JPH058715A - アンチスキツド制御装置 - Google Patents

アンチスキツド制御装置

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JPH058715A
JPH058715A JP16532691A JP16532691A JPH058715A JP H058715 A JPH058715 A JP H058715A JP 16532691 A JP16532691 A JP 16532691A JP 16532691 A JP16532691 A JP 16532691A JP H058715 A JPH058715 A JP H058715A
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JP
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wheel
speed
wheels
acceleration slip
control device
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JP16532691A
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English (en)
Inventor
Hayato Sugawara
早人 菅原
Kenji Ota
健治 太田
Kosaku Shimada
耕作 嶋田
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンチスキッド制御装置において、駆動輪が加
速スリップを起こしている状態から急制動を行なっても
ABSの動作を良好に行なえるようにする。 【構成】駆動輪が加速スリップを起こしているかどうか
を判定し、加速スリップを起こしていると判定されたと
きに従動輪の車輪速のみから推定車体速度を求め、かつ
従動輪の減速度のいずれか1つが所定の値よりも大きく
なったときにブレーキ液圧の制御を開始させる。このよ
うに駆動輪の加速スリップ中は駆動輪の車輪速及び減速
度を無視することにより確実な車体速度の推定が可能と
なり、かつABS動作に移行する際の無駄なブレーキ液
圧の減少を解消し、良好な制動性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等に使用されるア
ンチスキッド制御装置に係わり、特に前輪駆動又は後輪
駆動の2輪駆動車に用いて好適なアンチスキッド制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】アンチスキッド制御装置(ABS)は、
各車輪のスリップ率を目標スリップ率に追従させるよう
ブレーキ液圧を制御するもので、雪に覆われた路面又は
凍結した路面においても車輪ロックを防止することがで
きる。また、緊急の停止をなすときはブレーキ液圧を一
時的に減少させるか一定圧に保持することによって、自
動車の走行安定性(制動中の車体のフラツキ防止)を維
持でき、かつブレーキ液圧を減少させても制動距離を長
くすることはない。
【0003】ABSにおいて上記のようにブレーキ液圧
を制御するには、車輪のスリップ率を求めなければなら
ない。車輪のスリップ率は車輪速(車輪の速度)と車体
速度との比率で求められ、ここで、車輪速自体は車輪速
センサーの出力信号を演算することで直接得られるもの
の、車体速度に関しては直接検出する手立てを持ってい
ない。従来、この車体速度は車輪速から推定するのが一
般であり、いかに車体速度を正確に推定するからが重要
な課題となっている。この車体速度の代表的な推定方法
として、制動中には4つの車輪速の最も大きなものを推
定車体速度とするいわゆるセレクトハイを行う方法があ
る。その他、例えば特開平2−310157号公報に記
載のように左右の制動輪における半径の相違をも考慮し
て車体速度を推定する等、種々の方法が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ABSの作動頻度の高
い状況(凍結路、雪上等低μ路)では、制御時以外にお
いてもスリップが生じ易い。特に駆動輪では加速スリッ
プが頻繁に起きており、この加速スリップ状態からいき
なり急制動を行うと、種々の問題が発生する。即ち、 (1)加速スリップが起きているため、非制動中の車体
速度の推定に誤差が入る。
【0005】(2)加速スリップが起きているため、制
動中にも駆動輪の速度が車体速度に比べて大きくなり、
4つの車輪速の最も大きなものを推定車体速度とするい
わゆるセレクトハイを行うと、推定車体速度が大きくな
る。
【0006】上記のいずれの場合も推定車体速度が大き
くなり、推定車体速度が大きくなるとABSの動作が良
好に行われないばかりでなく、最悪の状態ではブレーキ
失陥状態となる。
【0007】また、上記ABSの動作の開始は、いずれ
か1つの車輪の減速度が所定の値よりも大きくなったと
きに行なうのが一般的であるが、駆動輪の加速スリップ
状態から急制動を行なうと駆動輪の減速が顕著となり、
ブレーキ液圧が十分に上昇する前に駆動輪の減速度が所
定の値を越えてABSの動作が開始され、十分なブレー
キ液圧が得られず良好な制動性能を得ることができない
という問題もある。
【0008】本発明の第1の目的は、駆動輪が加速スリ
ップを起こしている状態から急制動を行なっても確実な
車体速度の推定が可能で、ABSの動作を良好に行うこ
とができるアンチスキッド制御装置を提供することであ
る。
【0009】本発明の第2の目的は、駆動輪が加速スリ
ップを起こしている状態から急制動を行なっても無駄な
ブレーキ液圧の減少を回避し、ABSの動作を良好に行
うことができるアンチスキッド制御装置を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明は、少なくとも2つの駆動輪の車輪速及
び少なくとも2つの従動輪の車輪速を検出し、これら車
輪速から車体速度を推定し、この推定車体速度と前記車
輪速とから各車輪のスリップ率を求めてこれを目標スリ
ップ率に追従させるようブレーキ液圧を制御し、車輪ロ
ックを防止するアンチスキッド制御装置において、前記
駆動輪が加速スリップを起こしているかどうかを判定す
る第1の手段と、前記第1の手段で駆動輪が加速スリッ
プを起こしていないと判定されたときに前記駆動輪と従
動輪の車輪速から前記推定車体速度を求め、加速スリッ
プを起こしていると判定されたときに前記従動輪の車輪
速のみから前記推定車体速度を求める第2の手段とを備
えることを特徴としている。
【0011】また上記第2の目的を達成するため、本発
明は、上記アンチスキッド制御装置において、前記駆動
輪が加速スリップを起こしているかどうかを判定する第
1の手段と、前記車輪速から各車輪の減速度を求め、前
記第1の手段で駆動輪が加速スリップを起こしていない
と判定されたときに前記駆動輪と従動輪の両方の減速度
のいずれか1つが所定の値よりも大きくなったときに前
記ブレーキ液圧の制御を開始させ、加速スリップを起こ
していると判定されたときは前記従動輪のみの減速度の
いずれか1つが所定の値よりも大きくなったときに前記
ブレーキ液圧の制御を開始させる第2の手段を更に備え
ることを特徴としている。
【0012】
【作用】加速スリップは駆動輪にのみ発生するのに対し
て、従動輪の車輪速は制動中以外は車体速度とほぼ等し
い。従って、駆動輪が加速スリップを起こしていると判
定されたときに駆動輪の車輪速を無視し、従動輪の車輪
速のみから推定車体速度を求めることにより、確実な車
体速度の推定が可能となる。
【0013】また、駆動輪が加速スリップを起こしてい
ると判定されたときに駆動輪の減速度を無視し、従動輪
の減速度のみからブレーキ液圧の制御を開始させること
により、ABS動作に移行する場合の無駄なブレーキ液
圧の減少を解消することができ、良好な制動性能が得ら
れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図9により
説明する。図1において、四つの車輪1fr,1rl,1r
r,1rlのそれぞれにホイールシリンダ3fr,3fl,3r
r,3rl、車輪速センサ2fr,2rl,2rr,2rlが設置
されている。ホイールシリンダ3fr,3fl,3rr,3rl
への圧油の供給は、ブレーキペダル14を操作すること
によってマスターシリンダ4内に圧力が発生し、これを
油圧ユニット5に伝達し、この油圧ユニットを介して各
ホイールシリンダ3fr,3fl,3rr,3rlへ圧力を伝え
ることにより行なわれる。油圧ユニットには、各車輪へ
伝える油圧の導通、保持、解放を行う電磁バルブ5a〜
5dが配置され、制御回路6から駆動を受けている。電
磁バルブ5a〜5dは3方向弁で、電流がOFF時には
マスターシリンダ4の液圧をそのままホイールシリンダ
2a〜2dへ伝達し、電流がIa(A)の時にはホイー
ルシリンダ2a〜2dの液圧を減圧解放し、電流がIb
(A)の時にはホイールシリンダ2a〜2dの液圧を保
持する。つまり、それぞれ電磁バルブの電流値を変化さ
せることで、ホイールシリンダー3fr,3fl,3rr,3
rlの圧力を電流OFF時にマスターシリンダーが発生し
ている圧力まで増加し、電流Ia(A)時に減圧し、電
流Ib(A)時に保持するものである。また一方、制御
回路6では、先の車輪速センサ2fr,2rl,2rr,2rl
からの信号を受け、同時にハンドル9の回転位置を検出
する操舵角センサ8、及び車両の前後Gを検出する前後
Gセンサ7の信号を入力している。
【0015】図2は制御回路6の入出力構成を示したも
のである。前右の車輪速センサ2fr、前左の車輪速セン
サ2fl、後右の車輪速センサ2rr、後左の車輪速センサ
2rl、前後Gセンサ7、ハンドル舵角センサ8,及びス
トップランプ16の信号をそれぞれ入力し、また、出力
として3方向電磁バルブ5a〜5bを駆動し、システム
が異常時には警告ランプ15を点灯し、フェールセーフ
リレー14を状況に応じてON/OFFする。
【0016】次に、この制御回路6の制御動作について
説明する。従来より、アンチスキッド制御装置(AB
S)の動作については種々のシステムがあり報告されて
いるが、基本となる動作は以下のようである。 Vfr:前右輪の車輪速値 Vfl:前左輪の車輪速値 Vrr:後右輪の車輪速値 Vrl:後左輪の車輪速値 V :車体速度 とすると、各車輪のスリップ率は、
【0017】
【数1】 Sfr=(V−Vfr)/V:前右輪のスリップ率 Sfl=(V−Vfl)/V:前左輪のスリップ率 Srr=(V−Vrr)/V:後右輪のスリップ率 Srl=(V−Vrl)/V:後左輪のスリップ率 となる。
【0018】スリップ率と摩擦係数μとの関係は図3に
示すようであり、摩擦係数と横抗力が同時に高い値を示
すスリップ率0.1〜0.2付近にある時が、制動力及
びコーナリングフォースを稼ぐことができ良いとされて
いる。従って、各々の車輪のブレーキ圧を制御しスリッ
プ率をこの範囲に納めることがABSの本来の基本動作
となっている。スリップ率がこの範囲以上の時には、ブ
レーキ力が過大となっているため先の電磁バルブ5a〜
5dにIaの電流を流しブレーキ圧を減圧し、スリップ
率を低下させる。また、スリップ率がこの範囲以下の時
には、電磁バルブの電流を断ちブレーキ圧を上昇させ、
スリップ率を増加させる。このように、電磁バルブ5a
〜5dの電流を操作しスリップ率を制御する。
【0019】ブレーキ液圧の減圧、保持、増圧の様子を
図4〜図6に示す。図4は、車輪速変化率、車輪スリッ
プ率によって減圧、保持、増圧のモードを設定する状況
を示す。車輪スリップ率が目標スリップ率So よりも大
きな状態、小さな状態とでパターンを変えて、大きな時
には、車輪速変化率がBよりも大きな時には保持とし、
小さな時には減圧する。また、車輪のストップ率So よ
りも小さな時には、車輪速変化率がCとAの間にある時
は増圧、車輪速変化率がD以下の時は減圧、それ以外は
保持とする。
【0020】図5は、この動作を制御回路6にて処理す
る時の演算フローを示している。なお、この処理は、制
御サイクル(3msec〜10msec)毎に行うこと
としている。処理20ではまず車輪速Vfr,Vfl, Vrl
の取り込みを行い、処理21でこの車輪速の時間的変化
率を求める。そして、処理23で車体速度の推定を行い
(後述)、処理24でスリップ率Sfr,Sfl, Srr, S
rlを算出する。以下これらの演算パラメータを用いて図
4のモードを判断する。なお、ここの説明では右前の車
輪についてのみ行う。その他の車輪に対しては、以下の
動作と同様に行う。処理25でSfrがSo よりも大きな
時には、処理26へ進み、車輪速変化率がBよりも大き
な時には保持し(処理29)、小さな時には減圧する
(処理31)。また、処理25でSfrがSo よりも小さ
な時には処理27、処理28へ進み、車輪速変化率の大
きさがC〜Aの範囲で増圧し(処理30)、あるいはD
以下の時に減圧し(処理31)、それ以外の時に保持す
る(処理29)。
【0021】図6は、この減圧、保持、増圧の動作によ
る車輪速の状態を示したものである。(a)の領域で車
輪速変化率がD以下となるため減圧モードとなり、
(b)領域まででブレーキ圧力が下がり、車輪速が次第
に上昇し始める。(C)領域では保持モードとしてブレ
ーキ液圧の下降を抑える。そして、車輪速度が車体の速
度になり、速度の上昇がなくなり、車輪速変化率がA〜
Cの間になると、即ち(e)領域に入ると、増圧モード
としてブレーキ圧力を上昇させる。そして、ブレーキ圧
力が高くなり過ぎると、再び先の(a)領域と同じ動作
となる。
【0022】この様に、スリップ率と車輪速変化率とに
よって電磁バルブ5a〜5dの電流を変化させて、車輪
のスリップ率を所定の値とすることができる。ここで、
通常のブレーキ動作(非ABS動作)モードからABS
動作へのトリガは、4つの車輪の減速度が所定の値(通
常の車体速度の取り得る最大の減速度)以下となった時
である。即ち、4つの車輪いずれか1つでも減速度が急
激に大きくなった時にABS動作を始める。しかし、駆
動輪の加速スリップ状態から急制動を行なうと駆動輪の
減速が顕著となり、ブレーキ液圧が十分に上昇する前に
駆動輪の減速度が所定の値を越えてABSの動作が開始
され、十分なブレーキ液圧が得られず良好な制動性能を
得ることができない。本実施例では、駆動輪が加速スリ
ップ状態にあるときに駆動輪の減速度を無視し、従動輪
の減速度のみからブレーキ液圧の制御を開始させること
により、ABS動作に移行する場合の無駄なブレーキ液
圧の減少を解消する。
【0023】ところで、車輪のスリップ率は車体速度と
車輪速とによって演算されるため、正確なスリップ率の
制御を行うためには、正確な車体速度の推定が必要であ
る。つぎに、この車体速度の推定について説明する。制
動中あるいは非制動中とでは車体速度の推定条件は異な
る。制動中には、常に、車輪はスリップ率が零で車体速
度、スリップ率が1で回転数0となるため『4つの車輪
のいずれも車体速度よりも大きくなることはない』。従
って、4つの車輪のいずれかの車輪速の極大値を車体速
度として、極大値以外の時に先の車体速度を初期値とし
て、Gセンサ7の検出値を積分することで求められる。
一方、非制動中には、特殊な条件を除いて車輪のスリッ
プがないと考えられるため、4つの車輪の車輪速値がほ
ぼ車体速度値として見なすことができる。誤差として
は、ヨーレートをψとすれば、
【0024】
【数2】Vfr=V+k×ψ Vfl=V−k×ψ Vrr=V+k×ψ Vrl=V−k×ψ (ただし、kは所定の係数) のように、車両の重心点の水平平面上の回転により回転
成分だけの誤差を持つ。これに対しては、4つの車輪速
の平均をとることで誤差を解消できる。平均値をV′と
すると、
【0025】
【数3】V′=(Vfr+Vfl+Vrr+Vfl)÷4 =V となり、この推定値には誤差が含まれないこととなる。
【0026】しかし、これは一般的な舗装路面のように
車輪にスリップが起きないことを前提としている。雪
道、氷上のような低μ路では、むしろ車輪のスリップ、
特に駆動輪のスリップが頻繁に起きていると考えられ
る。
【0027】そこで本実施例では、駆動輪の車輪速、後
輪駆動車では後輪の車輪速を無視する。即ち、
【0028】
【数4】V′=(Vfr+Vfl)÷2 =V として従動輪の車輪速の平均値を車体速度とする。この
ことでもヨーレート分の誤差はなくなっている。
【0029】図7は、本実施例による駆動輪が加速スリ
ップしている状態からのABS動作への以降を時間経過
とともに示す。本実施例では加速スリップしている駆動
輪の減速度及び車輪速を無視する。ドリフト走行などの
加速スリップ状態で、従動輪である前輪車輪速より駆動
輪である後輪の車速ははるかに大きなものとなってい
る。この状態では前輪車輪速の平均値を車体速度と推定
する。a時点でドライバがアクセルペタルから足を離
し、後輪の速度が次第に低下してくる。そして、ブレー
キペタルを踏み込まれた時点(b時点)で後輪の速度は
急激に低下するが、この減速度(後輪速の変化)は無視
する。即ち、この減速度が所定値より大きくなってもA
BSはスタートさせない。c時点で前輪がスリップし前
輪速度が急激に低下し始め、減速度が所定値以上になっ
た時に、ABSの一連の動作がスタートする。ここで、
推定車速はABSスタート直前の前輪車輪速平均値V′
(*)を初期値としてGセンサーの値を積分する。
【0030】
【数5】
【0031】前輪のその後の動作は先に示した通常のA
BS動作と同じである。その後、d時点で後輪の速度が
推定車体速度よりも低くなった時に、後輪の加速スリッ
プ状態が無くなったものと判断し、以後のABS動作は
通常通り前輪と同じように行う。なお、c−dの間、後
輪のスリップ率は負の値として演算されるが、図4では
スリップ率の負の値=0として取扱かわれる。
【0032】さらに、e時点で先のGセンサーの積分で
求めたV′と計測している車輪速(d時点以前では従動
輪のみ、d時点以後は従動輪と駆動輪)の極大値との大
小比較を行い、大きなものを推定車体速度とする。
【0033】ここで、加速スリップ状態の判断は、ヨー
レート分の推定誤差を消失させるため、前輪左右輪の平
均値と後輪左右輪の平均値とを比べ、後輪が前輪よりも
所定の値以上に大きくなったこと判定する。しかし、車
輪速信号には、路面の凹凸、μの変化等によりノイズの
混入する確率が多い。従って、後輪が前輪よりも所定の
値以上に大きくなった状態が所定時間継続したことで判
定する。
【0034】図8及び図9は、上記のABSスタートと
車体速度の推定に対する加速スリップの影響回避を制御
回路6にて行う場合のフローチャートである。
【0035】ABS動作開始以前の動作を示したのが図
8である。まず、処理31で前輪車輪速の平均値Vf及
び後輪車輪速の平均値Vrを計算する。つぎに処理32
で、このVrがVf+α以上であると、処理33、処理
34で時間カウンタCNTをインクリメントし、この値
が所定値β以上であると後輪(駆動輪)が加速スリップ
状態にあると判断し、処理35で加速スリップ判定フラ
グをFLAG=1とする。一方、処理32でそれ以外で
あると、処理36、処理37で時間カウンタCNTをデ
クリメントし、処理38にてFLAG=0、CNT=0
とする。
【0036】処理39で加速スリップ判定フラグFLA
G=1であると、後輪速度変化率(減速度)によるAB
S動作モードを行うかどうかの判定処理である処理4
0、処理41を無視し、処理42、処理43で、前輪速
度変化率(減速度)によるABS動作モードを行うかど
うかの判定処理を行う。ここで、γは車体が取り得る減
速度の最大値である。処理42、処理43で、前輪のい
ずれの車輪速もこの最大減速度より小さな減速度である
場合は、処理46で加速スリップ判定フラグFLAG=
1であるので、処理44で推定車体速度V′を前輪車輪
速の平均値Vfとする。処理42、処理43で前輪のい
ずれの車輪速も最大減速度より大きな減速度である場合
は、処理45でABS動作を開始する。処理39で加速
スリップ判定フラグFLAG=0であると、処理40〜
処理43で前輪及び後輪の全車輪減速度によるABS動
作を開始させるかどうかの判定処理を行なう。処理40
〜処理43までで、いずれの車輪速も最大減速度よりも
小さな減速度である場合は、処理46でFLAG=0で
あるので、処理47で推定車体速度V′を前輪車輪速の
平均値Vfと後輪車輪速の平均値Vrの平均値とする。
また、処理40〜処理43でいずれかの車輪速が最大減
速度により大きな減速度である場合には、処理45でA
BS動作を開始する。
【0037】図9は、ABS動作中の処理である。処理
50はGセンサの積分による推定車体速度V′の算出を
行う。処理51では前右の極大値を判定し、極大値であ
る時には処理52でV′の更新を行う。また、処理5
3、54では同様に、前左輪について行う。さらに、処
理55の後右輪の極大値の時には加速スリップ判定フラ
グを見てFLAG=1の時には推定車体速の更新(処理
57)を行わない。処理59,60,61はこれと同様
に後左輪について行う。
【0038】処理62,63は、後輪の速度が推定車体
速度より下がった場合には、加速スリップ判定フラグを
消す(FLAG=0)。その後の動作は、処理65でA
BSバルブ動作を行なう。その処理内容は図5で示した
処理24〜処理31の通りである。
【0039】以上のように、加速スリップ状態を判別
し、駆動輪(後輪)の減速度及び車輪速を無視すること
で、 (1)確実な車体速度の推定ができる。
【0040】(2)安定なABS動作ができる。
【0041】こととなり、良好なアンチスキッド制御を
行なえる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、駆動輪が加速スリップ
状態にあるときには駆動輪の車輪速を無視し、従動輪の
車輪速のみから推定車体速度を求めるので、確実な車体
速度の推定が可能であり、良好な制動性能が得られる。
また、駆動輪が加速スリップ状態にあるときには駆動輪
の減速度を無視し、従動輪の減速度のみからブレーキ液
圧の制御を開始させるので、ABS動作に移行する場合
の無駄なブレーキ液圧の減少を解消することができ、良
好な制動性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるアンチスキッド制御装
置の概略図である。
【図2】制御回路とその入出力要素とを含む制御系を示
す図である。
【図3】スリップ率と摩擦係数及び横抗力係数との関係
を示す図である。
【図4】車輪速変化率及び車輪スリップ率によるブレー
キ液圧の設定モードを示す図である。
【図5】アンチスキッド制御の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】車輪速及び車輪速変化率を経過時間と共に示す
タイムチャートである。
【図7】車輪速を経過時間と共に示すタイムチャートで
ある。
【図8】ABS開始前の加速スリップの影響回避と車体
速度の推定とを行なう場合の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図9】ABS動作中の加速スリップの影響回避と車体
速度の推定とを行なう場合の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1fr 前右車輪 1fl 前左車輪 1rr 後右車輪 1rl 後左車輪 2 車輪速センサ 6 制御回路 7 Gセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 健治 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 嶋田 耕作 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの駆動輪の車輪速及び少
    なくとも2つの従動輪の車輪速を検出し、これら車輪速
    から車体速度を推定し、この推定車体速度と前記車輪速
    とから各車輪のスリップ率を求めてこれを目標スリップ
    率に追従させるようブレーキ液圧を制御し、車輪ロック
    を防止するアンチスキッド制御装置において、 前記駆動輪が加速スリップを起こしているかどうかを判
    定する第1の手段と、 前記第1の手段で駆動輪が加速スリップを起こしていな
    いと判定されたときに前記駆動輪と従動輪の車輪速から
    前記推定車体速度を求め、加速スリップを起こしている
    と判定されたときに前記従動輪の車輪速のみから前記推
    定車体速度を求める第2の手段とを備えることを特徴と
    するアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアンチスキッド制御装置
    において、前記第1の手段は、前記駆動輪の平均速度が
    前記従動輪の平均速度よりも所定の値以上に大きい状態
    が所定の時間継続したときに前記駆動輪が加速スリップ
    を起こしていると判定することを特徴とするアンチスキ
    ッド制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアンチスキッド制御装置
    において、前記第2の手段は、前記駆動輪が加速スリッ
    プを起こしていると判定されたときに、前記ブレーキ液
    圧の制御を開始する前は前記従動輪の平均速度を前記車
    体速度と推定し、前記ブレーキ液圧の制御を開始した後
    は、その開始直前の前記推定車体速度を初期値としてG
    センサの値を積分して車体速度の推定を行ない、かつそ
    の後前記従動輪の車輪速の極大値のみで前記推定車体速
    度の更新を行なうことを特徴とするアンチスキッド制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアンチスキッド制御装置
    において、前記車輪速から各車輪の減速度を求め、前記
    第1の手段で駆動輪が加速スリップを起こしていないと
    判定されたときに前記駆動輪と従動輪の両方の減速度の
    いずれか1つが所定の値よりも大きくなったときに前記
    ブレーキ液圧の制御を開始し、加速スリップを起こして
    いると判定されたときは前記従動輪のみの減速度のいず
    れか1つが所定の値よりも大きくなったときに前記ブレ
    ーキ液圧の制御を開始させる第3の手段を更に備えるこ
    とを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも2つの駆動輪の車輪速及び少
    なくとも2つの従動輪の車輪速を検出し、これら車輪速
    から車体速度を推定し、この推定車体速度と前記車輪速
    とから各車輪のスリップ率を求めてこれを目標スリップ
    率に追従させるようブレーキ液圧を制御し、車輪ロック
    を防止するアンチスキッド制御装置において、 前記駆動輪が加速スリップを起こしているかどうかを判
    定する第1の手段と、 前記車輪速から各車輪の減速度を求め、前記第1の手段
    で駆動輪が加速スリップを起こしていないと判定された
    ときに前記駆動輪と従動輪の両方の減速度のいずれか1
    つが所定の値よりも大きくなったときに前記ブレーキ液
    圧の制御を開始させ、加速スリップを起こしていると判
    定されたときは前記従動輪のみの減速度のいずれか1つ
    が所定の値よりも大きくなったときに前記ブレーキ液圧
    の制御を開始させる第2の手段を更に備えることを特徴
    とするアンチスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のアンチスキッド制御装置
    において、前記第1の手段は、前記駆動輪の平均速度が
    前記従動輪の平均速度よりも所定の値以上に大きい状態
    が所定の時間継続したときに前記駆動輪が加速スリップ
    を起こしていると判定することを特徴とするアンチスキ
    ッド制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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