JPH0586430B2 - - Google Patents

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JPH0586430B2
JPH0586430B2 JP59225662A JP22566284A JPH0586430B2 JP H0586430 B2 JPH0586430 B2 JP H0586430B2 JP 59225662 A JP59225662 A JP 59225662A JP 22566284 A JP22566284 A JP 22566284A JP H0586430 B2 JPH0586430 B2 JP H0586430B2
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JP
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fluorine
unsaturated polyester
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vinyl ester
polyester resin
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JP59225662A
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JPS61103959A (ja
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Shigeki Tomono
Yoshihiro Oshibe
Yoshimasa Nakagawa
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/782,397 priority patent/US4708982A/en
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Priority to EP85307085A priority patent/EP0180344B1/en
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Publication of JPH0586430B2 publication Critical patent/JPH0586430B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/04Homopolymers or copolymers of esters
    • C08L33/14Homopolymers or copolymers of esters of esters containing halogen, nitrogen, sulfur, or oxygen atoms in addition to the carboxy oxygen
    • C08L33/16Homopolymers or copolymers of esters containing halogen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F299/00Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers
    • C08F299/02Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers from unsaturated polycondensates
    • C08F299/04Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers involving only carbon-to-carbon unsaturated bond reactions, in the absence of non-macromolecular monomers from unsaturated polycondensates from polyesters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L57/00Compositions of unspecified polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/06Unsaturated polyesters

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、フツ素含有基を有する重合体部分
と、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステ
ル樹脂と相溶する重合体部分とからなるブロツク
共重合体を、不飽和ポリエステル樹脂またはビニ
ルエステル樹脂に添加して得られる、フツ素含有
基が表面に配向した不飽和ポリエステル樹脂硬化
物またはビニルエステル樹脂硬化物に関する。 不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル
樹脂はそれぞれ分子内にエステル結合を持つため
に、水に対する親和性が高く、したがつて吸水率
が高い。 その結果、エステル結合が加水分解するために
不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹
脂の成形物の耐水性・耐候性が悪い。 また、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエ
ステル樹脂は、強化プラスチツクのマトリツクス
として使用され、強度と外観の美しさとを持ち合
せているため、バスタブ、自動車ボデイー、船、
コンピユーターハウジングなどに多く使用されて
いる。しかし、自動車のボデイーやバスタブの場
合、湯あかが付着したり長期間にわたつた水によ
る加水分解が進んで劣化する。自動車ボデイーや
コンピユーターハウジングなどは、油やピツチ、
水性および油性筆記具や粘着テープなどの付着が
原因で汚れる。 〔従来の技術〕 これら種々の問題点を改善すべく、いくつかの
提案がなされている。つまり、不飽和ポリエステ
ル樹脂およびビニルエステル樹脂の硬化物の硬化
度を高め、残存するモノマー(例えばスチレン)
量を極めて少なくすることにより、耐水性、耐候
性、耐食性が向上する。この方法は一般的に行な
われている。 また、強化プラスチツク誌、第26巻、425〜434
頁、1980年では、不飽和ポリエステル樹脂とガラ
ス繊維とからなる強化プラスチツクス製の波板
に、含フツ素ポリマーフイルムをオーバーレイす
ることによつて、耐候性の向上することが記載さ
れている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、不飽和ポリエステル樹脂または
ビニルエステル樹脂の耐水性、耐候性、耐汚染性
は、樹脂そのものの化学構造に依存していること
は周知のことである。したがつて、硬化度を高め
る程度ではこれら樹脂の耐水性、耐候性、耐汚染
性などは大幅に向上しない。 それに対して、前述の含フツ素ポリマーフイル
ムをオーバーレイする方法は、含フツ素ポリマー
中のフツ素および炭素原子間の結合力が強固であ
ること、フツ素原子の分極率が小さいために含フ
ツ素ポリマーの分子間凝集力が小さく、表面張力
が著しく小さいという性質に由来して、耐水性、
耐候性、耐汚染性、非粘着性、撥水撥油性などの
特性を付与できる。 しかし、オーバーレイした含フツ素ポリマーフ
イルムと不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエ
ステル樹脂とのそれぞれ接着がうまくできないこ
とが重大な問題である。 つまり、含フツ素ポリマーフイルムの欠点は接
着性の悪いことで、長期間にわたつてフイルムと
不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹
脂との層間はく離がそれぞれ生じ、前述の特性が
そこなわれてしまう。 また、接着性の悪さはオーバーレイする際の生
産性上の不良率を著しく高くする結果となる。 不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル
樹脂の耐水性、耐候性、耐汚染性などを向上させ
る方法として、含フツ素ポリマーを利用すること
により解決できそうではあるが、前述のごとく今
までの方法では問題点が多い。 発明者らは、不飽和ポリエステル樹脂またはビ
ニルエステル樹脂硬化物の耐水性、耐候性、耐汚
染性、撥水撥油性などを向上させるために鋭意研
究した結果、フツ素含有基を有する重合体部分と
不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹
脂に相溶する重合体部分とからなるブロツク重合
体を添加して硬化し、表面にフツ素含有基部分を
配向させることによつて従来法の問題点を解決で
きることを確認して本発明に至つた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、不飽和ポリエステル樹脂またはビニ
ルエステル樹脂を硬化させる際に、フツ素含有基
を有する重合体部分と不飽和ポリエステル樹脂ま
たはビニルエステル樹脂に相溶する重合体部分か
らなるブロツク共重合体を添加し、空気と接触さ
せるか、または含フツ素ポリマーと接触させつつ
硬化することによつて、フツ素含有基を表面に配
向させた不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエ
ステル樹脂硬化物である。 本発明における不飽和ポリエステル樹脂とは、
エステル結合で連結され、ラジカル共重合可能な
二重結合を有するプレポリマーと、ラジカル共重
合可能な単量体との混合物である。例えば、ジカ
ルボン酸としてフタル酸およびフマル酸、グリコ
ールとしてプロピレングリコールを用いて縮重合
した分子量1000〜6000のプレポリマーに単量体と
してスチレンを混合したものがある。 しかし、本発明においては不飽和ポリエステル
樹脂であれば、その組成、成分は問題なく使用で
きる。 また、本発明におけるビニルエステル樹脂と
は、別名エポキシアクリレート樹脂とも称される
ものである。つまり、エポキシ樹脂などのエポキ
シ基、グリシジル基とアクリル酸あるいはメタク
リル酸などのラジカル重合性の不飽和ポリエステ
ル樹脂とを一分子内に1個あるいは複数個をエス
テル化反応により結合したものである。また、こ
れにラジカル重合性単量体を混合したものでもよ
い。 ビニルエステル樹脂の組成、成分は特に重要で
はない。 本発明における含フツ素ブロツク共重合体のフ
ツ素含有基を有する重合体部分は、例えば下記一
般式()ないし()で示される化合物の1種
または2種以上の重合体である。しかし本発明の
効果はフツ素含有基が硬化樹脂表面に配向するこ
とによつて出現するので、この範囲に限定されな
い。 一般式 CH2=CR1COOR2Rf1 () 式中、R1はHまたはCH3を、R2は直鎖または
分岐状の−CnH2n−基を、Rf1は−CoF2o+1を示
す。ただし、mは1〜10,nは1〜16の整数であ
る。 一般式 CH2=CR1COOR3R4 () 式中、R1は一般式()のものに等しく、 R3は−CkH2k(−OCH2CH2)−l基を、R4は−OCp
H2pCqF2qHまたは−OCpH2pCqF2q+1を示す。ただ
し、kは0〜10、lは0〜10、pと0〜10、qは
1〜10の整数である。 一般式 CH2=CR1COOR2Rf2 () 式中、R1,R2は一般式()のものに等しく、
Rf2は−CoF2oHを示す。ただし、nは1〜16の整
数である。 一般式 CH2=CR5COOR6 () 式中、R5はF,−CHF2,−CH2F,−CF3, −OCOCH2Fまたは−OCOCF3を示し、R6は −CoH2o+1,−CoF2o+1または−CoF2oHを示す。た
だし、nは1〜16の整数である。 一般式
【化】 式中、R1,R2,Rf1は一般式()のものに等
しく、R7は−CnH2n+1を示す。ただし、mは1〜
10の整数である。 一般式
【化】 式中、R1,R2,Rf1は一般式()のものに等
しく、R7は一般式()のものに等しい。 前記一般式()の含フツ素ビニル型単量体と
しては具体的に例えば、 CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2 CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3CH2OCOCH=CH2
【化】
【化】
【化】 などがある。 また、前記一般式()の含フツ素ビニル型単
量体として具体的には例えば次のものがある。 CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2 HCF2CF2OCH2CH2OCOCH=CH2 C2F5(CH2CH2O)2CH2OCOCH=CH2 C8F17OCH2CH2OCOC(CH3)=CH2
【化】
【化】
【化】 また、前記一般式()の含フツ素ビニル型単
量体として具体的には、例えば次のものがある。
【化】 H(CF28CH2OCOCH=CH2 H(CF24CH2OCOCH=CH2 H(CF26CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF23CFHCF2CH2OCOCH=CH2 また、前記一般式()の含フツ素ビニル型単
量体として具体的には、例えば次のものがある。 CH3OCOCF=CH2, C2H5OCOC(CH2F)=CH2,CH3OCOC
(CHF2)=CH2 C3H7OCOC(CF3)=CH2,CH3OCOC
(OCOCH2F)=CH2 C2H5OCOC(OCOCH2F)=CH2,C8F17OCOC
(CF3)=CH2 C8F17OCOC(OCOCH2F)=CH2
HC3F6OCOCF=CH2 また、前記一般式()の含フツ素ビニル型単
量体として具体的には、例えば次のものがある。 C7F15CON(C2H5)CH2OCOC(CH3)=CH2 C2F5CON(C2H5)CH2OCOCH=CH2 CF3(CF22CON(CH3)CH(CH3
CH2OCOCH=CH2 CF3(CF27CON(CH2CH2CH3
CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 また、前記一般式()の含フツ素ビニル型単
量体として具体的には、例えば次のものがある。 CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3
=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3)CH2CH2OCOCCH=
CH2
【化】 C8F17SO2N(CH3)(CH210OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C2H5)CH2CH2OCOC(CH3)=
CH2 C8F17SO2N(CH3)(CH24OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C3H7)CH2CH2OCOC(CH3)=
CH2 C2F5SO2N(C2H5)C(C2H5)HCH2OCOCH=
CH2 本発明における含フツ素ブロツク共重合体の不
飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂
と相溶する重合体部分は、メタクリル酸エステ
ル;アクリル酸エステル;脂肪酸ビニルエステ
ル;芳香族ビニル型単量体;アミド基、水酸基ま
たはカルボン酸基含有ビニル型単量体;メタクリ
ロニトリル;アクリロニトリル;フマル酸ジエス
テル;無水マレイン酸;メタリルグリシジルエー
テルおよびアリルグリシジルエーテルからなる単
量体の1種または2種以上の重合体からなる。 さらに具体的には、例えば(メタ)アクリル酸
メチル〔(メタ)アクリル酸メチルとはメタクリ
ル酸メチルおよびアクリル酸メチルのことを示
す。以下同様。〕、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル
酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル
エステルなどの低級アルキル(メタ)アクリレー
ト;(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリルなどの高級アルキル(メタ)アクリレ
ート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの低
級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル、カプロン
酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどの高級脂肪酸
ビニルエステル;スチレン、ビニルトルエン、ビ
ニルピロリドンなどの芳香族ビニル型単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)ア
クリルアミドなどのアミド基含有ビニル型単量
体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アリルアル
コールなどの水酸基含有ビニル型単量体;(メタ)
アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル
酸、マレイン酸などのカルボン酸基含有ビニル型
単量体;(メタ)アクリロニトリル;フマル酸ジ
ブチル、フマル酸ジイソプロピルなどのフマル酸
ジエステル;無水マレイン酸;(メタ)アリルグ
リシジルエーテルなどを用いることができる。 本発明における含フツ素ブロツク共重合体の合
成は、例えばポリメリツクペルオキシドを開始剤
として2段階の重合によつて得られる。 すなわち、ポリメリツクオキシド
〔発明の効果〕
本発明のフツ素含有基を表面に配向させた不飽
和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂硬
化物は、表面に配向したフツ素含有基の作用によ
つて撥水性、撥油性が著しく向上する。 その結果、不飽和ポリエステル樹脂またはビニ
ルエステル樹脂硬化物の耐水性、耐候性、耐汚染
性、非粘着性などが著しく向上する。 さらに、含フツ素ブロツク共重合体を前記のご
とく架橋することによつて、これらの効果の持続
性が極めて向上する。 〔実施例〕、〔比較例〕 次に実施例および比較例をもつて本発明を具体
的に説明する。 実施例1〜8,比較例1〜2 不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒化学工業社
製、エポラツクG110AL)100重量部に対して含
フツ素ブロツク共重合体を0.05重量部(実施例
1)、0.1重量部(実施例2)、0.5重量部(実施例
3)、1.0重量部(実施例4,実施例8および比較
例2)、2.0重量部(実施例5)、5.0重量部(実施
例6)、10.0重量部(実施例7)を各々添加した
ものと、添加しないもの(比較例1)とを、メチ
ルエチルケトンペルオキシド1gと6%濃度のナ
フテン酸コバルト0.3gとを用いて室温下で硬化
した。 硬化する際の型は、実施例1〜7および比較例
1では含フツ素ポリマー(デユポン社製テフロ
ン)製を用い、比較例2では鉄の金型を用いた。 また、実施例8では鉄製の型の一面を開けて空
気と接触させて硬化した。 また、使用した含フツ素ブロツク共重合体は、
メチルメタクリレート60重量%とブチルメタクリ
レート40重量%とからなる数平均分子量が15000
の不飽和ポリエステル樹脂と相溶する重合体部分
と、 CH2=CHCOOCH2CH2(CF27CF3 を重合してなる数平均分子量が20000のフツ素含
有基を有する重合体部とからなるAB型のブロツ
ク共重合体である。 これらの硬化物は、X線光電子分光法
(ESCA)によつて表面の炭素(C1S)、酸素
(O1S)およびフツ素(F1S)原子の濃度を測定し
た。 また、水およびn−ドデカンを用いて接触角を
測定した。これらの結果を第1表に示す。 第1表に示した実施例1〜7において、含フツ
素ブロツク共重合体を添加して、テフロン製の型
中で硬化させた不飽和ポリエステル樹脂の表面に
は、フツ素原子が検出され、しかも、水およびn
−ドデカンとの接触角が大きい。ただし、含フツ
素ブロツク共重合体の添加量が0.05重量部である
実施例1の場合、比較例1の含フツ素ブロツク共
重合体を添加しない場合と比較して著しく接触角
が大きいとはいえない。それに対して、実施例2
の含フツ素ブロツク共重合体の添加量が0.1重量
部の場合は著しく大きい接触角を示している。 このことから、含フツ素ブロツク共重合体の添
加量は0.1重量部以上が好ましいといえる。 また、含フツ素ブロツク共重合体添加量を増す
と、表面のフツ素原子濃度は増して水およびn−
ドデカンとの接触角も大きくなるが、添加量が
5.0重量部の場合(実施例6)と10.0重量部の場
合(実施例7)とを比較すると、添加量に見合つ
た効果が出ていない。このことから、含フツ素ブ
ロツク共重合体の添加量は5.0重量部以下が好ま
しい。 また、含フツ素ブロツク共重合体を添加しても
鉄製の金型中で硬化させた場合、不飽和ポリエス
テル樹脂表面に配向したフツ素原子濃度は2%
(比較例2)であり、テフロン型中で硬化した場
合の30%(実施例4)と比較するとフツ素原子の
表面への向性の悪いことがあきらかである。 しかし、空気と接触させて硬化した場合(実施
例8)は、テフロン型を用いた場合(実施例4)
と同等の表面のフツ素原子濃度と接触角であつ
た。 本発明のフツ素含有基が表面に配向した不飽和
ポリエステル樹脂硬化物は、水およびn−ドデカ
ンとの接触角が大きいことから、水性および油性
の汚染物質によつて容易に汚染されない。 実施例9,10および比較例3 含フツ素ブロツク共重合体として、メチルメタ
アクリレート54重量%、ブチルアクリレート80重
量%、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート15
重量%およびアクリル酸1重量%とからなる数平
均分子量が23000の不飽和ポリエステル樹脂また
はビニルエステル樹脂に相溶する重合体部分と、 CH2=CHCOOCH2CH2(CF27CF3 を重合してなる数平均分子量が30000のフツ素含
有基を有する重合体部分とからなるAB型のブロ
ツク共重合体であることが異なるだけで他は全て
実施例4と同じ方法で不飽和ポリエステル樹脂硬
化物を得た(実施例9)。 また、不飽和ポリエステル樹脂硬化物を得る際
に、ヘキサメチレンジイソシアナートの三量体を
0.21gと塩化すず0.001gとを添加して硬化させ
た以外は全て実施例9と同じ方法で行なつた(実
施例10)。 また、比較例1の方法と全く同様に不飽和ポリ
エステル樹脂を硬化した(比較例3)。 ただし、実施例9,10および比較例3はテフロ
ン製の密閉型にて3mm×50mm×50mmの大きさに硬
化させた。 これらの硬化樹脂の水およびn−ドデカンとの
接触角および沸謄水吸収率を測定した。 沸謄水吸水率は、内容積2のセパヤブルフラ
スコに冷却管を取りつけ、1の純水を入れてオ
イルバス中に置いて沸謄水とし、この中に、上記
三種類の硬化樹脂を浸漬した。その後、一定期間
ごとに硬化樹脂をとり出し、表面に付着した水分
を除いた後に重量を測定し、浸漬前の重量に対す
る変化率として算出した。 これらの結果を第2表に示す。 第2表に示した結果から、実施例9および10
は、比較例3よりも水およびn−ドデカンの接触
角が著しく大きく、硬化樹脂表面にフツ素含有基
が配向していることを示している。 沸謄水中での重量変化率は、実施例9および10
が小さく、比較例3は大きいことから、フツ素含
有基が表面に配向した場合に撥水性となつて水が
樹脂内部へ侵することを防ぐ働きをしていること
があきらかである。 また、実施例10は実施例9よりも重量変化率の
経時変化が小さいことは、不飽和ポリエステル樹
脂に相溶する重合体部分に存在する水酸基が、ヘ
キサメチレンジイソシアナートの三量体により架
橋され、不飽和ポリエステル樹脂とIPN化した結
果、効果が持続したのである。 しかし、実施例9の場合、沸謄水の温度下では
含フツ素ブロツク共重合体および不飽和ポリエス
テル樹脂の分子運動が活発となり、含フツ素ブロ
ツク共重合体が不飽和ポリエステル樹脂から脱離
するために、撥水性が低下し、水を吸収するため
に重量変化率の経時変化が若干大きくなつたので
ある。
【表】
【表】
【表】 実施例11および比較例4 不飽和ポリエステル樹脂をビニルエステル樹脂
(昭和高分子社製、リポキシR−802)に変えた他
は全て実施例4と同様にビルエステル樹脂硬化物
を得た(実施例11)。 また、同様に不飽和ポリエステル樹脂をビニル
エステル樹脂に変えた他は全て比較例1と同様に
ビニルエステル樹脂硬化物を得た(比較例4)。 これらの硬化物と水およびn−ドデカンとの接
触角を測定した。その結果を第3表に示す。
【表】 第3表の結果から、ビニルエステル樹脂におい
ても、相溶性のある重合体部分とフツ素含有基を
有する重合体部分とからなるブロツク共重合体を
添加して硬化することにより、硬化樹脂表面にフ
ツ素含有基が配向し、撥水撥油性が著しく向上す
ることがあきらかである。 実施例 12 含フツ素ブロツク共重合体として、メチルメタ
クリレートの数平均分子量12000の重合体部分と、
C12F25CH2CH2OOCH=CH2の数平均分子量8100
の重合体部分とからなるブロツク共重合体を使用
した以外は実施例4と全く同様に不飽和ポリエス
テル樹脂硬化物を得た。 この硬化樹脂と水およびn−ドデカンとの接触
角を測定したところ、水では118度、n−ドデカ
ンでは67度であつた。この値は、比較例1の含フ
ツ素ブロツク共重合体を添加しない場合の値(水
では60度、n−ドデカンでは20度)と比較して著
しく撥水撥油性であり、フツ素含有基が表面に配
向した効果であることがあきらかである。 実施例13および比較例5 不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒化学工業社
製、エポラツクG110AL)100gに炭酸カルシウ
ム50g、含フツ素ブロツク共重合体1g、ベンゾ
イルペルオキシド1gおよび4mmの長さのガラス
繊維50gを混合して、テフロン製の型に入れ、80
℃にて硬化させた(実施例13)。 使用した含フツ素ブロツク共重合体は、実施例
4で使用したものと同じである。 また、含フツ素ブロツク共重合体を用いなかつ
たことだけが異なるが他は全て実施例13と同様に
不飽和ポリエステル樹脂硬化物を得た(比較例
5)。 これらの硬化樹脂と水およびn−ドデカンとの
接触角を測定した。その結果、水との接触角は実
施例13では109度に対して比較例5では56度、n
−ドデカンとの接触角は実施例13では66度、比較
例5では21度であつた。 このことから、本発明においてガラス繊維、炭
酸カルシウムなどの強化材および充填剤などの添
加物が入つても、その効果を充分発揮することが
あきらかである。 以上の実施例および比較例によつて、フツ素含
有基を有する重合体部分と、不飽和ポリエステル
樹脂またはビニルエステル樹脂と相溶する重合体
部分とからなるブロツク共重合体を添加して硬化
することにより、不飽和ポリエステル樹脂または
ビニルエステル樹脂表面にフツ素含有基が配向
し、撥水撥油性が著しく向上することがあきらか
である。 その効果は、沸謄水中に浸漬した場合でも変化
しないために、沸謄水吸水率も極めて低い値を示
した。さらに、強化材、充填剤などの添加剤が存
在してもその効果は何ら変化しない。 また、表面に配向したフツ素含有基の効果は、
含フツ素ブロツク共重合体を架橋剤と反応させて
架橋することにより持続性が向上する。 本発明の硬化物は撥水撥油性の高いことから、
耐水性、耐候性、耐汚染性、非粘着性にすぐれて
いることがあきらかである。 それに対して、比較例で示した含フツ素ブロツ
ク共重合体を含まないものは、撥水撥油性が低
く、沸謄水吸水率は高く、耐水性、耐候性、耐汚
染性、非粘着性の点で本発明よりあきらかに劣
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記に示したブロツク共重合体を、不飽和ポ
    リエステル樹脂またはビニルエステル樹脂100重
    量部に対し0.05〜10重量部添加し、その表面を空
    気もしくは含フツ素ポリマーと接触させて硬化す
    ることにより得られる、フツ素含有基を表面に配
    向させた不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエ
    ステル樹脂硬化物。 ブロツク共重合体:フツ素含有基を有する重合
    体部分と、メタクリル酸エステル;アクリル酸エ
    ステル;脂肪酸ビニルエステル;芳香族ビニル型
    単量体;アミド基、水酸基またはカルボン酸基含
    有ビニル型単量体;メタクリロニトリル;アクリ
    ロニトリル;フマル酸ジエステル;無水マレイン
    酸;メタリルグリシジルエーテル;アリルグリシ
    ジルエーテルからなる単量体の1種または2種以
    上の重合体である、不飽和ポリエステル樹脂また
    はビニルエステル樹脂と相溶する重合体部分とか
    らなるブロツク共重合体。 2 フツ素含有基を有する重合体部分が下記一般
    式()ないし()で示される化合物の1種ま
    たは2種以上の重合体である特許請求の範囲第1
    項に記載のフツ素含有基を表面に配向させた不飽
    和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂硬
    化物。 一般式 CH2=CR1COOR2Rf1 () 式中、R1はHまたはCH3を、R2は直鎖または
    分岐状の−CnH2n−基を、Rf1は−CoF2o+1を示
    す。ただし、mは1〜10、nは1〜16の整数であ
    る。 一般式 CH2=CR1COOR3R4 () 式中、R1は一般式()のものに等しく、R3
    は−CkH2k(−OCH2CH2)−l基を、 R4は−OCpH2PCqF2qHまたは −OCpH2pCqF2q+1を示す。ただし、kは0〜10、
    lは0〜10、pは0〜10、qは1〜10の整数であ
    る。 一般式 CH2=CR1COOR2Rf2 () 式中、R1,R2は一般式()のものに等しく、
    Rf2は−CoF2oHを示す。ただし、nは1〜16の整
    数である。 一般式 CH2=CR5COOR6 () 式中、R5はF,−CHF2,−CH2F,−CF3, −OCOCH2Fまたは−OFOCF3を示し、R6は −CoH2o+1,−CoF2o+1または−CoF2oHを示す。た
    だし、nは1〜16の整数である。 一般式 【化】 式中、R1,R2,Rf1は一般式()のものに等
    しく、R7は−CnH2n+1を示す。ただし、mは1〜
    10の整数である。 一般式 【化】 式中、R1,R2,Rf1は一般式()のものに等
    しく、R7は一般式()のものに等しい。 3 不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステ
    ル樹脂に相溶する重合体部分を架橋した特許請求
    の範囲第1項に記載の不飽和ポリエステル樹脂ま
    たはビニルエステル樹脂硬化物。 4 不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステ
    ル樹脂に相溶する重合体部分の官能基が、グリシ
    ジル基もしくは水酸基であつて、架橋剤としてポ
    リアミン、ポリアミド、アミノ樹脂、多塩基酸お
    よびポリイソシアネートを用いて架橋させた特許
    請求の範囲第3項に記載の不飽和ポリエステル樹
    脂またはビニルエステル樹脂硬化物。
JP59225662A 1984-10-29 1984-10-29 フツ素含有基を表面に配向させた不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂硬化物 Granted JPS61103959A (ja)

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