JPH0586970B2 - - Google Patents

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JPH0586970B2
JPH0586970B2 JP505786A JP505786A JPH0586970B2 JP H0586970 B2 JPH0586970 B2 JP H0586970B2 JP 505786 A JP505786 A JP 505786A JP 505786 A JP505786 A JP 505786A JP H0586970 B2 JPH0586970 B2 JP H0586970B2
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JP
Japan
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spinning
sulfonic acid
pva
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vinyl polymer
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Norihisa Myamatsu
Osamu Konishi
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NICHIBI KK
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NICHIBI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明はスルホン酸基を官能基とするカチオン
交換性繊維に関する。 〔従来の技術〕 従来、有機高分子材料からなるスルホン酸基を
有するイオン交換体、すなわち強酸性陽イオン交
換体としてはスチレン−ジビルベンゼン系重縮合
体を基体とし、それをスルホン化する方法が最も
よく知られている。この種の樹脂は高い交換容量
を有するが、最終生成物の形態は粒状物に限られ
る。また微粒状であると取扱い上の問題があるた
め、通常500μ内外の粒径で多用されているが、
これでは単位重量当りの表面積が小さく、イオン
交換速度も制限される。 他方、イオン交換繊維は細くて長いという形態
的特徴により、イオン交換樹脂と比べて、交換速
度、交換基の利用率、高分子物質の吸着に優れ、
さらに布状、ひも状等の形態の自由度が大きいた
め、種々の使用方法を採ることができるなどの優
れた特徴を有している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 強酸性陽イオン交換性繊維の製造方法について
は、これまでに数多く提案されているが、いずれ
も糸条化後に交換基導入反応を行うという後加工
的な工程によるため、反応工程は複雑でかつ作業
性も悪く、コスト高になるなどの問題をかかえて
いた。 また、ポリスチレンスルホン酸をはじめとする
水溶性ポリスルホン酸とポリビニルアルコール
(以下PVAと略す)の混合物を熱処理すると
PVAの脱水反応が起き、ポリスチレンスルホン
酸が水溶性を失い、強酸性陽イオン交換体が得ら
れることは文献〔工業化学雑誌70,3,393
(1967)〕等により知られているが、いずれも膜状
物について検討されているだけである。 本発明者らはこれらの問題点を解決すべく品質
の優れた強酸性陽イオン交換性繊維の合理的な製
造法について研究中のところ、PVAとスルホン
酸基を有するビニル重合体とを混合紡糸し、強酸
性物質の如き脱水触媒の存在下で熱処理し、
PVAの脱水反応を行うことで、ビニル重合体の
脱落が無く、同時に繊維物性の優れたスルホン酸
基を有する繊条物が得られることを見い出し、さ
らにその詳細について追求した結果、本発明に到
達した。 〔問題点を解決するための手段〕 即ち、本発明はPVA及びスルホン酸基を有す
るビニル重合体をその重量比が4/1〜1/5の
割合で含む紡糸原液に脱水触媒を添加し、乾式紡
糸後、熱処理により水不溶化することを特徴とす
るカチオン交換性繊維の製造法である。 以下本発明をより詳細に説明する。 本発明繊維の製造法は(1)PVAとスルホン酸基
を有するビニル重合体及びPVAに対する脱水触
媒からなる紡糸原液を作り、(2)この原液を用い、
乾式紡糸法によりPVAと該ビニル重合体を実質
構成成分とする繊維を形成し、(3)得られた繊維を
熱処理により水不溶化する、という構成からなる
が、以下、この構成に従つて本発明を具体的に説
明する。 本発明で使用する原料物質としてはPVA、及
びスルホン酸基を有するビニル重合体、さらに脱
水触媒がある。まず、PVAとしては一般の市販
品が使用できるが紡糸性を考慮してケン化度が90
モル%以上、重合度500以上のもの、好ましくは
ケン化度95モル%以上、重合度1000〜2000の範囲
が適用される。 スルホン酸基を有するビニル重合体としては水
溶性であるためにも、また実用に供し得るだけの
イオン交換能を備えるためにも、1モル/Kg以上
のスルホン酸基を有するビニル重合体である必要
がある。具体的にはビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、パーフロロエチ
レンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル
モノマーを原料とするホモポリマー及びこれらビ
ニルモノマーと共重合が可能な他のビニルモノマ
ーとの共重合体、さらにはスチレンの単独あるい
は共重合体、及びポリフロロエチレン等の如きス
ルホン酸基導入可能な重合体にスルホン酸基を導
入して得られる重合体があげられる。 これらスルホン酸基を有する重合体の好ましい
重合度は個々の重合体により異るものであるがポ
リスチレンスルホン酸の場合、重合度1000以上、
好ましくは3000〜6000の範囲である。1000未満の
低重合度物では繊条化後の脱落が生じ好ましくな
い。高重合物ほどPVAとの分子間のからみ合い
が増大し脱落防止効果がより有効に働くが重合度
6000を越えると粘度が増大し紡糸性が悪くなり好
ましくない。 PVAの脱水触媒としては一般に強酸性物質が
使用できる。かかる物質としては硫酸、スルフア
ミン酸、有機スルホン酸(例えばベンゼンスルホ
ン酸、ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸等)または酸型のスルホン酸基を有するビ
ニル重合体などであり、あらかじめ糸条中に混入
させておく。また別法としてはあらかじめこれら
脱水触媒を糸条に混入させない場合には熱処理時
に脱水触媒として塩化水素ガスを共存させてもよ
い。 紡糸原液は上記した原料、即ちPVA、スルホ
ン酸基を有するビニル重合体及び脱水触媒を均一
溶解した水性溶液を用いる。PVAと該ビニル重
合体の混合比によつて糸条化、熱処理後の該ビニ
ル重合体の脱落量が変化する。PVA/該ビニル
重合体の重量比が1/5において該ビニル重合体
成分が5を越えると脱落量が増大し使用に耐えな
くなる。逆にPVAの比率が増加するほど脱落防
止効果は増すが、その反面イオン交換容量が制限
されることから、混合比はPVA/該ビニル重合
体が4/1〜1/5(重量)の範囲が好適であり、
さらに好ましくは3/2〜1/4(重量)である。 脱水触媒となる強酸性物質の添加量はPVAに
対して2〜10重量%でより好ましくは4〜7重量
%である。なお塩化水素ガス雰囲気で熱処理を行
う場合は紡糸原液中に強酸性物質を添加する必要
がないのは当然である。 かかる条件を満足する紡糸原液の固形物濃度は
20〜50%が適当である。 紡糸方法は乾式が適用できる。半乾半湿式紡糸
及び湿式紡糸では凝固浴中でPVAと該ビニル重
合体とが相分離を引き起こす危険が生ずるため好
ましくない。紡糸後得られる繊維の形状、即ち断
面形状、繊維長、繊度等には何ら制限がない。 ここで、これら繊条物においては構成成分であ
るPVAが繊維軸方向に配向されていることが最
終的に得られるカチオン交換性繊条物の物性に影
響を及ぼす。即ちPVAが配向されない場合には
得られた繊条物が低強力、低伸度となり曲げに対
し極めて脆いものとなつてしまう傾向がある。好
ましい配向性を付与する方法としては繊維形成後
1.5倍以上に延伸する方法が最も好ましいが、紡
糸ドラフトにより繊維形成過程で配向性を付与す
ることも可能である。 熱処理は温度が150〜230℃の範囲で、時間は5
分〜2時間で行うが、好ましくは温度が180〜200
℃で時間が30分〜1時間である。温度が230℃を
越えるとPVAの熱分解を生じ好ましくなく、ま
た150℃未満では熱処理効果が得られ難く、好ま
しくない。 この熱処理によりPVAは脱水反応を起こし重
量減少するが、好ましいPVAの重量減少率は25
〜40%の範囲である。40%を越える重量減少は熱
分解によるPVAの主鎖分解を生じ好ましくなく
また25%未満の重量減少では得られるカチオン交
換性糸条物の耐水性が不足し、好ましくない。熱
処理時の雰囲気は空気中でよいが、好ましくは酸
化劣化を避けるため、無酸素の不活性ガス中(例
えば窒素ガス中)がよい。塩化水素ガスを脱水触
媒として用いる場合は不活性ガスと混合しながら
送り込むのが好ましい。 かくして得られた繊条物は布状、ひも状、綛
状、カツト糸状等で使用される場合、それらの形
態に加工できるが、あらかじめこれらの形態にし
てから熱処理を行うことが好ましい場合もある。 〔作用〕 以上、本発明によれば、混合紡糸という手法に
より、得られた糸条を熱処理するだけで、十分実
用に耐え得るカチオン交換性繊条物が製造でき
る。本発明繊条物は繊維としての特徴を有するた
め、布、ひも、メリヤス状等が容易に作成でき、
イオン交換体として形態上の自由度が極めて広
い。また太い繊条物(例えば直径500μ以上)の
場合、これを切断したペレツト状物はイオン交換
樹脂と同様の取扱いができるうえに形状の均一性
により分離性能の向上が期待される。さらに中空
繊維状では透析法によりカチオン性物質の分離回
収が可能になるなど本発明の出現は当該分野の発
展に大きく貢献するものである。 以下本発明を実施例をあげて具体的に説明す
る。なお例中の部はいずれも重量部である。 (実施例 1) 重合度1200、ケン化度99.9mo%のPVAを25
部と、重合度5000のポリスチレンスルホン酸ナト
リウム(ホモポリマー)を73部及び強酸性物質と
して重合度5000のポリスチレンスルホン酸(ホモ
ポリマー)を2部、さらに水233部よりなる紡糸
原液を調製した。この原液を乾式紡糸法にて紡糸
し200デニール/20フイラメントの長繊維を得た。
紡糸時の延伸率は200%で延伸温度は150℃とし
た。この長繊維を空気中で200℃にて30分間熱処
理した。得られたカチオン交換性繊条物の性能は
(第1表)に示した。 (実施例 2) 重合度1200、ケン化度95mo%のPVAを40部
と重合度3000のポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム(ホモポリマー)を60部及び水200部よりなる
紡糸原液を調製した。この原液を乾式紡糸法にて
紡糸し、150デニール/20フイラメントの長繊維
を得た。紡糸時の延伸率は250%で延伸温度は150
℃とした。この長繊維を塩化水素ガス雰囲気下
(窒素ガス混合)180℃で1時間熱処理した。得ら
れたカチオン交換性繊条物の性能は(第1表)に
示した。 (実施例 3) 重合度1200、ケン化度99.9mo%のPVAを60
部と重合度3000のポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム(ホモポリマー)37部及び強酸性物質として
p−トルエンスルホン酸を3部、さらに水300部
よりなる紡糸原液を調製した。この原液を乾式紡
糸法にて紡糸し外径約1000μ、内径約400μの中空
糸(長繊維)を得た。中空糸の芯部へはCaC2
飽和のメタノール溶液を注入し、糸条を形成させ
た。この中空糸を温度130℃にて300%に延伸後、
窒素ガス雰囲気下180℃で1時間熱処理した。得
られたカチオン交換性繊条物の性能は(第1表)
に示した。 (比較例) 紡糸原液は(実施例3)と同様に調製した。紡
糸も同様に行ない、中空糸を得た。この中空糸を
延伸せずに窒素ガス雰囲気下180℃で1時間熱処
理した。得られたカチオン交換性繊条物の性能は
(第1表)に示した。その繊条物は脆く、取扱い
が困難であつた。
【表】 絶乾後の重量

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリビニルアルコール及びスルホン酸基を有
    するビニル系重合体を4/1〜1/5重量比の割
    合で含有する紡糸原液に脱水触媒を添加し、紡糸
    ドラフトによりあるいは乾式紡糸後1.5倍以上に
    延伸することにより配向性を付与し、さらに熱処
    理により水不溶化することを特徴とするカチオン
    交換性繊維の製造法。 2 ポリビニルアルコール及びスルホン酸基を有
    するビニル系重合体を4/1〜1/5重量比の割
    合で含有する紡糸原液を調製し、乾式紡糸後1.5
    倍以上に延伸し、さらに塩化水素ガス存在下で熱
    処理により水不溶化することを特徴とするカチオ
    ン交換性繊維の製造法。
JP505786A 1986-01-16 1986-01-16 カチオン交換性繊維の製造法 Granted JPS62164734A (ja)

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KR100460454B1 (ko) * 2001-12-06 2004-12-08 광주과학기술원 친수성 고분자를 이용한 수팽윤성 양이온교환막 및 그의제조방법
JP2015168689A (ja) * 2014-03-04 2015-09-28 株式会社クラレ イオン交換膜
JP2016155723A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社クラレ 塩の製造方法

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