JPH058831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ビニールハウスなどの支柱とアー
チ状棒状体とを着脱可能に連結固定するビニール
ハウス棟部材用連結金具の改良に関する。

〔従来の技術〕

金属製の棒部材を組立て骨部材として用いるビ
ニールハウスにあつては、骨部材相互を連結する
ための連結金具は組立て作業の簡易化に大きな役
割りをもつていると共にハウス組立て強度に影響
を与える重要な部材となつている。特にハウスを
大型にする場合には強度上、大口径の管部材が用
いられるので、その連結金具は組立て作業をより
一層簡易化でき、しかも大きな組立て強度の得ら
れるものが要求される。

従来、この種の連結金具としては本出願人が提
案した実開昭53−51012号公報に記載された骨材
連結具が知られている。

そしてこの提案は、連結具の主要部を形成して
いるクランプ体は骨材を両側から抱き込めるよう
にした２つの抱き込み部分からなり、両抱き込み
部分はその一端で互に回動開閉できるように連結
され、他端でボルト締めができるように構成され
ており、一方の抱き込み部分はその外側がほぼ直
角状の板部に形成され、その直角状の板部の一方
または双方に蟻溝形受枠が取付けられ、受枠には
骨部材嵌挿用固定金具が着脱自在に嵌合したもの
であり、この構成により連結具の主要部にビニー
ルハウスのアーチ状骨部材を装着し、クランプ体
の受枠に固定金具を介して梁部材を固定すること
ができるものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記公報に記載された連結金具
はクランプ体の一方の抱き込み部分に直接蟻溝形
受枠を形成し、これに骨部材嵌挿用固定金具を嵌
合するようにしたため傾斜地などの現場にビニー
ルハウスを組み立てる際にはクランプ体が邪魔と
なつて骨部材嵌挿用固定金具の打ち込みが充分で
きず、取りつけが不可能であつたり、あるいは固
定金具の嵌合が不充分なためにビニールハウスが
風にあおられた際に固定金具がはずれ、ビニール
ハウスが崩壊してしまうという問題があつた。

また、ビニールハウスの支柱上端部にアーチ状
棟部材を連結した場合に、アーチ状棟部材の間に
張設したハウスのビニールシート押え紐のために
ハウス天井が横通し部材に接触する欠点があつ
た。このためにビニールハウス内の空気中の水分
がハウス天井の内面に結露しビニール内面に沿つ
て流下する際に、この横通し部材の所でハウス内
に滴下し、ハウス内の栽培植物に根腐れなどを起
こすという問題があつた。

さらに、クランプ体の一方の抱き込み部分に直
接蟻溝形受枠を形成するため製作が難しく、時間
がかかり高価になるという問題もあつた。

本考案は、上記の事情に鑑みて考案者らが種々
研究の結果、従来の連結金具を改良したものであ
り、アーチ状棒状体の固定金具の打ち込みが容易
で、かつ充分強固に打ち込むことができ、長期の
使用にもゆるむことがなく、ハウス内の結露した
水分も栽培植物に滴下することのない強固なビニ
ールハウス棟部材用連結金具を提供することを目
的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、ビニール
ハウスの支柱上端部にアーチ状棟部材を着脱可能
に連結するビニールハウス棟部材用連結金具にお
いて、該連結金具は前記支柱を抱き込み締結する
互いに回動可能に連結された２つの抱き込み部を
有し、ボルトにより該支柱上端部に緊締固定する
前記連結金具の一方の抱き込み部側面に、上面に
受枠を取りつけたＬ型ブラケツトを、該上面の受
枠が前記固定する支柱上端部から上方に突出する
位置に固設し、かつ該受枠の両側に平行な受溝を
形成し、該受溝にアーチ状棟部材用固定金具の両
側に形成したくさび形のフランジ部を着脱可能に
嵌合したことを特徴としている。

〔作用〕

次に、本考案の作用について説明すると、ビニ
ールハウス内の支柱上端部に連結金具を２つの抱
き込み部を当接し、ボルト・ナツトによつてこれ
に緊締し固定する。

次にＬ型ブラケツトの上面側に設けられている
受枠に対してアーチ状棟部材を挿通した固定金具
の両側に突出するくさび形フランジ部を嵌挿し、
さらに固定金具をハンマー等により打ち込み、ア
ーチ状棒状体と連結金具のＬ型ブラケツトとを連
結する。

この際、ビニールハウスなどの支柱に緊締固定
されている本考案の連結金具に対して、アーチ状
棟部材固定用の受枠の位置がＬ型ブラケツトによ
つて離間されているから、この受枠にアーチ状棒
状体の固定金具を打ち込むのに邪魔されることな
く容易であり、充分な打ち込みができ強固に連結
することができ、また支柱とアーチ状棟部材が互
いに干渉することもない。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例について図面を参照して
詳しく説明する。

第１図は本実施例を示しており、ビニールハウ
スなどの支柱Ｐの上端部に緊締固定する連結金具
Ａは２つの抱き込み部１，２からなり、この抱き
込み部１，２は互いに支軸３によつて開閉可能に
連結されている。そして１方の抱き込み部１の端
部４の二又状軸受５にはピン６によつてボルト７
の基部８が回動可能に支持され、また他方の抱き
込み部２の端部は二又状座部１０，１０が突設さ
れている。

したがつて、回動可能なボルト７をこの二又状
座部１０，１０の間に挿し込みナツト１１を締め
つけることによつて２つの抱き込み部１，２は支
柱Ｐを緊締し、連結金具Ａを支柱Ｐに固定するこ
とができる。

一方、連結金具Ａの１方の抱き込み部１の側面
にはＬ型ブラケツト１２が溶接などで固設されて
おり、このＬ型ブラケツト１２の上面１３には、
両側に平行な溝部１４，１４を有する受枠１５が
これまた溶接やビスなどで取りつけられている。

そして、この受枠にはアーチ状骨部材１６が嵌
挿される固定金具Ｂが着脱可能に嵌合されるよう
になつている。この固定金具Ｂは、Ｕ字状に弯曲
するスリーブ部１７とその両側に突出するくさび
形のフランジ部１８，１８とで形成され、フラン
ジ部１８，１８を前記受枠１５の両側溝部１４，
１４に嵌挿し、打ち込むことによつて受枠１５に
アーチ状骨部材１６を固定することができる。

第２図は実施例の使用状態を示す一部断面正面
図であり、ビニールハウスの支柱Ｐの上端部に連
結金具Ａを緊締固定し、Ｌ型ブラケツト１２を介
してアーチ状骨部材１６を固定金具Ｂによつて固
定している。

このようにして組み立てた骨組にビニールシー
ト１９を覆い、アーチ状骨部材１６の間をビニー
ル押え紐２０によつて締めつけビニールハウスを
完成させるものである。

上述したように、本実施例の連結金具によれ
ば、２つの抱き込み部１，２は互いに回動可能に
連結されているので、ビニールハウスの支柱Ｐの
上端部を両側から抱き込み、１端のボルト７、ナ
ツト１１などによつて強固に締結することがで
き、また前記抱き込み部１の側面に設けられたＬ
型ブラケツト１２の上面１３には受枠１５が固設
されているから、この受枠１５の溝１４にアーチ
状骨部材１６の固定金具Ｂのフランジ部１８を打
ち込み、固定することにより支柱Ｐとアーチ状骨
部材１６とは容易に連結、固定することができ
る。

〔考案の効果〕

上述の本考案によれば、互いに回動可能に連結
され、かつボルトなどで緊締できるように構成さ
れた１対の抱き込み部を有しているから、ビニー
ルハウスの支柱上端部への装着はボルト締めをす
るだけで簡単に行うことができ、支柱の上部への
取りつけが非常に容易であり、前記抱込み部の一
方に固設されたＬ型ブラケツトにはアーチ状棟部
材の固定用受枠が緊締固定する支柱上端部から上
方に突出する位置に固設しているので、この受枠
にアーチ状棟部材の固定用金具を嵌合するだけで
支柱上端部にアーチ状棟部材を離間して着脱可能
に連結することが可能である。

さらに、この固定金具の両側にくさび形のフラ
ンジ部が形成されているから、Ｕ字状に弯曲した
スリーブ部にアーチ状棟部材を把持し、Ｌ型ブラ
ケツトの受枠溝部にフランジ部を打ち込む作業の
みでアーチ状棟部材を支柱にが強固に連結するこ
とができ、この打ち込み作業は抱き込み部に邪魔
されることなく、ビニールハウスの骨部材組立作
業は格段と簡易化され、大きな組立て強度が得ら
れる。

また、アーチ状棟部材と支柱上端部との間にＬ
型ブラケツトが介在しているから、アーチ状棟部
材間に張設したハウスのビニール押え紐を締めつ
けても天井のビニールシートが横通し部材に接触
することを防止できる。したがつて、ハウス天井
の内面に結露した水滴は横通し部材の所からハウ
ス内に滴下することが防止され、ビニールハウス
の下端付近まで流下するので、ハウス内の栽培植
物に根腐れなどの悪影響を起すことがない効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す連結金具の分解
斜視図、第２図は実施例の使用状態を示す一部断
面正面図である。 １，２……抱き込み部、７……ボルト、１０…
…二又状座部、１１……ナツト、１２……Ｌ型ブ
ラケツト、１５……受枠、１６……アーチ状棒状
体、１７……スリーブ部、１８……フランジ部、
Ａ……連結金具、Ｂ……固定金具、Ｐ……支柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビニールハウスの支柱上端部にアーチ状棟部材
   を着脱可能に連結するビニールハウス棟部材用連
   結金具において、該連結金具は前記支柱を抱き込
   み締結する互いに回動可能に連結された２つの抱
   き込み部を有し、ボルトにより該支柱上端部に緊
   締固定する前記連結金具の一方の抱き込み部側面
   に、上面に受枠を取りつけたＬ型ブラケツトを、
   該上面の受枠が前記固定する支柱上端部から上方
   に突出する位置に固設し、かつ該受枠の両側に平
   行な受溝を形成し、該受溝にアーチ状棟部材用固
   定金具の両側に形成したくさび形のフランジ部を
   着脱可能に嵌合したことを特徴とするビニールハ
   ウス棟部材用連結金具。