JPH0585560A - ポンプ付き液体容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期に亘って使用しても不衛生にならず、さ
らに、ポンプヘッドの押さえ方に影響されることなく円
滑に液体を汲み出すことができるポンプ付き液体容器を
提供する。 【構成】 ポンプ付き液体容器１は、液体を入れる容器
本体２と、該容器本体２に突設した口部５と、該口部５
に嵌まるキャップ体７と、該キャップ体７を介して容器
本体２に装着されポンプヘッド３ｄを上下動させて汲み
上げた液体をノズル３ｃから排出させるポンプ３と、ポ
ンプヘッド３ｄに取着して該ポンプヘッドと一体に上下
動するカバー体４とを備える。そして、カバー体４は、
ポンプヘッド３ｄ及びノズル３ｃの上面を覆う天板８
と、ポンプヘッド３ｄが上昇位置にある状態で前記天板
８からキャップ体７までの間を囲い、且つ、キャップ体
７又は口部５の外周に摺接するように形成された筒状側
板９とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シャンプーやリンス等
の液体を入れるポンプ付き液体容器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、シャンプーやリンス等を詰めて販
売する液体容器のうち比較的大型のものには、容器本体
内の液体を汲み出すポンプが装着されている。このポン
プは、容器本体上部の口部に螺合しているキャップ体を
介して該容器本体に装着されており、頭部のポンプヘッ
ドを上下動させて液体を吸い上げ、さらにその液体をポ
ンプヘッドのノズルから排出するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のポンプ付き
液体容器は、容器本体の上部に、ポンプヘッドとそのポ
ンプヘッドを支える支柱パイプがむき出しの状態であっ
たため、キャップ体上に開口するパイプヘッド固定用の
雌ネジと支柱パイプとの隙間Ｓ（図１参照）に、汚れた
水やシャンプー等がヘドロ状に溜まって非常に不衛生で
あった。かかる事態は、不特定多数の人がシャンプー等
を共用する、例えば、ホテルや公衆浴場等の施設におい
て特に深刻な問題である。また、従来のポンプ付き液体
容器のポンプは、ポンプヘッドを支える支柱パイプが細
くて柔らかいため、ポンプヘッドを正しく真っ直ぐに押
えないと支柱パイプが撓う虞があり、ポンプヘッドの上
下動が円滑に行えない場合があった。

【０００４】本発明は、上記の問題点を解消するべくな
されたもので、その目的は、長期に亘って使用しても不
衛生にならず、さらに、ポンプヘッドの押さえ方に影響
されることなく円滑にシャンプー等を汲み出すことがで
きるポンプ付き液体容器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、図１〜図３に示したように、シャンプー等
の液体を入れる容器本体と、該容器本体の上部に突設し
た筒状の口部と、該容器本体の口部に嵌まる有蓋筒状の
キャップ体と、該キャップ体を介して容器本体に装着さ
れ、頭部のポンプヘッドを上下動させて容器本体内の液
体を汲み上げると共に、その液体をポンプヘッドのノズ
ルから排出させるポンプと、ポンプヘッド及びノズルの
上面を覆う天板と、ポンプヘッドが上昇位置にある状態
で少なくとも前記天板からキャップ体までの間を囲い、
且つ、キャップ体又は口部の外周に摺接するように形成
された筒状側板とを有し、ポンプヘッドに取着して該ポ
ンプヘッドと一体に上下動するようにしたカバー体と、
を備えるポンプ付き液体容器を提供するものである。

【０００６】

【作用】ポンプの露出部分がカバー体で覆われているか
ら、汚れた水やシャンプー等が前記キャップ体上の隙間
Ｓに溜まらない。また、カバー体がキャップ体又は口部
の外周に摺接しながらポンプヘッドと一体に上下動する
ため、カバー体がポンプヘッドの動きを真っ直ぐ案内す
る。従って、ポンプヘッドの上下動が安定し、ポンプヘ
ッドの押し込み方に影響されないで円滑に液体を汲み出
すことができる。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図１はポンプ付き液体容器の全体斜視図、図２
は要部の縦断面図、図３は一部を半断面にして示すカバ
ー体の分解斜視図である。ポンプ付き液体容器１は、シ
ャンプーやリンス等の液体を入れる容器本体２と、逆止
弁（図示せず）の組み合わせによって液体を汲み上げる
周知のポンプ３と、該ポンプ３の露出部分を覆うカバー
体４によって構成される。前記容器本体２には、図２の
縦断面図に示したように、上部に筒状の口部５が突設さ
れている。この口部５は、先端に雄ネジ部５ａが形成さ
れており、該雄ネジ部５ａから下に後述するポンプヘッ
ド３ｄのストローク以上の長さを置いて台座状の低い凸
段部６を形成したものである。そしてこの口部５の雄ネ
ジ部５ａには、全周に滑り止め用の縦溝７ａを刻設した
有蓋筒状のキャップ体７が螺合する。

【０００８】ポンプ３は、前記キャップ体７を介して容
器本体２に装着される。すなわち、ポンプ３は、キャッ
プ体７の取付孔７ｂに回転自在に挿通したポンプ機能部
３ａと、該ポンプ機能部３ａ内を上下に摺動する支持パ
イプ３ｂと、該支持パイプ３ｂの上端に固着され且つ前
記支持パイプ３ｂに連通するノズル３ｃを突設したポン
プヘッド３ｄとから構成されており、ポンプ機能部３ａ
上端のフランジ３ｅとポンプ機能部３ａの外周に嵌めた
止め板３ｆでキャップ体７を挟み込むようになし、以て
ポンプ３とキャップ体７を一体化しているのである。

【０００９】なお、図１，２において、ポンプヘッド３
ｄの下に突設した傾斜状の凸条３ｇと、ポンプ機能部３
ａの上端に設けた雌ネジ３ｈは、その雌ネジ３ｈにポン
プヘッド３ｄの凸条３ｇを螺合させてポンプヘッド３ｄ
を下動位置に固定し、以てポンプ３の誤作動を防止する
安全機構である。

【００１０】前記カバー体４は、図３に示したように、
ポンプヘッド３ｄ及びノズル３ｃの上面を覆う天板８
と、ポンプヘッド３ｄ及び支持パイプ３ｂの外周を囲う
筒状側板９とから構成される。天板８の下面には、先端
部分を除く周縁に設けた下向きリブ８ａと、ノズル３ｃ
挿通用のＵ字溝８ｂを設けた嵌合筒８ｃと、ポンプヘッ
ド３ｄの頂部に当接する爪８ｄが突設されている。一
方、筒状側板９は、ノズル３ｃの側面を覆う嘴部９ａ
と、ポンプヘッド３ｄ及び支持パイプ３ｂの周囲を覆う
筒胴部９ｂとからなり、嘴部９ａから筒胴部９ｂの下端
に至るスリット９ｃが前縁に設けられていて左右に拡開
し得る。筒状側板９の上縁には段部９ｄが周設されてお
り、該段部９ｄに前記天板８の下向きリブ８ａが係合す
る。また、嘴部９ａには、スリット９ｃを挟んで対向す
るように２組のガイド片９ｅ、９ｅが設けられており、
前方のガイド片９ｅでポンプヘッド３ｄのノズル３ｃを
挟むようにして、該ノズル３ｃを嘴部９ａの中央に案内
すると共に、両ガイド片９ｅ、９ｅの上端で前記天板８
の下向きリブ８ａを内側から挟み込む。

【００１１】また、筒状側板９の内周面には、上向き開
口状の凹溝９ｆを有する係止環９ｇが突設されている。
該係止環９ｇは、図２に示したように、前記天板８を筒
状側板９の上面に被せた状態で、該天板８の嵌合筒８ｃ
の下縁が凹溝９ｆに嵌まる高さに設定されている。そし
てさらに、係止環９ｇには、図３に示したように、ポン
プヘッド３ｄの周面に接して該ポンプヘッド３ｄをカバ
ー体４の中心に安定させる半円形状の突部９ｈと、ポン
プヘッド３ｄの下面に係合する三角爪９ｉが突設されて
いる。

【００１２】次に、カバー体４をポンプヘッド３ｄに取
着する方法について説明する。カバー体４の筒状側板９
と天板８は、図３に示したように分離した状態にしてお
く。そして、先ず、筒状側板９のスリット９ｃの下端か
らポンプヘッド３ｄのノズル３ｃを通しながら、筒状側
板９をポンプヘッド３ｄの上から嵌め降ろす。筒状側板
９がある程度下がると、係止環９ｇの三角爪９ｉがポン
プヘッド３ｄの頂部に当たる。この状態からさらに筒状
側板９を強制的に押し下げると、該筒状側板９を拡開さ
せながら三角爪９ｉがポンプヘッド３ｄを乗り越える。
三角爪９ｉがポンプヘッド３ｄを乗り越えると、図２の
ように筒状側板９の弾性で三角爪９ｉがポンプヘッド３
ｄの下面に係合する。

【００１３】次に、筒状側板９の上面に天板８を載せ、
天板８の下向きリブ８ａを筒状側板９の段部９ｄに嵌め
ると共に、天板８の嵌合筒８ｃを筒状側板９の係止環９
ｇに嵌合させる。嵌合筒８ｃが係止環９ｇに嵌まると、
筒状側板９が拘束されて拡開しなくなる。従って、筒状
側板９の三角爪９ｉがポンプヘッド３ｄの下面から外れ
なくなる。こうしてカバー体４は、天板８の爪８ｄと筒
状側板９の三角爪９ｉによってポンプヘッド３ｄを上下
から挟み込み、且つ、係止環９ｇの突部９ｈによってポ
ンプヘッド３ｄの周囲を囲ってポンプヘッド３ｄと一体
化する。なお、この状態で筒状側板９の下端は、図２の
ようにキャップ体７の下端に摺接している。

【００１４】しかして、本発明のポンプ付き液体容器１
のカバー体４を手で押圧すると、図２鎖線のようにカバ
ー体４と一緒にポンプヘッド３ｄが下動して容器本体２
内の液体が汲み出される。このとき、口部５の長さがポ
ンプヘッド３ｄのストロークより大きく設定されている
ため、カバー体４の下端が容器本体２の凸段部６にぶつ
からない。そして、カバー体４から手を離せば、ポンプ
機能部３ａ内のスプリング（図示せず）の弾性によって
ポンプヘッド３ｄ及びカバー体４が上昇する。なお、ポ
ンプヘッド３ｄの上下動に際して、カバー体４の筒状側
板９が口部５に嵌って摺接し、ポンプヘッド３ｄの動き
を真っ直ぐガイドする。

【００１５】以上本発明の実施例について説明したが、
もちろん本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば、容器本体２からポンプ３を外して内部の液
体を補充する場合に、筒状側板９を外側から挟んでキャ
ップ体７をカバー体４と一体に回転させるが、上記実施
例では筒状側板９の筒胴部９ｂの内面が平滑であるた
め、カバー体４が滑って空回りする虞がある。そこで、
筒状側板９の内周にキャップ体７の縦溝７ａに係合する
ような縦溝を周設して、筒状側板９とキャップ体７がし
っかり係合し合うようにしてもよい。また、本実施例で
は、容器本体２の口部５に筒状側板９が摺接するよう設
定されているが、キャップ体７の長さを長くして、該キ
ャップ体７に筒状側板９を摺接させるようにしてもよ
い。このようにキャップ体７を長くすると、口部５を長
くした専用の容器本体２を使用する必要がないため、口
部が短い普通の容器本体に対してもキャップ体を交換す
るだけでカバー体４を取り付けることができる。

【００１６】

【発明の効果】本発明のポンプ付き液体容器は、以上の
ように構成されているため、以下のような多くの効果が
ある。 ポンプの露出部分がカバー体で覆われているため、汚
れた水やシャンプー等がキャップ体の上面に溜まらず、
非常に衛生的である。 カバー体がキャップ体又は口部の外周に摺接しながら
ポンプヘッドと一体に上下動するため、カバー体がポン
プヘッドの動きを真っ直ぐ案内する。従って、ポンプヘ
ッドの上下動が安定し、ポンプヘッドの押し込み方に影
響されないで円滑に液体を汲み出すことができる。 天板によってノズルの先端を押さえ付けることができ
るため、ノズル先端の角度を従来の射出成形の限界から
さらに下向きにすることができる。従って、手で受け易
い方向に液体を放出することが可能である。 カバー体は、挟み付けるようにしない限りキャップ体
の回りを空回りするため、少なくとも構造が理解できる
までキャップ体を開けることができない。従って、不正
に液体を抜き取られ難い。 ポンプの使用回数が多いと、最も手に触れるカバー体
が傷んだり汚れたりするが、カバー体はポンプヘッドに
着脱自在であるため、カバー体を交換するだけで、ポン
プや容器本体はそのまま繰り返し使用することができ
る。 従来、ポンプヘッドが容器本体上にむき出しになって
いたため、ポンプ付き液体容器のデザインが画一的にな
る傾向にあったが、カバー体でポンプヘッドを覆うこと
によって、ポンプ付き液体容器のデザインを多様化させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ポンプ付き液体容器の全体斜視図である。

【図２】ポンプ付き液体容器の要部を示す縦断面図であ
る。

【図３】一部を半断面にして示すカバー体の分解斜視図
である。

【符号の説明】

１ ポンプ付き液体容器 ２ 容器本体 ３ ポンプ ３ｃ ノズル ３ｄ ポンプヘッド ４ カバー体 ５ 口部 ７ キャップ体 ８ 天板 ９ 筒状側板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャンプー等の液体を入れる容器本体
   と、 該容器本体の上部に突設した筒状の口部と、 該容器本体の口部に嵌まる有蓋筒状のキャップ体と、 該キャップ体を介して容器本体に装着され、頭部のポン
   プヘッドを上下動させて容器本体内の液体を汲み上げる
   と共に、その液体をポンプヘッドのノズルから排出させ
   るポンプと、 ポンプヘッド及びノズルの上面を覆う天板と、ポンプヘ
   ッドが上昇位置にある状態で少なくとも前記天板からキ
   ャップ体までの間を囲い、且つ、キャップ体又は口部の
   外周に摺接するように形成された筒状側板とを有し、ポ
   ンプヘッドに取着して該ポンプヘッドと一体に上下動す
   るようにしたカバー体と、 を備えることを特徴とするポンプ付き液体容器。