JPH0583788A - 難燃性コーン紙 - Google Patents
難燃性コーン紙Info
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- JPH0583788A JPH0583788A JP11809491A JP11809491A JPH0583788A JP H0583788 A JPH0583788 A JP H0583788A JP 11809491 A JP11809491 A JP 11809491A JP 11809491 A JP11809491 A JP 11809491A JP H0583788 A JPH0583788 A JP H0583788A
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Abstract
し、抄造することによって高弾性率、耐熱性を有する難
燃性能と量産性を向上させた難燃性コーン紙を得る。 【構成】 塩素系繊維の短繊維に、繊維状結合材として
芳香族ポリアミド繊維のフイブリル化繊維と、セルロー
ス系繊維を超叩解したパルプを添加して抄造した難燃性
コーン紙。更に、上記のものに、特性改善のために芳香
族ポリアミド,イミド化合物、または有機金属高分子化
合物、または無機化合物等の溶液を含浸、またはコーテ
ィングした難燃性コーン紙。
Description
変換器の振動板に用いられるコーン紙であって、特に難
燃性を持たせた難燃性コーン紙に関する。
繊維を主体としたものが多く、壁紙など建築用材として
多く使用されている。最近になって電磁シールド紙とし
て炭素繊維紙も出現してきているが何れも繊維紙として
の強度は低く、スピーカ用振動板に用いられるコーン紙
としては強度的に使用に耐えない。これらは繊維結合材
として有機系繊維である熱水再活性型ポバール繊維(ポ
リビニールアルコール=PVA)を多量に使用している
為に難燃性、耐熱性等の性質は低い。今まで難燃性繊維
素材を多く含む繊維紙をコーン紙として使用した例はな
く、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維(ケ
ブラー)等の長繊維を織物とした繊維強化樹脂(FR
P)コーン紙が存在するのみである。FRPコーン紙に
多量の樹脂(エポキシ、不飽和ポリエステル樹脂)が含
浸されるので上記繊維紙などと比較して重く、耐熱性、
難燃性等の性質は劣り、製造工程も長く、加工性も劣
り、繊維素材なども高価である。特に炭素繊維を用いた
炭素繊維強化樹脂(CFRP)或いは炭素繊維紙にあっ
ては導通性すらあり、コーン紙とした場合は特別な絶縁
処理などが必要である。
維などの有機高弾性繊維を繊維紙(絶縁紙)に使用する
研究もあるが、繊維結合材にPVA繊維を多量に使用し
ており、限界酸素指数(Limited Oxygen Index)は塩素
系繊維より低く、その繊維紙の性質は上記同様であり、
また高価である。繊維紙強度は無機繊維を主体とした繊
維紙と比較しても強度的に大きな差はなく、一般のセル
ロース繊維(木材パルプ紙)の強度に及ばない。
としたものは少なく、コーン紙に使用した例もない。そ
の理由はPVA繊維を繊維結合材として使用せざるをえ
ないこと、それによりプレスドライ法を用いるコーン紙
製造工程では乾燥時に金型汚染が酷くなる為である。従
来、難燃性コーン紙に多くなされている方法はセルロー
ス繊維紙コーン紙に無機リン酸塩系難燃剤を含浸して、
難燃化している場合が大部分である。しかし、このよう
な固形物を含む紙は脆く、弱く、繰り返し応力を強制的
に受ける振動に対しては耐久性が殆どなく、振動中に破
壊に至る場合もある。
合成繊維の短繊維を使用して、紙状物質を製造する方法
は幾つか考えられるが、容易に考え付く方法は木材パル
プと混抄して成紙とする方法と、繊維状熱再活性型ポリ
ビニールアルコール繊維(PVA=ポバール繊維)を使
用する方法とがある。しかしながら、特に後者は塩素系
繊維以外の多くの合成(無機、有機)繊維紙の繊維結合
材として用いられているが、紙の強度をあげる為に多量
に添加する必要があり、その結果、優れた難燃性能を得
ることは難しい。最近、難燃化ポバール繊維も製紙用繊
維として使用されているが、強い強度が得られないばか
りか、難燃剤に有機臭素化合物を使用しているのでダイ
オキシン問題が憂慮されている。
網(ワイヤー)、乾燥時のドライヤー、或いはフェルト
類等へのポバール繊維溶解による汚染性があり、十分に
解決されていない。また、コーン紙製造時でも、その乾
燥にプレス乾燥方式(プレスドライ法)を採用している
為に、抄紙網、プレス金型等への溶解したポバール(繊
維、粉末状)による汚染性と接着性があり製造が難し
い。またポバール繊維を使用した繊維紙の最高強度を発
揮させるには、ウェッブ(繊維と水の複合体)中の含水
率と熱再活性温度との間には最適条件があり、この範囲
は非常に狭く各々±5%前後の許容差しかなく管理が難
しく、再現性に乏しい。以上のことからPVA繊維を塩
素系繊維紙の結合材として考えると難燃性能、製造管理
等から非常に難しいことになる。
ので、その目的とするところは、高弾性率、高強度、耐
熱性で、しかも難燃性の塩素系繊維からなり、かつ繊維
状接触面積の増大を計り、紙状マトリックスの強度を上
昇させ、量産に適した難燃性コーン紙を提供することに
ある。
に本発明の難燃性コーン紙は、高い難燃性を有する塩素
系繊維の短繊維類に繊維状結合材として、芳香族ポリア
ミド繊維のフイブリル化繊維及びセルロース系繊維を超
叩解した超叩解パルプを加え、通常の抄紙機で抄造して
なる難燃性、耐湿度性及び耐水性を有し、高強度、高弾
性率、高内部損失を有することに特徴を有する。
難燃性コーン紙は、上記記載の難燃性コーン紙に、更に
難燃性、耐熱性、耐水性、耐湿度性を向上させ、高強
度、高弾性率、高内部損失を得る為に、芳香族ポリアミ
ド、イミド化合物、有機金属高分子化合物、無機化合物
(珪酸塩化合物)等の溶液を含浸、またはコーティング
したことに特徴を有する。
相違して、その繊維表面が非親水性であり、比表面積も
小さく、水による可塑化で繊維間接触面積の増大もな
く、繊維間に水の表面張力も働かない。それ故に強いウ
ェッブは形成できず、繊維紙強度は弱く実用性に乏し
い。紙状マトリックスの強度は密度に関係し、密度が大
きいと強度も上がるのが一般的である。繊維紙の強度は
この紙状マトリックスの密度を如何に上げるかの方法に
関わって来る。この密度を上げる方法は短い繊維を使用
して比較的長い繊維(カット繊維)の間に充填すること
によって上げられる。この短い繊維にはミルド繊維、フ
イブリル化繊維がある。これらが更にセルロース繊維の
ように親水性繊維であればウェッブ強度や繊維紙強度を
上げ易いことになる。
溶解し、非溶剤中にジェット噴射して作られたフイブリ
ル化繊維(フイブリット繊維とも言う)、或いは木材パ
ルプを機械的に超叩解した超叩解木材パルプは比表面積
も大きく、特に後者の比表面積は10.0m2 /g以上
に達し、機械操作によっては200m2 /gにまでな
る。それ故成紙の密度を上げるのに最も適している。ま
た、その繊維表面は親水性であり、繊維間に水の表面張
力が働き、水素結合も成立してウェッブ強度や繊維紙強
度を大幅に上げることができる。また超叩解木材パルプ
は比表面積が非常に大きいので、分散性能にも優れ、密
度の高い塩素系繊維(1.32〜1.70g /cm3 )の水中で
の沈降速度を減速させ、均質な繊維紙を与える。
性、耐湿度性等の化学的性質を向上させる為に、無機化
合物(珪酸塩化合物)、芳香族ポリアミド、イミド化合
物、有機金属高分子化合物等の物質の溶液を含浸、コー
ティングすることにより、これらの必要な諸性質が一段
と向上する。
塩素系繊維を0.5〜10.0mmに切断して短繊維と
し、その繊維状結合材に芳香族ポリアミド繊維を溶剤に
溶解し、非溶剤中に急激に噴射(ジェットスプレイ)し
て製造した、フイブリル化繊維を0.5〜50%、或い
は木材パルプを機械的に超叩解して、比表面積を10.
0m2 /gとした超叩解木材パルプ(マイクロファイバ
ー)を0.5〜30%加え、十分に攪拌してスラリー状
にして、所定量の製紙用薬剤を添加し、通常の抄紙機で
抄造し、プレス乾燥したコーン紙で、難燃性、耐湿度性
及び耐水性を有し、高強度、高弾性率、高内部損失を有
する。この超叩解パルプは熱水溶解性はないので、抄紙
網、プレス金型への汚染性はない。
性質の向上、耐熱性、難燃性、耐水性、耐湿度性等の化
学的性質を上げる為に芳香族ポリアミド、イミド化合
物、有機金属化合物、無機化合物(珪酸塩化合物)等を
含浸、コーティングすることが出来る。また、塩化ビニ
リデン繊維「サラン」、塩化ビニール繊維「テビロ
ン」、これらの共重合体である塩ビー塩化ビニリデン繊
維「クレハロン」は融点が他の塩素系繊維より低いの
で、熱プレスをするとさらに強度を向上させることが出
来る。
について説明する。( )内は限界酸素指数で製造会社
のカタログ値である。なお、自己消火性と言われる数値
(UL94規格V=0以上)は25以上であり、従ってLOI2
5以上の繊維を使用して繊維紙を抄紙すれ難燃性繊維紙
になりうる。 難燃性塩素系繊維 繊維名 製造会社及び商品名(限界酸素指数LOI ) 1.アクリロニトリル- 塩ヒ゛ 系繊維(モタ゛アクリル繊維) 鐘紡 「カネカロン S 」(28-32) 2.アクリロニトリル- 塩ヒ゛ 塩化ヒ゛ニリテ゛ン 繊維(同上) 鐘紡 「カネカロン SR」(28-32) 3.ホ゜リヒ゛ニールアルコール-塩ヒ゛ 繊維(ホ゜リクラール 繊維) 興人 「コーテ゛ラン 」 (32-34) 4 .塩ヒ゛-塩化ヒ゛ニリテ゛ン 繊維(PVC-PVD繊維) 呉羽化学「クレハロン 」(37) 5.塩化ヒ゛ニリテ゛ン 繊維 (PVD繊維) 旭化成 「サラン 」 (56) 6.塩ヒ゛ 繊維 (PVC 繊維) 帝人 「テヒ゛ロン」 (40)
燃性と耐熱性を有する樹脂、化合物を各々の溶剤に溶解
して、コーン紙に含浸、コーティングすることにより、
耐熱性、難燃性及び耐水性、耐湿度性等の諸性質を高性
能に改善できる。
リアミック酸型をする化合物は高温で硬化を行う。代表
的な品名と製造会社を記す。何れも難燃性を有し、耐熱
性はポリイミド系が最も高く、ポリアミドイミド、ポリ
アミド、ポリエステルイミドの順になる。
窒素、チタン、ホウ素元素が結合された構造物で、高温
になると有機的物質はなくなり、金属成分が多くなりセ
ラミックス化(金属酸化物)されて、耐熱性と難燃性を
与える。
O3 一級試薬 特に珪酸リチウム塩 (Li2 SiO3 , Li2 O/SiO2 =7.2〜
7.8 モル比) は含浸後、乾燥したものは、再び水に溶解
することはなく耐水性、耐湿度性が向上し、1000°C ま
で加熱減量がない。
そのまま水中に投入しても水と馴染まず、水面に浮き出
てしまったり、繊維表面に空気泡が付着し易い為に、攪
拌が進行すると共に殆どの繊維は水面近くに集まってし
まう。これを防止する為に界面活性剤、消泡剤を各10
0PPM程度添加して均一なスラリーとする。これを抄
紙することによって均一な繊維紙となす。超叩解木材パ
ルプの添加により低下した耐湿、耐水性を製紙用薬剤類
で向上させている。
の0.25%モジュラスより算出 内部損失 :捻れ自由減衰型粘弾性試験機より測定
算出 JIS K−7213 2.難燃性試験方法 JIS D 1201 「自動車内装用有機資材の燃焼
性試験法」による。
S(モダアクリル繊維、鐘紡) 、カネカロンSR(モダ
アクリル繊維、鐘紡)、コーデラン(ポリクラール繊
維、興人)、クレハロン(PVC−PVD繊維、呉羽化
学)、サラン(PVD繊維、旭化成)、テビロン(PV
C繊維、帝人)等を3mmに切断し、これに繊維状結合
材として、芳香族ポリアミド繊維のフイブリル化繊維を
0.5〜50%加え、更に、超叩解木材パルプ(マイク
ロファイバー)を0.5−30%を添加し、水で3%ス
ラリーとし、離解機で10分間十分に攪拌して離解す
る。これに製紙用薬剤を所定量加えて、通常の抄紙機で
抄造し、プレス乾燥してスピーカ用コーン紙とする。抄
紙時には繊維の濡れ、気泡を除去する為に、界面活性剤
と消泡剤を各々100PPM添加する。
難燃性コーン紙-3」に示す。 d.難燃性試験の結果 試験法 JIS D 1201「自動車内装有機材の難
燃性試験法」により、上記全ての塩素系繊維紙について
標線以下、自己消火性であった。
について、下記の物質の溶液を含浸することにより、更
に、強度、弾性率等の機械的性質、難燃性、耐熱性、耐
水性、耐湿度性等の化学的性能が向上する。
の物性は別表に上記結果と併記する。
維の短繊維に、繊維状結合剤として芳香族ポリアミド繊
維のフイブリル化繊維及びセルロース系繊維を超叩解し
たパルプを添加して抄造し、プレス乾燥させてコーン紙
としたので、高弾性率、高内部損失等の物性に優れ、か
つ難燃性、耐熱性、耐湿度性、耐水性を有する量産性に
優れた難燃性コーン紙を得ることができる。
香族ポリアミド,イミド系化合物、または有機金属高分
子化合物、または無機化合物を含浸またはコーティング
したので、高弾性率、高内部損失等の物性に優れ、かつ
難燃性、耐熱性、耐湿性、耐水性を有する量産に性に優
れたコーン紙を得ることができる。
変換器の振動板に用いられるコーン紙であって、特に難
燃性を持たせた難燃性コーン紙に関する。
繊維を主体としたものが多く、壁紙など建築用材として
多く使用されている。最近になって電磁シールド紙とし
て炭素繊維紙も出現してきているが何れも繊維紙として
の強度は低く、スピーカ用振動板に用いられるコーン紙
としては強度的に使用に耐えない。これらは繊維結合材
として有機系繊維である熱水再活性型ポバール繊維(ポ
リビニールアルコール=PVA)を多量に使用している
為に難燃性、耐熱性等の性質は低い。今まで難燃性繊維
素材を多く含む繊維紙をコーン紙として使用した例はな
く、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維(ケ
ブラー)等の長繊維を織物とした繊維強化樹脂(FR
P)コーン紙が存在するのみである。FRPコーン紙に
多量の樹脂(エポキシ、不飽和ポリエステル樹脂)が含
浸されるので上記繊維紙などと比較して重く、耐熱性、
難燃性等の性質は劣り、製造工程も長く、加工性も劣
り、繊維素材なども高価である。特に炭素繊維を用いた
炭素繊維強化樹脂(CFRP)或いは炭素繊維紙にあっ
ては導通性すらあり、コーン紙とした場合は特別な絶縁
処理などが必要である。
維などの有機高弾性繊維を繊維紙(絶縁紙)に使用する
研究もあるが、繊維結合材にPVA繊維を多量に使用し
ており、限界酸素指数(Limited Oxygen Index)は塩素
系繊維より低く、その繊維紙の性質は上記同様であり、
また高価である。繊維紙強度は無機繊維を主体とした繊
維紙と比較しても強度的に大きな差はなく、一般のセル
ロース繊維(木材パルプ紙)の強度に及ばない。
としたものは少なく、コーン紙に使用した例もない。そ
の理由はPVA繊維を繊維結合材として使用せざるをえ
ないこと、それによりプレスドライ法を用いるコーン紙
製造工程では乾燥時に金型汚染が酷くなる為である。従
来、難燃性コーン紙に多くなされている方法はセルロー
ス繊維紙コーン紙に無機リン酸塩系難燃剤を含浸して、
難燃化している場合が大部分である。しかし、このよう
な固形物を含む紙は脆く、弱く、繰り返し応力を強制的
に受ける振動に対しては耐久性が殆どなく、振動中に破
壊に至る場合もある。
合成繊維の短繊維を使用して、紙状物質を製造する方法
は幾つか考えられるが、容易に考え付く方法は木材パル
プと混抄して成紙とする方法と、繊維状熱再活性型ポリ
ビニールアルコール繊維(PVA=ポバール繊維)を使
用する方法とがある。しかしながら、特に後者は塩素系
繊維以外の多くの合成(無機、有機)繊維紙の繊維結合
材として用いられているが、紙の強度をあげる為に多量
に添加する必要があり、その結果、優れた難燃性能を得
ることは難しい。最近、難燃化ポバール繊維も製紙用繊
維として使用されているが、強い強度が得られないばか
りか、難燃剤に有機臭素化合物を使用しているのでダイ
オキシン問題が憂慮されている。
網(ワイヤー)、乾燥時のドライヤー、或いはフェルト
類等へのポバール繊維溶解による汚染性があり、十分に
解決されていない。また、コーン紙製造時でも、その乾
燥にプレス乾燥方式(プレスドライ法)を採用している
為に、抄紙網、プレス金型等への溶解したポバール(繊
維、粉末状)による汚染性と接着性があり製造が難し
い。またポバール繊維を使用した繊維紙の最高強度を発
揮させるには、ウェッブ(繊維と水の複合体)中の含水
率と熱再活性温度との間には最適条件があり、この範囲
は非常に狭く各々±5%前後の許容差しかなく管理が難
しく、再現性に乏しい。以上のことからPVA繊維を塩
素系繊維紙の結合材として考えると難燃性能、製造管理
等から非常に難しいことになる。
ので、その目的とするところは、高弾性率、高強度、耐
熱性で、しかも難燃性の塩素系繊維からなり、かつ繊維
状接触面積の増大を計り、紙状マトリックスの強度を上
昇させ、量産に適した難燃性コーン紙を提供することに
ある。
に本発明の難燃性コーン紙は、高い難燃性を有する塩素
系繊維の短繊維類に繊維状結合材として、芳香族ポリア
ミド繊維のフイブリル化繊維及びセルロース系繊維を超
叩解した超叩解パルプを加え、通常の抄紙機で抄造して
なる難燃性、耐湿度性及び耐水性を有し、高強度、高弾
性率、高内部損失を有することに特徴を有する。
難燃性コーン紙は、上記記載の難燃性コーン紙に、更に
難燃性、耐熱性、耐水性、耐湿度性を向上させ、高強
度、高弾性率、高内部損失を得る為に、芳香族ポリアミ
ド、イミド化合物、有機金属高分子化合物、無機化合物
(珪酸塩化合物)等の溶液を含浸、またはコーティング
したことに特徴を有する。
相違して、その繊維表面が非親水性であり、比表面積も
小さく、水による可塑化で繊維間接触面積の増大もな
く、繊維間に水の表面張力も働かない。それ故に強いウ
ェッブは形成できず、繊維紙強度は弱く実用性に乏し
い。紙状マトリックスの強度は密度に関係し、密度が大
きいと強度も上がるのが一般的である。繊維紙の強度は
この紙状マトリックスの密度を如何に上げるかの方法に
関わって来る。この密度を上げる方法は短い繊維を使用
して比較的長い繊維(カット繊維)の間に充填すること
によって上げられる。この短い繊維にはミルド繊維、フ
イブリル化繊維がある。これらが更にセルロース繊維の
ように親水性繊維であればウェッブ強度や繊維紙強度を
上げ易いことになる。
溶解し、非溶剤中にジェット噴射して作られたフイブリ
ル化繊維(フイブリット繊維とも言う)、或いは木材パ
ルプを機械的に超叩解した超叩解木材パルプは比表面積
も大きく、特に後者の比表面積は10.0m2 /g以上
に達し、機械操作によっては200m2 /gにまでな
る。それ故成紙の密度を上げるのに最も適している。ま
た、その繊維表面は親水性であり、繊維間に水の表面張
力が働き、水素結合も成立してウェッブ強度や繊維紙強
度を大幅に上げることができる。また超叩解木材パルプ
は比表面積が非常に大きいので、分散性能にも優れ、密
度の高い塩素系繊維(1.32〜1.70g /cm3 )の水中で
の沈降速度を減速させ、均質な繊維紙を与える。
性、耐湿度性等の化学的性質を向上させる為に、無機化
合物(珪酸塩化合物)、芳香族ポリアミド、イミド化合
物、有機金属高分子化合物等の物質の溶液を含浸、コー
ティングすることにより、これらの必要な諸性質が一段
と向上する。
塩素系繊維を0.5〜10.0mmに切断して短繊維と
し、その繊維状結合材に芳香族ポリアミド繊維を溶剤に
溶解し、非溶剤中に急激に噴射(ジェットスプレイ)し
て製造した、フイブリル化繊維を0.5〜50%、或い
は木材パルプを機械的に超叩解して、比表面積を10.
0m2 /gとした超叩解木材パルプ(マイクロファイバ
ー)を0.5〜30%加え、十分に攪拌してスラリー状
にして、所定量の製紙用薬剤を添加し、通常の抄紙機で
抄造し、プレス乾燥したコーン紙で、難燃性、耐湿度性
及び耐水性を有し、高強度、高弾性率、高内部損失を有
する。この超叩解パルプは熱水溶解性はないので、抄紙
網、プレス金型への汚染性はない。
性質の向上、耐熱性、難燃性、耐水性、耐湿度性等の化
学的性質を上げる為に芳香族ポリアミド、イミド化合
物、有機金属化合物、無機化合物(珪酸塩化合物)等を
含浸、コーティングすることが出来る。また、塩化ビニ
リデン繊維「サラン」、塩化ビニール繊維「テビロ
ン」、これらの共重合体である塩ビー塩化ビニリデン繊
維「クレハロン」は融点が他の塩素系繊維より低いの
で、熱プレスをするとさらに強度を向上させることが出
来る。
について説明する。( )内は限界酸素指数で製造会社
のカタログ値である。なお、自己消火性と言われる数値
(UL94規格V=0以上)は25以上であり、従ってLOI2
5以上の繊維を使用して繊維紙を抄紙すれ難燃性繊維紙
になりうる。 難燃性塩素系繊維 繊維名 製造会社及び商品名(限界酸素指数LOI ) 1.アクリロニトリル- 塩ヒ゛ 系繊維(モタ゛アクリル繊維) 鐘紡 「カネカロン S 」(28-32) 2.アクリロニトリル- 塩ヒ゛ 塩化ヒ゛ニリテ゛ン 繊維(同上) 鐘紡 「カネカロン SR」(28-32) 3.ホ゜リヒ゛ニールアルコール-塩ヒ゛ 繊維(ホ゜リクラール 繊維) 興人 「コーテ゛ラン 」 (32-34) 4 .塩ヒ゛-塩化ヒ゛ニリテ゛ン 繊維(PVC-PVD繊維) 呉羽化学「クレハロン 」(37) 5.塩化ヒ゛ニリテ゛ン 繊維 (PVD繊維) 旭化成 「サラン 」 (56) 6.塩ヒ゛ 繊維 (PVC 繊維) 帝人 「テヒ゛ロン」 (40)
燃性と耐熱性を有する樹脂、化合物を各々の溶剤に溶解
して、コーン紙に含浸、コーティングすることにより、
耐熱性、難燃性及び耐水性、耐湿度性等の諸性質を高性
能に改善できる。
リアミック酸型をする化合物は高温で硬化を行う。代表
的な品名と製造会社を記す。何れも難燃性を有し、耐熱
性はポリイミド系が最も高く、ポリアミドイミド、ポリ
アミド、ポリエステルイミドの順になる。
窒素、チタン、ホウ素元素が結合された構造物で、高温
になると有機的物質はなくなり、金属成分が多くなりセ
ラミックス化(金属酸化物)されて、耐熱性と難燃性を
与える。
O3 一級試薬 特に珪酸リチウム塩 (Li2 SiO3 , Li2 O/SiO2 =7.2〜
7.8 モル比) は含浸後、乾燥したものは、再び水に溶解
することはなく耐水性、耐湿度性が向上し、1000°C ま
で加熱減量がない。
そのまま水中に投入しても水と馴染まず、水面に浮き出
てしまったり、繊維表面に空気泡が付着し易い為に、攪
拌が進行すると共に殆どの繊維は水面近くに集まってし
まう。これを防止する為に界面活性剤、消泡剤を各10
0PPM程度添加して均一なスラリーとする。これを抄
紙することによって均一な繊維紙となす。超叩解木材パ
ルプの添加により低下した耐湿、耐水性を製紙用薬剤類
で向上させている。
の0.25%モジュラスより算出 内部損失 :捻れ自由減衰型粘弾性試験機より測定
算出 JIS K−7213 2.難燃性試験方法 JIS D 1201 「自動車内装用有機資材の燃焼
性試験法」による。
S(モダアクリル繊維、鐘紡) 、カネカロンSR(モダ
アクリル繊維、鐘紡)、コーデラン(ポリクラール繊
維、興人)、クレハロン(PVC−PVD繊維、呉羽化
学)、サラン(PVD繊維、旭化成)、テビロン(PV
C繊維、帝人)等を3mmに切断し、これに繊維状結合
材として、芳香族ポリアミド繊維のフイブリル化繊維を
0.5〜50%加え、更に、超叩解木材パルプ(マイク
ロファイバー)を0.5−30%を添加し、水で3%ス
ラリーとし、離解機で10分間十分に攪拌して離解す
る。これに製紙用薬剤を所定量加えて、通常の抄紙機で
抄造し、プレス乾燥してスピーカ用コーン紙とする。抄
紙時には繊維の濡れ、気泡を除去する為に、界面活性剤
と消泡剤を各々100PPM添加する。
難燃性コーン紙-3」に示す。 d.難燃性試験の結果 試験法 JIS D 1201「自動車内装有機材の難
燃性試験法」により、上記全ての塩素系繊維紙について
標線以下、自己消火性であった。
について、下記の物質の溶液を含浸することにより、更
に、強度、弾性率等の機械的性質、難燃性、耐熱性、耐
水性、耐湿度性等の化学的性能が向上する。
の物性は別表に上記結果と併記する。
維の短繊維に、繊維状結合剤として芳香族ポリアミド繊
維のフイブリル化繊維及びセルロース系繊維を超叩解し
たパルプを添加して抄造し、プレス乾燥させてコーン紙
としたので、高弾性率、高内部損失等の物性に優れ、か
つ難燃性、耐熱性、耐湿度性、耐水性を有する量産性に
優れた難燃性コーン紙を得ることができる。
香族ポリアミド,イミド系化合物、または有機金属高分
子化合物、または無機化合物を含浸またはコーティング
したので、高弾性率、高内部損失等の物性に優れ、かつ
難燃性、耐熱性、耐湿性、耐水性を有する量産に性に優
れたコーン紙を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 高い難燃性を有する塩素系繊維の短繊維
類に繊維状結合材として、芳香族ポリアミド繊維のフイ
ブリル化繊維及びセルロース系繊維を超叩解した超叩解
パルプを加え、通常の抄紙機で抄造してなる難燃性、耐
湿度性及び耐水性を有し、高強度、高弾性率、高内部損
失を有することを特徴とする難燃性コーン紙。 - 【請求項2】 請求項1記載の難燃性コーン紙に、更に
難燃性、耐熱性、耐水性、耐湿度性を向上させ、高強
度、高弾性率、高内部損失を得る為に、芳香族ポリアミ
ド、イミド化合物、有機金属高分子化合物、無機化合物
(珪酸塩化合物)等の溶液を含浸、またはコーティング
したことを特徴とする難燃性コーン紙。
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JP3118094A JP3034636B2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | 難燃性コーン紙 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002034095A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Foster Electric Co Ltd | 電気音響変換器用振動板 |
JP2005107316A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Nagoya Electric Works Co Ltd | 情報表示装置の表示切替装置 |
-
1991
- 1991-04-22 JP JP3118094A patent/JP3034636B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002034095A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Foster Electric Co Ltd | 電気音響変換器用振動板 |
JP2005107316A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Nagoya Electric Works Co Ltd | 情報表示装置の表示切替装置 |
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