JPH058574U - 電子写真式プリンタの定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 定着ローラの部分的な摩耗を抑制して、定着
ローラの寿命を長くする電子写真式プリンタの定着装置
を提供することを目的とする。 【構成】 記録紙Ｐに形成された画像を定着させる定着
ローラ１と、先端が定着ローラ１に接触して、記録紙Ｐ
を定着ローラ１から分離させる分離部材３と、分離部材
３を定着ローラ１の軸方向に移動させる移動手段１０と
を備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子写真式によって画像を形成するプリンタにおいて、感光体から 転写された画像を記録紙に定着させる定着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、電子写真式プリンタは感光体にレーザ光を走査して潜像を形成し、こ の潜像をトナーなどの現像剤により現像することにより顕像化し、この顕像化し た画像を記録紙に転写する構成となっている。そして、記録紙に転写された画像 を定着させるため、記録紙の搬送路には定着装置が配設されている。定着装置は 加熱状態の定着ローラと、定着ローラに転接する加圧ローラとを備え、これらロ ーラによって記録紙を加熱、加圧することにより画像を記録紙に定着させる。か かる定着装置においては、定着後の記録紙を定着ローラから剥離（分離）させる 必要がある。このため従来では、定着ローラの表面にテフロン等をコーティング して記録紙が分離し易くすると共に、定着ローラに接触する分離部材を組み込む ようにしている。この分離部材は爪形状に形成され、その先端部分がばね等の弾 性体により付勢された状態で、定着ローラに鋭角に接触するようになっている。 したがって、定着ローラによる画像の定着が完了した記録紙は、これに摺接する 分離部材の先端部分により定着ローラから分離される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来の定着装置では、分離部材の先端部が常に定着ローラとの定 位置で接触しているため、この接触部分の摩耗（コーティングの剥がれ）が他の 非接触部分よりも早く進行する。そして、定着ローラの部分的摩耗の進行により 記録紙にすじ状の汚れが発生して画質が低下する。このため従来装置では、部分 的な摩耗にもかかわらず、定着ローラの交換頻度が多くなる問題を有していた。

【０００４】 本考案は上記事情を考慮してなされたものであり、定着ローラの部分的な摩耗 を抑制して定着ローラの寿命を長くする電子写真式プリンタの定着装置を提供す ることをその目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成すべく本考案は、記録紙に形成された画像を定着させる定着ロ ーラと、先端が定着ローラに接触して、記録紙を定着ローラから分離させる分離 部材と、分離部材を定着ローラの軸方向に移動させる移動手段とを備えることを 特徴とする。

【０００６】 この場合、移動手段は分離部材が取り付けられた支軸と、この支軸の端部が当 接し回転により支軸を定着ローラの軸方向に移動させるカム部材とを有すること が好ましい。

【０００７】

【作用】

移動手段が、分離部材を定着ローラの軸方向に移動させるため、定着ローラに 対する分離部材の接触位置が変動する。このため定着ローラ表面の特定部分の摩 耗が抑制される。

【０００８】

【実施例】

図１乃至図３に基づいて、本考案の一実施例に係る電子写真式プリンタの定着 装置について説明する。図１は定着装置の断面図であり、図２は定着装置の平面 図であり、図３はカム部材回りの詳細図である。図１に示すように、この定着装 置は記録紙Ｐを挟んで、上方の定着ローラ１に下方の加圧ローラ２が転接する構 造になっており、これら定着、加圧両ローラ１，２の間を、記録紙Ｐが定着処理 されながら搬送される。これら定着、加圧両ローラ１，２は電子写真方式により 記録紙Ｐに画像を形成する画像形成部の下流側、記録紙Ｐの搬送路の途中に設け られている。

【０００９】 画像形成部はいずれも図示を省略するが、レーザ光など走査によって表面に静 電潜像が形成される感光体と、感光体にトナーなどの現像剤を供給して静電潜像 をトナー像として現像する現像器と、現像されたトナー像をコロナ放電により記 録紙に転写する転写チャージャと、その他の周辺機器とを備えて構成されている 。この場合、定着ローラ１は内部にヒータを備えることにより加熱状態となって おり、この加熱状態で記録紙Ｐに転接することにより、記録紙Ｐに転写されたト ナー像を溶融、定着させる。また、記録紙Ｐの搬送方向の下流側には爪形状の分 離部材３が組み込まれており、この分離部材３の先端部３ａが定着ローラ１の表 面に接触して、記録紙Ｐを定着ローラ１から分離できるようになっている。

【００１０】 次に、この分離部材３を図１および図２により詳細に説明する。図２に示すよ うに、電子写真式プリンタ本体のフレーム４，４には支軸５が回転可能に掛け渡 され、この支軸５にブラケット６がその両外端部分で取り付けられている。ブラ ケット６は、支軸５に沿って長手方向に延びており、このブラケット６に分離部 材３が所定間隔で複数取り付けられている。また、支軸５は定着ローラ１の軸方 向と平行に延びているため、複数の分離部材３は定着ローラ１の軸方向に沿って 配設された状態となっている。各分離部材３はブラケット６に取り付けられるピ ン７を基端部３ｂに有すると共に、図１に示すように各ピン７にばね８が装着さ れており、これにより定着ローラ１表面のコーティングを傷付けないような軽い 圧接力で各分離部材３の先端部３ａが定着ローラ１に接触している。また支軸５ における一端側（右端側）には支軸５を定着ローラ１の軸方向に移動させる移動 手段１０が設けられている。

【００１１】 図２に示すように、移動手段１０はモータ１１と、モータ１１の出力ギヤ１２ に歯合した減速ギヤ１３と、減速ギヤ１３に歯合するギヤ部１４ａを有したカム 部材１４とを備えている。また支軸５の右端部にはカム部材１４の板カム１５に 当接する矢尻形状のカム突起１６が取り付けられている（図３参照）。さらに支 軸５の左端部には、支軸５を板カム１５方向に付勢する押圧ばね１７が取り付け られている。図３は板カム１５の形状を示し、その外周のカム面は回転軸１８の 軸芯からそれぞれ異なった距離を有した凹面１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄが ９０°間隔で形成されている。かかる移動手段１０のモータ１１は定着ローラ１ が所定数回転したときに、駆動されるようになっている。このため定着ローラ１ の回転軸にはエンコーダ（図示せず）が取り付けられ、その回転数が検出される と共に、このエンコーダにはコントローラ（図示せず）が接続され、当該コント ローラによりモータ１１の駆動が制御されるようになっている。

【００１２】 以上の構成において、図３に示すようにカム突起１６が板カム１５の一つ凹面 １５ａに衝合している状態で電子写真方式によるプリントが行われ、定着ローラ １が所定回転すると、その回転数がエンコーダからコントローラに送られる。コ ントローラは定着ローラ１の回転数が一定以上となったとき、モータ１１を駆動 する。これにより板カム１５の次の凹面１５ｂがカム突起１６に衝合するまでモ ータ１１が駆動される。かかる凹面１５ｂの衝合により、カム突起１６が移動す るため支軸５はカム突起１６の移動量だけ定着ローラ１の軸方向に移動される。 このため各分離部材３は支軸５と一体的に同方向に同量が移動され、定着ローラ １との接触部位が変動することとなる。同様に、カム突起１６は所定の回転数毎 に凹面１５ｃ，１５ｄ、そして再度凹面１５ａというように移動を繰り返す。従 って、分離部材３は定着ローラ１の定位置に接触することがなく、定着ローラ１ の回転数に応じて、その接触位置が変化するため、定着ローラ１の特定部位の摩 耗部材を抑制することができる。このため定着ローラ１の表面状態を良好に保持 できるため、摩耗に起因する定着ローラ１の交換頻度を削減させることができる 。

【００１３】 なお上記実施例では、分離部材３の移動をモータ１１およびカム部材１４によ り行っているが、ソレノイドやシリンダその他の手段で行ってもよい。また、カ ム部材１４として円筒カムを用いて分離部材３を連続的に移動させるようにして もよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように本考案では、移動手段によって分離部材を移動させて、定着ロー ラとの接触部位を変動させるため、定着ローラの部分的摩耗が防止でき、定着ロ ーラの寿命を長くすることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る定着装置の側面図であ
る。

【図２】本考案の一実施例に係る定着装置の平面図であ
る。

【図３】移動手段を示す拡大正面図である。

【符号の説明】

１…定着ローラ ４…分離部材 ５…支軸 １０…移動手段 １４…カム部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録紙に形成された画像を定着させる定
   着ローラと、 先端が前記定着ローラに接触して、記録紙を当該定着ロ
   ーラから分離させる分離部材と、 前記分離部材を前記定着ローラの軸方向に移動させる移
   動手段とを備えることを特徴とする電子写真式プリンタ
   の定着装置。
2. 【請求項２】 前記移動手段は、前記分離部材が取り付
   けられた支軸と、 前記支軸の端部が当接し、回転により当該支軸を前記定
   着ローラの軸方向に移動させるカム部材とを有すること
   を特徴とする請求項１記載の電子写真式プリンタの定着
   装置。