JPH0586232A - 撥液性の優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

撥液性の優れた熱可塑性樹脂組成物

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JPH0586232A
JPH0586232A JP24873491A JP24873491A JPH0586232A JP H0586232 A JPH0586232 A JP H0586232A JP 24873491 A JP24873491 A JP 24873491A JP 24873491 A JP24873491 A JP 24873491A JP H0586232 A JPH0586232 A JP H0586232A
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copolymer
resin
graft
olefin
acrylic acid
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JP24873491A
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Hitoshi Futamura
均 二村
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた撥液性を有し、且つその持続性も良好
な熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 オレフィン系樹脂(a)と、α−オレフィン
(例えばプロピレン)/環状オレフィン{例えば5−ビ
ニルシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン}共重合体
を、ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル、場合によりビニル或いはビニリデン単量体と共
にラジカル重合条件に付すことにより得られるグラフト
変性共重合体(b)とを含有する樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系樹脂と、
ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルグラフトオレフィン系共重合体樹脂を含有してなる撥
液性の優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。この樹脂組
成物は押出成形、射出成形が可能であり、モーターオイ
ルや薬品の容器等の積層樹脂容器、ラミネートフィルム
用の内層皮膜用に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリフルオロアルキル基を含
有する重合体、又はポリフルオロアルキル基を含有する
単量体と他の単量体との共重合体からなる撥液性剤は公
知であり(特開昭58−59277号公報等)、このよ
うな撥液性剤をオレフィン系樹脂と溶融混練し、撥液性
成形体を製造する方法も提案されている(特開平3−7
745号公報)。
【0003】しかしながら、これらの方法で得られる樹
脂は撥液性には優れるもののアセトン、メチルエチルケ
トンなどの溶剤に対して、長時間撥液性を保持するとい
う点に関しては、必ずしも満足の行くものではなかっ
た。また、樹脂の表面を撥液化するための他の手段とし
ては (i)低表面張力の化合物で成形物の表面をコーティン
グする、 (ii)低表面張力の化合物を成形物の表面でプラズマ処
理等の方法を用いてグラフト付加させる、等の方法があ
るが、これらは一旦成形したものをさらに加工する為
に、やや工程が複雑になること、さらに(i)に関して
は撥液性層が摩擦等により容易に剥離され、短時間で撥
液性が低下すること、(ii)に関しては特殊な機械が必
要であることなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、押出成形や
射出成形が可能であり、アセトン、メチルエチルケトン
等の溶剤に対しても、長時間優れた撥液性を発揮するオ
レフィン系樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)オレフ
ィン系樹脂、および(b)炭素数2〜12のα−オレフ
ィンの少なくとも一種80〜99.95モル%と、下記
一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 は炭素数2〜5のアルキリデ
ン基またはアルケニル基;R2 は炭素数1〜5の炭化水
素基を;nは0、1または2の整数を示す。)で示され
る環状オレフィン0.05〜20モル%とからなる不飽
和共重合体樹脂を、ポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル、又はポリフルオロアルキル基
含有(メタ)アクリル酸エステルとビニル或いはビニリ
デン単量体と共にラジカル重合条件に付すことにより得
られるグラフト変性共重合体、を含有する樹脂組成物を
提供するものである。
【0008】[発明の具体的説明] 1.オレフィン系樹脂(成分(a)) オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンまたはプロ
ピレン50モル%以上と、これらと共重合しうるアクリ
ル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル等のモノマー類との共重合体等が挙げら
れる。中でも好ましい樹脂を例示すれば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、
プロピレン−4−メチルペンテン−1共重合体等であ
る。これらの樹脂としてはMFRが0.5〜100g/
10分のものが成形性の面で好ましい。
【0009】2.グラフト変性共重合体(成分(b)) グラフト変性共重合体は炭素数2〜12のα−オレフィ
ン(i)の少なくとも一種と、上記一般式(I)で表さ
れる環状オレフィン(ii)の少なくとも一種とからなる
不飽和共重合体樹脂(iii) を、ポリフルオロアルキル基
含有(メタ)アクリル酸エステル(iv)、又はポリフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとビニ
ル或はビニリデン単量体(v)と共にラジカル重合条件
に付すことにより得られるものである。
【0010】(i)α−オレフィン 不飽和共重合体樹脂(iii) を製造するための原料である
炭素数2〜12のα−オレフィンとしては、エチレン、
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1,3−メチル−ブテン1、3−メチル
−ペンテン−1,4−メチル−ペンテン−1、3,3−
ジメチル−ブテン−1、4,4−ジメチル−ペンテン−
1、3−メチルヘキセン−1、4−メチル−ヘキセン−
1、4,4−ジメチル−ヘキセン−1、5−メチル−ヘ
キセン−1、アリルシクロペンタン、アリルシクロヘキ
サン、スチレン、アリルベンゼン、3−シクロヘキシル
ブテン−1、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロペン
タン、ビニルシクロヘキサン、2−ビニルビシクロ
〔2,2,1〕−ヘプタンなどを挙げることができる。
これらのうち好ましい例は、エチレン、プロピレン、ブ
テン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペン
テン−1、スチレンなどであり、中でも特に好ましい例
は、エチレン、プロピレンである。これらのα−オレフ
ィンは二種以上用いてもさしつかえない。
【0011】(ii)環状オレフィン 不飽和共重合体樹脂を製造するためのもう一方の原料で
ある環状オレフィンは、次式(I)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1 は炭素数2〜5のアルキリデ
ン基またはアルケニル基;R2 は炭素数1〜5の炭化水
素基を;nは0、1または2の整数である)で表される
化合物である。R1 で表わされる炭素数2〜5のアルキ
リデン基としては、=CH(CH3 )、=CH(C
2 )CH3 、=CH(CH2 2 CH3 、=C(CH
3 2 、=C(CH3 )(CH2 CH3 )、=C(CH
2 CH3 2 等であり、炭素数2〜5のアルケニル基と
しては、−CH=CH2 、−CH2 −CH=CH2 、−
CH 2 −C(CH3 )=CH2 、−CH2 −CH=CH
(CH3 )、−CH2 −CH=C(CH3 2 、−CH
2 −CH2 −C(CH3 )=CH2 、−CH2 −CH 2
−CH=CH(CH3 )等を挙げることができる。nは
2までの整数であるが、0または1が好ましい。具体的
には表1に記載した化合物などを挙げることができる。
これらの環状ジエンは単独でまたは、二種以上併用して
用いても良い。
【0014】
【表1】
【0015】(iii) 不飽和共重合体樹脂 上記のα−オレフィン類(i)と環状オレフィン(ii)
とを公知のカミンスキー触媒を用いてα−オレフィン重
合体と同様の公知の方法・装置を用いてプロック及び/
又はランダム共重合することにより、不飽和共重合体樹
脂を製造することができる。
【0016】具体的には、周期律表IVB族よりなる群か
ら選ばれた遷移金属化合物及びアルミノオキサンからな
る触媒により、共重合することにより製造することがで
きる。周期律表IVB族よりなる群から選ばれた遷移金属
化合物としては、エチレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)チタニウムジクロリドなどを挙げることができる。
アルミノオキサンは下記一般式(II)
【0017】
【化4】
【0018】で表わされる有機アルミニウム化合物であ
る。この一般式において、Rは炭素数1〜5のアルキル
基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基などであり、特に好ましくはメチル基であり、nは2
以上、好ましくは4以上100以下の整数である。重合
手法としては、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、ベン
ゼン、トルエンなどの炭化水素溶媒を用いて、懸濁重合
法、溶解重合法などの液相重合法により重合することが
できる。
【0019】本発明に用いる不飽和共重合体樹脂は、環
状オレフィンの含量が0.05〜20モル%、好ましく
は0.1〜10モル%のものである。0.05モル%未
満では、不飽和共重合体樹脂中の不飽和基が少ないため
所望のグラフト率を挙げるのが難しいという欠点があ
る。一方、10モル%超過では、不飽和共重合体樹脂の
製造に際し、共重合速度が遅く、スラリー重合の場合は
溶媒可溶性の副生ポリマーが多くなり重合系の粘度が高
くなるため生産性が悪化し、生成不飽和共重合体にベタ
つきが生じたり、樹脂状を保たなかったりするなどの欠
点がある。
【0020】該不飽和共重合体樹脂の分子量は、上述の
樹脂状を保つ限り特に制限はないが、例えば、α−オレ
フィンが主としてプロピレンからなる場合は、JIS−
K−6758に準拠して測定したメルトフローレート
(MFR)が通常0.001〜3,000g/10分、
好ましくは0.01〜2,000g/10分、特に好ま
しくは0.05〜1000g/10分、に相当する分子
量のものが好ましい。また、この不飽和共重合体樹脂
は、JIS−K−7203による弾性率が500〜5
0,000kg/cm2であるものが好ましい。例えば、α−
オレフィンが主としてプロピレンからなる場合は、弾性
率は1,000〜20,000kg/cm2であるのが好まし
い。
【0021】該不飽和共重合体樹脂の例としては、前記
環状オレフィンと、前記α−オレフィン類から選ばれる
さまざまな組合せのブロック共重合体およびランダム共
重合体が挙げられるが、これらの中でも好ましいものと
しては以下のものである。プロピレン・5−ビニルシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エンランダム共重合体、
プロピレン・エチレン・8−エチリデンテトラシクロ
〔4,4,0,12, 5 ,17,10〕−3−ドデセンランダ
ム共重合体、プロピレン・ブテン−1・5−ビニルシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エンランダム共重合体、
プロピレン・8−エチリデンテトラシクロ〔4,4,
0,12,5 ,17,10〕−3−ドデセンランダム共重合
体、プロピレン・5−ビニルシクロ〔2,2,1〕ヘプ
ト−2−エンブロック共重合体等である。
【0022】(iv)ポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル 成分(b)のグラフト変性共重合体におけるグラフト単
量体として用いられるポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、たとえば CF3 (CF2 7 CH2 CH2 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 7 CH2 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF3 )CF(CF2 6 CH2 CH2 OCO
CH=CH2 CF3 (CF3 )CF(CF2 6 CH2 CH2 OCO
C(CH3 )=CH2 CF3 (CF2 6 CH2 CH2 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 6 CH2 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF2 4 CH2 CH2 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 4 CH2 CH2 OCOC(CH3 )=
CH2 CF3 (CF2 7 OCOCH=CH2 CF3 (CF2 7 OCOC(CH3 )=CH2 等が挙げられる。
【0023】(v)ビニルないしビニリデン単量体 また、場合により、グラフト単量体として上記エステル
類と共に用いられるビニルないしビニリデン単量体とし
ては、たとえば、スチレン系単量体、例えば、スチレ
ン、核置換スチレンたとえばメチルスチレン、ジメチル
スチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ク
ロルスチレン、α−置換スチレンたとえばα−メチルス
チレン、α−エチルスチレン、アクリル酸エステル(特
に、C1〜C7 アルキルエステル)、メタクリル酸エス
テル(特に、C1 〜C7 アルキルエステル)、ハロゲン
化ビニルないしビニリデン(特に、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等を使用することができ、これら
は単独または混合して用いられる。
【0024】(vi)グラフト変性共重合体の製造 グラフト変性共重合体は、上記不飽和共重合体樹脂(ii
i) を上記単量体(iv、v)と共に従来公知のラジカル
グラフト重合条件に付して製造することができる。例え
ば、不飽和共重合体樹脂と単量体の共存下、γ−線、電
子線等の放射線を照射する方法、不飽和共重合体樹脂に
放射線を照射したのち単量体を共存させる方法、溶液状
態、溶融状態あるいは分散状態で不飽和共重合体樹脂と
単量体を共存させ、ラジカル重合触媒の存在下または不
存在下でグラフト重合する方法等いずれも本発明に採用
することができる。これらのうち溶液あるいは溶融状態
でグラフト重合する方法が好ましい。
【0025】ラジカル重合触媒としては、ベンゾイルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ
クミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピ
ルパーオキシジカルボネート、2,2−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)オクタン、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、過酸化カリウム、過酸化水素などの有機および
無機過酸化物、α,α′−アゾビスイソブチロニトリル
などのアゾ化合物等がある。過酸化物は還元剤と組合せ
て、レドックス系として使用することができる。たとえ
ば過酸化水素と第一鉄塩との組合せなどがある。
【0026】これらのラジカル重合触媒はモノマーや重
合法の種類との関連において適当に選択され、一種又は
二種以上併用することもできる。ラジカルグラフト重合
反応の温度は、通常30℃〜350℃、好ましくは50
℃〜300℃、の範囲であり、重合時間は30秒〜50
時間、好ましくは1分〜24時間の範囲である。
【0027】また、ラジカル重合触媒の使用量は、不飽
和共重合体樹脂100重量部に対して0〜100重量
部、好ましくは0〜30重量部の範囲から適宜選択され
る。単量体の重合部の分子量調節が必要なときは、ラジ
カル重合で通常行われる分子量調節方法を用いることが
できる。例えば、重合温度、ラジカル重合触媒の添加
量、単量体の使用量、メルカプタン類、2,4−ジフェ
ニル−4−メチル−1−ペンテン等の分子量調節剤の添
加等によって目的を達成することができる。
【0028】グラフト変性共重合体におけるポリフルオ
ロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとビニル
ないしビニリデン単量体との共重合比は、ポリフルオロ
アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルの比率が減
ると、撥液性が低下するので重量割合で1:0〜1:9
が好ましい。又、不飽和共重合体100重量部に対し、
ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステ
ルは、0.5〜90重量部、好ましくは1〜50重量部
の割合で用いられる。ポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステルの配合比率が減ると、撥液性が
低下し、逆に量が多すぎるとグラフト変性オレフィン系
共重合体の押出成形性、射出成形性が悪くなる。
【0029】なお、グラフト共重合は、一般に「幹」重
合体の存在下に、「枝」重合体を与えるべき単量体を重
合させることに相当して、理想的な幹−枝構造の重合体
の外に、「枝」とならないこの単量体自身の重合体が副
生することがしばしば認められる。従って、本発明にお
いても「グラフト変性共重合体」はそのような副生物を
含んだ混合物を包含するものである。
【0030】3.樹脂組成物 本発明の樹脂組成物は、実質的に上記オレフィン系樹脂
(a)とグラフト変性共重合体(b)とから構成される
ものである。しかしながら、本発明の目的および効果を
逸脱しない限りにおいて、他の成分を配合することがで
きる。
【0031】例えば、各種熱安定剤、充填剤はもとよ
り、ポリテトラフルオロエチレン、顔料、分散剤、帯電
防止剤などを添加してもよい。該組成物は、グラフト変
性共重合体(b)の使用量が少なくなると撥液性が低下
し、多くなると撥液性は飽和し、又経済的にも不利にな
るので、オレフィン系樹脂(a)100重量部に対し
0.5〜50重量部添加されるのが好ましく、特に好ま
しくは1〜30重量部である。
【0032】本発明の樹脂組成物は、オレフィン系樹脂
(a)とグラフト変性共重合体(b)とを溶融混練し、
ストランド状に押し出し、カッティングすることにより
成形用のペレットを製造することができる。溶融混練に
は任意の方法を採用することができ、例えばロール、押
出機等がある。小規模ではブラベンダープラストグラフ
等がある。
【0033】
【発明の効果】本発明樹脂組成物は、水、アルコールの
みならず、アセトン、メチルエチルケトン等に対して
も、長期間撥液性を保つことが可能である。この要因と
しては、上記グラフト変性共重合体の幹部分である上記
不飽和共重合体が、オレフィン系樹脂(a)と相溶性を
有する為、強力なアンカー効果を発揮し、本来撥液性を
発する部分であるポリフルオロアルキル基含有(メタ)
アクリル酸エステル(共)重合体部を、オレフィン系樹
脂(a)に強固に固定することが可能となった為である
と考えられる。
【0034】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。グラフト変性共重合体Aの合成 セパラブルフラスコ内に、プロピレンと5−ビニルシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エンとのランダム共重合
体{5−ビニルシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン
の含量は2.4モル%}100重量部と、パーフルオロ
オクチルエチルメタクリレート20重量部、スチレン2
0重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエート2重量
部、トルエン1000重量部を供給し、120℃で6時
間反応を行った。得られた反応物を大量の冷メタノール
に注いで重合体を析出させ、濾別洗浄し、続いて減圧乾
燥させることにより、グラフト変性共重合体Aを得た。
【0035】グラフト変性共重合体Bの合成 不飽和共重合体樹脂として、プロピレンと8−エチリデ
ンテトラシクロ〔4,4,0,12,5 ,17,10〕−3−
ドデセンとのランダム共重合体{プロピレン含量97.
2モル%}を使用する以外は、上記共重合体Aと同様の
方法にて反応を実施し、共重合体Bを得た。
【0036】グラフト変性共重合体Cの合成 上記共重合体Aの合成において、不飽和共重合体樹脂の
代わりに,プロピレンホモ重合体(MFR 3.5g/
10分)を用いる以外は、共重合体Aの合成と同じ方法
にて反応を行い共重合体Cを得た。
【0037】実施例1 ポリプロピレン(三菱油化社製:MA4)100重量部
と、上記共重合体A10重量部をブラベンダープラスト
グラフを用いて230℃、60rpm で5分間溶融混練し
て樹脂組成物を得た。これを190℃、圧力100kg/c
m2にて5分間プレスして、100×100×1mmのシー
トを成形した。
【0038】実施例2 実施例1において、共重合体Aのかわりに共重合体Bを
使用した以外は、実施例1と同じ方法にてシートを作製
した。
【0039】実施例3 ポリエチレン(三菱油化社製:YK30)100重量
部、上記共重合体A10重量部をブラベンダープラスト
グラフを用いて、180℃、60rpm で5分間溶融混練
して樹脂組成物を得た。ついでこれを160℃、圧力1
00kg/cm2にて5分間プレスして、100×100×1
mmのシートを成形した。
【0040】実施例4 実施例3において、共重合体Aのかわりに共重合体Bを
使用した以外は、実施例3と同じ方法にてシートを作製
した。
【0041】比較例1 実施例1において、共重合体Aのかわりに共重合体C2
部を使用する以外は、実施例1と同じ方法にてシートを
作製した。 [評価試験例]上記実施例1〜4および比較例1で得ら
れたシートを用いて、イオン交換水にて接触角を測定し
た。更に持続性評価として、23℃アセトンに1〜24
時間浸漬、79.5℃メチルエチルケトンに1時間浸漬
した後、イオン交換水にて接触角を測定した。この結果
を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から明らかなように、不飽和共
重合体を幹ポリマーとして使用したグラフト変性共重合
体(実施例1〜4)は、アセトン等で浸浸処理しても接
触角は若干低下、即ち撥水性は若干低下するのみである
が、プロピレンホモ重合体(比較例1)を幹ポリマーと
して使用したグラフト変性共重合体は、アセトン等の浸
漬により、接触角はかなり低下、即ち撥水性はかなり低
下していることがわかる。
【0044】これは幹ポリマーが不飽和共重合体樹脂の
場合は、該樹脂中の不飽和部とポリフルオロアルキル基
含有(メタ)アクリル酸エステル重合体部がグラフト反
応により強固に固定されている為、ポリフルオロアルキ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体の良溶媒で
あるアセトン、メチルエチルケトンで処理しても、ソー
ト表面からポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル重合体が遊離しにくく、従って撥水性が低
下しにくくなっているものと考えられる。
【0045】これに対し、幹ポリマーがプロピレンホモ
重合体の場合は、プロピレンホモ重合体に一般的には不
飽和部がないので、ポリフルオロアルキル基含有(メ
タ)アクリル酸エステル重合体部とプロピレンホモ重合
体とのグラフト反応が起こりにくく、アセトン等で処理
すると、シート表面からポリフルオロアルキル基含有
(メタ)アクリル酸エステル重合体が遊離しやすくなっ
ている為、接触角が低下、すなわち撥水性が低下するも
のと考えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)オレフィン系樹脂、および(b)
    炭素数2〜12のα−オレフィンの少なくとも一種80
    〜99.95モル%と、下記一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は炭素数2〜5のアルキリデン基またはア
    ルケニル基;R2 は炭素数1〜5の炭化水素基を;nは
    0、1または2の整数を示す。)で示される環状オレフ
    ィン0.05〜20モル%とからなる不飽和共重合体樹
    脂を、ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸
    エステル、又はポリフルオロアルキル基含有(メタ)ア
    クリル酸エステルとビニル或いはビニリデン単量体と共
    にラジカル重合条件に付すことにより得られるグラフト
    変性共重合体、を含有する熱可塑性樹脂組成物。
JP24873491A 1991-09-27 1991-09-27 撥液性の優れた熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH0586232A (ja)

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JP24873491A JPH0586232A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 撥液性の優れた熱可塑性樹脂組成物

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5792712A (en) * 1995-04-04 1998-08-11 Daiken Iki Co., Ltd. Microbicidal mat and methods of manufacturing and using the same

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US5792712A (en) * 1995-04-04 1998-08-11 Daiken Iki Co., Ltd. Microbicidal mat and methods of manufacturing and using the same

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