JPH0585643B2 - - Google Patents
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- JPH0585643B2 JPH0585643B2 JP60071209A JP7120985A JPH0585643B2 JP H0585643 B2 JPH0585643 B2 JP H0585643B2 JP 60071209 A JP60071209 A JP 60071209A JP 7120985 A JP7120985 A JP 7120985A JP H0585643 B2 JPH0585643 B2 JP H0585643B2
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Description
[発明の技術分野]
本発明は優れた耐熱性ならびに機械的強度を備
え、とくに、補強用繊維として好適なポリシアノ
アリールエーテル繊維に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 近年、各種プラスチツク材料の応用範囲が広が
るにつれて、その特性、例えば機械的強度や耐熱
性に対する要求が厳しくなつてきている。そこ
で、プラスチツク材料に高い機械的強度を発見さ
せるために、補強用繊維を充填することが一般に
行なわれている。 かかる補強用繊維としては、無機系材料よりな
るもの、または合成樹脂よりなるもの等各種のも
のが知られている。しかしながら、無機系材料よ
りなるものは、その製造に多くの工程を要するた
め大量安価に得ることが困難であり、一方、合成
樹脂よりなるものは、製造は容易であるものの、
反面、繊維自体の耐熱性ならびに機械的強度が必
ずしも充分ではないという問題がある。そのた
め、更に高い耐熱性ならびに機械的強度を備えた
合成樹脂からなる補強用繊維への要請が強い。 [発明の目的] 本発明は、従来のかかる要請に応え、特定の構
造を有するポリシアノアリールエーテルから得ら
れる高い耐熱性ならびに機械的強度を備えた補強
用繊維の提供を目的とする。 [発明の概要] 本発明のポリシアノアリールエーテル繊維は、 次式:
え、とくに、補強用繊維として好適なポリシアノ
アリールエーテル繊維に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 近年、各種プラスチツク材料の応用範囲が広が
るにつれて、その特性、例えば機械的強度や耐熱
性に対する要求が厳しくなつてきている。そこ
で、プラスチツク材料に高い機械的強度を発見さ
せるために、補強用繊維を充填することが一般に
行なわれている。 かかる補強用繊維としては、無機系材料よりな
るもの、または合成樹脂よりなるもの等各種のも
のが知られている。しかしながら、無機系材料よ
りなるものは、その製造に多くの工程を要するた
め大量安価に得ることが困難であり、一方、合成
樹脂よりなるものは、製造は容易であるものの、
反面、繊維自体の耐熱性ならびに機械的強度が必
ずしも充分ではないという問題がある。そのた
め、更に高い耐熱性ならびに機械的強度を備えた
合成樹脂からなる補強用繊維への要請が強い。 [発明の目的] 本発明は、従来のかかる要請に応え、特定の構
造を有するポリシアノアリールエーテルから得ら
れる高い耐熱性ならびに機械的強度を備えた補強
用繊維の提供を目的とする。 [発明の概要] 本発明のポリシアノアリールエーテル繊維は、 次式:
【化】
で示される繰り返し単位を80モル%以上含有し、
かつ、数平均分子量が20000〜70000であるポリシ
アノアリールエーテルを360〜420℃で溶融紡糸し
た繊維が、該繊維の溶融温度以下の温度において
延伸されてなることを特徴とする。 まず、本発明において、上述した特徴を有する
ポリシアノアリールエーテルが本発明繊維の素材
として使用される。 このようなポリシアノアリールエーテルにおい
て、()式で示される繰り返し単位の含有量が
80モル%未満の場合には、後述する工程により得
られるポリシアノアリールエーテル繊維の強度及
び耐熱性が低下するので不都合である。好ましく
は90〜100モル%である。 また繊維素材として使用されるポリシアノアリ
ールエーテルは、()式で示される繰り返し単
位の外に、 次式:
かつ、数平均分子量が20000〜70000であるポリシ
アノアリールエーテルを360〜420℃で溶融紡糸し
た繊維が、該繊維の溶融温度以下の温度において
延伸されてなることを特徴とする。 まず、本発明において、上述した特徴を有する
ポリシアノアリールエーテルが本発明繊維の素材
として使用される。 このようなポリシアノアリールエーテルにおい
て、()式で示される繰り返し単位の含有量が
80モル%未満の場合には、後述する工程により得
られるポリシアノアリールエーテル繊維の強度及
び耐熱性が低下するので不都合である。好ましく
は90〜100モル%である。 また繊維素材として使用されるポリシアノアリ
ールエーテルは、()式で示される繰り返し単
位の外に、 次式:
【化】
(式中、Arは、
【式】以外
の二価のアリール基を表わす)
で示される繰り返し単位の少なくとも1種を20モ
ル%未満含有した共重合体であつてもよい。 ()式中のArとしては、例えば、
ル%未満含有した共重合体であつてもよい。 ()式中のArとしては、例えば、
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】があげられる。
次に、上記した数平均分子量は、このポリシア
ノアリールエーテルをN−メチルピロリドンに溶
解してその濃度を70mg/dlとしたとき、この溶液
の高温ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー
法(測定温度135℃)によるポリスチレン換算の
数平均分子量をいう。 この数平均分子量が20000未満の場合には、繊
維に充分な耐熱性及び機械的強度が発現せず、ま
た、70000を超えると均質な溶融紡糸繊維が得ら
れず、その結果、繊維を延伸処理することが困難
になる。好ましくは、数平均分子量が25000〜
65000である。なお、後述する重合反応において
反応温度と反応時間とを適宜に選定することによ
り、数平均分子量の調節を行なうことができる。 以上のような特徴を有するポリシアノアリール
エーテルにおいては、()式で示される繰り返
し単位が直鎖状に、又は、()式、()式で示
される両繰り返し単位が互いに無秩序にあるいは
秩序立つて直鎖状に、連結して構成されており、
その末端は、−H,−X,
ノアリールエーテルをN−メチルピロリドンに溶
解してその濃度を70mg/dlとしたとき、この溶液
の高温ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー
法(測定温度135℃)によるポリスチレン換算の
数平均分子量をいう。 この数平均分子量が20000未満の場合には、繊
維に充分な耐熱性及び機械的強度が発現せず、ま
た、70000を超えると均質な溶融紡糸繊維が得ら
れず、その結果、繊維を延伸処理することが困難
になる。好ましくは、数平均分子量が25000〜
65000である。なお、後述する重合反応において
反応温度と反応時間とを適宜に選定することによ
り、数平均分子量の調節を行なうことができる。 以上のような特徴を有するポリシアノアリール
エーテルにおいては、()式で示される繰り返
し単位が直鎖状に、又は、()式、()式で示
される両繰り返し単位が互いに無秩序にあるいは
秩序立つて直鎖状に、連結して構成されており、
その末端は、−H,−X,
【式】
【式】(ただし、
Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基、又はアルキル基を表わし、Xはハロゲン
原子を表わす)などでブロツクされている。 上述したポリシアノアリールエーテルは、例え
ば、次のようにして製造することができる。すな
わち、ジハロゲノベンゾニトリルと4,4′−ビフ
エノールのアルカリ金属塩および必要に応じて他
の二価フエノールのアルカリ金属塩とを溶媒の存
在下で重合反応させたのち、水又はアルコールで
処理することにより、ポリシアノアリールエーテ
ルが得られる。 本発明のポリシアノアリールエーテル繊維は、
次のようにして製造される。 すなわち、まず、上記したポリシアノアリール
エーテルを溶融紡糸する。この溶融紡糸工程で
は、通常の方法を適用することができ、溶融温度
は360〜420℃、好ましくは370〜400℃である。 次いで、得られた溶融紡糸繊維を延伸する。こ
の延伸工程は、ポリシアノアリールエーテルのガ
ラス転移温度以上融点(上記溶融温度)未満の温
度で行なうことが必要である。ガラス転移温度未
満の温度では延伸が不可能であり、また、融点よ
り高い度では、ポリシアノアリールエーテルは溶
融してしまい、紡糸繊維を配向して高強度化する
という目的が達成されないからである。好ましく
は、230〜270℃の温度で延伸を行なうとよい。 また、このときの延伸倍率は高水準の機械的強
度が得られるという点からして2〜8倍、好まし
くは3〜6倍である。 [発明の実施例] 実施例 1 内容積5のセパラブルフラスコの、2,6−
ジクロロベンゾニトリル215g(1.25モル)と、
4,4′−ビフエノール232g(1.25モル)、炭酸カ
リウム207g(1.5モル)、スルホラン2.5、トル
エン1.5を仕込み、アルゴンガスを吹込みなが
ら、160℃において1.5時間、ついで200℃に昇温
して1時間40分反応させた。つぎに、得られた反
応生成物をメタノール中に投入して重合体を析出
させ、熱水5で5回、メタノール5で2回洗
浄したのち、乾燥してポリシアノアリールエーテ
ル350gを得た。 ここで、得られた重合体の、N−メチルピロリ
ドンを溶媒とする70mg/dlの濃度の溶液の高温ゲ
ルパーミエーシヨンクロマトグラフイー法(測定
温度135℃)によるポリスチレン換算の数平均分
子量を測定し、その結果を表に示した。 また、この重合体の熱的性質を調べたところ、
ガラス転移温度220℃、融点355℃、熱分解開始温
度(空気中)540℃であり、実用上充分な耐熱性
を有していることが確認された。 つぎに、この重合体の耐溶剤性について調べた
ところ、アセトン、エタノール、トルエン、塩化
メチレン、クロロホルムの各溶剤に不溶であつ
た。 さらにこの重合体にライターの炎を10秒間あて
たのち、炎を遠ざけると火はすぐに消え、溶融滴
下も見られず難燃性は良好であつた。 つぎに、この重合体を390℃において口径0.5mm
のノズルより溶融紡糸し、10倍に伸長させて水冷
し、その後、250℃に昇温して延伸倍率3.0となる
ように延伸した。 このようにして得られたポリシアノアリールエ
ーテル繊維の機械的強度、すなわち、引張強度、
伸び、弾性率を表に示した。なお、表中には、重
合体の数平均分子量、延伸前後の繊維径、延伸倍
率も併せて示した。 実施例 2〜5 実施例1における200℃での反応時間を延長す
ることにより、表に示す如き数平均分子量を有す
るポリシアノアリールエーテルを実施例1と同様
に製造し、かつ延伸倍率を表に示すように変えた
ほかは、実施例1と同様に溶融紡糸と延伸処理を
行なつた。 各特性の測定は実施例1と同様に行なつた。そ
の結果、重合体の熱的性質、難燃性及び耐溶剤性
は実施例1と同様であつた。機械的強度に関して
は、測定結果を表に示した。 比較例 1 実施例1における200℃での反応時間を短縮す
ることにより数平均分子量が15000のポリシアノ
アリールエーテルを得た。つぎに、この重合体を
実施例1と同様に溶融紡糸し、延伸倍率を3.0と
して延伸したところ、延伸処理の途中で、繊維が
破断して、繊維の機械的強度の測定ができなかつ
た。 比較例 2 実施例1における200℃での反応時間を実施例
の場合より更に延長することにより数平均分子量
が72000のポリシアノアリールエーテルを得た。
つぎに、この重合体を実施例1と同様に溶融紡糸
したところ、糸径の均一な繊維が得られず、次の
延伸処理が困難であつた。 参考例 実施例2において得られた数平均分子量40000
のポリシアノアリールエーテルの溶融紡糸繊維
(したがつて、延伸処理は施していない)につき、
機械的強度を測定し、その結果を表に併記した。
ール基、又はアルキル基を表わし、Xはハロゲン
原子を表わす)などでブロツクされている。 上述したポリシアノアリールエーテルは、例え
ば、次のようにして製造することができる。すな
わち、ジハロゲノベンゾニトリルと4,4′−ビフ
エノールのアルカリ金属塩および必要に応じて他
の二価フエノールのアルカリ金属塩とを溶媒の存
在下で重合反応させたのち、水又はアルコールで
処理することにより、ポリシアノアリールエーテ
ルが得られる。 本発明のポリシアノアリールエーテル繊維は、
次のようにして製造される。 すなわち、まず、上記したポリシアノアリール
エーテルを溶融紡糸する。この溶融紡糸工程で
は、通常の方法を適用することができ、溶融温度
は360〜420℃、好ましくは370〜400℃である。 次いで、得られた溶融紡糸繊維を延伸する。こ
の延伸工程は、ポリシアノアリールエーテルのガ
ラス転移温度以上融点(上記溶融温度)未満の温
度で行なうことが必要である。ガラス転移温度未
満の温度では延伸が不可能であり、また、融点よ
り高い度では、ポリシアノアリールエーテルは溶
融してしまい、紡糸繊維を配向して高強度化する
という目的が達成されないからである。好ましく
は、230〜270℃の温度で延伸を行なうとよい。 また、このときの延伸倍率は高水準の機械的強
度が得られるという点からして2〜8倍、好まし
くは3〜6倍である。 [発明の実施例] 実施例 1 内容積5のセパラブルフラスコの、2,6−
ジクロロベンゾニトリル215g(1.25モル)と、
4,4′−ビフエノール232g(1.25モル)、炭酸カ
リウム207g(1.5モル)、スルホラン2.5、トル
エン1.5を仕込み、アルゴンガスを吹込みなが
ら、160℃において1.5時間、ついで200℃に昇温
して1時間40分反応させた。つぎに、得られた反
応生成物をメタノール中に投入して重合体を析出
させ、熱水5で5回、メタノール5で2回洗
浄したのち、乾燥してポリシアノアリールエーテ
ル350gを得た。 ここで、得られた重合体の、N−メチルピロリ
ドンを溶媒とする70mg/dlの濃度の溶液の高温ゲ
ルパーミエーシヨンクロマトグラフイー法(測定
温度135℃)によるポリスチレン換算の数平均分
子量を測定し、その結果を表に示した。 また、この重合体の熱的性質を調べたところ、
ガラス転移温度220℃、融点355℃、熱分解開始温
度(空気中)540℃であり、実用上充分な耐熱性
を有していることが確認された。 つぎに、この重合体の耐溶剤性について調べた
ところ、アセトン、エタノール、トルエン、塩化
メチレン、クロロホルムの各溶剤に不溶であつ
た。 さらにこの重合体にライターの炎を10秒間あて
たのち、炎を遠ざけると火はすぐに消え、溶融滴
下も見られず難燃性は良好であつた。 つぎに、この重合体を390℃において口径0.5mm
のノズルより溶融紡糸し、10倍に伸長させて水冷
し、その後、250℃に昇温して延伸倍率3.0となる
ように延伸した。 このようにして得られたポリシアノアリールエ
ーテル繊維の機械的強度、すなわち、引張強度、
伸び、弾性率を表に示した。なお、表中には、重
合体の数平均分子量、延伸前後の繊維径、延伸倍
率も併せて示した。 実施例 2〜5 実施例1における200℃での反応時間を延長す
ることにより、表に示す如き数平均分子量を有す
るポリシアノアリールエーテルを実施例1と同様
に製造し、かつ延伸倍率を表に示すように変えた
ほかは、実施例1と同様に溶融紡糸と延伸処理を
行なつた。 各特性の測定は実施例1と同様に行なつた。そ
の結果、重合体の熱的性質、難燃性及び耐溶剤性
は実施例1と同様であつた。機械的強度に関して
は、測定結果を表に示した。 比較例 1 実施例1における200℃での反応時間を短縮す
ることにより数平均分子量が15000のポリシアノ
アリールエーテルを得た。つぎに、この重合体を
実施例1と同様に溶融紡糸し、延伸倍率を3.0と
して延伸したところ、延伸処理の途中で、繊維が
破断して、繊維の機械的強度の測定ができなかつ
た。 比較例 2 実施例1における200℃での反応時間を実施例
の場合より更に延長することにより数平均分子量
が72000のポリシアノアリールエーテルを得た。
つぎに、この重合体を実施例1と同様に溶融紡糸
したところ、糸径の均一な繊維が得られず、次の
延伸処理が困難であつた。 参考例 実施例2において得られた数平均分子量40000
のポリシアノアリールエーテルの溶融紡糸繊維
(したがつて、延伸処理は施していない)につき、
機械的強度を測定し、その結果を表に併記した。
【表】
[発明の効果]
以上の説明から明らかなように、本発明のポリ
シアノアリールエーテル繊維は、充分な耐熱性を
有するとともに、引張強度、伸び、弾性率などの
機械的強度にも優れていると同時に、難燃性、耐
溶剤性にも優れているため、各種エンジニアリン
グ・プラスチツクに使用される補強用繊維として
極めて有用であり、電子・電気機器の素材として
その工業的価値は大である。
シアノアリールエーテル繊維は、充分な耐熱性を
有するとともに、引張強度、伸び、弾性率などの
機械的強度にも優れていると同時に、難燃性、耐
溶剤性にも優れているため、各種エンジニアリン
グ・プラスチツクに使用される補強用繊維として
極めて有用であり、電子・電気機器の素材として
その工業的価値は大である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 次式: 【化】 で示される繰り返し単位を80モル%以上含有し、
かつ、数平均分子量が20000〜70000であるポリシ
アノアリールエーテルを360〜420℃で溶融紡糸し
た繊維が、該繊維の溶融温度以下の温度において
延伸されてなることを特徴とするポリシアノアリ
ールエーテル繊維。 2 該延伸時の延伸倍率が2〜8倍である特許請
求の範囲第1項記載のポリシアノアリールエーテ
ル繊維。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7120985A JPS61231219A (ja) | 1985-04-05 | 1985-04-05 | ポリシアノアリ−ルエ−テル繊維 |
US06/830,652 US4640974A (en) | 1985-02-22 | 1986-02-18 | Polycyanoaryl ether films and fibers |
EP86102215A EP0192262B1 (en) | 1985-02-22 | 1986-02-20 | Polycyanoaryl ether films |
DE86102215T DE3688402T2 (de) | 1985-02-22 | 1986-02-20 | Polycyanoaryläther-Filme. |
EP19910104055 EP0445840A3 (en) | 1985-02-22 | 1986-02-20 | Polycyanoaryl ether fibers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7120985A JPS61231219A (ja) | 1985-04-05 | 1985-04-05 | ポリシアノアリ−ルエ−テル繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61231219A JPS61231219A (ja) | 1986-10-15 |
JPH0585643B2 true JPH0585643B2 (ja) | 1993-12-08 |
Family
ID=13454059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7120985A Granted JPS61231219A (ja) | 1985-02-22 | 1985-04-05 | ポリシアノアリ−ルエ−テル繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61231219A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4714270U (ja) * | 1971-03-17 | 1972-10-19 | ||
JPS4835116A (ja) * | 1971-09-08 | 1973-05-23 | ||
JPS53122820A (en) * | 1977-03-31 | 1978-10-26 | Anic Spa | Method of producing high modulus oriented polymer |
JPS5738687A (en) * | 1980-08-19 | 1982-03-03 | Okimoto Tamada | Radial pump |
-
1985
- 1985-04-05 JP JP7120985A patent/JPS61231219A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4714270U (ja) * | 1971-03-17 | 1972-10-19 | ||
JPS4835116A (ja) * | 1971-09-08 | 1973-05-23 | ||
JPS53122820A (en) * | 1977-03-31 | 1978-10-26 | Anic Spa | Method of producing high modulus oriented polymer |
JPS5738687A (en) * | 1980-08-19 | 1982-03-03 | Okimoto Tamada | Radial pump |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61231219A (ja) | 1986-10-15 |
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