JPH0585473U - 携帯用塗装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布ロ−ラの把持体に始動・停止スイッチを
装備し得るようにした、塗装作業において安全、便利な
携帯用塗装装置を提供する。 【構成】 塗料供給装置２に塗料槽８、ポンプ機構１
６、接点開閉器４３を設ける。接点開閉器４３は弾性押
圧部材４７を内蔵させ、所定圧力付与による弾性押圧部
材４７の弾性変形により接点４８が閉鎖するように構成
する。塗布ロ−ラ３に塗料供給兼支持管５３及び取付部
材５５を設ける。把持体４に連結部材５７及び始動・停
止スイッチ５９を設ける。ポンプ機構１６と連結部材５
７とを塗料供給チュ−ブ６０を介して接続し、接点開閉
器４３と始動・停止スイッチ５９とを空気流通チュ−ブ
６１を介して接続する。取付部材５５と連結部材５７と
を接続する。始動・停止スイッチ５９を押圧することに
より、ポンプ機構１６が作動し、ロ−ラ体５４に塗料が
供給される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、塗布ロ−ラに塗料を自動供給しながら塗装作業を行い得る携帯用塗 装装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

携帯用塗装装置として、塗料槽及びピストン機構を有する塗料供給装置とロ− ラ体及び把持体を有する塗布ロ−ラとを塗料供給チュ−ブにより接続し、ピスト ン機構の作動により塗料槽から塗料を吸い上げて、塗料供給チュ−ブを介して塗 布ロ−ラのロ−ラ体に自動的に塗料を供給するものが知られている（例えば特開 昭６２−８２７６６号公報参照）。 このような携帯用塗装装置において、ピストン機構を始動、停止するための始 動・停止スイッチは塗料供給装置に装備されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような携帯用塗装装置にあっては、作業者は、塗料供給装置と塗布ロ−ラ とを塗料供給チュ−ブにより接続し、塗料供給装置をベルトにより肩に吊下し、 塗布ロ−ラの把持体を片手で把持し、その後に始動・停止スイッチを始動位置と して塗料供給装置を作動させて塗装作業を行なう。 ここで、始動・停止スイッチの操作時に塗料供給装置に視線を移動させたり、 身体を捻転させたりする場合には、塗布ロ−ラを塗装対象物以外の物に接触させ たり、梯子、台等から足を滑べらす虞れがある。 又、視線を移動させたり、身体を捻転させたりしない場合には、手探りで行う ため操作に時間を要したり、操作を誤まる虞れがある。 従って、始動・停止スイッチは塗布ロ−ラの把持体に装備されている方が作業 上安全であり、便利である。

【０００４】 しかし、塗布ロ−ラの把持体に始動・停止スイッチを装備するために、始動・ 停止スイッチと塗料供給装置とをハ−ネスにより接続する場合には以下のような 問題点がある。 塗料供給装置に塗料供給チュ−ブ及びハ−ネスを接続するため、塗装準備 作業が面倒となり、時間もかかる。 ハ−ネスの接続にはコネクタを必要とするため、部品点数が増加し、装置 全体の製造費も高くなる。 始動・停止スイッチ及びコネクタに塗料が付着し易いため、断線、接点不 良等が発生する虞れが高い。

【０００５】 本考案は、かかる問題点を解決して、塗布ロ−ラの把持体に始動・停止スイッ チを装備し得るようにした、塗装作業において安全、便利な携帯用塗装装置を提 供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の携帯用塗装装置は、塗料槽、ポンプ機構 及び所定圧力付与により接点を閉鎖する弾性押圧部材を内蔵した接点開閉器を有 する塗料供給装置を設け、塗料供給兼支持管、ロ−ラ体及び取付部材よりなる塗 布ロ−ラを設け、連結部材及び始動・停止スイッチを装備する把持体を設け、前 記ポンプ機構と連結部材とを塗料供給チュ−ブを介して接続し、前記接点開閉器 と始動・停止スイッチとを空気流通チュ−ブを介して接続し、取付部材と連結部 材とを接続し、始動・停止スイッチを押圧することによりポンプ機構を作動させ て、ロ−ラ体に塗料を供給するものである。

【０００７】 又、塗料供給チュ−ブ、空気流通チュ−ブの接続をより容易かつ迅速とするた め、取扱いを容易とするためには、塗料供給チュ−ブと空気流通チュ−ブとを一 体とした接続チュ−ブとするのが好ましい。

【０００８】

【作用】

始動・停止スイッチを押圧することにより、空気流通チュ−ブ内の空気が圧縮 され、接点開閉器の弾性押圧部材に圧力が付与され、弾性押圧部材が偏平状とな り接点を閉鎖する。 これにより、ポンプ機構が作動し、塗料は塗料槽から塗料供給チュ−ブ、塗料 供給兼支持管を通過してロ−ラ体に供給される。

【０００９】

【実施例】

本考案の一実施例について図面を参照して説明する。 本考案の携帯用塗装装置１は、図１乃至図７に示すように、塗料供給装置２、 塗布ロ−ラ３、把持体４、接続チュ−ブ５よりなる。

【００１０】 塗料供給装置２は、図１に示すように、下側装置部６と上側装置部７とよりな る。

【００１１】 下側装置部６は、図２に示すように、塗料槽８と支持台９とよりなり、塗料槽 ８下部に形成した嵌合溝部１０と支持台９上部に形成した嵌合突部１１とを嵌合 することにより塗料槽８に支持台９を連結し、支持するようにしてある。 塗料槽８の上面部には雄ネジ部１２ａを刻設した上方突設円筒部１２を突設す るとともに、上面部より若干低位置に塗料注入口１３を形成してあり、これには 蓋体１４を嵌装してある。

【００１２】 上側装置部７は、図３に示すように、筐体１５下方にポンプ機構１６を吊下し 、筐体１５内部に駆動機構１７、電池挿入部１８、作動制御部１９を配設してあ る。 筐体１５の下面部には雌ネジ２０ａを刻設した下方突設円筒部２０を突設して ある。この下方突設円筒部２０を前記上方突設円筒部１２と螺合することにより 、上側装置部７と下側装置部６とを連結するようになっている。

【００１３】 ポンプ機構１６は、下方にシリンダ−部２１を有し、さらにこのシリンダ−部 ２１の下方に連通部２２を介して嵌合凹部２３を設けてあり、この嵌合凹部２３ には嵌合凸部２４を嵌合させた網籠部材２５が吊下してある。 網籠部材２５は、枠体２６に網体２７を取り付け、内部に吸入部２８を形成し 、嵌合凸部２４内には弁室部２９を形成してある。 又、連通部２２の右方に弁室部３０を形成し、この弁室部３０の上方に垂直方 向に導出部３１を形成し、その上端部に水平方向に吐出部３２を形成してある。 シリンダ−部２１内面にはプランジャ−３３の下端部を摺動自在に挿入してあ り、プランジャ−３３先端部にはＯリング３４を装着してある。

【００１４】 駆動機構１７は、モ−タ−３５軸に固定した歯車３６と歯車３７とを噛合させ 、歯車３７に立設したピン３８を連結杆３９の上端部に係合させてなるものであ り、この連結杆３９の下端部にはピン４０を介して前記プランジャ−３３の上端 部を連結してある。

【００１５】 作動制御部１９は、回路基板４１、可変抵抗器４２及び回路基板４１上に載置 した接点開閉器４３よりなるものである。 可変抵抗器４２は、前記モ−タ−３５の回転数を制御するものであり、そのダ イヤル部４２ａは筐体１５の上面より突出させてある。

【００１６】 接点開閉器４３は、図４及び図５に示すように、基体４４に蓋体４５を被せて 内部に圧力室４６を画成してあり、この圧力室４６内に弾性押圧部材４７を配置 してある。 基体４４下部には接点配置孔４４ａを穿設してあり、ここに接点４８が配置さ れている。 蓋体４５上部には円筒部４９形成してあり、この円筒部４９に空気導入路４９ ａを形成してある。又、円筒部４９には空気流通チュ−ブ５０の一端部を接続し てあり、その他端部は前記吐出部３２の近傍に配置された連結管５１に接続して ある。

【００１７】 弾性押圧部材４７は、カ−ボンを含有させたシリコンゴム等よりなる薄肉円錐 状を呈するものであり、中央厚肉部４７ａの下面に銅、金等の導電性金属片５２ を固着してある。この弾性押圧部材４７は圧力室４６内に所定の気圧が付与され ると偏平状となり、中央厚肉部４７ａが下方移動して導電性金属片５２が接点４ ８ａ，４８ｂと当接し、接点４８を閉鎖するようになっている。

【００１８】 塗布ロ−ラ３は、図６に示すように、塗料供給兼支持管５３先端部の小孔穿設 部５３ａをロ−ラ体５４内に挿通、固定してなるものである。 塗料供給兼支持管５３後端部には取付部材５５を固着してあり、この取付部材 ５５には雄ネジ部５５ａ、嵌合部５５ｂを形成してある。

【００１９】 把持体４は、図７に示すように、把持部材５６の先端部に連結部材５７を固着 してあり、この連結部材５７の外周に締付部材５８を螺合してある。 連結部材５７はその先端部に嵌合部５７ａを形成してあり、この嵌合部５７ａ には前記取付部材５５の嵌合部５５ｂが嵌合するようになっている。又、締付部 材５８には雌ネジ部５８ａを形成してあり、この雌ネジ部５８ａには前記取付部 材５５の雄ネジ部５５ａが螺合するようになっている。 従って、連結部材５７の嵌合部５７ａに前記取付部材５５の嵌合部５５ｂを挿 入し、締付部材５８を回転することにより、塗料供給兼支持管５３を把持体４に 固定できるようになっている。 又、把持部材５６の適宜位置に始動・停止スイッチ５９を配置してある。

【００２０】 始動・停止スイッチ５９は、シリコンゴム等よりなる薄肉帽子状を呈するもの であり、指で押圧することにより容易に弾性変形するようになっている。

【００２１】 接続チュ−ブ５は、図７に示すように、塗料供給チュ−ブ６０と空気流通チュ −ブ６１とを一体結合したものであり、その両端部の所定長さ部分だけ塗料供給 チュ−ブ６０と空気流通チュ−ブ６１とを分離してある。 そして、予め塗料供給チュ−ブ６０の一端部を前記連結部材５７の後端部に接 続し、空気流通チュ−ブ６１の一端部を前記始動・停止スイッチ５９に接続部材 ６２を介して接続してある。 なお、塗料供給チュ−ブ６０の他端部には締付クリップ６３を設けてある。

【００２２】 次に、本考案の携帯用塗装装置１の使用方法及び作用について説明する。

【００２３】 先ず、上側装置部７の吐出部３２に塗料供給チュ−ブ６０の他端部を押込んで 接続し、容易に離脱しないように締付クリップ６３で締付ける。又、連結管５１ に空気流通チュ−ブ６１の他端部を押込んで接続する。 このように、塗料供給チュ−ブ６０及び空気流通チュ−ブ６１は同様の接続形 態により即座に接続をなし得るから、接続作業は容易であり、時間も要しない。

【００２４】 次いで、上方突設円筒部１２と下方突設円筒部２０とを螺合させて下側装置部 ６と上側装置部７とを連結する。

【００２５】 一方、連結部材５７の嵌合部５７ａに取付部材５５の嵌合部５５ｂを挿入し、 締付部材５８を回転して締付けることにより、塗料供給兼支持管５３を把持体４ に固定する。 以上のようにして、塗料供給装置２、塗布ロ−ラ３、把持体４、接続チュ−ブ ５を連結する。

【００２６】 作業者は、塗料供給装置２をベルトにより肩に吊下し、把持体４を片手で把持 する。そして、塗布ロ−ラ３を壁面等の被塗布面近傍に位置させた後、又は被塗 布面に当接させた後、把持体４に設けられた始動・停止スイッチ５９を指で押圧 して弾性変形させる。

【００２７】 このとき、始動・停止スイッチ５９は把持体４に装備されているから、作業者 は視線を塗料供給装置２に移動させたり、身体を捻転させたりする必要はなく、 安全かつ確実に塗料供給装置２の始動・停止操作を行うことができる。

【００２８】 始動・停止スイッチ５９の押圧により、空気流通チュ−ブ６１内に密封された 空気は圧縮され、空気流通チュ−ブ５０、空気導入路４９ａを介して弾性押圧部 材４７に圧力が付与され、弾性押圧部材４７は偏平状となり、導電性金属片５２ が接点４８と当接して接点４８を閉鎖する。

【００２９】 接点４８の閉鎖によりモ−タ−３５に電圧が供給され、モ−タ−３５が作動す ることによりピン３８が回動し、連結杆３９を介してプランジャ−３３が上下往 復動する。

【００３０】 これにより、塗料は吸入部２８の下端開口より吸引され、連通部２２、導出部 ３１を通過して吐出部３２の先端開口より吐出される。 吐出された塗料は塗料供給チュ−ブ６０、塗料供給兼支持管５３を通過してロ −ラ体５４内に供給される。

【００３１】 始動・停止スイッチ５９、空気流通チュ−ブ６１等に塗料が付着しても塗料供 給装置２の作動には何ら支障を来すことはない。万が一空気流通チュ−ブ６１内 に塗料が侵入して圧力伝達機能が損なわれた場合には、空気流通チュ−ブ６１を 取り外して洗浄すれば直に機能が回復できる。

【００３２】 なお、塗料槽８内の塗料が少なくなった場合には、下方突設円筒部２０を上方 突設円筒部１２に対して回動し、上側装置部７を下側装置部６に対して略直角状 態とすれば、塗料注入口１３が現れるから、蓋体１４を取り外して塗料注入口１ ３より塗料を注入すればよい。

【００３３】

【発明の効果】

本考案の携帯用塗装装置は、把持体に始動・停止スイッチを装備したものであ るから、始動・停止スイッチの操作時に視線を塗料供給装置に移動させたり、身 体を捻転させたりする必要はなく、塗布ロ−ラを塗布対象物以外の物に接触させ たり、梯子、台等から足を滑らしたりすることはなく、特に高所における塗装作 業において安全である。 又、手元で操作を行うため操作は確実であり、時間も要しない。

【００３４】 始動・停止スイッチと接点開閉器とを空気流通チュ−ブで接続するものである から、塗料供給チュ−ブと同様の接続形態を採ることができ、塗料供給装置との 接続を容易、迅速に行うことができる。 特に、空気流通チュ−ブと塗料供給チュ−ブとを一体結合した場合には、より 取扱が便利となる。

【００３５】 又、始動・停止スイッチ、空気流通チュ−ブに塗料が付着した程度では特に機 能上問題はなく、空気流通チュ−ブ内に塗料が侵入して機能を損ねた場合にも洗 浄により容易に機能を回復することができ、耐久性にも優れるものである。

【００３６】 さらに、コネクタ等を必要としないから、部品点数も少なく、製造費も低額で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】塗料供給装置の正面縦断面図である。

【図２】下側装置部の正面縦断面図である。

【図３】上側装置部の正面縦断面図である。

【図４】接点開閉器の縦断面図である。

【図５】接点の要部拡大平面図である。

【図６】塗布ロ−ラの一部縦断正面図である。

【図７】把持体と接続チュ−ブとの接続状態を示す図で
あり、（ａ）は正面図、（ｂ）は縦断面図、（ｃ）は平
面図、（ｄ）は底面図、（ｅ）はＡ−Ａ線横断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 携帯用塗装装置 ２ 塗料供給装置 ３ 塗布ロ−ラ ４ 把持体 ５ 接続チュ−ブ ８ 塗装槽 １６ ポンプ機構 ４３ 接点開閉器 ４７ 弾性押圧部材 ５３ 塗料供給兼支持管 ５４ ロ−ラ体 ５５ 取付部材 ５７ 連結部材 ５９ 始動・停止スイッチ ６０ 塗料供給チュ−ブ ６１ 空気流通チュ−ブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 塗料槽、ポンプ機構及び所定圧力付与に
   より接点を閉鎖する弾性押圧部材を内蔵した接点開閉器
   を有する塗料供給装置を設け、塗料供給兼支持管、ロ−
   ラ体及び取付部材よりなる塗布ロ−ラを設け、連結部材
   及び始動・停止スイッチを装備する把持体を設け、前記
   ポンプ機構と連結部材とを塗料供給チュ−ブを介して接
   続し、前記接点開閉器と始動・停止スイッチとを空気流
   通チュ−ブを介して接続し、取付部材と連結部材とを接
   続し、始動・停止スイッチを押圧することによりポンプ
   機構を作動させて、ロ−ラ体に塗料を供給することを特
   徴とする携帯用塗装装置。
2. 【請求項２】 前記塗料供給チュ−ブと前記空気流通チ
   ュ−ブとを一体とした接続チュ−ブとしてなる請求項１
   記載の携帯用塗装装置