JPH058359B2 - - Google Patents

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JPH058359B2
JPH058359B2 JP1293584A JP29358489A JPH058359B2 JP H058359 B2 JPH058359 B2 JP H058359B2 JP 1293584 A JP1293584 A JP 1293584A JP 29358489 A JP29358489 A JP 29358489A JP H058359 B2 JPH058359 B2 JP H058359B2
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JP
Japan
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film
tube
iron
seawater
heat exchanger
Prior art date
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Application number
JP1293584A
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English (en)
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JPH03156298A (ja
Inventor
Takayoshi Tsuboi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
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Publication of JPH03156298A publication Critical patent/JPH03156298A/ja
Publication of JPH058359B2 publication Critical patent/JPH058359B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は管内を海水又は河海水等の冷却水が通
流する熱交換器用伝熱管に関し、特に、冷却水に
よる腐食を防止するために内面に防食皮膜が形成
された熱交換器用伝熱管に関する。 [従来の技術] 従来、銅合金製熱交換器用伝熱管の内面の腐食
を防止するために、管内面に水酸化鉄の皮膜を形
成する技術が広く採用されている。通常、この水
酸化鉄の皮膜は、伝熱管内を通流する冷却水に第
1鉄イオンを注入し、この冷却水を伝熱管内に送
り込むことにより管内面に形成されている。しか
しながら、この方法は皮膜の形成速度が遅いため
に、冷却水の通水初期に厳しい腐食条件に曝され
る場合には、皮膜の形成が間に合わず、十分な防
食効果が得られない。また、鉄イオンを含有した
水がそのまま海へ放出されるので、環境保全の観
点から好ましい技術とはいえない。 これらの問題点を改善するために、本願出願人
は伝熱管の内面に予め水酸化鉄皮膜を形成してお
く技術を提案した(特開昭56−150693号、特願昭
63−223262号)。これらの技術は、管内面に鉄粉
懸濁液を薄く付着させ、その後管内面を酸化性ガ
スに曝すことにより水酸化鉄皮膜を形成するもの
であり、薄膜性、均一性及び密着性が優れた水酸
化鉄皮膜を短時間で形成することができる。この
ように、水酸化鉄皮膜が形成された熱交換器用伝
熱管は、環境を汚染することがないと共に、通常
の清浄海水を通水して使用する場合には十分な防
食効果を示す。 また、管内面に塗料等の有機系樹脂を付着さ
せ、この有機系樹脂皮膜を防食皮膜として使用す
る技術もある。この有機系防食皮膜を有する熱交
換器用伝熱管の場合も、環境を汚染することはな
い。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、前述した技術により予め管内面
に水酸化鉄皮膜を形成した熱交換器用伝熱管にお
いては、水酸化鉄皮膜の密着性は優れているもの
の、この水酸化鉄皮膜も貝殻等の固くて鋭利な異
物の流入により局部的に剥離してしまうことは避
けられない。そして、この剥離した部分の管本体
が海水により腐食されるという問題点がある。特
に、塩素を過剰に注入した海水及び汚染が激しい
海水においては、皮膜剥離部分が著しく腐食され
る。 一方、有機系防食皮膜を有する熱交換器用伝熱
管の場合は、管端部の電気防食処理の際に、皮膜
に膨れ及び剥離が発生し、この膨れ及び剥離が発
生した部分が腐食されるという問題点がある。 本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので
あつて、腐食性が強い海水に対しても優れた防食
性能を有すると共に、皮膜が剥離した場合は剥離
部分の腐食の進行が極めて遅く、又、電気防食処
理の際に皮膜の膨れ及び剥離が発生せずにその密
着性が優れている熱交換器用伝熱管を提供するこ
とを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明に係かる熱交換器用伝熱管は、銅又は銅
合金からなる管本体と、この管本体の内面に形成
され常温における体積抵抗率が0.1Ωcm以下の鉄
を主成分とする導電性樹脂皮膜とを有し、前記管
本体に生成される銅酸化物に対する前記皮膜の電
位差は0.25V以上の卑な電位であることを特徴と
する。 [作用] 本発明においては、この伝熱管の管内に海水を
通水すると、皮膜中に鉄が存在する期間は、銅又
は銅合金製管本体の表面に対して鉄が犠牲陽極と
して作用する。このため、異物により皮膜が剥離
されて金属地肌が露出しても、露出した部分の腐
食が防止される。この場合、皮膜が金属地肌に対
して0.25V未満の卑な電位の場合は、上述の犠牲
陽極による防食効果が小さく、金属地肌が腐食さ
れる。このため、皮膜の金属地肌に対する電位差
は0.25V以上である必要がある。 また、海水の通水により、皮膜中の鉄は海水と
反応して徐々に水酸化鉄を主成分とする保護皮膜
に変化する。更に、皮膜の剥離により金属地肌が
露出した部分もこの水酸化鉄を主成分とする皮膜
に覆われてくる。これにより、初期組成の鉄を主
成分とする導電性樹脂がなくなつた後も、銅又は
銅合金製管本体の内面はこの水酸化鉄を主成分と
する皮膜により覆われ、腐食が防止される。 更にまた、電気防食処理による皮膜の膨れ現象
は、電気防食処理を実施する際に陰極面(管本体
の表面)で樹脂近傍の海水がアルカリ性となり、
これにより有機系樹脂の皮膜に膨れが発生するこ
とが知られている。従つて、本発明のように皮膜
が導電性樹脂の場合は、皮膜の表面で前記陰極反
応が生じるため、膨れの発生を回避することがで
きる。しかし、皮膜の体積抵抗率が0.1Ωcmを超
えると、この効果が十分ではなく、電気防食処理
の際に膨れが発生する。このため、皮膜の体積抵
抗率は0.1Ωcm以下とする。 なお、このような鉄を主成分とする皮膜は、例
えば、鉄粉を混合した接着剤を伝熱管本体の内面
に塗布することによつて形成してもよいし、又は
管本体の内面に銅粉等を含有した導電性接着剤を
薄く被覆し、この接着剤の表面に鉄粉をまぶして
被着させることにより形成することもできる。 [実施例] 次に、本発明の実施例について説明する。 先ず、伝熱管の管本体として、外径が25.4mm、
肉厚が1.245mm、長さが15mのアルミニウム黄銅
管(JIS H3300 C6872T)を用意した。 また、エポキシ系樹脂接着剤(アラルダイト
AZ102/HY956;チバガイギー社製)の低粘度
液に、平均粒径が4μmのカルボニル鉄粉を混合
し、十分に攪拌して塗装用鉄粉接着剤とした。こ
のとき、エポキシ系樹脂の濃度及びカルボニル鉄
粉の添加量が種々異なる鉄粉接着剤を用意した。 次に、この鉄粉接着剤を管本体の内面にエアレ
ススプレー法により塗布した。このときの塗液供
給圧力は100Kg/cm2、ノズル移動速度は2m/秒
である。 次いで、鉄粉接着剤を塗布した管を室温におい
て48時間放置し、接着剤を硬化させた。その後、
このアルミニウム黄銅管を250mmの長さに切断し
て供試管とした。 このようにして得られた各実施例及び比較例の
供試管の皮膜の体積抵抗率及び金属地肌に対する
電位差を下記第1表に示す。但し、比較例4は鉄
粉を含有しないエポキシ系樹脂のみからなる皮膜
を有する供試管であり、比較例5は皮膜を有しな
いアルミニウム黄銅管のみの供試管である。 なお、これらの供試管の皮膜の体積抵抗率は、
常温において測定した。また、各供試管の皮膜の
金属地肌に対する電位差については、清浄な天然
海水中において、金属地肌の飽和カロメル電極
(SCE)に対する自然電位と、皮膜部のSCEに対
する自然電位とを測定し、両者の差をとることに
より求めた。 これらの実施例及び比較例の各供試管に対し、
次の項目について試験を行つて皮膜の性能を評価
した。 モデルコンデンサーによる通水試験 予め、供試管内面の皮膜にスクラツチ疵を付
け、この供試管をモデルコンデンサーに装着し
た。そして、供試管内に、腐食媒として清浄な天
然海水を2.5m/秒の流速で6カ月間通流させた。
また、一部の供試管については、上述の如く供試
管内に清浄な天然海水を通流させると共に、毎日
1時間、天然海水にS2-を0.2ppmの濃度で添加し
た人工汚染海水を2.5m/秒の流速で6カ月間通
流させた。このようにして、6カ月間後に清浄天
然海水のみを通流させた供試管及び人工汚染海水
を通流させた供試管の前記スクラツチ疵部の最大
腐食深さを測定した。
【表】 電気防食処理による皮膜の膨れ試験 清浄な天然海水を2m/秒の流速で供試管内に
通水し、定電位電解法により、−0.75V SCEで25
日間陰極防食処理を実施した。その後、供試管の
管端から50mmの位置の皮膜の膨れ状態を観察し、
膨れの平均径を測定した。 これらの試験結果を第1表に併せて示した。 この第1表から明らかなように、皮膜の体積抵
抗率を0.1Ωcm以下とし、金属地肌に対する電位
差を0.25V以上の卑な電位とした実施例1乃至5
は、いずれも電気防食処理による膨れが発生せ
ず、またスクラツチ疵部の金属地肌部分の腐食も
認められず、良好な状態であつた。更に、モデル
コンデンサーによる通水試験後の供試管のスクラ
ツチ疵部は黄褐色のスケールに覆われており、ス
クラツチ庇部の広がりもなく、皮膜の密着性が極
めて優れていた。 一方、本願の特許請求の範囲から外れる比較例
1乃至5はいずれも汚染海水において腐食が発生
し、比較例2乃至5は清浄な天然海水においても
腐食が発生した。また、比較例1及び皮膜を有し
ない裸材である比較例5を除く比較例2乃至4
は、電気防食処理により皮膜に膨れが発生した。 [発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、管本体の
内面に鉄を主成分とし、体積抵抗率が0.1Ωcm以
下であり、銅酸化物に対して0.25V以上の卑な電
位差となる導電性樹脂皮膜が形成されているか
ら、電気防食処理による皮膜の膨れが回避され
る。また、異物の流入により皮膜が局部的に剥離
した場合は、皮膜中の鉄が犠牲陽極となるため、
金属地肌の腐食が抑制される。更に、鉄が冷却水
と反応して水酸化鉄を主成分とする皮膜が生成さ
れ、この皮膜が管内面を覆うため、長期に亘つて
防食効果が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 銅又は銅合金からなる管本体と、この管本体
    の内面に形成され常温における体積抵抗率が
    0.1Ωcm以下の鉄を主成分とする導電性樹脂皮膜
    とを有し、前記管本体に生成される銅酸化物に対
    する前記皮膜の電位差は0.25V以上の卑な電位で
    あることを特徴とする熱交換器用伝熱管。
JP29358489A 1989-11-10 1989-11-10 熱交換器用伝熱管 Granted JPH03156298A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29358489A JPH03156298A (ja) 1989-11-10 1989-11-10 熱交換器用伝熱管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29358489A JPH03156298A (ja) 1989-11-10 1989-11-10 熱交換器用伝熱管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03156298A JPH03156298A (ja) 1991-07-04
JPH058359B2 true JPH058359B2 (ja) 1993-02-01

Family

ID=17796622

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JP29358489A Granted JPH03156298A (ja) 1989-11-10 1989-11-10 熱交換器用伝熱管

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1013964A2 (en) 1998-12-24 2000-06-28 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Metal V-belt

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5042453A (ja) * 1973-08-20 1975-04-17

Patent Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5042453A (ja) * 1973-08-20 1975-04-17

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1013964A2 (en) 1998-12-24 2000-06-28 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Metal V-belt

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JPH03156298A (ja) 1991-07-04

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