JPH0587954A - 微小時間計測方法及び微小時間計測装置 - Google Patents

微小時間計測方法及び微小時間計測装置

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JPH0587954A
JPH0587954A JP27664691A JP27664691A JPH0587954A JP H0587954 A JPH0587954 A JP H0587954A JP 27664691 A JP27664691 A JP 27664691A JP 27664691 A JP27664691 A JP 27664691A JP H0587954 A JPH0587954 A JP H0587954A
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直見 沢田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一層高精度に未知時間を計測し、回路の実装に
伴う困難を改善する。 【構成】クロックaを出力する水晶発振器1と、クロッ
クbを出力する水晶発振器2と、クロックa,bの同期
点を検出するエッジ一致検出回路3と、クロックa,b
に同期してカウントを行なう同期カウンタ4,5と、ス
トップパルスの入力により同期カウンタ4,5の値をそ
れぞれ記憶保持するラッチ回路6,7と、ストップパル
スの入力によりラッチ回路6,7に保持された値を読み
出しスタートパルスからストップパルスまでの未知時間
を算出するマイコン8と、エッジ一致検出回路3の出力
に応じてカウンタ4,5をクリアしマイコン8の指令設
定値とカウンタ4の値が一致した時スタートパルスを出
力する送信時刻コントロール部9とを備えている。そし
て、マイコン8が、指令設定値を0から1づつ加算した
値に順次設定し、ラッチ回路7の値が前回の値と一致し
た時に未知時間をクロックaの周期とクロックa,bの
周期差を用いて算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微小時間計測方法及び
微小時間計測装置に係り、更に詳しくは、超音波の伝播
速度を精密に計測する計測器,例えば,ボルト中を伝播
する超音波の伝播速度を計測する超音波ボルト軸力計等
における時間計測に採用して好適な微小時間計測方法及
び微小時間計測装置に関する。
【0002】
【背景技術】従来、超音波ボルト軸力計等における超音
波伝播時間の計測部には、図6に示すような構成のもの
が使用されている。この場合、AND回路51には、未
知時間パルス,即ち,超音波の発信から受信までの時間
幅のパルスと、パルス発生器52から出力される既知周
波数のクロックパルスとが入力され、その出力パルスを
カウンタ53で計数することにより、未知時間Tx をカ
ウント値Nに基づき算出しようとする方法が採用されて
いた。しかし、この場合には、図7に示すような両端の
クロックパルスの周期Δtより短い端数時間t1 ,t2
については、カウンタ53ではカウントされず、未知時
間Tx としては、Tx =N・Δtが算出されることとな
るが、実際には、未知時間Tx =N・Δt+t1 +t2
であることは明らかであり、このため、(t1 +t2
の計測誤差が発生するという不都合があった。かかる計
測誤差を小さくするためにはパルス発生器52の発振周
波数を上げなければならないが、従来においても計測精
度を上げるため市販の仕様に適するものの内殆ど最大の
発振周波数のパルス発生器が使用されているのが実情で
あり、これ以上発振周波数を上げることは実現が困難で
あった。
【0003】最近になって、上記の問題を解決するた
め、図8のような端数時間計測部により上記端数時間を
計測しようとするものが考案されている。この端数時間
計測部は、定電流源61と、差動電流スイッチ62と、
コンデンサ63とA/Dコンバータ64とを含んで構成
され、端数時間t1 またはt2 に相当する幅のパルスを
差動電流スイッチ62に加え、図9に示すように端数パ
ルス幅に相当する時間だけコンデンサ63を定電流源6
1で充電し、該コンデンサ63の出力電圧をA/Dコン
バータ64によりA/D変換することによって、端数時
間t1 またはt2を計測し、これによって精度の高い時
間計測を行なおうとするものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記図8の従来によれ
ば、相当高精度な時間計測が可能になったが、アナログ
回路を用いた時間計測であることから、端数時間(t1
またはt2 )が非常に小さい場合に図8の回路が正常に
動作し得ず計測値に非線形の誤差が発生するおそれがあ
り、また、当該アナログ回路を構成する各要素の精度,
組立方法,周囲の環境による影響を受けやすく、設計・
製作及び調整に手間取るという不都合があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、かかる従来技術の有する問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来より
一層高精度に未知時間を計測し得るとともに、回路の実
装に伴う困難を改善し且調整を不要とすることが可能な
微小時間計測方法及び微小時間計測装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の微小時間計測方
法では、スタートパルスの出力時からストップパルスの
入力時までの所定の未知時間を測定するに際し、既知の
一定周期の第1のクロックパルスと当該第1のクロック
パルスに所定のタイミングで同期し該クロックパルスの
周期より所定値だけ大きい一定周期の第2のクロックパ
ルスとを用い、両クロックパルスの同期時を基準として
順次第1のクロックパルスの所定周期分遅れたタイミン
グでスタートパルスを順次出力するとともに各スタート
パルスに対応するストップパルスの入力を順次検出し、
ストップパルスの入力が第2のクロックパルスの立ち上
がり又は立ち下がり時の内所定の一方に一致した時に、
第1のクロックパルスの周期と両クロックパルスの周期
差を用いて未知時間を算出するという手法を採ってい
る。
【0007】また、この方法を実施するための本発明の
微小時間計測装置は、既知の一定周期の第1のクロック
パルスを出力する第1のクロック発生器と、第1のクロ
ックパルスに所定のタイミングで同期し該クロックパル
スの周期より所定値だけ大きいの一定周期の第2のクロ
ックパルスを出力する第2のクロック発生器と、第1,
第2のクロックパルスの立ち上がりエッジ若しくは立ち
下がりエッジが相互に一致する両者の同期点を検出する
エッジ一致検出回路と、第1,第2のクロックパルスの
立ち上がり又は立ち下がりとそれぞれ同期してカウント
動作を行なう第1,第2の同期カウンタと、ストップパ
ルスの入力により第1,第2の同期カウンタのカウント
値をそれぞれ記憶保持する第1,第2のラッチ回路と、
ストップパルスの入力により第1,第2のラッチ回路に
保持された値を読み出すとともにスタートパルスの出力
時からストップパルスの入力時までの所定の未知時間を
算出する演算処理部と、エッジ一致検出回路の出力に応
じて第1,第2の同期カウンタをクリアするとともに演
算処理部の指令設定値と第1の同期カウンタのカウント
値とが一致した場合にスタートパルスを出力する送信時
刻コントロール部とを備えている。ここで、演算処理部
は、マイクロコンピュータ等を用いて構成することがで
き、この演算処理部が、前記指令設定値を0から1づつ
加算した値に順次設定する第1の機能と、第2のラッチ
回路から読み出した値が前回の値と一致した時に第1の
クロックパルスの周期と両クロックパルスの周期差を含
む所定の計算式を用いて未知時間を算出する第2の機能
とを有している。このような構成によって、前述した目
的を達成しようとするものである。
【0008】
【作用】まず、第1回目の測定が開始されると、エッジ
一致検出回路により例えば第1,第2のクロックパルス
の立ち上がりエッジが一致した両クロックパルスの同期
点が検出され、この検出信号が送信時刻コントロール部
に送られ、送信時刻コントロール部により第1,第2の
同期カウンタがクリアされる。(このようにして、初期
化がなされる。)この状態において、演算処理部が、指
令設定値として最初0を出力すると、該指令設定値と第
1の同期カウンタのカウント値が一致する両クロック信
号の同期時から第1のクロックパルスの1周期分の時間
後に送信時刻コントロール部からスタートパルスが出力
され、例えば超音波ボルト軸力計の場合には、パルサ回
路からセンサ駆動パルスが出力され、このパルスが超音
波センサで超音波に変換され出力される。そして、この
超音波がボルト内を伝播後受信回路で受信され、該受信
波がデジタル化されてストップパルスとなり、該ストッ
プパルスが第1,第2のラッチ回路及び演算処理部に入
力される。このストップパルスの入力により第1,第2
のラッチ回路では、その時の第1,第2の同期カウンタ
のカウント値をそれぞれ記憶し保持する。この保持され
た値が演算処理部で読み出され、第2のラッチ回路から
読み出された値が前回のそれと一致するか否かが判断さ
れる。そして、一致していない場合(最初の測定では、
前回の値が存在していないので、この判断は行なわれな
い。)には、2回目の計測に移り、上記と同様にしてエ
ッジ一致検出回路により両クロックパルスの同期点が検
出され、送信時刻コントロール部により第1,第2の同
期カウンタがクリアされる。この状態において、演算処
理部が、指令設定値として1を出力すると、両クロック
パルスの同期時から第1のクロックパルスの2周期分の
時間後に送信時刻コントロール部からスタートパルスが
出力され、以下前述の如くして測定動作が繰り返され、
n回目の測定でストップパルスの入力が第2のクロック
パルスの立ち上がり時に一致した時に、その次の回の測
定では演算処理部で第2のラッチ回路から読み出された
値が前回のそれと必ず一致したと判断されることとな
り、演算処理部により第1のクロックパルスの周期と両
クロックパルスの周期差を含む所定の計算式を用いて未
知時間が算出される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図1ないし図
5に基づいて説明する。図1には、本発明に係る微小時
間計測方法を実施するための微小時間計測装置の一実施
例の構成が示されている。この実施例は、1周期10n
sec(ナノセコンド:1nsec=10-9 秒)の方
形波パルスである第1のクロックパルスaを出力する第
1のクロック発生器としての一方の水晶発振器1と、第
1のクロックパルスaに所定のタイミングで同期し該ク
ロックパルスaの周期より1nsecだけ大きい1周期
11nsecの方形波パルスである第2のクロックパル
スbを出力する第2のクロック発生器としての他方の水
晶発振器2と、第1,第2のクロックパルスa,bの立
ち上がりエッジ若しくは立ち下がりエッジが相互に一致
する両者の同期点を検出するエッジ一致検出回路3と、
第1,第2のクロックパルスa,bの立ち上がり又は立
ち下がりとそれぞれ同期してカウント動作を行なう第
1,第2の同期カウンタ4,5と、後述するストップパ
ルスjの入力により第1,第2の同期カウンタ4,5の
カウント値をそれぞれ記憶保持する第1,第2のラッチ
回路6,7と、ストップパルスjの入力により第1,第
2のラッチ回路6,7に保持された値を読み出すととも
に後述するスタートパルスgの出力時からストップパル
スjの入力時までの所定の未知時間を所定のプログラム
に従って算出する演算処理部としてのマイクロコンピュ
ータ(以下、「マイコン」という。)8と、エッジ一致
検出回路3の出力に応じて第1,第2の同期カウンタ
4,5をクリアするとともにマイコン8の後述する指令
設定値と第1の同期カウンタのカウント値とが一致した
場合にスタートパルスgを出力する送信時刻コントロー
ル部9とを備えている。
【0010】この内、エッジ一致検出回路3は、例えば
D型ラッチ等を用いて構成され、第1のクロックパルス
aの立ち上がり若しくは立ち下がりエッジで第2のクロ
ックパルスbをラッチすることにより両者の立ち下がり
若しくは立ち下がりエッジが相互に一致する同期点を検
出するものである。このエッジ一致検出回路3の出力c
の一例が図3に示されている。この図においては、第
1,第2のクロックパルスa,bの立ち下がりエッジ同
士が一致した点で出力cが「Lo(ロー)」から「Hi
(ハイ)」に、第1のクロックパルスaの立ち下がりエ
ッジと第2のクロックパルスbの立ち上がりエッジとが
一致した場合には出力cが「Hi」からに「Lo」に変
わることが示されている。第1,第2の同期カウンタ
4,5は、第1,第2のクロックパルスa,bの立ち上
がり又は立ち下がりとそれぞれ同期してカウント動作を
行ない、図2中符号e,fで示すように、第1,第2の
クロックパルスa,bの周期毎に「0,1,2,……」
とカウントアップするようになっている。第1,第2の
ラッチ回路6,7は、ストップパルスjの入力により、
図2中符号k,lで示すように、その時点の第1,第2
の同期カウンタ4,5のカウント値e,fを記憶し保持
するようになっている。
【0011】ここで、ストップパルスjは、受信コンパ
レータ21から出力される図3に示すような方形波パル
スである。受信コンパレータ21は、例えば超音波ボル
ト軸力計の場合は、ボルト内を伝播した超音波を受信す
る受信回路を構成するもので、受信した超音波を所定の
基準電圧と比較しデジタル化する回路である。また、ス
タートパルスgは、送信時刻コントロール部9からライ
ン30を介してパルサ回路22に出力される超音波セン
サ駆動指令用の図3に示すような方形波パルスである。
パルサ回路22は、図示しない超音波センサにセンサ駆
動パルスを出力する回路である。
【0012】送信時刻コントロール部9は、例えば、図
2に示すように構成される。この図において、送信時刻
コントロール部9は、コンパレータ11,ANDゲート
12,13及びD型フリップフロップ(以下、「D−F
F」という。)14,15,16等を含んで構成されて
いる。これを更に詳述すると、コンパレータ11は、一
端Aがバス31を介して第1の同期カウンタ4の出力端
に接続され、他端Bがバス32,I/O部17,バス3
3を介してマイコン8に接続されたている。そして、こ
のコンパレータ11は、A端の入力である第1の同期カ
ウンタのカウント値(図3中符号e参照)がB端の入力
であるマイコン8からの指令設定値(図3中符号i参
照)と一致した場合に出力A=BがHi(ハイ)とな
る。D−FF14は、そのC(クロック)入力端がライ
ン34を介してマイコン8に接続され、そのQ出力端が
D−FF15のD入力端に接続されている。このD−F
F15は、そのC入力端がライン35を介してエッジ一
致検出回路3の出力端に接続され、そのQ出力端がワン
ショット18及びライン36を介して第1,第2の同期
カウンタ4,5のクリア(Clr)入力端にそれぞれ接
続されている。ワンショット18は、D−FF15のD
入力がHiの時にそのQ出力がLoからHiに変わった
瞬間に図3に示すトリガーパルスdを出力する回路であ
る。このトリガーパルスdが第1,第2の同期カウンタ
4,5のクリア信号(リセット信号)として利用され
る。ANDゲート12は、一方の入力端がライン37を
介して一方の水晶発振器1の出力端に接続され、D−F
F15のQ出力端に他方の入力端が接続され、その出力
端がD−FF16のC入力端に接続されている。また、
ANDゲート13は、コンパレータ11の出力端に一方
の入力端が接続され、D−FF14のQ出力端に他方の
入力端が接続され、その出力端がD−FF16のD入力
端に接続されている。更に、D−FF16のQ出力端は
D−FF14のR入力端に接続されている。
【0013】このため、マイコン8からバス33を介し
てI/O部17にスタートパルスの出力タイミングを設
定するための指令設定値(図3中符号i参照)が出力さ
れ、これと同時にライン34を介して時間計測開始指令
のパルスhが出力されると、これがD−FF14のC入
力端に入力され、該D−FF14のQ出力がHiとな
る。これにより、ANDゲート13の他方の入力及びD
−FF15のD入力がHiとなり、計測可能な状態とな
る。この状態において、エッジ一致検出回路3の出力c
がHiとなると、D−FF15のQ出力がHiとなり、
前述の如くして第1,第2の同期カウンタ4,5がクリ
アされる。このとき、D−FF15のQ出力はANDゲ
ート12の他方の入力端にも接続されているので、ライ
ン37を介して第1のクロックパルスaがD−FF16
のC入力端に加えられる。そして、第1の同期カウンタ
4のカウント値(図3中符号e参照)とマイコン8から
I/O部17を介して入力された指令設定値(図3中符
号i参照)が一致すると、コンパレータ11の出力A=
BがHiとなり、ANDゲート13の出力もHiとな
る。この時、D−FFのC入力端には、第1のクロック
パルスが印加されているので、このエッジにおいてD−
FF16のQ出力がHiとなり、スタートパルスgが出
力される。このスタートパルスの出力と同時に、D−F
F14がリセット(クリア)され、マイコン8からの時
間計測開始指令パルスhの入力待ちの状態になる。この
状態において、受信コンパレータ21からストップパル
スjが第1,第2のラッチ回路6,7に入力されると、
その瞬間に、第1,第2のラッチ回路6,7に第1,第
2の同期カウンタ4,5の値がそれぞれ記憶保持され
る。この時、ストップパルスjはマイコン18にも入力
されているので、マイコン18では第1,第2のラッチ
回路6,7の値を読み出すこととなる。なお、図1ない
し図2において、太線の矢印はバスを意味している。
【0014】次に、上記実施例における時間計測時の全
体的動作について図5のタイミングチャートを参照しつ
つマイコン8の制御プログラムを示す図4のフローチャ
ートに沿って説明する。
【0015】この制御プログラムがスタートすると、ま
ず、マイコン8内部の図示しないCPUでは、図示しな
い計測回数カウンタの値をn=1とする(ステップS1
01)。そして、CPUでは、このnの値より1を引い
た値,即ちn−1=1−1=0をI/O部17に指令設
定値として出力すると同時に、送信時刻コントロール部
9に計測開始指令パルスhを出力する(ステップS10
2,S103)。この結果、前述の如くしてエッジ一致
検出回路3が第1,第2のクロックパルスa,bの同期
点(ここでは、図5に示すように当該両クロックパルス
の立ち上がりエッジが一致する点)を検出すると、第
1,第2の同期カウンタ4,5がクリアされ、第1の同
期カウンタ4の値0が指令設定値0と一致する両クロッ
クパルスの同期時から第1のクロックパルスの1周期分
の時間後にスタートパルスgが出力されることとなる。
このスタートパルスgが出力されると、送信時刻コント
ロール部9は、前述したように、次の計測開始指令パル
スhの入力待ちの状態となる。
【0016】そして、マイコン8内部のCPUでは、受
信コンパレータ21からストップパルスjが入力される
のを待ち(ステップS104)、ストップパルスが入力
されると、その時の第1,第2の同期カウンタ4,5の
値A(n),B(n)が第1,第2のラッチ回路6,7
に記憶保持されているので、CPUではこれを読み込む
(ステップS105,S106)。図5においては、A
(1)=3,B(1)=3である。そして、CPUで
は、次のステップS107に進み、ステップS106で
読み込んだ第2のラッチ回路7の値B(n)が前回のそ
れと同じ値であるか否かを判断する。ここで第1回目の
計測では、前回の値が存在しないのでステップS108
に進み、nに1を加算してn=1+1=2として、ステ
ップS102に戻り2回目の計測に移る。この第2回目
の計測では、ステップS102で、n−1=2−1=1
が指令設定値としてI/O部17を介して送信時刻コン
トロール部9に出力されるので、計測開始指令パルスh
が出力される(ステップS103)と、第1の同期カウ
ンタ4の値が1の時,即ち前回と第1のクロックパルス
aの1周期分ずれた両クロックパルスa,bの同期時か
ら第1のクロックパルスaの2周期分の時間の後にスタ
ートパルスgが出力される。(なお、この2回目の計測
でスタートパルスgが出力されるのは、次の両クロック
パルスa,bの同期点から第1のクロックパルスaの2
周期分の時間の後であるが、図示の都合及び視覚による
理解の容易さを考慮して、図5では同じ同期点を基準と
している。)以下、前回と同様にしてステップS104
〜S106の制御動作が繰り返される。ここでは、A
(2)=4,B(2)=4である。そして、ステップS
107で前回の第2のラッチ回路の値B(1)と今回の
それB(2)を比較し、B(1)≠B(2)であるか
ら、ステップS108に進み、以下、同様にして計測を
繰り返す。そして、図5の例では、5回目の計測でステ
ップS107における判断が肯定的となるので、CPU
では、スタートパルスgの立ち上がりからストップパル
スjの立ち上がりまでの時間であるTIME(未知時
間)を次式により算出する(ステップS109)。
【0017】 TIME={A(1)−1}×10+n+1 ……… (ここで、上式における10は、第1のクロックパルス
aの周期が両クロックパルスa,bの周期差の10倍で
あることより10としている。)
【0018】図5の場合、TIME={3−1}×10
+5+1=26(nsec)として未知時間が求められ
る。
【0019】図5においては、4回目の測定でストップ
パルスjの立ち上がりエッジが第2のクロックパルスb
の立ち上がりエッジに一致しており、従って、この時点
での両クロックパルスa,bの同期点からの時間差は周
期差の(5+1)=6倍であることがわかり、また、こ
の4回目の計測では第1のクロックパルスaの2周期分
にこの時間差を加えたものが計測対象としての未知時間
であることが図5より明らかである。従って、未知時間
=2×10+6×(11−10)=26となり、上の結
果と一致し、従って、上記の実施例の装置は、本発明に
係る微小時間測定方法を実施するものであることがわか
る。
【0020】以上説明した本実施例によると、時間計測
分解能が第1,第2の水晶発振器1,2が出力する第
1,第2のクロックパルスa,bの周期差となるので、
それぞれのクロックパルスa,bの周期以下の時間を正
確に計測することが可能となり、水晶発振器として発振
周波数の一段と小さいもの,例えば100nsecと1
01nsecのものを使用することもできるので、従来
に比し計測精度を一段と向上せしめることができ、ま
た、装置の回路全体をデジタル回路で構成できるので、
回路実装上の困難が解消され、調整が不要となり、しか
も1チップ化も容易であり、将来的にはLSI化による
超小型化も実現可能である。
【0021】なお、上記実施例では、第1,第2のクロ
ックパルスの発生用として水晶発振器を二つ用いる場合
を例示したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、水晶発振器を一つ用いるとともに他方のク
ロックパルス発生用としてこれを基準発振器とするPL
L回路を用いて発振器を構成しても良い。このようにす
れば、コストの低減が図れるとともに小型化ができると
いう利点がある。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
時間計測分解能を第1,第2のクロックパルスの周期差
と同一にすることができるので、各クロックパルスの周
期より小さい時間を正確に検出することができ、また、
上記実施例で示した如く回路全体をデジタル回路により
構成することができるので、アナログ回路で特に問題と
なっていた回路の動作不良に起因する非線形誤差の発生
をなくすことができ、これにより従来に比し計測精度を
一段と向上せしめることができるとともに、回路実装上
の困難を解消することができ、さらに調整が不要とな
り、しかも1チップ化による小型化も実現できるという
従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の送信時刻コントロール部の構成例を示す
ブロック図である。
【図3】図1の実施例の各部の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図4】図1のマイコンの主要な制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図5】図1の実施例における時間計測の一例を示すタ
イミングチャートである。
【図6ないし図9】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1のクロック発生器としての一方の水晶発振器 2 第2のクロック発生器としての他方の水晶発振器 3 エッジ一致検出回路 4 第1の同期カウンタ 5 第2の同期カウンタ 6 第1のラッチ回路 7 第2のラッチ回路 8 演算処理部としてのマイコン 9 送信時刻コントロール部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタートパルスの出力時からストップパ
    ルスの入力時までの所定の未知時間を測定するに際し、
    既知の一定周期の第1のクロックパルスと当該第1のク
    ロックパルスに所定のタイミングで同期し該クロックパ
    ルスの周期より所定値だけ大きい一定周期の第2のクロ
    ックパルスとを用い、前記両クロックパルスの同期時を
    基準として順次第1のクロックパルスの所定周期分遅れ
    たタイミングでスタートパルスを順次出力するとともに
    各スタートパルスに対応するストップパルスの入力を順
    次検出し、ストップパルスの入力が第2のクロックパル
    スの立ち上がり又は立ち下がり時の内所定の一方に一致
    した時に、前記第1のクロックパルスの周期と前記両ク
    ロックパルスの周期差を用いて前記未知時間を算出する
    ことを特徴とした微小時間計測方法。
  2. 【請求項2】 既知の一定周期の第1のクロックパルス
    を出力する第1のクロック発生器と、前記第1のクロッ
    クパルスに所定のタイミングで同期し該クロックパルス
    の周期より所定値だけ大きいの一定周期の第2のクロッ
    クパルスを出力する第2のクロック発生器と、前記第
    1,第2のクロックパルスの立ち上がりエッジ若しくは
    立ち下がりエッジが相互に一致する両者の同期点を検出
    するエッジ一致検出回路と、前記第1,第2のクロック
    パルスの立ち上がり又は立ち下がりとそれぞれ同期して
    カウント動作を行なう第1,第2の同期カウンタと、ス
    トップパルスの入力により前記第1,第2の同期カウン
    タのカウント値をそれぞれ記憶保持する第1,第2のラ
    ッチ回路と、前記ストップパルスの入力により前記第
    1,第2のラッチ回路に保持された値を読み出すととも
    にスタートパルスの出力時からストップパルスの入力時
    までの所定の未知時間を算出する演算処理部と、前記エ
    ッジ一致検出回路の出力に応じて前記第1,第2の同期
    カウンタをクリアするとともに前記演算処理部の指令設
    定値と前記第1の同期カウンタのカウント値とが一致し
    た場合にスタートパルスを出力する送信時刻コントロー
    ル部とを備え、前記演算処理部が、前記指令設定値を0
    から1づつ加算した値に順次設定する第1の機能と、前
    記第2のラッチ回路から読み出した値が前回の値と一致
    した時に前記未知時間を前記第1のクロックパルスの周
    期と前記両クロックパルスの周期差を含む所定の計算式
    を用いて前記未知時間を算出する第2の機能とを有して
    いることを特徴とした微小時間計測装置。
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