JPH0585724U - コンベア装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、搬送されるパレット上にワークを
組立ててゆくようなコンベア装置において、作業性の改
良を図ったコンベア装置に関する。 【構成】 ワーク積載部２とワーク降し部３の間を結ぶ
組付ラインｖの下方に戻りラインｒを設け、組付ライン
ｖのパレット５上でワークＷを組み付け、組付ラインｖ
の末端から空パレット５を戻りラインｒを介して循環さ
せるようにしたコンベア装置Ｌ、Ｒにおいて、パレット
５の一端側を支持して他端側をラインｖの側方に突出さ
せ、この突出したパレット５下方に開放空間部Ｓを設け
ることにより、作業員がパレット５に近づいて作業出来
るようにする。又、同形の一対のコンベア装置Ｌ、Ｒを
隣り合わせて設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、搬送されるパレット上にワークを組立ててゆくようなコンベア装置 において、作業性の改良を図ったコンベア装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば自動二輪車の組立ラインにおいては、コンベア上を流動するパレ ット上に順次ワークを組み付けてゆくような設備が設けられることがある。 そしてかかるコンベア装置として、例えばチェーン等によって組付ラインに沿 って流動するパレットが作業員の作業可能な高さ位置に設定され、組付ラインの 末端部から空パレットが下方にターンして、組付ラインの下方に平行に形成され る戻りラインに沿って組付ラインの始点に戻すようなパレット循環方式の装置が 一般的である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このようなタイプのコンベア装置は、組付ラインを流動するパレッ トの下方に戻りラインが形成されているため、パレットの下方の空間が塞がり、 ライン側方で作業する作業員は、一定量以上パレットに近寄れないため、前かが みでパレット上に乗り出した姿勢でワークを組み付ける必要があった。このため 、特に長時間作業のような場合には身体に無理がかかり、疲れやすくなるという 問題があった。 又、ライン上の１ヶ所で組付作業にトラブル等が発生した際にも、パレット上 に複数人が手を差し伸べることが出来ず、作業を援助しにくいという問題もあっ た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

かかる課題を解決するため、本考案は組付ラインのパレットの一端側を支持し て他端側をラインの側方に突出させ、この突出したパレット下方に開放空間部を 設けるようにした。

【０００５】

【作用】

パレットの下方の空間部を開放して作業者の下半身を差し入れることが出来る ようにすれば、パレットに近づいて作業することが出来、作業姿勢が自然となり 長時間作業でも疲れにくい。 又、パレットの一端側を支持すれば残りの三方が開放され、複数の作業員が同 時に作業に加わることが出来るため、トラブル等が生じても早期回復が可能とな る。つまり、ラインの流動のスムース化が図れる。

【０００６】

【実施例】

本考案のコンベア装置の実施例について添付した図面に基づき説明する。 図１、図２はコンベア装置の全体図で、図１は平面図、図２は正面図、図３か ら図５は一部拡大図で、図３は平面図、図４は図３のＡ視による正面図、図５は 図３のＢ―Ｂ線からの側面図、図６は図３のＣ―Ｃ線からの側面図である。

【０００７】 本考案のコンベア装置は、自動二輪車のエンジンの組立工程に適用され、図１ 、図２に示すように、コンベア本体１が、ワーク積載部２とワーク降し部３の間 に設けられている。

【０００８】 そして、前記ワーク積載部２とワーク降し部３には、夫々反転装置４、４が設 けられるとともに、コンベア本体１は、中央線を境にして対称形の２列の搬送コ ンベアＬ、Ｒが隣り合って構成され、例えば一方側の搬送コンベアＬを流動する パレット上でエンジンのロアケース側を組み立て、他方側のコンベア装置Ｒを流 動するパレット５上でアッパケース側を組み立てるようにしている。

【０００９】 因みに、かかるロアケースとアッパケースは対とされ、例えばお互いに一旦ボ ルト結合した後、両者間に跨がって設ける必要のあるベアリング孔等の孔加工を し、その後再び結合を解いて夫々を搬送コンベアＬ、Ｒに沿って流動させるよう にしている。そして、組み付けの終えた夫々のワークをワーク降し部３で降ろし 、これを合体させてエンジンを組み立てる。このため、対の異なった同士を合体 させたのでは不具合が生じるものである。

【００１０】 尚、かかる搬送コンベアＬは、図２に示すように、パレット５の一端側が支持 されて水平姿勢で流動する組付ラインｖと、パレット５が垂直姿勢となって流動 する戻りラインｒが枠体６の上下に構成されている。そして、搬送コンベアＲ側 の構成もこの形態と同一である。

【００１１】 組付ラインｖは枠体６の側方上部に構成されている。 すなわち、この枠体６の上縁部には、図５に示すように、支持部材７を介して 搬送用ガイドレール板８が固着されており、この搬送用ガイドレール板８は、プ レート面を水平にして設けられるとともに、図３に示すように、組付ラインｖに 沿って延出している。

【００１２】 そして、パレット５の一端側寄りの下方には、複数のローラ１０、…が設けら れ、前記搬送用ガイドレール板８の両端面に係合している。 つまり、このローラ１０は、パレット底板５ａに垂直に取付けられる軸１１（ 図４）まわりに回転自在とされるとともに、パレット５の中央から一端側寄りに 偏って設けられ、実施例では、一方側に３個、他方側に２個、合計５個のローラ １０によって搬送用ガイドレール板８を挟み付け、パレット５の他端側を側方に 突出させて枠体６から遠ざけるようにしている。そして、水平姿勢のパレット５ の下方に後述するような開放された空間部Ｓを形成するようにしている。

【００１３】 ところで、コンベア本体１の両端部には、枠体６上部に搬送用減速機付駆動モ ータ１２を配設している。

【００１４】 そして、この搬送用減速機付駆動モータ１２の出力軸１２ａ先端には、スプロ ケット１４が設けられ、このスプロケット１４の回転を伝達チェーン１５、伝達 軸１６を介して搬送チェーン１７に伝達するようにしている。

【００１５】 そしてこの搬送チェーン１７は、図４に示すように、垂直面内の周回路として 組付ラインｖに沿って設けられ、又、図５に示すようにパレット５の基端側下方 の位置を通過すべく枠体６上部に設けられている。

【００１６】 この搬送チェーン１７には、図７に示すようなパレット５側の爪１８が係合し ている。 つまりこの爪１８は、パレット底板５ａの搬送方向の前後端部に夫々設けられ 、基端部がブラケット２０に軸２１で枢着されるとともに、先端部がスプリング ２２によって下方に付勢されている。

【００１７】 そしてこの爪１８形状は、夫々の外側面が内方に向かって湾曲する弧状となり 、又、内側面は夫々の爪先端を尖らすように湾曲している。そして、スプリング ２２力は、組み付け作業時に作業員がパレット５上のワークに部品を組み付けて いる位の抵抗によって爪１８が搬送チェーン１７から外れる程度とし、ワークか ら手を離すと爪１８が下がって搬送チェーン１７に引っ掛かかる程度のスプリン グ力としている。

【００１８】 次に反転装置４について説明する。

【００１９】 反転装置４は組付ラインｖの両端部のワーク積載部２とワーク降し部３に設け られ、組付ラインｖの末端側のワーク降し部３では水平姿勢のパレット５を垂直 姿勢に変換し、反対側のワーク降し部３では垂直姿勢のパレット５を水平姿勢に 変換することが出来るようにされている。

【００２０】 ワーク降し部３の反転装置４は、図３に示すように、搬送コンベアＬとＭの中 間に立設された反転シリンダユニット２４Ｌ、２４Ｒを備え、これら反転シリン ダユニット２４Ｌ、２４Ｒは、夫々の基端部を枢着軸２５Ｌ、２５Ｒによって枠 体６下部に揺動自在に枢着され、又、各シリンダロッドの上端が、図６に示すよ うに各リンク部材２６を介して各回動軸２７に連結している。 尚、反転シリンダユニット２４Ｌは、搬送コンベアＬ用であり、反転シリンダ ユニット２４Ｒは、搬送コンベアＲ用である。

【００２１】 そして、シリンダロッド先端とリンク部材２６はピン２７で枢着されており、 リンク部材２６の他端側は回動軸２８に固着されている。そしてこの回動軸２８ に反転台３０が固着されている。

【００２２】 又、この反転台３０には、反転ガイドレール板３１が取付けられている。この 反転ガイドレール板３１は、反転台３０が水平姿勢の時は前記搬送ガイドレール 板８の延長線上に臨み（図３）、又、反転台３０が垂直姿勢になった時は後述す る戻りガイドレール板３８の延長線上に臨むようにするとともに（図４の鎖線） 、これら搬送ガイドレール板８、反転ガイドレール板３１、戻りガイドレール板 ３８の板幅、板厚等の諸元をすべて同一としている。

【００２３】 このため、パレット５のローラ１０は搬送ガイドレール板８から反転ガイドレ ール板３１に、又、反転ガイドレール板３１から戻りガイドレール板３８に夫々 乗り移ることが出来るが、搬送ガイドレール板８から反転ガイドレール板３１に 乗り移させるための押込みシリンダユニット３２を枠体６上部に設け、又、反転 ガイドレール板３１から戻りガイドレール板３８にも乗り移させるための押出し シリンダユニット３３を前記反転台３０に設けている。

【００２４】 つまり、押込みシリンダユニット３２は、図３に示すようにパレット５の基端 部側に係合自在な爪３４に連結しており、この爪３４はパレット５側の外方に向 けてスプリング等で付勢されるとともに、搬路の上流側が先細りのテーパ部とさ れている。

【００２５】 このため、搬送されるパレット５の基端部が爪３４のテーパ部に係合すると、 爪３４は内側に押されて内方に没入し、パレット５が通過すると突出してパレッ ト５端部を引掛ける。そして押込みシリンダユニット３２の作動によってパレッ ト５を反転ガイドレール板３１に向けて押込む。

【００２６】 又、前記押出しシリンダユニット３３側にも爪３５が設けられ、同様にパレッ ト５基端部に係合可能とされるとともに、ストッパの機能も兼ね備えている。 そして、この押出しシリンダユニット３３の作動によってパレット５を戻りガ イドレール板３８に向けて押出す。 尚、前述のワーク積載部２の反転装置４もこれと同様に構成されている。

【００２７】 次に戻りラインｒの構成について説明する。

【００２８】 戻りラインｒは組付ラインｖの下方に設けられており、図５に示すように、枠 体６の中間支柱に固着される支持部材３７を介してプレート面を垂直にした戻り ガイドレール板３８と、該中間支柱に取付けられるスプロケット４０に噛合する 戻りチェーン４１を備えている。

【００２９】 そしてこの戻りガイドレール板３８と戻りチェーン４１は、戻りラインｒに沿 って延出しており、戻りチェーン４１は垂直面内に循環路を形成している。

【００３０】 又、枠体６底部には戻り用減速機付駆動モータ４２が設けられている。そして この戻り用減速機付駆動モータ４２の出力軸４２ａにはスプロケット４３が設け られ、伝達チェーン４４ａ、４４ｂ、伝達軸４５を介して前記スプロケット４０ に回転駆動力を伝達するようにしている。

【００３１】 又、パレット底板５ａには、前記搬送チェーン１７係合用の爪１８の位置とは 逆の縁端部に、戻りチェーン４１に係合可能な不図示の爪を設けている。

【００３２】 このため、戻り用減速機付駆動モータ４２の作動によって戻りチェーン４１が 循環走行し、この戻りチェーン４１によってパレット５が垂直姿勢で戻りガイド レール板３８に沿って走行する。

【００３３】 尚、かかる戻りラインｒは、パレット５が垂直姿勢で走行するため、ラインの 側方への張り出しが少なくなり、図５に示すように、組付ラインｖを走行する水 平姿勢のパレット５の下方の空間部Ｓを広く開放することが出来る。

【００３４】 以上のようなコンベア装置の作用について述べる。

【００３５】 ワーク積載部２からパレット５が搬送チェーン１７に爪１８を引掛けた状態で 搬送されてくると、組付ラインｖ側方の適所に位置する作業員によってパレット ５上にワークＷの組み付けが行われる。

【００３６】 そして作業員がパレット５上のワークＷに組付部品を組み付けている間、パレ ット５の爪１８は搬送チェーン１７から外れ、搬送チェーン１７のみが空回りの 状態で周回走行する。

【００３７】 この時の作業員の姿勢は、図５に示すように、パレット５の下方の空間部Ｓに 下半身を差し込むことが出来、パレット５に近づいくため自然な体勢をとること が出来る。

【００３８】 又、何等かの組み付け上のトラブルが発生したような場合でも、図１のＸのよ うに三方から作業者の援助を受けることが出来、ラインの流動をより早期に回復 することが出来る。

【００３９】 そして、組付ラインｖの末端まで流動すると押込みシリンダユニット３２の爪 ３４が一旦パレット５によって押込まれて没入した後、通過とともに再び突出し てパレット５端部に係合し、押込みシリンダユニット３２の作動によってパレッ ト５を反転装置４に向けて押込む。

【００４０】 反転装置４では、不図示の位置決めピンがパレット５を位置決めし、作業者が ワークＷを取外すとこれを不図示の光電管が検知して反転シリンダユニット２４ Ｌを作動させる。そして反転台３０が９０度回転すると、パレット５の姿勢は水 平姿勢から垂直姿勢となり、次いで押出しシリンダユニット３３によってパレッ ト５を戻りガイドレール板３８に向けて押出す。

【００４１】 この時、パレット５の爪が戻りチェーン４１に引っ掛かり、パレット５をワー ク積載部２に向けて移送する。

【００４２】 ワーク積載部２では、反転装置４が９０度反転姿勢で待機しており、以上と逆 動作によってパレット５の姿勢を水平姿勢に変換し組付ラインｖに戻す。そして かかる動作を繰り返す。

【００４３】 尚、かかる搬送コンベアＬの作業と並行して、他方の搬送コンベアＲでも同様 な作業が行われ、一対のアッパケースとロアケースを同時に組み付けてゆく。

【００４４】

【考案の効果】

以上のように本考案のコンベア装置は、組付ラインのパレットの下方の空間部 を開放して作業者の下半身を差し入れることが出来るようにしたため、従来のよ うに作業姿勢が不自然な前かがみ状態とならず、長時間作業でも疲れにくい。 又、パレットの一端側を支持しているため、残りの三方が開放され複数の作業 員が同時に作業に加わることが出来る。このため、組付トラブル等が生じても早 期回復が可能となって、ラインの流動がスムースとなる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンベア装置全体の平面図

【図２】コンベア装置全体の正面図

【図３】一部を拡大した平面図

【図４】図３のＡ視による正面図

【図５】図３のＢ―Ｂ線からの側面図

【図６】図３のＣ―Ｃ線からの側面図

【図７】パレットの爪の拡大図

【符号の説明】

１ コンベア本体 ２ ワーク積載部 ３ ワーク降し部 ４ 反転装置 ５ パレット ｖ 組付ライン ｒ 戻りライン Ｓ 空間部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｇ 47/90 Ｄ 8010−3Ｆ (72)考案者 古田 慎司 静岡県浜松市葵東１丁目13番１号 本田技 研工業株式会社浜松製作所内 (72)考案者 星野 豊 静岡県浜松市葵東１丁目13番１号 本田技 研工業株式会社浜松製作所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 組付ラインに沿って搬送されるパレット
   上に順次ワークを組み付け、該組付ラインの末端から戻
   りラインを介して空パレットを循環させるようにしたコ
   ンベア装置において、前記組付ラインのパレットの一端
   側を支持して他端側をラインの側方に突出させ、この突
   出したパレット下方に開放空間部を設けるようにしたこ
   とを特徴とするコンベア装置。