JPH0588312B2 - - Google Patents
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- JPH0588312B2 JPH0588312B2 JP60109094A JP10909485A JPH0588312B2 JP H0588312 B2 JPH0588312 B2 JP H0588312B2 JP 60109094 A JP60109094 A JP 60109094A JP 10909485 A JP10909485 A JP 10909485A JP H0588312 B2 JPH0588312 B2 JP H0588312B2
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は布、フイルム等の長尺試料の表面に
金属を付着させるスパツタリング装置に関するも
のである。
金属を付着させるスパツタリング装置に関するも
のである。
(従来の技術)
従来、フイルム等の長尺試料の表面に金属被膜
を形成する装置として巻取式のスパツタリング装
置が知られている。
を形成する装置として巻取式のスパツタリング装
置が知られている。
この装置は第6図に示すように、タンク41内
に平板型のターゲツト42が水平に延設され、送
出ローラ43から送り出された長尺試料44が前
記ターゲツト42と対向する位置に平行に配置さ
れたガイドローラ45を経て巻取ローラ46によ
つて巻き取られるようになつている。
に平板型のターゲツト42が水平に延設され、送
出ローラ43から送り出された長尺試料44が前
記ターゲツト42と対向する位置に平行に配置さ
れたガイドローラ45を経て巻取ローラ46によ
つて巻き取られるようになつている。
(発明が解決しようとする問題点)
ところが、上記装置を用いて長尺試料44にス
パツタリングを施すとき、次のような問題があつ
た。
パツタリングを施すとき、次のような問題があつ
た。
即ち、前記長尺試料44を送出ローラ43から
ガイドローラ45を経て巻取ローラ46へ送る際
に、該試料44がガイドローラ45部分で自重、
スリツプ等によつてたわんだり、しわが発生した
りすることがあり、その部分に金属が付着されな
いことがあつた。このため、前記金属被膜が長尺
試料44に対して均一に付着しないことがあつ
た。
ガイドローラ45を経て巻取ローラ46へ送る際
に、該試料44がガイドローラ45部分で自重、
スリツプ等によつてたわんだり、しわが発生した
りすることがあり、その部分に金属が付着されな
いことがあつた。このため、前記金属被膜が長尺
試料44に対して均一に付着しないことがあつ
た。
発明の構成
(問題点を解決するための手段)
従つて、本発明は前記問題点を解決するため、
装置本体内に、ターゲツトと、同ターゲツトと対
向する位置へ布、フイルム等の長尺試料を案内す
るガイドローラと、前記長尺試料を送り出す送出
ローラと、スパツタリング処理後の長尺試料を巻
取る巻取ローラとを備え、前記送出ローラの周速
度よりも巻取ローラの周速度の方が常に所定量だ
け速く回動するように前記送出ローラ及び巻取ロ
ーラを駆動制御するという構成を採用している。
装置本体内に、ターゲツトと、同ターゲツトと対
向する位置へ布、フイルム等の長尺試料を案内す
るガイドローラと、前記長尺試料を送り出す送出
ローラと、スパツタリング処理後の長尺試料を巻
取る巻取ローラとを備え、前記送出ローラの周速
度よりも巻取ローラの周速度の方が常に所定量だ
け速く回動するように前記送出ローラ及び巻取ロ
ーラを駆動制御するという構成を採用している。
(作用)
送出ローラから送り出される長尺試料は送り出
し方向に対して常に一定の張力が付与された状態
でガイドローラ間を案内されるため、該長尺試料
には、たわみやしわは発生しにくくなり、発生し
ても前記張力により伸ばされる。
し方向に対して常に一定の張力が付与された状態
でガイドローラ間を案内されるため、該長尺試料
には、たわみやしわは発生しにくくなり、発生し
ても前記張力により伸ばされる。
(実施例)
以下、この発明を具体化した一実施例を第1〜
3図に従つて説明する。
3図に従つて説明する。
スパツタリング装置本体1は隔壁2によりその
内部がスパツタリング処理室3と試料収容室4と
の2室に区画されている。スパツタリング処理室
3は蓋体5によりその上部開口部が気密状態に密
閉されている。また、試料収容室4にはその正面
(第1図の下方)に密閉可能な扉6が配置されて
いる。
内部がスパツタリング処理室3と試料収容室4と
の2室に区画されている。スパツタリング処理室
3は蓋体5によりその上部開口部が気密状態に密
閉されている。また、試料収容室4にはその正面
(第1図の下方)に密閉可能な扉6が配置されて
いる。
スパツタリング処理室3の中央には有底円筒状
のターゲツト7が前記蓋体5の外側から気密を保
持した状態で着脱可能に挿入固定されている。タ
ーゲツト7は少なくとも表面部がスパツタリング
用の金属で形成され、その内部空間部にはリング
状の永久磁石8が所定間隔で嵌着固定された支持
筒9が配設されている。支持筒9の下部には外部
から圧縮空気が供給されるベルローズ10が配設
され、圧縮空気の供給排気により支持筒9が上下
動されるようになつている。ターゲツト7として
の陰極の周囲には8本の上下方向に延びる線状部
を有する篭型の陽極11が、その線状部がターゲ
ツト7を中心とする同一の円周状に位置するよう
に配置されている。ターゲツト7としての陰極と
陽極11との間には50〜1000Vの直流電圧が印加
されるようになつている。
のターゲツト7が前記蓋体5の外側から気密を保
持した状態で着脱可能に挿入固定されている。タ
ーゲツト7は少なくとも表面部がスパツタリング
用の金属で形成され、その内部空間部にはリング
状の永久磁石8が所定間隔で嵌着固定された支持
筒9が配設されている。支持筒9の下部には外部
から圧縮空気が供給されるベルローズ10が配設
され、圧縮空気の供給排気により支持筒9が上下
動されるようになつている。ターゲツト7として
の陰極の周囲には8本の上下方向に延びる線状部
を有する篭型の陽極11が、その線状部がターゲ
ツト7を中心とする同一の円周状に位置するよう
に配置されている。ターゲツト7としての陰極と
陽極11との間には50〜1000Vの直流電圧が印加
されるようになつている。
前記円筒型ターゲツト7の周囲には布、フイル
ム等の長尺試料12を案内する6本のガイドロー
ラ13が、ターゲツト7を中心とする同一円周上
に等間隔で配設されている。前記ガイドローラ1
3はスパツタリング処理室3内に配設され平面ほ
ぼ六角形状をなす上部支持フレーム14a及び下
部支持フレーム14b間に回転自在に支持されて
いる。前記上部支持フレーム14aを支持する支
柱15は前記ガイドローラ13の内側に配設され
るとともに、核ガイドローラ13の直径よりも幅
広に形成されている。各支柱15にはターゲツト
7と反対側に冷却用の水冷管16が配設されてい
る。
ム等の長尺試料12を案内する6本のガイドロー
ラ13が、ターゲツト7を中心とする同一円周上
に等間隔で配設されている。前記ガイドローラ1
3はスパツタリング処理室3内に配設され平面ほ
ぼ六角形状をなす上部支持フレーム14a及び下
部支持フレーム14b間に回転自在に支持されて
いる。前記上部支持フレーム14aを支持する支
柱15は前記ガイドローラ13の内側に配設され
るとともに、核ガイドローラ13の直径よりも幅
広に形成されている。各支柱15にはターゲツト
7と反対側に冷却用の水冷管16が配設されてい
る。
試料収容室4には長尺試料12を送り出す送出
ローラ17と、スパツタリング処理後の長尺試料
12を巻取る巻取ローラ18とが垂直状態に配設
されている。両ローラ17,18はそれぞれ底壁
上に配置され、外部駆動機構19c,20cによ
り駆動される駆動軸19a,20aと、上部に回
転自在に取付けられた被動軸19b,20bとの
間に脱着可能に取付けられるようになつている。
ローラ17と、スパツタリング処理後の長尺試料
12を巻取る巻取ローラ18とが垂直状態に配設
されている。両ローラ17,18はそれぞれ底壁
上に配置され、外部駆動機構19c,20cによ
り駆動される駆動軸19a,20aと、上部に回
転自在に取付けられた被動軸19b,20bとの
間に脱着可能に取付けられるようになつている。
また、前記駆動機構19c,20cは長尺試料
12が送出ローラ17から巻取ローラ18に巻回
されるとき、該巻取ローラ18の周速度が前記送
出ローラ17の周速度よりも常に一定量だけ速く
なるように駆動軸19a,20aを制御してい
る。つまり、このローラ17,18の周速度の差
を利用して前記長尺試料12に対してその巻取方
向に一定の張力を付与し、たわみ、しわ等を防止
しているのである。従つて、長尺試料12はこの
両ローラ17,18によつて一定張力を付与され
た状態で前記ガイドローラ13間を案内されるこ
ととなる。また、前記張力は、前記長尺試料12
が変形しない程度に設定されており、本実施例に
おいては、2〜20Kg/cmとなつている。
12が送出ローラ17から巻取ローラ18に巻回
されるとき、該巻取ローラ18の周速度が前記送
出ローラ17の周速度よりも常に一定量だけ速く
なるように駆動軸19a,20aを制御してい
る。つまり、このローラ17,18の周速度の差
を利用して前記長尺試料12に対してその巻取方
向に一定の張力を付与し、たわみ、しわ等を防止
しているのである。従つて、長尺試料12はこの
両ローラ17,18によつて一定張力を付与され
た状態で前記ガイドローラ13間を案内されるこ
ととなる。また、前記張力は、前記長尺試料12
が変形しない程度に設定されており、本実施例に
おいては、2〜20Kg/cmとなつている。
前記スパツタリング処理室3及び試料収容室4
とを区画する隔壁2の中央部には両室3,4を連
通する開口部が形成され、両開口部が前記長尺試
料12の通過を許容する隙間δを有する状態で垂
直に配設された3本の補助ガイドローラ21a,
21b,21cにより塞がれている。そして、前
記送出ローラ17から送り出される長尺試料12
は前記補助ガイドローラ21a,21b間を通つ
てスパツタリング処理室3内に案内され、スパツ
タリング処理後の長尺試料12は前記補助ガイド
ローラ21b,21c間を通つて巻取ローラ18
に巻取られるようになつている。又、スパツタリ
ング処理室3内には前記補助ガイドローラ21a
〜21cにスパツタリング金属が付着するのを防
止する防着板22が立設され、そのターゲツト7
と反対側には前記支柱15と同様水冷配管16が
配設されている。
とを区画する隔壁2の中央部には両室3,4を連
通する開口部が形成され、両開口部が前記長尺試
料12の通過を許容する隙間δを有する状態で垂
直に配設された3本の補助ガイドローラ21a,
21b,21cにより塞がれている。そして、前
記送出ローラ17から送り出される長尺試料12
は前記補助ガイドローラ21a,21b間を通つ
てスパツタリング処理室3内に案内され、スパツ
タリング処理後の長尺試料12は前記補助ガイド
ローラ21b,21c間を通つて巻取ローラ18
に巻取られるようになつている。又、スパツタリ
ング処理室3内には前記補助ガイドローラ21a
〜21cにスパツタリング金属が付着するのを防
止する防着板22が立設され、そのターゲツト7
と反対側には前記支柱15と同様水冷配管16が
配設されている。
前記スパツタリング処理室3にはスパツタリン
グ処理室3内を減圧するためのポンプに接続され
るパイプ23が接続されている。パイプ23は本
抜バルブ24を介して拡散ポンプ25に接続され
る系統と、粗抜バルブ26を経てメカニカルブー
スターポンプ27及びロータリーポンプ28に接
続される系統の2つに分岐されるとともに、前記
拡散ポンプ25とメカニカルブースターポンプ2
7とが補助バルブ29を介して接続されている。
又、前記パイプ23にはリークバルブ30が接続
されている。又、スパツタリング処理室3にはバ
ルブ31a,32aを介してアルゴンガスボンベ
31及び酸素ガスボンベ32に接続されたパイプ
33が連結されている。
グ処理室3内を減圧するためのポンプに接続され
るパイプ23が接続されている。パイプ23は本
抜バルブ24を介して拡散ポンプ25に接続され
る系統と、粗抜バルブ26を経てメカニカルブー
スターポンプ27及びロータリーポンプ28に接
続される系統の2つに分岐されるとともに、前記
拡散ポンプ25とメカニカルブースターポンプ2
7とが補助バルブ29を介して接続されている。
又、前記パイプ23にはリークバルブ30が接続
されている。又、スパツタリング処理室3にはバ
ルブ31a,32aを介してアルゴンガスボンベ
31及び酸素ガスボンベ32に接続されたパイプ
33が連結されている。
一方、前記試料収容室4には試料収容室4内を
減圧するため前記スパツタリング処理室3の排気
系とは独立した別のメカニカルブースターポンプ
34及びロータリーポンプ35に対してバルブ3
6を介して接続されるパイプ37が連結されてい
る。又、前記パイプ37にはリークバルブ38が
接続されている。
減圧するため前記スパツタリング処理室3の排気
系とは独立した別のメカニカルブースターポンプ
34及びロータリーポンプ35に対してバルブ3
6を介して接続されるパイプ37が連結されてい
る。又、前記パイプ37にはリークバルブ38が
接続されている。
次に前記のように構成された装置の作用を説明
する。まず、リークバルブ30,38が開放され
てスパツタイング処理室3及び試料収容室4内の
圧力が大気圧と平衡な状態で試料収容室4の扉6
を開け、送出ローラ17を駆動軸19a及び被動
軸19bから取り外し、長尺試料12を送出ロー
ラ17に巻付ける。次に長尺試料12が巻付けら
れた送出ローラ17を前記駆動軸19aと被動軸
19bとの間に取付け、その一端側から送り出し
ながら補助ガイドローラ21a,21b間の隙間
δを通してスパツタリング処理室3内に導き、6
本のガイドローラ13の外側に巻掛けた後、補助
ガイドローラ21bと21cとの間を通して再び
試料収容室4内に導き、同長尺試料12の一端を
巻取ローラ18の表面に止着する。次に蓋体5及
び扉6を気密状態に閉じる。
する。まず、リークバルブ30,38が開放され
てスパツタイング処理室3及び試料収容室4内の
圧力が大気圧と平衡な状態で試料収容室4の扉6
を開け、送出ローラ17を駆動軸19a及び被動
軸19bから取り外し、長尺試料12を送出ロー
ラ17に巻付ける。次に長尺試料12が巻付けら
れた送出ローラ17を前記駆動軸19aと被動軸
19bとの間に取付け、その一端側から送り出し
ながら補助ガイドローラ21a,21b間の隙間
δを通してスパツタリング処理室3内に導き、6
本のガイドローラ13の外側に巻掛けた後、補助
ガイドローラ21bと21cとの間を通して再び
試料収容室4内に導き、同長尺試料12の一端を
巻取ローラ18の表面に止着する。次に蓋体5及
び扉6を気密状態に閉じる。
次にスパツタリング装置本体1を減圧する。拡
散ポンプ25及びロータリーポンプ28は常時作
動しているので、まずリークバルブ30を閉じ次
いで粗抜バルブ26を開く。ロータリーポンプ2
8の作用によりスパツタリング装置本体1内の圧
力が20Torr以下になつた状態でメカニカルブー
スターポンプ27が作動される。そして、装置本
体1内の圧力が5×10-2Torr以下になつた状態
で粗抜バルブ26を閉じ、次いで補助バルブ2
9、本抜バルブ24を開放して装置本体1の真空
度をさらに高真空の10-5Torr台まで減圧する。
散ポンプ25及びロータリーポンプ28は常時作
動しているので、まずリークバルブ30を閉じ次
いで粗抜バルブ26を開く。ロータリーポンプ2
8の作用によりスパツタリング装置本体1内の圧
力が20Torr以下になつた状態でメカニカルブー
スターポンプ27が作動される。そして、装置本
体1内の圧力が5×10-2Torr以下になつた状態
で粗抜バルブ26を閉じ、次いで補助バルブ2
9、本抜バルブ24を開放して装置本体1の真空
度をさらに高真空の10-5Torr台まで減圧する。
長尺試料12からのガス放出により排気速度が
遅いときには、巻取ローラ18及び送出ローラ1
7を駆動して長尺試料12の巻取り、巻戻しを行
うことにより排気速度を速くすることができる。
この場合通常は本抜バルブ24が開放状態となつ
た後に巻取り、巻戻しを行う。しかし、ガス放出
が多い場合はメカニカルブースターポンプ27作
動後に行う。なお、巻戻しは10m/〓程度の速度
で行なわれる。
遅いときには、巻取ローラ18及び送出ローラ1
7を駆動して長尺試料12の巻取り、巻戻しを行
うことにより排気速度を速くすることができる。
この場合通常は本抜バルブ24が開放状態となつ
た後に巻取り、巻戻しを行う。しかし、ガス放出
が多い場合はメカニカルブースターポンプ27作
動後に行う。なお、巻戻しは10m/〓程度の速度
で行なわれる。
次にアルゴンガスボンベ31からスパツタリン
グ処理室3内にアルゴンガスを送り込むととも
に、拡散ポンプ25から徐々に排出することによ
りスパツタリング処理室3内を低圧アルゴンガス
雰囲気に保持する。この状態で水冷配管16に水
を供給し、ターゲツト7及び陽極11間に直流高
電圧を印加するとともに送出ローラ17及び巻取
ローラ18を駆動する。ターゲツト7及び陽極1
1間に直流高電圧を印加することによりグロー放
電が起こり、スパツタリング処理室3内のアルゴ
ンガスが放電エネルギーによりイオン化し、イオ
ン化されたアルゴンイオンがターゲツト(陰極)
7側へ加速されて、ターゲツト7に衝突し、ター
ゲツト7表面から金属を叩き出す。ターゲツト7
表面から叩き出された金属はターゲツト7から放
射状に飛散する。長尺試料12は補助ガイドロー
ラ21a、ガイドローラ20、補助ガイドローラ
21cを経てターゲツト7の周囲を囲むほぼ円周
状の移動経路を通つて巻取ローラ18に巻取られ
る。
グ処理室3内にアルゴンガスを送り込むととも
に、拡散ポンプ25から徐々に排出することによ
りスパツタリング処理室3内を低圧アルゴンガス
雰囲気に保持する。この状態で水冷配管16に水
を供給し、ターゲツト7及び陽極11間に直流高
電圧を印加するとともに送出ローラ17及び巻取
ローラ18を駆動する。ターゲツト7及び陽極1
1間に直流高電圧を印加することによりグロー放
電が起こり、スパツタリング処理室3内のアルゴ
ンガスが放電エネルギーによりイオン化し、イオ
ン化されたアルゴンイオンがターゲツト(陰極)
7側へ加速されて、ターゲツト7に衝突し、ター
ゲツト7表面から金属を叩き出す。ターゲツト7
表面から叩き出された金属はターゲツト7から放
射状に飛散する。長尺試料12は補助ガイドロー
ラ21a、ガイドローラ20、補助ガイドローラ
21cを経てターゲツト7の周囲を囲むほぼ円周
状の移動経路を通つて巻取ローラ18に巻取られ
る。
このとき、前記巻取ローラ18はその周速度を
送出ローラ17の周速度よりも常に一定量だけ速
くなるように制御されているため、前記長尺試料
12は巻取方向に対して一定の張力がかかつた状
態でガイドローラ16間を案内される。従つて、
前記長尺試料12は前記張力によつてたわむこと
なく、また、たわんだり、しわが発生したりして
も前記張力によつて伸ばされて前記ガイドローラ
16間を案内されることとなる。このため、前記
長尺試料12全体を均一にスパツタリングするこ
とが可能となる。
送出ローラ17の周速度よりも常に一定量だけ速
くなるように制御されているため、前記長尺試料
12は巻取方向に対して一定の張力がかかつた状
態でガイドローラ16間を案内される。従つて、
前記長尺試料12は前記張力によつてたわむこと
なく、また、たわんだり、しわが発生したりして
も前記張力によつて伸ばされて前記ガイドローラ
16間を案内されることとなる。このため、前記
長尺試料12全体を均一にスパツタリングするこ
とが可能となる。
さらに、長尺試料12として布を用いた場合に
は前記張力によつて布の網目が開かれるため、網
目の奥まで確実に金属酸化物被膜を被服させるこ
とができる。
は前記張力によつて布の網目が開かれるため、網
目の奥まで確実に金属酸化物被膜を被服させるこ
とができる。
また、本実施例の装置によれば、ターゲツト7
から放射状に飛散するスパツタリング金属が長尺
試料12に付着する範囲が広範囲に及ぶため、巻
取ローラ18の巻取速度を速めても長尺試料12
の表面には所定の厚さの金属被膜が確実に形成さ
れる。従来装置においては500オングストローム
の厚さの被膜を形成するには2〜3m/〓の巻取
速度でしか行えなかつたが、この実施例の装置に
おいては6m/〓の巻取速度500オングストローム
の厚さの金属被膜が長尺試料12の表面に形成さ
れた。すなわち、従来装置に比較して2〜3倍の
速さでスパツタリング処理を行なうことができ
る。
から放射状に飛散するスパツタリング金属が長尺
試料12に付着する範囲が広範囲に及ぶため、巻
取ローラ18の巻取速度を速めても長尺試料12
の表面には所定の厚さの金属被膜が確実に形成さ
れる。従来装置においては500オングストローム
の厚さの被膜を形成するには2〜3m/〓の巻取
速度でしか行えなかつたが、この実施例の装置に
おいては6m/〓の巻取速度500オングストローム
の厚さの金属被膜が長尺試料12の表面に形成さ
れた。すなわち、従来装置に比較して2〜3倍の
速さでスパツタリング処理を行なうことができ
る。
ターゲツト7から飛散したスパツタリング金属
は長尺試料12の表面以外にも付着するが、この
実施例の装置においてはガイドローラ13の内側
(ターゲツト7側)に配設された支柱15が、ガ
イドローラ13のカバーの役割を果たし、しかも
水冷配管16により常に冷却されるため、スパツ
タリング金属がガイドローラ13に付着したりガ
イドローラ13が加熱されることがないため、ガ
イドローラ13にスパツタリング金属が付着する
ことによる長尺試料12の汚染あるいはガイドロ
ーラ13の加熱に伴う長尺試料12への悪影響を
確実に防止することができる。
は長尺試料12の表面以外にも付着するが、この
実施例の装置においてはガイドローラ13の内側
(ターゲツト7側)に配設された支柱15が、ガ
イドローラ13のカバーの役割を果たし、しかも
水冷配管16により常に冷却されるため、スパツ
タリング金属がガイドローラ13に付着したりガ
イドローラ13が加熱されることがないため、ガ
イドローラ13にスパツタリング金属が付着する
ことによる長尺試料12の汚染あるいはガイドロ
ーラ13の加熱に伴う長尺試料12への悪影響を
確実に防止することができる。
長尺試料12にターゲツト7を構成する金属被
膜を形成する代わりに金属酸化物の被膜を形成す
る場合には、前記酸素ガスボンベ32に通ずるバ
ルブ32aも放し、スパツタリング処理室3内に
アルゴンガスとともに酸素ガスを供給し、同処理
室3内をアルゴン及び酸素の低圧混合気雰囲気に
保持した状態でターゲツト7と陽極11間に直流
高電圧を印加する。アルゴンガス及び酸素ガスが
存在する場合には、前記と同様にしてターゲツト
7から叩き出された金属が直ちに酸素イオンによ
り酸化されて酸化物となり、酸化物の状態で長尺
試料12に付着するため、長尺試料12の表面に
は金属酸化物の被膜が形成される。
膜を形成する代わりに金属酸化物の被膜を形成す
る場合には、前記酸素ガスボンベ32に通ずるバ
ルブ32aも放し、スパツタリング処理室3内に
アルゴンガスとともに酸素ガスを供給し、同処理
室3内をアルゴン及び酸素の低圧混合気雰囲気に
保持した状態でターゲツト7と陽極11間に直流
高電圧を印加する。アルゴンガス及び酸素ガスが
存在する場合には、前記と同様にしてターゲツト
7から叩き出された金属が直ちに酸素イオンによ
り酸化されて酸化物となり、酸化物の状態で長尺
試料12に付着するため、長尺試料12の表面に
は金属酸化物の被膜が形成される。
なお、この発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば次のようにして具体化すること
も可能である。
ではなく、例えば次のようにして具体化すること
も可能である。
(1) 前記補助ガイドローラ21a,21b,21
cは必ずしも必要ではなく、第4図に示すよう
な切り欠き部を通して長尺試料12を送つても
良い。
cは必ずしも必要ではなく、第4図に示すよう
な切り欠き部を通して長尺試料12を送つても
良い。
(2) 前記送出ローラ17と巻取ローラ18との間
のたわみ防止手段は本実施例の外、第5図に示
すように、両ローラ17,18を一定の周速度
で回転させておき、該送出ローラ17および巻
取ローラ18の両方に駆動用キヤブスタンとピ
ンチローラをそれぞれ設け、該キヤブスタンの
駆動力によつて常に巻取速度が送り出し速度よ
りも速くなるようにしても良い。さらに、上記
方法において、送り出し側のキヤブスタンとピ
ンチローラを廃止して前記送出ローラ17の駆
動機構自体を不の張力がかかるものとしても良
い。つまり、両ローラ17,18間に一定の張
力がかかる方法であればなんでも良く、その構
成、組み合わせに限定されるものではない。
のたわみ防止手段は本実施例の外、第5図に示
すように、両ローラ17,18を一定の周速度
で回転させておき、該送出ローラ17および巻
取ローラ18の両方に駆動用キヤブスタンとピ
ンチローラをそれぞれ設け、該キヤブスタンの
駆動力によつて常に巻取速度が送り出し速度よ
りも速くなるようにしても良い。さらに、上記
方法において、送り出し側のキヤブスタンとピ
ンチローラを廃止して前記送出ローラ17の駆
動機構自体を不の張力がかかるものとしても良
い。つまり、両ローラ17,18間に一定の張
力がかかる方法であればなんでも良く、その構
成、組み合わせに限定されるものではない。
(3) 前記長尺試料12の送出方向と垂直な上下方
向に対して張力を付与する張力付与手段をそれ
ぞれ設けること。こうすれば、長尺試料12が
一定方向に極端に伸びることを防止できるとと
もに、布等の網目状試料を用いた場合、網目が
縦横均一に拡がるため、さらに、網目の奥まで
金属を付着させることができる。
向に対して張力を付与する張力付与手段をそれ
ぞれ設けること。こうすれば、長尺試料12が
一定方向に極端に伸びることを防止できるとと
もに、布等の網目状試料を用いた場合、網目が
縦横均一に拡がるため、さらに、網目の奥まで
金属を付着させることができる。
(4) ガイドローラ13の本数あるいは設置間隔を
変更すること。ガイドローラ13の本数あるい
は設置間隔は長尺試料12としての布あるいは
フイルムの種名及び加えるテンシヨンの強さに
より異なるが、その間隔は20〜80cmが好ましく
ターゲツト7の周囲を長尺試料12がほぼ円周
上となる状態で移動するためにはガイドローラ
13を5本以上設けることが好ましい。
変更すること。ガイドローラ13の本数あるい
は設置間隔は長尺試料12としての布あるいは
フイルムの種名及び加えるテンシヨンの強さに
より異なるが、その間隔は20〜80cmが好ましく
ターゲツト7の周囲を長尺試料12がほぼ円周
上となる状態で移動するためにはガイドローラ
13を5本以上設けることが好ましい。
(5) ターゲツト7を構成する金属は特に限定され
ず、スパツタリング可能な全ての金属(合金を
含む)を採用することができる。すなわち、単
太の金属としては金、銀、アルミニウム、ス
ズ、亜鉛、チタン、ニツケル、銅、コバルト、
クロム等が、合金ではハステロイ、パーマロ
イ、ステンレス鋼が耐蝕性や色彩の点で適して
いる。前記金属あるいは合金は用途、色調、コ
ルト等に応じて選択される。
ず、スパツタリング可能な全ての金属(合金を
含む)を採用することができる。すなわち、単
太の金属としては金、銀、アルミニウム、ス
ズ、亜鉛、チタン、ニツケル、銅、コバルト、
クロム等が、合金ではハステロイ、パーマロ
イ、ステンレス鋼が耐蝕性や色彩の点で適して
いる。前記金属あるいは合金は用途、色調、コ
ルト等に応じて選択される。
(6) 前記実施例の装置における酸素ガスポンベ3
2に代えて窒素ガスボンベを接続することによ
り、金属酸化物被膜に代えて金属窒化物被膜を
長尺試料12の表面に形成することも可能であ
る。又、アルゴンガスに代えてキセノン等の不
活性ガスを採用してもよい。
2に代えて窒素ガスボンベを接続することによ
り、金属酸化物被膜に代えて金属窒化物被膜を
長尺試料12の表面に形成することも可能であ
る。又、アルゴンガスに代えてキセノン等の不
活性ガスを採用してもよい。
(7) 上下支持フレーム14a,14bを配設する
代わりに、ガイドローラ13を配設する位置ま
でスパツタリング処理室3の上壁を形成しガイ
ドローラ13を上壁及び底壁間に回動可能に支
持し、ガイドローラ13のカバーを別に設けて
もよい。又、ガイドローラ13のカバーは必ず
しも必要ではない。
代わりに、ガイドローラ13を配設する位置ま
でスパツタリング処理室3の上壁を形成しガイ
ドローラ13を上壁及び底壁間に回動可能に支
持し、ガイドローラ13のカバーを別に設けて
もよい。又、ガイドローラ13のカバーは必ず
しも必要ではない。
発明の効果
以上詳述したように、本発明によれば送出側か
らターゲツトと対向する位置へ案内される長尺試
料には送出ローラと巻取ローラとの間の周速度差
に基づき巻取方向に対して絶えず一定張力が付与
されるので、前記張力により長尺試料がたわむこ
とを防止でき、引いては、送出ローラと巻取ロー
ラとの周速度間に差を持たせるだけという簡単な
構成にて、スパツタリング金属を均一に付着させ
た長尺試料を製造することが可能となるという優
れた効果を奏する。
らターゲツトと対向する位置へ案内される長尺試
料には送出ローラと巻取ローラとの間の周速度差
に基づき巻取方向に対して絶えず一定張力が付与
されるので、前記張力により長尺試料がたわむこ
とを防止でき、引いては、送出ローラと巻取ロー
ラとの周速度間に差を持たせるだけという簡単な
構成にて、スパツタリング金属を均一に付着させ
た長尺試料を製造することが可能となるという優
れた効果を奏する。
第1〜3図はこの発明を具体化した一実施例を
示すものであつて、第1図は平断面図、第2図は
一部破断正面図、第3図は第1図のA−A線断面
図、第4図は別例を示す要部平断面図、第5図は
別例を示す平断面図、第6図は従来のスパツタリ
ング処理装置を示す縦断面図である。 スパツタリング処理室……3、ターゲツト……
7、長尺試料……12、ガイドローラ……13、
送出ローラ……17、巻取ローラ……18。
示すものであつて、第1図は平断面図、第2図は
一部破断正面図、第3図は第1図のA−A線断面
図、第4図は別例を示す要部平断面図、第5図は
別例を示す平断面図、第6図は従来のスパツタリ
ング処理装置を示す縦断面図である。 スパツタリング処理室……3、ターゲツト……
7、長尺試料……12、ガイドローラ……13、
送出ローラ……17、巻取ローラ……18。
Claims (1)
- 1 装置本体1内に、ターゲツト7と、同ターゲ
ツト7と対向する位置へ布、フイルム等の長尺試
料12を案内するガイドローラ13と、前記長尺
試料12を送り出す送出ローラ17と、スパツタ
リング処理後の長尺試料12を巻取る巻取ローラ
18とを備え、前記送出ローラ17の周速度より
も巻取ローラ18の周速度の方が常に所定量だけ
速く回動するように前記送出ローラ17及び巻取
ローラ18を駆動制御することを特徴とするスパ
ツタリング装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10909485A JPS61266574A (ja) | 1985-05-21 | 1985-05-21 | スパツタリング装置 |
DE8686106806T DE3675270D1 (de) | 1985-05-21 | 1986-05-20 | Zerstaeubungsgeraet. |
EP19860106806 EP0205917B1 (en) | 1985-05-21 | 1986-05-20 | Sputtering apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10909485A JPS61266574A (ja) | 1985-05-21 | 1985-05-21 | スパツタリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61266574A JPS61266574A (ja) | 1986-11-26 |
JPH0588312B2 true JPH0588312B2 (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=14501432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10909485A Granted JPS61266574A (ja) | 1985-05-21 | 1985-05-21 | スパツタリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61266574A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3027783U (ja) * | 1996-02-09 | 1996-08-13 | モリト株式会社 | ファスナー用スライダー |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001303249A (ja) * | 2000-04-19 | 2001-10-31 | Hirano Koon Kk | 帯状シート材の表面処理装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859140A (ja) * | 1981-09-30 | 1983-04-08 | Shimadzu Corp | 連続巻取形蒸着装置 |
JPS5913069A (ja) * | 1982-07-09 | 1984-01-23 | Tokuda Seisakusho Ltd | スパツタリング装置 |
-
1985
- 1985-05-21 JP JP10909485A patent/JPS61266574A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859140A (ja) * | 1981-09-30 | 1983-04-08 | Shimadzu Corp | 連続巻取形蒸着装置 |
JPS5913069A (ja) * | 1982-07-09 | 1984-01-23 | Tokuda Seisakusho Ltd | スパツタリング装置 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3027783U (ja) * | 1996-02-09 | 1996-08-13 | モリト株式会社 | ファスナー用スライダー |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61266574A (ja) | 1986-11-26 |
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