついで、純粋な酸化珪素、あるいはリンや
ボロンのドープされた酸化珪素等によって層間絶縁物5
06を形成し(図5(B))、この層間絶縁物およびゲ
イト酸化膜に電極形成用の穴507を開け、この穴を介
して、ソース、あるいはドレインを結ぶ配線507を形
成する(図5(C))という方法を用いていた。
【0007】このような方法を採用した結果、いくつか
の問題点が生じた。1つは、ソースやドレインの電極部
分の段差が大きくなり、この部分での断線が起こりやす
くなったことである。すなわち、この部分の段差は、ゲ
イト酸化膜はせいぜい50nmであるので、実質的には
層間絶縁物の厚さによって決定され、通常、200〜5
00nm、あるいはそれ以上の段差がある。従来は、電
極形成のための穴も十分大きかったので、それほど問題
とならなかったのであるが、昨今のように、集積回路の
高集積化が進行すると、従来は、直径10μm程度の穴
が形成されていたものが、直径1μm以下が要求される
ようになった。一方、層間絶縁膜の厚さは、配線間の容
量や絶縁特性によって決定され、現在より一層薄くする
ことは不可能であった。この結果、電極形成用穴の大き
さに比べて、層間絶縁物の厚さが無視できなくなり、電
極形成の際の成膜のステップカバレージの悪さや密着性
の悪さによって、電極の形成がされなかったり、あるい
は配線が断線してしまったりした。
【0008】また、図5から明らかなように、不純物拡
散の工程では、どうしても不純物元素が、ゲイト電極の
下部に回り込み、ゲイト電極と不純物領域が重なって、
寄生容量が発生した。さらに、このような重なりを有す
る構造のため、極めて薄いゲイト酸化膜に、ソース、ド
レインとゲイト電極の間の高い電界がじかにかかり、ホ
ットキャリヤがゲイト酸化膜に注入されるという現象が
生じることがあった。
【0009】短チャネル効果を解決する目的で提唱され
た新しいMOSFETの構造が、LDD(Lightly-Dope
d-Drain)という構造である。これは、典型的には図6
(D)に示される。図6(D)において、不純物濃度の
大きな領域605よりも浅く設けられた不純物濃度の小
さな領域604’がLDDと呼ばれる。このような領域
を設けることによって、チャネル領域と不純物領域の境
界近傍の電界を小さくし、素子の動作を安定化させるこ
とが可能となった。
【0010】LDDは、通常、図6のように形成され
る。図6は、NMOSの例を示したがPMOSであって
も同様に形成される。最初に、p型の半導体基板601
上に素子分離領域602とゲイト酸化膜603が形成さ
れ、さらに導電性膜が形成され、これはエッチングされ
て、図6(A)に示すようにゲイト電極605となる。
そして、このゲイト電極をマスクとして、自己整合(セ
ルフアライン)的に、例えば、イオン打ち込み法等によ
って、比較的不純物濃度の小さい(記号ではn- と表さ
れる)不純物領域604が形成される。
【0011】次いで、この上にPSGのような絶縁被膜
606が形成される。そして、この絶縁被膜606は、
バイアスプラズマエッチのような異方性エッチング法
(方向性エッチング法ともいう)によって除去される
が、異方性エッチングの結果、ゲイト電極の側面ではP
SGがエッチングされないで、図6(C)に607で示
すような形状で残る。この残留物をスペーサーと称す
る。そして、このスペーサー607をマスクとして、セ
ルフアライン的に不純物濃度の大きい(記号ではn+
表される)不純物領域605が形成される。そして、こ
のn+ 型不純物領域がFETのソース、ドレインとして
用いられる。
【0012】このようなLDD構造を採用することによ
って、従来の方法では、0.5μmが限界であるといわ
れていたチャネル長を0.1μmまで狭めることが可能
であることが示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このこ
とによって短チャネル化の問題が全て解決されたわけで
はない。もう一つの問題点はゲイト幅を小さくすること
によるゲイト電極の抵抗の問題である。短チャネル化に
よって、動作速度を向上させたとしても、ゲイト電極の
抵抗が大きければ、その分を打ち消してしまうだけ伝播
速度が低下する。ゲイト電極の抵抗を低下させるには例
えば、従来使用されていた不純物濃度の大きな多結晶シ
リコンのかわりに抵抗率の小さな金属シリサイドを用い
ることや、ゲイト電極と平行にアルミニウムのような低
抵抗配線をを走らせることが検討され、採用されている
が、それとて、ゲイト電極の幅が0.3μm以下となる
状況では限界となることが予想される。
【0014】その場合の別な解決方法として、ゲイト電
極の高さと幅の比(アスペクト比)を大きくすることが
考えられる。ゲイト電極のアスペクト比を大きくするこ
とによって、ゲイト電極の断面積を大きくし、抵抗を下
げることが可能となる。しかしながら、従来のLDD
は、その作製上の問題からアスペクト比を無制限に大き
くはできなかった。
【0015】それは異方性エッチングで形成されるスペ
ーサーの幅がゲイト電極の高さに依存するためである。
通常、スペーサーの幅はゲイト電極の高さの20%以上
となった。したがって、図6のLDD領域27の幅Lを
0.1μmとする場合には、ゲイト電極の高さhは0.
5μm以下でなければならなかった。もし、ゲイト電極
がそれ以上の高さとなれば、Lは0.1μm以上とな
る。このことは、ソース、ドレイン間の抵抗が増えるこ
とであり、望ましくない。
【0016】今、ゲイト電極の高さhが0.5μm、ゲ
イト電極の幅Wが1.0μm、LDDの幅Lが0.1μ
mであるとしよう。この素子のスケールを小さくして、
Wを0.5μmとしようとすれば、ゲイト電極の抵抗を
維持するためには、hは1.0μmでなければならな
い。しかし、そのためにLは0.2μmとなってしま
う。すなわち、ゲイト電極の抵抗は変わらないが、ON
状態(ゲイト電極に電圧が印加されて、チャネル領域の
抵抗がn- 領域の抵抗に比べて十分小さくなった状態)
でのソース、ドレイン間の抵抗が2倍となる。一方、チ
ャネル長が半分になったので、素子は2倍の速度で応答
することが期待できるが、ソース、ドレイン間の抵抗が
2倍になったのでそのことはキャンセルされてしまう。
結局、素子の高集積化が達成されただけで、速度の点で
は従来のままである。一方、Lを従来と同じに保つに
は、hを0.5μmとしなければならないが、そうすれ
ば、ゲイト電極の抵抗が2倍となり、結局、高速性は得
られない。
【0017】通常の例では、スペーサーの幅は、ゲイト
電極の高さの50%から100%であり、上に示したも
のよりもかなり苦しい条件となる。したがって、従来の
LDD作製方法ではゲイト電極のアスペクト比は1以
下、多くは0.2以下であった。また、このスペーサー
の幅は、ばらつきが大きく、各トランジスター間での特
性がまちまちになることが多くあった。このように、従
来のLDDの作製方法は短チャネルでの安定性とそれに
伴う高集積化と高速性をもたらした反面、その作製上の
問題からより一層の高速化、高集積化の妨げとなるとい
う矛盾を呈している。
【0018】また、図6(D)の工程の後に、図5
(C)の工程のように、もう一度層間絶縁物を形成し
て、電極形成用の穴を開け、電極および配線を形成しな
ければならないのであるから、先に指摘した電極形成用
穴の段差による断線の問題は何ら解決されない。
【0019】本発明は、半導体集積回路を作製する方法
として、以上のような問題点を克服した全く新しい方法
を提唱し、また、全く新しい半導体集積回路を提唱す
る。
【0020】
【問題を解決する方法】本発明では、従来の集積回路で
使用されていた層間絶縁物に関して、下部の配線層を酸
化して得られる酸化物を、層間絶縁物の全部あるいは一
部として使用し、よって、電極形成部の層間絶縁物の厚
さを半減あるいはそれ以下の厚さとすることによって、
電極部分の断線を防止する。
【0021】また、本発明は、上述のように下部の配線
を選択的に酸化することによって、これを従来のLDD
作製におけるスペーサーのごとき機能をもたせることに
よって、従来以上に精度良くLDD構造を得る、あるい
はLDDでない通常の不純物領域を有するMOSトラン
ジスタにおいてもにおいても、ゲイト電極と不純物領域
の関係を最適化し、トランジタの動作特性を向上せしめ
る。
【0022】本発明の典型的な例を図1に示す。本発明
によって得られるMOSFETは図1(C)に示すよう
に、主としてシリコンやゲルマニウム等の半導体材料を
主成分とする材料、あるいはシリコンとタングステン、
モリブテン等の合金を主成分とする材料によって形成さ
れ、もしくはこれらを多層に形成したゲイト電極と、そ
の周囲を取り巻く酸化物を有することを特徴とする。ゲ
イト電極の材料としては、その他にチタン(Ti)、ア
ルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、クロム(C
r)単独、あるいはそれらの合金からなる材料であって
もよい。ゲイト電極を取り囲んで設けられた酸化物は陽
極酸化法によって選択的に形成される。
【0023】このようなMOSFETの作製方法を図1
をもとに以下に示す。まず、単結晶半導体基板101上
に素子分離領域102を形成し、さらに、単結晶半導体
の露出した領域には、ゲイト酸化膜103を、10〜1
00nm形成する。この形成方法は従来のMOSFET
の作製方法をそのまま援用すれば良い。そして、上記の
ような材料を用いてゲイト電極104を形成する。ま
た、このときには、ゲイト電極の一部が延びた配線とし
て、あるいは、ゲイト電極とは全く独立な配線として、
ゲイト電極104と同一材料によって第1の配線105
が、素子分離領域上に形成される。図1ではこの段階で
もゲイト酸化膜103が残存しているが、ゲイト電極形
成時に同時にエッチングしてしまってもよい。そして、
従来のように、ゲイト電極と素子分離領域をマスクとし
て、イオン注入法やプラズマドーピング法によって不純
物領域106が形成される。このとき、不純物元素の回
り込み現象により、不純物領域はゲイト電極と少しだけ
重なる。しかしながら、この重なりの大きさは、例えば
イオン注入法によるのであれば、イオンの2次散乱に起
因するものであるので、イオン注入のエネルギー等を考
慮することによって計算できる。このようにして図1
(A)を得る。
【0024】次いで、陽極酸化法によって、ゲイト電極
および第1の配線の表面を酸化する。陽極酸化法として
は、溶液中で酸化をおこなう湿式法と、プラズマ等の気
相中で酸化をおこなう乾式法の両方が用いられる。
【0025】湿式法は、電界溶液中に、基板を浸し、ゲ
イト配線および第1の配線を電源に接続し、直流もしく
は交流の電流を通じて酸化をおこなう方法である。ゲイ
ト電極および第1の配線の材料として、シリコンを主成
分とする材料を用いた場合には酸化珪素の膜が得られ
る。しかし、この酸化珪素には、内部に電解質を構成す
る元素が含まれたり、水和物となったりして、その物理
特性はさまざまに変化する。例えば、電解質に有機酸を
用いた場合には、炭素が含まれ、硫酸を用いた場合には
硫黄が含まれる。
【0026】また、例えば、特定のゲイト電極・配線だ
けに電源を接続し、他のゲイト電極・配線にはつながな
かった場合には、電源に接続されたゲイト電極・配線の
みに酸化物膜が形成され、他のゲイト電極・配線には、
自然酸化膜以外には実質的に酸化物膜が形成されない。
あるいは、それぞれに通電する時間、電流、電圧等を変
化させてもよい。このようにして、形成される酸化物膜
の厚さを変化させることが可能である。例えば、層間絶
縁物として使用する場合には配線間の容量を減らす目的
で厚い方が望ましいが、一方、キャパシタの絶縁物とし
て使用する場合には薄い方が望ましい。このように、目
的に違いがある場合には、上記のような方法を用いるこ
とは有効である。
【0027】このようにして、上記配線等が酸化物膜で
必要な厚さだけ被覆されたら、基板を溶液から取り出
し、よく乾燥させる。また、必要によっては熱水あるい
は高温蒸気にさらすことによって酸化物膜の改質をおこ
なってもよい。すなわち、特に湿式の陽極酸化において
は顕著なことであるが、厚い膜を得る場合には、膜が多
孔質となることが多い。このような膜は厚いけれども耐
圧に問題がある。また、後の工程において、孔を介して
電流が流れ、短絡することがある。そのような場合には
酸化物膜を高温の水と反応させて水和物とし、体積を膨
張させることによって孔をふさぐとよい。このようにし
て緻密な絶縁性のよい膜が得られる。いずれにせよ、被
膜上に電解質が残存しないように十分に洗浄し、乾燥さ
せることが必要である。また、有機酸を使用した場合に
は、酸化雰囲気中で、200〜1000℃で、ベーキン
グしてもよい。
【0028】また、乾式法を用いる場合には、基板を真
空容器に入れ、酸素や酸化窒素(N2 O、NO、NO2
等)等の酸化性の気体雰囲気とし、適切な圧力状態で、
ゲイト電極および第1の配線を電源に接続し、直流ある
いは交流のプラズマを発生させて酸化をおこなう。
【0029】湿式法では、装置が安価で、一度に多量の
処理が可能であるが、例えば、ナトリウム等の可動イオ
ンの侵入が容易であり、特にサブミクロン、クォーター
ミクロンのデバイスにおいては、このようなイオンの存
在は致命的である。一方、乾式法では、量産性に劣り、
また、厚い酸化膜を形成することが困難であるものの、
湿式法に比べるとはるかにクリーンな方法である。特に
集積回路のように清浄な環境において作製されることが
望まれる場合には適している。
【0030】陽極酸化膜の厚さは、その目的に応じて決
定されなければならない。通常は層間絶縁膜として機能
することが期待されるので、0.1〜1.0μm、好ま
しくは0.2〜0.5μmとされる。しかしながら、層
間絶縁膜として作用することがあまり期待されない場合
には、それ以下であってもよい。
【0031】以上の方法によって、ゲイト電極と第1の
配線の表面が酸化される。そして同時に、ゲイト電極と
第1の配線の導電部の表面が後退する。そして、このと
き、ゲイト電極の陽極酸化物膜107の厚さと、不純物
領域の回り込みを考慮することによって、ゲイト電極と
不純物領域の位置関係を最適な状態にすることができ
る。すなわち、酸化物層の厚さは10nm以下の精度で
制御でき、さらに、イオン打ち込みの際の2次散乱につ
いても同程度で制御できるため、この位置関係は10n
m以下の精度で作製することができる。このようにし
て、図1に示すように、ゲイト電極と不純物領域の重な
りが全くないように作製することも、また、適当な距離
だけ重なるように作製することも、あるいは、適当な距
離だけ離れるように作製することも任意である。もちろ
ん、陽極酸化によって、第1の配線108の周囲にも酸
化物膜が形成される。このようにして図1(B)を得
る。
【0032】最後に、ソース領域およびドレイン領域に
孔109と110を開けて、ソース電極・配線111お
よびドレイン電極・配線層112を形成する。電極穴の
形成は、わざわざ、マスクを使用せずとも、素子分離領
域の酸化物と、陽極酸化物の厚さが、ゲイト酸化膜の厚
さに比べて十分大きいことを利用して、均等にエッチン
グをおこなうだけでもよい。
【0033】ソース領域やドレイン領域から延びる配線
を形成する際には、このような配線(第2の配線とい
う)は、第1の配線と交差することがあるが、第1の配
線の表面は絶縁性に優れた陽極酸化膜によって覆われて
いるので、わざわざ、層間絶縁物を設けなくとも構わな
い。特に、不純物領域に接続する部分に注目すれば、従
来の方法に比べて段差が小さいため、断線等を著しく減
らすことができる。第2の配線はアルミニウムやタング
ステンのような金属材料からなっていても、シリコンの
ような半導体材料であっても、シリコンとタングステ
ン、モリブテンとの合金からなりたっていてもかまわな
い。
【0034】また、陽極酸化膜だけでは、層間絶縁物と
して不十分であると考えられる場合には、従来のような
材料を用いて、層間絶縁物を形成することができるが、
その際の新たに形成する層間絶縁物の厚さは、従来の半
分以下とすることが可能である。すなわち、既に第1の
電極の上にはかなりの厚さの絶縁物が形成されているの
で、追加して形成する層間絶縁物は薄くても十分であ
る。この結果、例えば、追加形成する層間絶縁物の厚さ
を従来の層間絶縁物の厚さの半分とすれば、不純物領域
での電極部分の段差も半分となり、やはり断線等の不良
を減らすことができる。
【0035】従来の方法によって形成される層間絶縁物
は、下地の凹凸によって、薄いところと厚いところがで
き、場所によっては全く被覆されない部分があったりし
て、不良の原因となったが、陽極酸化法によって得られ
る酸化物は、配線の周囲に均等に形成されるのでそのよ
うな問題は起こらない。
【0036】また、このような陽極酸化物をうまく利用
することによって、様々な構造のMOSFETを作製す
ることが可能である。以下にその例を示す。
【0037】図2は本発明の別の例である。まず、図2
(A)のように、半導体基板201上に素子分離領域2
02とゲイト絶縁膜203、ゲイト電極204を形成す
る。そして、図1の場合とは異なって、図2(B)のよ
うに、不純物領域形成に先立って陽極酸化をおこない、
陽極酸化物205を得る。そして、図2(C)のよう
に、イオン注入をおこない、不純物領域206を形成す
る。このときには、不純物領域とゲイト電極には重なり
がなく、逆に離れた状態(オフセット状態)となる。こ
のようなオフセット状態は、LDDと同様な効果を有す
ることが知られているが、本発明人等の研究では、この
オフセットの長さLは0.1〜0.5μmが好ましいこ
とが明らかになった。Lは、陽極酸化物の厚さと、イオ
ン注入のエネルギー等に依存するので、これらのパラメ
ータを最適化することによって、目的とする量を得るこ
とができる。
【0038】図3は本発明によってLDDを形成する例
である。まず、図3(A)のように、従来のように不純
物領域305を形成する。ここで、この不純物領域の不
純物濃度は1×1017〜5×1018cm-3、好ましくは
5×1017〜2×1018cm-3となるようにする。つい
で、図3(B)のようにゲイト電極を陽極酸化し、酸化
物306を形成する。最後に図3(C)のように、再び
イオン注入をおこない、不純物領域307を形成する。
このときの不純物濃度は1×1019〜5×1021
-3、好ましくは5×1019〜2×1021cm-3となる
ようにする。このようにして、LDD領域305’が形
成される。
【0039】ここで、注目すべきことは、図から明らか
なように、LDDの幅がゲイト電極の高さによって制約
されるのではなく、陽極酸化物の厚さによって決定され
るので、ゲイト電極の高さを十分大きくし、かつ、チャ
ネル長を十分小さくすることが可能である。すなわち、
ゲイト電極のアスペクト比を大きくすることが可能であ
る。
【0040】さらに、本発明によれば、LDDの幅を極
めて微妙に制御できる。例えば、10nmから0.1μ
mまで、任意に変化させることができる。しかも、同じ
程度の精度で、ゲイト電極とLDDの重なりを制御でき
ることは先に述べた通りである。また、このときのチャ
ネル長としては0.5μm以下が可能である。従来の方
法では、LDDの幅を100nm以下とすることは極め
て困難で、20%程度の誤差は当然であったが、本発明
を利用すれば、LDDの幅を10〜100nmにおい
て、10%程度の誤差で作製することが可能である。
【0041】さらに、本発明では、従来のLDD作製方
法に比べて、スペーサーとなるべき絶縁被膜を形成する
必要がないので工程が簡略化され、生産性が向上する。
また、陽極酸化法で得られる酸化物の厚さはゲイト電極
の側面でも上面でも同じで、極めて均質で、絶縁特性も
よい。また、基板上の場所による厚さの違いも特には見
出せない。したがって、これを図1のようにそのまま層
間絶縁物として用いてもよい。もちろん、別に層間絶縁
物を形成してもよい。
【0042】図4には、本発明にレーザーアニール法を
組み合わせた例を示す。まず図4(A)〜(C)に示す
ように、図2の方法と同じ方法を用いて、単結晶基板4
01上に、素子分離領域402、ゲイト酸化膜403、
ゲイト電極404、陽極酸化物405、不純物領域40
6を形成する。これらの工程は図1の方法を使用しても
よい。不純物領域は、この段階ではイオン注入の衝撃に
よって、アモルファス状態、あるいは微結晶状態となっ
ている。
【0043】そして、最後に、レーザー光、あるいはそ
れと同等な強力な電磁波を上面から照射して、これらの
結晶状態のよくない不純物領域の再結晶化をおこなう
が、ゲイト電極とその周囲の陽極酸化物が影となって、
酸化物405の下の部分は再結晶化しない。このとき、
不純物領域406とゲイト電極の位置関係は、先に述べ
たような手段によって、ほとんど重なりが無いようにす
ることも、また、必要な距離だけオフセット状態あるい
は重なった状態とすることも自在である。したがって、
このような方法によって、N型(P型)ソース領域−N
型(P型)アモルファス領域−P型(N型)チャネル形
成領域−N型(P型)アモルファス領域−N型(P型)
ドレイン領域という構造、あるいはN型(P型)ソース
領域−N型(P型)アモルファス領域−P型(N型)オ
フセット領域−P型(N型)チャネル形成領域−P型
(N型)オフセット領域−−N型(P型)アモルファス
領域−N型(P型)ドレイン領域という構造が得られ
る。このような構造を作製するに当たっては、イオン注
入工程は1回でよい。そして、このような構造によっ
て、LDDと同等な効果が得られることは、例えば、本
発明人らの発明である特願平3−238713に示され
ている通りである。
【0044】このように、本発明によって、実に多様な
構造のMOSFETが作製される。そして、これら多種
多様なMOSFETを作製するには、特殊な技術や複雑
な工程はほとんど必要とされず、いずれもゲイト電極等
の陽極酸化という本発明の根幹となっている技術がベー
スとなっていることは容易に理解されるであろう。以下
に実施例を示し、より詳細に本発明を説明するととも
に、その効果を明らかにする。
【0045】
【実施例】本発明を用いた実施例について記述する。こ
の実施例では単結晶シリコン基板上に形成したNチャネ
ル型MOSFETに本発明を用いた場合を示す。本実施
例を図1を用いて説明する。まず、図1(A)に示すよ
うに、p型単結晶シリコン基板101上に、従来の集積
回路作製方法を使用して、フィールド絶縁物102とそ
の下のp+ 型チャネルストッパー(図示せず)、ゲイト
酸化膜103、燐がドープされた多結晶シリコンゲイト
電極104、ゲイト電極104がフィールド絶縁物上に
まで延在したゲイト配線105、砒素がドープされたn
+ 型不純物領域106を形成した。
【0046】その詳細な作製方法は以下の通りである。
まず、不純物濃度が1015cm-3程度のp型シリコンウ
ェファーに選択的にBF2 + イオンを打ち込み、いわゆ
るLOCOS法(局所酸化法)によって、フィールド絶
縁物102と、その下のチャネルストッパーを形成す
る。
【0047】その後、熱酸化法によって、厚さ30nm
のゲイト絶縁膜(酸化珪素)と、減圧CVD法によっ
て、厚さ500nm、燐濃度0.8×1020〜1.5×
1020cm-3の多結晶シリコン膜を形成し、これをパタ
ーニングしてゲイト電極となるべき部分104を、およ
びゲイト配線105を形成する。そして、砒素イオンを
打ち込んで、不純物濃度0.2×1020〜0.9×10
20cm-3程度のn+ 型不純物領域106をセルフアライ
ン的に形成する。不純物領域106の深さは100nm
とし、900℃で1時間アニールすることによって活性
化した。
【0048】次に、図3(B)に示すように、ゲイト電
極104およびゲイト配線105の表面に陽極酸化によ
って酸化物層107および108を形成した。湿式法を
採用する場合には、陽極酸化は以下のような手順によっ
ておこなえばよい。ここで、注意しなければならないこ
とは以下の記述で用いられる数値は一例に過ぎず、作製
する集積回路の規模、ウェファーの大きさ等によって最
適な値が決定されなければならないということである。
すなわち、以下の記述で用いられる数値は絶対的なもの
ではない。まず、アルカリイオンが検出されない酒石酸
のエチレングリコール溶液を作製した。酒石酸の濃度と
しては、0.1〜10wt%、例えば、3wt%とし、
これに1〜20wt%、例えば10wt%のアンモニア
水を加え、pHが7±0.5となるように調製した。
【0049】この溶液中に、陰極として白金電極を設
け、シリコンウェファーごと溶液に浸した。そして、ウ
ェファー上のゲイト配線・電極を直流電源装置の正極に
接続した。そして、最初は、電流を2mAで一定となる
ように通じた。陽極と陰極(白金電極)との間の電圧
は、溶液の濃度とともに、ゲイト電極・配線上に形成さ
れる酸化膜の厚さによって時間とともに変化し、一般に
酸化膜の厚さが大きくなるにしたがって、高い電圧を要
するようになる。このように電流を流し続け、電圧が1
50Vとなったところで、電圧を一定に保持し、電流が
0.1mAになるまで電流を流し続けた。定電流状態は
約50分、定電圧状態は約2時間続いた。このようにし
て、ゲイト電極・配線の表面に厚さ0.3〜0.5μm
の酸化珪素膜107および108を形成することができ
た。
【0050】このようにして形成された酸化珪素膜は、
それだけでも十分緻密であったが、より絶縁性を増すた
めに、熱水中で10分間保持した。その工程によって、
酸化珪素が水和物となって体積が膨張し、表面の微細な
孔がふさがれ、より緻密な構造となった。そして、これ
を200〜800℃、好ましくは250〜500℃で1
〜10時間加熱することによって、脱水処理をおこなっ
たところ、再び乾燥した酸化珪素が得られたが、先に形
成されていたような微細な孔はもはや見られず、一様な
表面が得られた。このような工程によって、6〜30M
V/cmの高耐圧絶縁膜が形成できた。
【0051】乾式法によって陽極酸化をおこなう場合に
は、以下のような手順でおこなえばよい。まず、真空装
置内に、シリコンウェファーを配置し、真空装置内に酸
素を流量50SCCM導入し、圧力を50mTorrと
する。そして、放電用高圧電源によって、1〜8kVの
直流プラズマ放電を発生させる。直流プラズマのかわり
に、交流プラズマ(5〜1000Hz)であっても、高
周波プラズマ(1kHz〜100MHz)、あるいはマ
イクロ波プラズマ(100MHz〜100GHz)であ
ってもよい。このとき、シリコンウェファーはプラズマ
の近傍にあるように配置し、ゲイト電極・配線には、接
地電位である真空装置との間に数V〜数十Vの正のバイ
アス電圧を印加する。
【0052】このような条件で陽極酸化(プラズマ陽極
酸化)をおこなえば、酸化速度は約10nm/分であ
る。このようにして、厚さ0.3〜0.5μmの酸化珪
素膜を得ることが出来た。この酸化珪素膜は、電子顕微
鏡による観察でも、特別な構造が見られないほど平坦且
つ緻密で、湿式法の場合のように熱水処理をおこなわず
とも、10MV/cm以上の耐圧を示した。
【0053】以上のような方法によって酸化珪素膜10
7と108を形成し、図1(B)を得た。そして、フォ
トリソグラフィー法によって、ソース電極およびドレイ
ン電極形成用の穴109、110を形成した。
【0054】フォトリソグラフィー法を用いるかわり
に、ウェファーを弗化水素酸溶液に浸し、ゲイト酸化膜
をエッチングして、ソース、ドレイン領域を露出させて
もよい。その場合には、フィールド絶縁物および陽極酸
化物も一部エッチングされるが、ゲイト酸化膜の厚さに
比べて十分大きいので、ゲイト酸化膜のエッチングが終
了した時点ではほとんどの部分が残っており問題はな
い。このような方法を採用すればフォトマスクを使用す
る必要がないので歩留りが向上する。しかしながら、湿
式プロセスであるので、アルカリイオンの侵入が起こり
やすいという欠点もある。
【0055】最後に、アルミニウムまたはタングステン
被膜を形成し、これをエッチングして、ソース電極・配
線111およびドレイン電極・配線112を形成する。
このとき、ソース電極・配線111はゲイト配線105
と交差するように形成したが、ゲイト配線105の上面
と側面には緻密な酸化珪素膜が形成されているので、短
絡することはなかった。こうして図1(C)を得た。
【0056】このように本発明では、MOSFET上に
層間絶縁物を形成しないで、直接、上部配線(第2の配
線)を形成することが可能である。すなわち、ゲイト配
線・電極等の下部配線が、既に陽極酸化物によって被覆
されているからである。その結果、上部配線と基板とを
接続する電極部分の段差が小さくなる。
【0057】また、先に述べたように、ゲイト酸化膜を
エッチングする際に、均質なエッチング方法を採用すれ
ば、従来の方法に比べて、マスクプロセスを1つ減らす
ことができる。
【0058】図1の例では、ゲイト配線105とソース
配線111との間の層間絶縁物は、陽極酸化物108の
みであったが、それだけでは、厚みが不十分な場合があ
る。例えば、層間絶縁物の厚さとして、0.6〜1.0
μmの厚さが要求されることがある。そして、陽極酸化
法によって得られる酸化膜の厚さは限度があり、あまり
に厚いものは耐圧性に問題があったり、表面の凹凸が著
しかったり、作製に非常な高電圧や長時間を要すること
がある。そのような場合には、例えば、本実施例のよう
に、先に0.3〜0.5μmの厚さの陽極酸化物を形成
したのち、従来の方法で、さらに、0.3〜0.5μm
の厚さの層間絶縁物を形成すればよい。その場合には、
ソース、ドレイン領域に電極形成のための穴を形成する
フォトリソグラフィー工程は絶対必要である。
【0059】しかしながら、このような方法を採用する
ことによって、従来の方法では、0.6〜1.0μmの
段差が生じた電極部分の段差は、0.3〜0.5μmに
半減するため、段差による接触不良や断線が防げる。
【0060】また、上記の方法を採用する利点はそれだ
けにとどまらない。すなわち、従来の層間絶縁物の形成
においては、特にゲイト配線105の側面などでは、段
差が存在するため、層間絶縁物がこの段差を覆いきれ
ず、クラック等が生じて、上部配線との短絡を招くこと
が多かった。しかしながら、陽極酸化法によって形成さ
れる酸化物は緻密で耐圧性に富んでいる上に、ゲイト配
線の周囲を隙間なく被覆しているので、このような段差
による欠陥を考慮する必要が全く無く、歩留りの大いな
る向上に寄与している。
【0061】
【発明の効果】本発明によって、極めて歩留りよく集積
回路を作製することが出来た。本明細書において、指摘
したように多層配線回路においては、例えばゲイト配線
のような下部配線と、ソース、ドレイン配線のような上
部配線との短絡による不良の発生は大きな問題であっ
た。これは、層間絶縁物として使用される酸化珪素等の
被膜がCVD法によって形成されるために、配線の起伏
を完全にカバーすることができず、厚いところや薄いと
ころが生じ、特に下部配線の側面において短絡がおこり
やすかっった。しかしながら、本発明によれば、下部配
線の側面も上面もほほ同じ厚さの、そして十分な耐圧を
有する酸化膜が形成できるので、このような問題は解決
される。そして、陽極酸化膜を形成したのちに、従来の
ように層間絶縁物を形成すれば、配線間の絶縁効果は一
層高められる。
【0062】また、上部配線を基板と接続する部分の段
差も、断線等を引き起こす原因となっていたのだが、本
発明によれば、従来は配線間の厚さだけあった段差を著
しく小さくすることができ、やはり不良の発生を減らす
ことに貢献している。
【0063】また、MOSFETの構造自体において
も、ゲイト電極と不純物領域の位置関係を任意に形成す
ることが出来る。さらに、LDDを形成せんとした場合
においても、従来の作製方法に比べて、極めて簡単に、
また制約なくLDDを作製することが出来る。本文中で
も述べたように、本発明を利用すれば、ゲイト電極のア
スペクト比にほとんど制限されることなく、極めて精度
良くLDD領域を形成できる。特に本発明は、単チャネ
ル化、高集積化によって、今後進展すると考えられるゲ
イト電極の高アスペクト比化に対して有効な方法であ
る。
【0064】もちろん、従来通りのアスペクト比が1以
下の低アスペクト比のゲイト電極においても、本発明を
使用することは可能で、従来のLDD作製方法に比し
て、スペーサー形成のための絶縁膜の形成とその異方性
エッチングの工程が不要となり、また、LDD領域の幅
も精密に制御することが可能であるため、本発明の効果
は著しい。また、従来の構造のLDDのみならず、それ
を発展させた構造を容易に形成できることも、本発明を
用いた効果の例である。
【0065】本発明は主としてシリコン系の半導体装置
について述べたが、ゲルマニウムや炭化珪素、砒化ガリ
ウム等の他の材料を使用する半導体装置にも本発明が適
用されうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMOSFETの作製方法を示す。
【図2】本発明によるMOSFETの作製方法を示す。
【図3】本発明を利用したLDD領域を有するMOSF
ETの作製方法を示す。
【図4】本発明を利用したアモルファス領域を有するM
OSFETの作製方法を示す。
【図5】従来法によるMOSFETの作製方法を示す。
【図6】従来法によるLDD領域を有するMOSFET
の作製方法を示す。
【符号の説明】
101 単結晶半導体基板 102 素子間分離領域(フィールド絶縁物) 103 ゲイト酸化膜 104 ゲイト電極 105 第1の配線 106 不純物領域 107 陽極酸化物 108 陽極酸化物 109 ソース電極形成用穴 110 ドレイン電極形成用穴 111 ソース配線・電極 112 ドレイン配線・電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 保彦 神奈川県厚木市長谷398番地 株式会社半 導体エネルギー研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された絶縁性被膜と
    前記絶縁被膜上に形成され、上面と側面が陽極酸化法に
    よって形成された酸化物で覆われた珪素を主成分とする
    ゲイト電極とを有するMOSトランジスタと、基板上に
    形成された前記絶縁被膜と、その上に形成された前記絶
    縁ゲイト電極と同一材料からなり、陽極酸化法によって
    形成された酸化物によって被覆され、ゲイト電極に接続
    した第1の配線と、前記配線の陽極酸化物上に形成され
    た第2の配線を有することを特徴とする半導体集積回
    路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第2の配線は金属材
    料からなることを特徴とする半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に、厚い酸化物膜によって
    構成された素子分離領域を形成する工程と、半導体基板
    の露出した領域にゲイト絶縁膜として機能する絶縁被膜
    を形成する工程と、前記絶縁被膜上に珪素を主成分とす
    る第1の配線を形成する工程と、前記第1の配線の表面
    を陽極酸化法によって酸化する工程と、前記第1の配線
    の上に、第2の配線を形成することを特徴とする半導体
    集積回路の作製方法。
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