JPH0587320U - 樹脂媒介型座金一体化ボルト及びナット並びにそれらからなる締結装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボルト及びナットに対する摩擦係数が小さい
合成樹脂をパッキンとして座金の面取り部に嵌入して媒
介し、ボルト及びナットに座金を一体状に着脱かつ回動
自在に固定する。 【構成】 ボルト１の軸部１ａより大きい内径３を持つ
平座金２の一面に面取り部４を穿設する。面取り部４に
嵌入するテーパ部５の中心に軸部１ａを挿嵌する貫通孔
６を成型したボルト用パッキン７を設ける。面取り部４
に嵌入するテーパ基部１２の先細部に内径３に嵌入する
円形中間部１３、ナット８の座面１０の基端部１１ａが
ねじ孔９より、内方が基端部より大径のテーパ孔１１に
嵌入する複数の部分テーパ部１４を順次成型したナット
用パッキン１５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案はボルトとその座面に内方が座面基端部より大型となったテーパ孔を穿設 したナットとにボルト用及びナット用合成樹脂製パッキンをそれぞれ媒介させて 座金と一体化した樹脂媒介型座金一体化ボルト及びナット並びにそれらからなる 締結装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ボルト及びナットと座金とは別々となっており、締結作業の都度、ボル トに座金を挿入し、該ボルトを締結個所に挿通し、締結個所より突出したボルト 先端より座金を挿入してナットで締め付けている現状で、ボルト及びナットに座 金を着脱かつ回動自在に装着した座金一体化ボルト及びナットは存在しなかった 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の座金はボルト及びナットと別々になっているため、締結作業に当たって は、ボルト側及びナット側に座金を挿入する手間がかかり、又溶接等によって座 金とナットを完全に一体化したものは、ナットをボルトに嵌合して締結する時に ナットと座金がいっしょになって回動し、本来ナットと座金の間で摺動すべきも のが座金と被締結物の間で摺動する欠点があった。

【０００５】 本案はボルト及びナットに対する摩擦係数が小さい合成樹脂をパッキンとして 座金の面取り部に嵌入して媒介し、ボルト及びナットに座金を一体状に着脱かつ 回動自在に固定した樹脂媒介型座金一体化ボルト及びナット並びにそれらからな る締結装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために本案においては、ボルトの軸部の直径より大きい内 径を有する座金の一面に内径に穿設した面取り部に嵌入するテーパ部を設け、該 テーパ部の中心に該ボルトの軸部を挿嵌する貫通孔を穿接してなるボルト用合成 樹脂製パッキンと、前記同様に座金の面取り部に嵌入するテーパ基部を設け、該 テーパ基部の先細部先端に座金の内径に嵌入する円形中間部を連設し、該円形中 間部先端に、ナットの座金に穿設した基端部がナットのねじ孔より大径で、該座 面の内方が該基端部より大径となたテーパ孔に嵌入する部分テーパ部を複数個設 けてなるナット用合成樹脂製パッキンとを設け、それぞれの合成樹脂製パッキン で座金をボルト及びナットと一体化したものである。

【０００７】

【作用】

ボルト１の軸部１ａの直径より大きい内径３を有する平座金２の一面の内径３ に穿設した面取り部４に嵌入するテーパ部５からなり、該テーパ部５の中心に該 軸部１ａを挿嵌する貫通孔６を穿設したボルト用合成樹脂製パッキン７と、前記 同様に平座金２の面取り部４に嵌入するテーパ基部１２と該基部１２の先細部に 連設した座金２の内径３に嵌入する円形中間部１３と該中間部１３の先端に、ナ ット８の座面１０にねじ孔９より大径の基端部１１ａを有し、座面１０内方が該 基端部１１ａより大径となったテーパ孔１１に嵌入する複数の部分テーパ部１４ ，１４を連接したナット用合成樹脂製パッキン１５とを設けたから、平座金２の 面取り部４にボルト用合成樹脂製パッキン７のテーパ部５を嵌入し、該テーパ部 ５の先細部の貫通孔６からボルト１の軸部１ａを平座金２に挿嵌すると、該座金 ２は該パッキン７によりボルト頭部１ｂとの間に着脱かつ回動自在として一体状 に固定される。

【０００８】 またナット用合成樹脂製パッキン１５のテーパ基部１２を平座金２の面取り部 ４に、該パッキン１５の先端の部分テーパ部１４，１４を内径３に通して円形中 間部１３を該内径１３に嵌入して挿嵌し、該座金２の他面より突出した部物テー パ部１４，１４をナット８の座面１０に穿設したテーパ孔１１に嵌入すると、該 パッキン１５により平座金２はナット８の座面１０に着脱かつ回動自在として一 体状に固定される。

【０００９】

【実施例】

今、ここに本実施に使用する締結装置の一例を示した添付図面について詳説す る。図１は本案の座金一体化ボルトに同ナットを挿着した側面図で、図２は座金 の平面図で、図３は座金にボルト用合成樹脂製パッキンを嵌入した状態の平面図 で、図４は図３の縦断面図で、図５はナットを座面方向から見た平面図で、図６ は座金にナット用合成樹脂製パッキンを嵌入した状態の底面図で、図７はナット 用合成樹脂製パッキンで座金とナットとを一体化した状態の断面図である。

【００１０】 １はボルトで、１ａは該ボルト１の軸部であり、１ｂは該ボルト１の頭部であ る。２は平座金で、該ボルト１の軸部１ａの直径あるいは該ボルト１のねじ部１ ｃと噛合する後述のナット８のねじ孔９よりかなり大きな内径３の穿設したもの で、４は該座金２の一面の内径３に設けた面取り部である。

【００１１】 ７はボルト用合成樹脂製パッキンで、平座金２の一面に穿設した前記面取り部 ４に嵌入するテーパ部５からなり、その中心のボルト１の軸部１ａを挿嵌する軸 部１ａの直径より僅かに小さい貫通孔６を成型したものである。

【００１２】 ８は前記ボルト１と噛合するナットで、ボルト１のねじ部１ｃに噛合するねじ 孔９を有するもので、座面１０に該ねじ孔９より大径の基端部１１ａを有し、座 面１０内方が該基端部１１ａより大径となったテーパ孔１１を穿設したものであ る。

【００１３】 １５はナット用合成樹脂製パッキンで、前記同様の平座金２の面取り部４に嵌 入するテーパ基部１２と該テーパ基部１２の先細部先端に該座金２の内径３に嵌 入する円形中間部１３を連設し、該円形中間部１３の先端の相対峙する位置にナ ット８の座面１０に穿設したテーパ孔１１に嵌入する部分テーパ部１４，１４を 成型し、中心にねじ孔９より直径が僅かに大きい貫通孔６を成型したものである 。

【００１４】 これを使用するに当たっては、ボルト１の軸部１ａに平座金２の内径３を、面 取り部４の反対側から挿通し、ボルト用合成樹脂製パッキン７をテーパ部５の先 細部の貫通孔６から該軸部１ａに挿嵌し、該テーパ部５を平座金２の面取り部４ に挿嵌し、該パッキン７で第１図に示すようにボルト頭部１ｃとの間に座金２を 着脱かつ回動自在に固定するものである。

【００１５】 またナット用合成樹脂製パッキン１５の円形中間部１３先端の部分テーパ部１ ４，１４を平座金２の内径３を通して面取り部４から挿通し、該円形中間部１３ を平座金２の内径３に挿嵌してテーパ基部１２を該面取り部４に嵌入し、座金２ の面取り部４の反対面から突出した部分テーパ部１４，１４をナット８の座面１ ０に穿設したテーパ孔１１に嵌入して第７図に示すように該パッキン１５により 座金２とナット８とを着脱かつ回動自在に固定するものである。

【００１６】

【考案の効果】

本案は以上のような構成を有するから、合成樹脂製パッキン７，１５はボルト １及びナット８の材質である鋼鉄等に対する摩擦係数が小さいため、ボルト用合 成樹脂製パッキン７をボルト１の軸部１ａに挿嵌する際に嵌入が容易となり、ナ ット用合成樹製パッキン１５で座金２をナット８に一体化する際にも、部分テー パ部１４，１４はナット８の座面１０に穿設したテーパ孔１２へ押し込むことに よりワンタッチで嵌入し、挿嵌作業および締結作業が容易となる。

【００１７】 またナット８の座面１０に座金２はナット用合成樹脂製パッキン１５の部分テ ーパ部１４，１４でのみ係合されているので、ナット８は座金２面を軽く回動し 、ナット８と座金２とが一体となって回動することがなく、締結個所にめっき、 樹脂コーティングに損傷を与えることがないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の樹脂媒介型座金一体化ボルトに同ナット
を挿着した側面図である。

【図２】座金の平面図である。

【図３】座金にボルト用合成樹脂製パッキンを嵌入した
状態の平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線拡大断面図である。

【図５】ナットの座面方向から見た平面図である。

【図６】座金にナット用合成樹脂製パッキンを嵌入した
状態の底面図である。

【図７】ナット用合成樹脂製パッキンを嵌入した座金を
ナットに嵌入して一体化した状態の拡大中央縦断面図で
ある。

【符号の説明】

１ ボルト １ａ 軸部 １ｂ 頭部 １ｃ ねじ部 ２ 平座金 ３ 内径 ４ 面取り部 ５ テーパ部 ６ 貫通孔 ７ ボルト用合成樹脂製パッキン ８ ナット ９ ねじ孔 １０ 座面 １１ テーパ孔 １１ａ 基端部 １２ テーパ基部 １３ 円形中間部 １４ 部分テーパ部 １５ ナット用合成樹脂製パッキン

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルト１の軸部１ａより大きい内径３を
   有する平座金２を設け、該座金２の一面の内径３に面取
   り部４を設け、該面取り部４の嵌入するテーパ部５から
   なり、中心に該ボルト１の軸部１ａを挿嵌する貫通孔６
   を成型したボルト用合成樹脂製パッキン７を設け、平座
   金２の面取り部４にパッキン７のテーパ部５を嵌入し、
   該テーパ部５の先細部の貫通孔６からボルト１の軸部１
   ａを挿嵌して該座金２をボルト１と一体化したことを特
   徴とする樹脂媒介型座金一体化ボルト。
2. 【請求項２】 ナット８のねじ孔９より大きい内径３を
   有する平座金２を設け、該座金２の一面の内径３に面取
   り部４を設け、該ナット８の座面１０の基端部１１ａが
   ねじ孔９より大径で、座面１０内方が該基端部１１ａよ
   り大径となったテーパ孔１１を設け、平座金２の面取り
   部４に嵌入するテーパ基部１２と、該テーパ基部１２の
   先細部先端に連設した座金２の内径３に嵌入する円形中
   間部１３と、該円形中間部１３先端の複数位置に前記テ
   ーパ孔１１に嵌入する部分テーパ部１４を成型したナッ
   ト用合成樹脂製パッキン１５を設け、該パッキン１５の
   テーパ基部１２を平座金２の面取り部４に、先端の該部
   分テーパ部１４を内径３に通して嵌入し、該内径３に円
   形中間部１３を嵌入し、該部分テーパ部１４をナット８
   のテーパ孔１１に嵌入して該座金２をナット８と一体化
   したことを特徴とする樹脂媒介型座金一体化ナット。
3. 【請求項３】 請求項１の樹脂媒介型座金一体化ボルト
   と請求項２の樹脂媒介型座金一体化ナットと噛合してな
   る締結装置。