JPH0586529A - トラベラー交換機の走行方法 - Google Patents

トラベラー交換機の走行方法

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JPH0586529A
JPH0586529A JP27034291A JP27034291A JPH0586529A JP H0586529 A JPH0586529 A JP H0586529A JP 27034291 A JP27034291 A JP 27034291A JP 27034291 A JP27034291 A JP 27034291A JP H0586529 A JPH0586529 A JP H0586529A
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JP
Japan
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traveler
ring
yarn
thread
exchange
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Application number
JP27034291A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Koga
敏昭 古賀
Hirao Otojima
比良雄 音島
Itaru Yokota
至 横田
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラベラー交換を自動化し省力化が達成でき
るトラベラー交換機の走行方法であって、速やかな送り
と正確な位置決めができるものを提供する。 【構成】 トラベラー取り外し装置22とトラベラー挿
着装置23とを有するトラベラー交換機がリングレール
4のリング5のピッチに対応して走行した後、リング5
に対して位置決め板16などにより位置決めするように
したトラベラー交換機の走行方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング精紡機のリング
に挿着されたトラベラーを自動的に交換するトラベラー
交換機の走行方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、トラベラーが用いられるリング精
紡機を図16により説明する。図示されない軸受部を有
するスピンドル1にボビン2が挿着されている。スピン
ドル1はベルト3で通常1〜2万RPM前後の高速回転
している。このベルト3は4錘(手前側左右2錘と背面
側左右2錘の合計)のスピンドル1に掛け渡され、図示
されない駆動プーリでスピンドル1を回転駆動する。し
かし、停止時にスピンドル1に力を加えると空回りが可
能となっている。また、ボビン2の長手方向に沿ってリ
ングレール4が昇降するようになっており、このリング
レール4に固設されたリング5に対して挿入状態のボビ
ン2が位置している。リング5の上端はフランジ6とな
っており、このフランジ6にトラベラー7が挿着されて
いる。糸Yは、スネルワイヤ8及びバルーン制御リング
9及びトラベラー7を経てボビン2に巻き取られる。ボ
ビン2が回ると、トラベラー7は糸に引っ張られて、リ
ング5のフランジ6上を走行し、糸に撚りを与える。上
方から送られた糸の長さに相当した分だけ、ボビン2と
トラベラー7との間に回転数の差があり、この長さだけ
ボビン2に巻き取られる。すなわち、リング5とトラベ
ラー7は回転数差を生じさせるための摩擦抵抗体である
と同時に、加撚作用を巻取作用にための走行方向変換機
構となっている。
【0003】トラベラー7はC字型の金具でリング5の
フランジ6に挿着されている。このトラベラー7はフラ
ンジ6上を1〜2万RPM前後で高速回転するため、摩
耗する。そこで、1〜2週間毎にトラベラー7を古いも
のから新しいものへと交換する必要がある。
【0004】従来のトラベラー交換方法は人手によるも
のであった。すなわち、適宜な爪金具を用いて古いトラ
ベラーを外し、新しいトラベラーを挿着する。この新し
いトラベラーの挿着に際して、道具として特公昭61−
44975号公報に開示されるトラベラー取付装置が用
いられることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のトラベラー交換
方法は道具を使うものの人手によるものであり、多数錘
を有するリング精紡機のトラベラーを全数交換するとな
ると、熟練者でも相当の時間を要する。そのため、この
トラベラー交換のための要員が必要であるという問題点
を有していた。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、トラベラー交換を自動化し省力化が達成できる
トラベラー交換機を提供せんとするものである。特に、
このトラベラー交換機の走行に際しては、速やかな送り
と正確な位置決めができるトラベラー交換機の走行方法
が求められる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のトラベラー交換
機の走行方法は、トラベラー取り外し装置とトラベラー
挿着装置とを有するトラベラー交換機がリングレールの
リングピッチに対応して走行した後、リングレール又は
リングに対して位置決めするようにしたものである。
【0008】
【作用】トラベラー取り外し装置とトラベラー挿着装置
とを有するトラベラー交換機が速やかに走行し、位置決
めにより所定位置となる
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はトラベラー交換機の操作部の正面図、図2
はトラベラー交換機の操作部の上面図、図3はトラベラ
ー交換機の全体を示す図である。まず、トラベラー交換
機の全体を図3により説明し、次にその要部を説明す
る。
【0010】図3(a)は側面図、同(b)は正面図で
ある。図において、トラベラー交換機は、操作部11を
支える台車部12と、台車部12に連結された電源・制
御台車13とからなっている。台車部12は、リング精
紡機のレール10に対する車輪41,42が取り付けら
れたベース43と、ベース43に植設された板バネ44
と、板バネ44に対して立設されたガイド棒45とから
なっている。このガイド棒45にリニアベアリングなど
を介して操作部11が昇降自在に支持されている。ま
た、ガイド棒45の先端に滑車47が取り付けられ、ワ
イヤ48を介して操作部11に対するカウンターウェイ
ト49が吊り下げられている。なお、このカウンターウ
ェイト49に代わり、二点鎖線図示の圧縮バネ62を用
いることができる。
【0011】さらに、操作部11はリングレール4のコ
ーナーを転動する斜め45°配置の車輪50を有してい
る。この車輪50の外周凹部には磁石が嵌入されてお
り、リングレール4のコーナーに吸着し、車輪50がモ
ータ51で回転駆動される。図4はモータ51に代わり
リンクとカム機構による車輪50の駆動例を示す図であ
り、図4(a)は断面図、同(b)は(a)のA−A断
面図である。図において、固定軸70に中間回転体71
が回転自在に支持されており、中間回転体71に車輪5
0が回転自在に支持されている。中間回転体71に爪車
71aが取り付けられ、この爪車71aに一方向で噛み
合い、他方向で滑るラッチ72が車輪50に取り付けら
れている。また、中間回転体71の外周にはカム列73
により往復動するリンク74が連結されている。このカ
ム列73は以下に述べるトラベラー取り外し装置などの
各機器を作動させるためのものであり、予め決められた
タイミングでリンク74が往復動する。リンク74が矢
印方向に移動すると、爪車71aとラッチ72を介して
車輪50が矢印方向に回転し、操作部がリングの配列ピ
ッチPに相当する距離だけ速やかに走行する。そして、
以下に述べる位置決め機構でリングレール4のリングに
位置決めされるようになっている。
【0012】図3に戻り、台車部12に連結された電源
・制御台車13は床面走行の車輪52を有しており、追
従走行が可能である。この電源・制御台車13と台車部
12のベース43はリンク53を介して連結されてい
る。この電源・制御台車13は通常鉛蓄電池を搭載して
おり、操作部11に比較して2〜3倍の重量を有するた
め、電源・制御台車13も切り離して床面走行可能とし
ている。また、図5は図3の磁石付車輪50に代わる磁
石を用いる場合を示す図であり、図5(a)は上面図、
同(b)は側面図である。リングレール4に縦車輪54
と横車輪55とが乗るようになっており、操作部11の
適所に磁石56が取り付けられたものである。車輪5
4,55は標準であっても、リングレール4と磁石56
の隙間は最小に設定され、リングレール4と操作部11
の間には強力な吸着力が作用するようになっている。
【0013】上述したトラベラー交換機のリング精紡機
への装着と走行を以下に説明する。図3において、リン
ク53を上げて、ベース43と電源・制御台車13を引
っ掛けた状態にすると、電源・制御台車13の車輪52
でトラベラー交換機の全体が運搬できる。そこで、オペ
レータがトラベラー交換を必要とするリング精紡機の側
まで、このトラベラー交換機を運搬する。そして、リン
ク53を下げて、レール10に車輪41,42を乗せ
る。ところで、精紡機のリングレール4は稼働中はスト
ロークLの区間で上下動する。そのため、精紡機の停止
時にはリングレール4はストロークL内の任意高さで止
まることになる。そこで、オペレータが操作部11を上
下させながら高さを調整し、リングレール4のコーナー
に車輪50を吸着させる。このとき、カウンターウェイ
ト49により高さ調整は容易であり、リングレール4に
過度の荷重モーメントが作用しない。なお、カウンター
ウェイト49はリングレール4に多少の下向き荷重を加
える程度に調整することが好ましい。一般にリングレー
ル4は上向きの力で外れる構造になっているからであ
る。また、図3の磁石付の車輪50や図5の磁石56に
より、操作部11を所定位置にして乗せるだけでよく、
リングレール4への着脱が容易にできる。この時、最も
重量のある電源・制御台車13が操作部11から分離さ
れているので、操作も容易である。
【0014】そして、リング交換に際しては、図3のモ
ータ51又は図4のリンク74によって車輪50が所定
の回転をし、操作部11がリングレール4のリング5の
配列ピッチP毎の走行が可能となっている。走行部11
の走行は板バネ44を介してベース43に伝わり、更に
リンク53を介して電源・制御台車13に伝わり、トラ
ベラー交換機の全体が走行する。また、板バネ44が存
在することにより、操作部11は微小移動が可能であ
り、操作部11のリング5に対する位置決めが小さい力
で行えるようになっている。すなわち、操作部11を板
バネ44を介して分離すると共に、次に述べる位置決め
機構を用いることにより、操作部11の位置決定が速や
かに行われる。なお、電源制御部13の車輪52を駆動
するモータを別に設け、板バネ44に応力センサ44a
を取り付け、板バネ44にある程度の負荷が加わると、
電源制御部13が自走して追随するようにもできる。
【0015】なお、図6は台車部の他の実施例を示す図
であり、図6(a)は側面図、同(b)は正面図であ
る。図6の操作部11には図3の電源・制御台車に相当
する部分も組み込まれている点が異なる。そして、操作
部11は2本の支柱63,64に圧縮バネ65を介して
上下摺動自在に支持されている。要するに、リングレー
ル4の区間L内の任意の停止高さに対して、操作部11
の上下位置調整が可能であり、圧縮バネ65によりリン
グレール4に対する負荷が軽減されていることが重要で
ある。また、支柱63,64は台座66に立設され、台
座66は車輪67,68を有している。車輪67は支柱
63,64の真下付近に取り付けられ、車輪50と共に
リング精紡機に沿って走行するためのものである。車輪
68は外方に傾いており、操作部11をやや傾けて運搬
するためのものである。また、車輪67を床面(FL)
ではなく、リング精紡機に沿って架設されたレール10
を走行させるものとすることもできる。しかし、車輪6
7をレール10に乗せた場合には、トラベラー交換機を
リング精紡機間に移動させるための手順が複雑になる。
一方、車輪67が床面(FL)を走行する場合には、床
面(FL)の凹凸により、トラベラー交換機の横移動速
度が制限される場合もある。その点、図3のトラベラー
交換機のように、操作部11と電源・制御台車13とを
リンク53を介して連結することにより分離すると、リ
ング精紡機間の移動も容易で、スムーズな走行を確保で
きる。
【0016】図1及び図2に示されるように、上述した
図3又は図6の操作部11に、位置決め板16と、3本
のボビンに接離自在なローラ17,18,19と、テン
サ20と、糸寄せレバー21と、トラベラー取り外し装
置22と、トラベラー挿着装置23と、弛み除去装置2
4と、回収ボックス15とが備えられている。なお、ロ
ーラ17,18,19を除く、位置決め板16、テンサ
20、糸寄せレバー21、トラベラー取り外し装置2
2、トラベラー挿着装置23、弛み除去装置24は共通
のカム軸に取り付けられたカム列により作動するように
なっている。
【0017】位置決め機構の位置決め板16は、図2
(a)に示されるように、リング5下方に嵌入する半円
部16aを有した板である。位置決め部材16がリング
5に向かって押し出されることにより、リング5に対す
る操作部11に備えられた各機器の位置が決まる。すな
わち、図2(b)に示されるように、リング5はトラベ
ラー7が挿着されるフランジ6とリングレール4に対す
る取付フランジ5aとを有しており、この取付フランジ
5aに対して位置決め部材16の半円部16aが嵌まり
込むようになっている。このように、前処理ステーショ
ンS1に位置決め板16を設けると、リングレール4の
端末のリングに対してトラベラーを交換する場合、位置
決め板16を用いることができなくなる。そこで、端末
のリングに対しては別の位置決め機構を設ける必要が生
じる。そこで、この位置決め板16は操作部11の処理
ステーションS2に設けた位置決め機構とすることもで
きる。この場合、端末のリングに対しても位置決め可能
であるが、古いトラベラーの回収ボックス15等の他の
機器を設置に設計上の工夫が必要となる。さらに、図7
は他の位置決め機構を示す図であり、図7(a)は上面
図、同(b)は側面図である。リングレール4の側面に
リング5と位置的に対応した角穴77が予め加工されて
いる。操作部11には突出方向に付勢されたローラ76
が設けられており、リングレール4側面の角穴77にロ
ーラ76を押し込むことにより位置決めするようになっ
ている。この場合、端末のリングに対しても位置決め可
能であるが、リングレール4に角穴77を加工しておく
必要がある。このように、位置決め機構は種々のものが
あるが、機器仕様に応じて適宜選択使用される。さら
に、上述した位置決め板16やローラ76を用いる代わ
りに、操作部11の走行距離をセンサを用いて厳密に制
御する位置決め機構を用いることもできる。
【0018】図2に戻り、ローラ17,18,19は3
本のボビン2側面に当接可能であり、モータにより別個
に回転可能となっている。操作部11が図面右から左へ
とトラベラー交換作業を行うものとすると、ローラ17
はボビン2を逆転させて糸を弛ませる。ローラ18はボ
ビン2を正転させ、テンサに貯められた糸を巻きつつト
ラベラー7を所定位置(次に述べるトラベラー取り外し
装置がストッパーとなって所定位置が決まる)に移動さ
せる。ローラ19はボビン2を正転させて糸の弛みを除
き、糸を張る。
【0019】図8はテンサの構造と作動を示す図であ
り、図8(a)は作動前、図8(b)作動後を示してい
る。図8(a)に示すように、テンサ20は噛み合い自
在な一対の櫛31,32から成り、櫛31は3本の爪3
1aを有し、櫛32は2本の爪32aを有している。テ
ンサ20が退避位置から方向に進出すると、糸Yが爪
31a,32aの間に位置する。そして、爪31a,3
2aが方向に噛み合って同(b)の状態になると、糸
Yはジグザクになり、弛みが吸収され、糸Yが貯められ
る。このテンサ20はローラ17が予め弛めておいた糸
の全部を吸収できるだけの噛み合いストロークを有し、
噛み合った後には糸切れしない範囲の所定張力を付与で
きるようになっている。したがって、テンサ20で張ら
れた糸に対して次に述べる糸寄せレバーが確実に糸を引
っ掛け、予め弛めておいた糸Yの範囲で糸を寄せること
ができる。また、テンサ20の基部に検出片26aが取
り付けられ、リミットスイッチ26で糸張力を検出でき
るようになっている。このリミットスイッチ26の作動
は以下の通りである。まず、テンサ20が方向に進出
し、爪31a,32aが方向に噛み合う。つぎに、テ
ンサ20に充分な弛みがあるかどうかをリミットスイッ
チ26が検出する。糸Yの弛み量が不十分であると(次
に述べる糸寄せレバーの作動が不完全になる)、リミッ
トスイッチ26がONにならない。弛みが不十分な場
合、図示されないローラを逆転させて給糸ボビンから糸
を繰り出す。リミットスイッチ26がONになり、糸Y
の充分な弛みが検出される。つぎに、図示されないロー
ラを正転させ給糸ボビンに糸を巻くことでトラベラーを
所定の位置に走行させる。トラベラーが所定の位置で停
止すると糸が張るので、リミットスイッチ26がOFF
になって糸の張りが検出され、次の継続動作に支障がな
いことが確認される。なお、テンサの実施例として一対
の櫛31,32を用いるゲートテンサを説明したが、エ
アーの吸引・呼び出しによって弛みを吸収するエアテン
サを用いることもできる。しかし、エアテンサはエア源
を必要とし、付加テンションも小さく上述したリミット
スイッチ26などでの糸張力検出に不向きであり、ゲー
トテンサが好ましい。
【0020】図9は糸寄せレバーの構造と作動を示す図
であり、図(a)は上面図、同(b)はリングの断面図
である。図9(a)において、糸寄せレバー21は一対
のレバー33,34から成り、先端に引っ掛け部33
a,34aが形成されている。トラベラー7より上の糸
Y1に対しては、レバー34の引っ掛け部33bがの
ように上から下へと糸を掛けながら移動する。トラベラ
ー7より下の糸Y2に対しては、レバー33の引っ掛け
部33aが一旦下がって糸Y2を掛け、のように再び
上に上がりながらリング5を乗り越えて下がる。そし
て、同(b)に示されるように、糸Yはフランジ6の下
方でリング5に沿った位置へと運ばれる。なお、糸Yは
トラベラー7から必ずしも外す必要はない。また。この
糸寄せレバー21の作動の前に、トラベラー取り外し装
置22が所定位置となり、アーム35がストッパーとな
って、ロールの正転と共に走行するトラベラー7を所定
の位置に止めておく。そして、糸寄せレバー21で糸を
リング5のフランジ6に沿った位置に寄せ、トラベラー
取り外し装置22の作動の邪魔にならない位置に糸を保
持する。
【0021】図10はトラベラー取り外し装置の構造と
作動を示す図である。同(a)(b)に示すように、ト
ラベラー取り外し装置22はアーム35の先端にトラベ
ラー7に対する取り外し部材としての爪35aが形成さ
れたものであり、アーム35は筒体39に対しての回
転が可能となっている。この筒体39に固定部材として
の押さえ板40が取り付けられており、アーム35の爪
35aが方向に回転すると、押さえ板40の先端40
aと爪35aでトラベラー7を取り込むようにして保持
できるようになっている。また、筒体39はその全体が
方向に前進可能となっている。さらに、アーム35が
トラベラー7に対するストッパー兼用となっており、図
2のローラ18が正転し糸が巻かれると、同(b)に示
すようにトラベラー7が移動し、押さえ板40と爪35
aの間に入り、アーム35に当たって停止する。そし
て、アーム35が方向に旋回すると、同(c)に示す
ように、トラベラー7を取り込むようにしてリングのフ
ランジ6から浮き上がらせる。さらに、に筒体39が
方向に前進すると、同(d)のようにトラベラー7がリ
ングのフランジ6から外れる。なお、トラベラー取り外
し装置22が所定位置に前進した場合、トラベラー7が
このトラベラー取り外し装置22に当たる位置に存在す
ると、トラベラーの取り外しが失敗する。そこで、図2
に示されるように、弾性材のレバー27により、トラベ
ラー7をトラベラー取り外し装置22の接触位置からト
ラベラーを押しやって排除するようになっている。な
お、次に述べるトラベラー挿着装置が先にリングのフラ
ンジ6に接近することもあり、この場合、レバー27が
トラベラー挿着装置の接近位置からもトラベラー7を押
しやって排除するようになっている。
【0022】図11はトラベラー挿着装置の構造と作動
を示す図であり、同(a)は全体斜視図、同(b)は要
部拡大図である。同(a)おいて、トラベラー挿着装置
23は、トラベラー7の多数が嵌め込まれたアーム36
と、切り出し部材37と、板バネ38とからなってい
る。切り出し部材37の方向の移動により、トラベラ
ー7の一つを押さえながら先端に送り出す。同(b)の
ようにアーム36の先端36aは屈曲しており、トラベ
ラーは上下方向のC型に保持される。そして、トラベラ
ー挿着装置23の全体が方向に後退すると、トラベラ
ー7がリングのフランジ6に挿着される。同時に、同
(a)の板バネ38により、フリーになったトラベラー
7が紙面厚み方向の奥側に弾き飛ばされる。
【0023】図12は糸弛み除去装置の構造と作動を示
す上面図である。弛み除去装置24は、L字型レバー5
7の片方の腕にブラシ58を植設したものであり、他方
の腕に対するスプリング59とストッパー60により図
示の姿勢を保っている。また、レバー57の他方の腕に
対してリミットスイッチ61が配設されている。図1の
ローラ19でボビンが正転すると、弛んだ糸が巻かれる
が、糸が張ると、図12のようにトラベラー7がリング
5に沿って走行する。このトラベラー7はブラシ58に
突っ込み、レバー57を反時計方向に揺動させ、リミッ
トスイッチ61が作動し、糸が張られたことが確認さ
れ、ローラの回転を止める。このように、トラベラー7
を交換した後に糸を張っておかないと、リング精紡機の
スタート時に糸切れが発生する。
【0024】つぎに、上述したトラベラー交換機による
トラベラー交換方法を説明する。図1において、操作部
11は3つステーションS1,S2,S3を有してお
り、前処理ステーションS1で糸を弛ませ、処理ステー
ションS2でトラベラーの交換を行い、後処理ステーシ
ョンS3で糸を張るように分担し、一斉に行うことによ
りサイクルタイムを短くしている。前処理ステーション
S1では、ローラ17が中央のボビン2に位置してお
り、中央のボビン2を逆転させ、糸を弛ませておく。そ
して、操作部11が1ピッチPだけ図面左側に走行しス
テーションS2の図示の状態となる。つぎに、位置決め
板16が進出してリング5に嵌入し、板バネ44により
操作部11が容易にリング5の位置に追従することによ
り位置決めされる。つぎに、テンサ20により糸Yがジ
グザグとなって貯められ、糸Yは所定の糸張力で繰り出
し又は送り込みができるようになる。つぎに、図9
(a)に示されるように、トラベラー取り外し装置22
のアーム35がフランジ6上の所定位置に進出する。つ
ぎに、図1のローラ18が正転すると、テンサに貯めら
れた糸Yが繰り出され、糸の回転と共にトラベラー7が
リング5に沿って時計方向に走行する。そして、図9
(a)のアーム35の爪35aでトラベラー7が係止さ
れ、所定位置でトラベラー7の走行が停止する。このと
きのローラ18の回転は予め設定された制御装置で所定
数だけ回転するようになっている。つぎに、糸寄せレバ
ー21がテンサに貯められた糸を更に繰り出しつつ、糸
Yを上からリング5のフランジ6下方まで寄せる(レバ
ー33,34の及び移動)。その結果、図9(b)
に示されるように、糸Yはトラベラー7の取り外しに支
障がないリング5に沿った位置に保持される。
【0025】つぎに、図10(b)に示されるように、
アーム35が方向に回転し、爪35aと先端40aが
トラベラー7を取り込んだ後に、アーム35が方向に
前進すると、トラベラー7は図10(c)に示されるよ
うにリングのフランジ6から外れる。外れたトラベラー
7は爪35aと先端40aで保持されたままであり、ト
ラベラー取り外し装置22の退出と共にトラベラー7が
図2の回収ボックス15の上まで運ばれ、爪35aと先
端40aが離れることによりトラベラー7を回収ボッス
ク内15に落とすようになっている。つぎに、図11
(a)に示されるように、アーム36でC字型に保持さ
れたトラベラー7がリングのフランジ6に対する所定位
置まで進出し、全体が方向に後退する。トラベラー7
の内側端はフランジ6に引っ掛けられたまま、トラベラ
ー7の外側端が引き延ばされ、フランジ6に挿着され、
板バネ38でトラベラー7が紙面厚み方向奥側に弾き飛
ばされる。
【0026】つぎに、図13により糸が確実にトラベラ
ーに掛けられる方法を説明する。図13(a)は上面
図、同(b)(c)は側面図である。図13(a)にお
いて、糸寄せレバーの引っ掛け部33a,33bで寄せ
られた糸Yは、A点ではフランジ7側面の下角に当接状
態で位置しているが、B点ではフランジ7から離れてい
る。そして、A点とB点間の糸はフランジ7に対して接
線方向となっている。また、図13(b)の如く、引っ
掛け部33a,33b付近の糸Yはフランジ6の中程に
向かって斜めに立ち上がっている。このような状態の糸
Yに対して、A点でトラベラー7が挿着される。トラベ
ラー7がトラベラー挿着装置38から離れると同時に矢
印の方向に弾き飛ばされて走行し、B点で糸Yを挟んで
停止する。この停止状態では糸Yは完全にトラベラー7
の中に存在する。すなわち、A点の状態から糸Yを上げ
たとしても必ずしもトラベラー7の中に糸Yが入るとは
限らないが、B点の状態からは、図13(c)のよう
に、引っ掛け部33a,33bが斜め上方の元の位置に
戻る過程で、トラベラー7に糸Yが入りつつ中央に引き
寄せられる。このように、糸Yを寄せる状態を適切にす
ると共に、トラベラー7の走行により、糸Yは確実にト
ラベラー7に掛けられる。
【0027】図14は図13の如き糸掛けを不用にする
糸寄せ方法を示している。図14(a)は上面図、同
(b)(c)(d)は糸の状態図である。図14(a)
において、引っ掛け部33aが下糸Y2をフランジ6の
内側へと寄せ、引っ掛け部33bが上糸Y1をフランジ
6の外方へと寄せ、糸Yがフランジ6の上面を斜めに横
切るように保持したものである。この場合、引っ掛け部
33aのA点と、引っ掛け部33bのC点と、その中間
のB点の糸の位置は、フランジ6に対して図14(b)
に示される位置にある。したがって、図14(a)のB
点の位置にトラベラー7を挿着すると同時にトラベラー
7に糸Yが掛かった状態になる。したがって、トラベラ
ー7を図13のように弾き飛ばす必要もなくなる。とこ
ろで、トラベラー挿着装置が新しいトラベラーを挿着し
た後に、トラベラー取り外し装置が古いトラベラーを取
り外す手順により、糸Yが古いトラベラーと共に運ばれ
ないようにすることが好ましい。この場合、新旧2つの
トラベラーが横切り部分A−Cに位置する必要がある。
そこで、横切り部分A−Cの起点Aをリング5の内周円
の接線にほぼ重なるように糸を保持すると、横切り部分
A−Cを最も長くできる。内周円の接線から外れる程横
切り部分A−Cが短くなる。例えば、図14(c)の如
く横切り部分のリング5長手方向の幅がトラベラー7の
幅より小さいと、トラベラー7の挿着と取り外しが失敗
する恐れがある。しかし、図14(d)の如く横切り部
分のリング5長手方向の幅がトラベラー7の幅より大き
いと、トラベラー7の挿着と取り外しが確実に行われ
る。
【0028】トラベラー挿着装置によるトラベラーの挿
着が終わった後、図9の糸寄せレバー21が元の退避位
置に戻り、糸の弛みは図1のテンサ20に再び貯められ
た後に、テンサ20が解放される。つぎに、解放された
テンサ20が元の退避位置に戻り、操作部11が1ピッ
チPだけ図面左側に走行して後処理ステーションS3と
なり、ローラ19が中央のボビン2の位置になる。ロー
ラ19が正転し、糸が張った状態を図12の弛み除去装
置24で検出してローラ19が停止すると、糸の弛みが
無くなり元の状態になる。このように、従来人手でしか
出来ないとされてきた、トラベラーの交換が完全に自動
化される。また、人手による交換では古いトラベラーが
飛散していたが、トラベラー交換機に古いトラベラー回
収ボックスを付設しているので、リング精紡機の回りを
清掃する必要もなくなる。
【0029】ところで、上述した説明では分かりやすい
ように、トラベラーの所定位置への移動させる第1工
程、糸寄せの第2工程、トラベラー取り外しの第3工
程、トラベラー挿着の第4工程、糸張りの第5工程の順
に行うものを説明したが、第2〜第4工程については、
通常は同時平行的に行われる。また、トラベラー挿着の
第4工程とトラベラー取り外しの第3工程の順を逆にす
るなど、適宜の変更が可能である。
【0030】なお、上述した実施例では図1のローラ1
7が逆転して予め糸を弛ませておき、操作部11がピッ
チPだけ走行し、テンサ20が作動する場合を説明し
た。しかし、糸を弛ませると糸がトラベラーから外れ、
次工程でトラベラーをリング上の所定位置とすることが
不可能になる恐れがある。そこで、ローラ17に対応す
る部分にもテンサを設け、リング5より上側で弛むこと
を確実にすることが好ましい。また、上述した実施例で
はステーションS1,S2,S3を有し、サイクルタイ
ムを短くする場合を説明したが、サイクルタイムに余裕
があると、ローラ1本を正逆転させ、ワンステーション
で上述した動作を行うことができる。この場合、操作部
11の装置幅を狭くすると共に、位置決めを作業対象リ
ングに対して行うことにより、ワンステーション毎にリ
ング交換作業を完結させることができ、リング精紡機の
端末リングに対しても全く同様のリング交換作業を行う
ことが可能となる。
【0031】つぎに、図15により本発明の他のトラベ
ラー交換機を説明する。図15はトラベラー交換機の操
作部の上面図である。図2と異なる点は、操作部11の
テンサがなくなり、代わりに揺動自在なストッパー25
が設けられている点である。ストッパー25はローラ1
7に対応する位置に設けられており、先端にトラベラー
7が当たったことがセンサ25aにより感知可能となっ
ている。すなわち、ローラ17でボビン5を正転させ、
トラベラー7を移動させ、ストッパー25の先端にトラ
ベラー7が当たると、センサ25aでローラ17が停止
し、トラベラー7を所定位置とするものである。そし
て、ストッパー25が退避位置に戻り、操作部11がピ
ッチPだけ図面左方向に移動し、所定位置となったトラ
ベラー7に対してトラベラー取り外し装置22やトラベ
ラー挿着装置23が対向する図示の状態となる。そし
て、トラベラー取り外し装置22が進出し、所定位置と
なったトラベラー7に対して図10(b)の状態とな
り、トラベラー取り外し装置22の横移動により、トラ
ベラー7を係止する。また、図15のローラ18を所定
数だけ逆転させ糸を弛ませつつ、図9の糸寄せレバー2
1を作動させ、糸をリング5に寄せる。そして、古いト
ラベラー7を取り外した後、新しいトラベラーを挿着す
る。そして、所定数だけローラ18が正転し寄せられた
糸を新しいトラベラー7に掛ける。このように、テンサ
の使用は必須ではなく、ローラ17,18の制御された
正転又は逆転とストッパー25によりトラベラー7を所
定位置とし、トラベラー取り外し装置22を作動させる
ことができる。ただし、テンサは余裕を持って糸を貯溜
しており、ボビンを逆転又は正転する場合に、厳密な回
転制御を必要としないが、作動手順が複雑となる。ま
た、糸寄せ動作中のテンションを適切に保つことができ
るため、確実な糸寄せ動作を可能にしている。しかし、
テンサを用いずに、ボビンを逆転又は正転する場合に
は、糸張力センサを用いるなどの方法で厳密な回転制御
をしないと糸が切れる恐れがある。このように、一長一
短であるが、機器の仕様に応じて適宜選択使用が可能で
ある。
【0032】
【発明の効果】本発明のトラベラー交換機の走行方法
は、トラベラー取り外し装置とトラベラー挿着装置とを
有するトラベラー交換機がリングレールのリングピッチ
に対応して走行した後、リングレール又はリングに対し
て位置決めするようにしたものであり、トラベラー交換
機が速やかに走行し、位置決めにより所定位置となるの
で、リングに対する速やかな送りと正確な位置決めが確
保できる。リングはリングレールに多数列設されてお
り、交換対象数が多いので、モータ或いはカム軸で速や
かにリングピッチだけ走行し、位置決めする手順により
サイクルタイムを短くすることができるのは大きな利点
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラベラー交換機の操作部の正面図である。
【図2】トラベラー交換機の操作部の上面図である。
【図3】トラベラー交換機の全体を示す図である。
【図4】操作部の車輪の他の実施例を示す図である。
【図5】操作部の車輪の他の実施例を示す図である。
【図6】トラベラー交換機の台車部の他の実施例を示す
図である。
【図7】位置決め機構の他の実施例を示す図である。
【図8】テンサの構造と作動を示す斜視図である。
【図9】糸寄せレバーの構造と作動を示す図である。
【図10】トラベラー取り外し装置の構造と作動を示す
図である。
【図11】トラベラー挿着装置の構造と作動を示す図で
ある。
【図12】糸張力センサの構造と作動を示す図である。
【図13】トラベラーへの糸掛け状態を示す図である。
【図14】他のトラベラーへの糸掛け状態を示す図であ
る。
【図15】他のトラベラー交換機の操作部の上面図であ
る。
【図16】リング精紡機の正面図である。
【符号の説明】
4 リングレール 16 位置決め板 22 トラベラー取り外し装置 23 トラベラー挿着装置 51 モータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラベラー取り外し装置とトラベラー挿
    着装置とを有するトラベラー交換機がリングレールのリ
    ングピッチに対応して走行した後、リングレール又はリ
    ングに対して位置決めするようにしたトラベラー交換機
    の走行方法。
JP27034291A 1991-09-20 1991-09-20 トラベラー交換機の走行方法 Pending JPH0586529A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0676374U (ja) * 1993-02-10 1994-10-28 村田機械株式会社 トラベラー交換機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0676374U (ja) * 1993-02-10 1994-10-28 村田機械株式会社 トラベラー交換機

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