JPH0587714U - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回り込み部を有する車両用灯具を改良して、
ランプハウジング１の側壁１ａの過熱を防止し、かつ、
側方から矢印Ｓ方向に見たとき前面レンズ４が均一に明
るく見えるようにする。 【構成】 上記側壁１ａの内面を覆う拡散反射板兼遮熱
板７を設ける。この拡散反射板兼遮熱板は、遮熱板の表
面に拡散反射面を設けたものであって、矢印ｍのごとく
入射した可視光を矢印ｎ〜ｐのように拡散させて反射
し、矢印ｑ方向の可視光は矢印ｒ〜ｔのごとく反射す
る。また、上記矢印ｍ，ｑ方向の熱線も同様に反射し
て、ランプハウジング側壁１ａに到達させない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回り込み部を有する車両用灯具に係り、車体側方からの視認性を改 善した車両用灯具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４は回り込み部を有する車両用灯具の従来例を示す水平断面図であって、Ｂ は当該灯具を装着された車両の車体の一部を示し、矢印Ｆは該車両の走行方向で ある。１はランプハウジングであって、このランプハウジングに固着されたソケ ット２に光源バルブ３が装着されている。上記ランプハウジング１の前面開口部 を覆って前面レンズ４が取り付けられている。この例の前面レンズ４は図の右方 が車体中央部寄りで、図の左方が車体側片寄りである。上記前面レンズ４の車体 中央寄りの部分（例えば点ａ近傍）は走行方向Ｆに関して斜前方に面しているが 車体側方寄りの部分（例えば点ｂ，ｄ近傍）は車体側方に回り込んだ形になって いる。

【０００３】 光源バルブ３から矢印ｅのごとく出射してリフレクタ５で反射された光は矢印 ｇのごとく車体前方に向かい、矢印ｊのごとく出射してリフレクタ５で反射され た光は矢印ｋのごとく車体前方に向かう。このため、車体側方（図において左方 に向かう光は光源バルブ３からの直射光のみであり、リフレクタ５で反射された 光は車体側方に向けて出射しない。

【０００４】 一方、光源バルブ３から出射してランプハウジング１の側壁１ａに入射する光 は該側壁を昇温させるので、ランプハウジングが合成樹脂製である場合には熱的 保護を必要とする場合が少なくない。このような場合、側壁１ａの内面を覆うよ うに遮熱板６が設けられる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 図４に示したような回り込み部を有する車両用灯具においては、光源バルブ３ から出射してリフレクタ５で反射された光は矢印ｇ，ｋのように車体前方に向か うので、矢印Ｓのように車体側方から見たときに視認性が良くない。そこで、矢 印Ｓ方向に見たとき明るく感じられるようにするため、ランプハウジング１の側 壁１ａの内側に金属を蒸着させて反射面を形成することも為されているが、これ を矢印Ｓのように側方から見たとき、前面レンズ４が均一に明るく見えない。

【０００６】 本考案は上述の事情に鑑みて為されたものであって、回り込み部を有する車両 用灯具を改良して、ランプハウジングの側壁を熱的に保護して過熱を防止するこ とができ、しかも、側方から見たとき前面レンズが均一に明るく見える車両用灯 具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案に係る車両用灯具は、ランプハウジング側面 を覆って配置される遮熱板に拡散反射面を設けた。

【０００８】

【作用】

上記の構成によれば、拡散反射面を設けられた遮熱板は、遮熱板としての本来 の作用によってランプハウジング側壁の過熱を防止し、かつ、光源バルブから出 射して遮熱板に入射した光（詳しくは、遮熱板に設けられている拡散反射面に入 射した光）を拡散させて反射する。拡散反射された光束の一部は前面レンズの回 り込み部を経て車体側方に出射する。この場合、相当の広さを有する拡散反射面 の各部においてそれぞれ拡散反射が行われるので、前面レンズの回り込み部を通 過する光の方向は各部均一に拡散しており、かつ、光束分布密度も均一になる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案に係る車両用灯具の１実施例を示す水平断面図であって、前記従 来例における図４に対応する図である。本実施例は前記従来例（図４）に本考案 を適用して改良したものであって、図４と同一の図面参照符号を付したものは上 記従来例におけると同様ないし類似の構成部分である。次に、図１に示した実施 例の構成について、図４の従来例と異なる点（すなわち、本考案の適用による改 良点）を説明すると、ランプハウジング１の側壁１ａの内側を覆う形に、拡散反 射板兼遮熱板７を配置してある。 図２（Ａ）は上記拡散反射板兼遮熱板７の単品正面図、（Ｂ）は同じく側面図 である。ただし、この場合の正面，側面の呼称は拡散反射板兼遮熱板単品として 抽出した状態を表わしており、車体に装着されたときの車体正面や車体側方とは 無関係である。本例の拡散反射板兼遮熱板７はアルミニウム板を加工して構成し てあり、その表側の面の大部分に拡散反射面７ａが形成されている。この拡散反 射面７は側面図（Ｂ）では波板状の外観を呈している。（Ｂ）図に鎖線で囲んで 示したｃ′部に相当する（Ａ）図のｃ−ｃ断面矢視図を図２（Ｃ）に示す。本例 においては図２に示したように水平な半円柱面を上下に並べた形の拡散反射面７ ａを構成した。これは上下方向の拡散を重示したものであるが、本考案を実施す る際、拡散反射面の形状は任意に設定することができる。 本例の拡散反射板兼遮熱板７には取付片７ｂ，７ｃを一体に成形し、それぞれ 取付孔７ｂ₁，７ｃ₁を設けてある。図３は、この拡散反射板兼遮熱板７の取付状 態を示すための側面図である。本図はランプハウジング１の１小部分だけを破断 して描いてあるので拡散反射板兼遮熱板７の大部分はかくれ線で描いてあり、図 ２について説明した取付片７ｂは、ランプハウジング１の内面に設けた支持用ソ ケットおよび光源バルブ、並びにリフレクタは省略して描いてある。ボス１ｂの 先端に係合され、取付片７ｃは取付ネジ８によってランプハウジング１に取り付 けられている。１ｃ〜１ｅは、ランプハウジング１の内面に成形されているフッ ク状突起であって、拡散反射板兼遮熱板７の縁に係合してこれを支持している。 （図１参照）図２，図３について説明した拡散反射板兼遮熱板７がランプハウ ジング１の側壁１ａを覆って配置されているので、光源バルブ３から出射して矢 印ｍ，同ｑのごとく入射した可視光は、矢印ｎ〜ｐ，同ｒ〜ｔのごとく拡散反射 され、その大部分は散乱光として車体側方（図において左方）に向かう。このた め、矢印Ｓのごとく側方から見たとき、前面レンズ４が均一に明るく見える。

【００１０】 また、光源バルブ３から矢印ｍ，ｑのごとく出射した熱線も拡散反射板兼遮熱 板７で反射されて側壁１ａに到達しないので、該側壁の過熱が防止される。

【００１１】

【考案の効果】

以上に説明したように、回り込み部を有する車両用灯具に本考案を適用して、 ランプハウジング側壁の内側に拡散反射面を有する遮熱板を配置すると、ランプ ハウジング側壁を熱的に保護して過熱を防止することができ、かつ、車体側方か ら見たとき前面レンズが均一に明るく見えるという優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両用灯具の１実施例を示し、水
平断面図に光路を付記した図である。

【図２】上記実施例における拡散反射板兼遮熱板の単品
図であって、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は側面図であり、
（Ｃ）は（Ｂ）図のｃ′部に相当する（Ａ）図ｃ−ｃ′
断面矢視図である。

【図３】上記実施例の一部を破断して描いた側面図であ
る。

【図４】回り込み部を有する車両用灯具の従来例を示
し、水平断面図に光路を付記した図である。

【符号の説明】

１…ランプハウジング、１ａ…側壁、２…ソケット、３
…光源バルブ、４…前面レンズ、５…リフレクタ、６…
従来例の遮熱板、７…本考案の実施例における拡散反射
板兼遮熱板、７ａ，７ｂ…取付片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面レンズの一部が車体側方に回り込ん
   でいる車両用灯具において、ランプハウジングの側壁の
   内側に拡散反射面を有する遮熱板が配置されていること
   を特徴とする車両用灯具。