JPH0583014A - リツジ導波管ーマイクロストリツプ線路変換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、挿入損の低減化を図ったうえで、
製作作業性の簡略化を図り得るようにすることにある。 【構成】誘電体基板１１の一部をリッジ導波管１０内に
収容して、マイクロストリップ線路１２とリッジ導波管
１０の結合リッジ部１０ａを重ね合せて接続するように
構成して、所期の目的を達成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばマイクロ波機
器に用いられるリッジ導波管ーマイクロストリップ線路
変換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種のリッジ導波管ーマイク
ロストリップ線路変換器においては、図３に示すように
構成されている。すなわち、図３（ａ）は正面図、同図
（ｂ）は断面図、同図（ｃ）は同図（ｂ）のＡーＡ´を
断面にした断面図を示すもので、マイクロ波が伝搬され
るリッジ導波管１はＨ面（長辺側）に平行な２つの管壁
及びＥ面（短辺）に平行な２つの管壁よりなる断面略矩
形状に形成される。このリッジ導波管１の一端における
Ｈ面の一方面Ｈ1 側には誘電体基板２が延設される。こ
の誘電体基板２には、例えば図示しないマイクロ波機器
の能動素子等に接続されるマイクロストリップ線路３が
管路に対して設けられる。また、リッジ導波管１の一端
におけるＨ面の他方面Ｈ2 側には、例えば階段状の結合
リッジ部４が誘電体基板２のマイクロストリップ線路３
に対応して形成される。この結合リッジ部４はマイクロ
ストリップ線路３に金箔５を介して溶接される。これに
より、リッジ導波管１を伝搬したマイクロ波は結合リッ
ジ部４、金箔５を介してマイクロストリップ線路３に導
かれて、該マイクロストリップ線路３への変換がなされ
る。

【０００３】ところが、上記リッジ導波管ーマイクロス
トリップ線路変換器では、その構成上、マイクロ波及び
ミリ波の信号が結合リッジ部４から急峻にマイクロスト
リップ線路３に変換されるために、結合リッジ部４の開
口部からの放射が比較的大きく、かつ反射も大きい、従
って、その挿入損が満足の行くものでなく、挿入損の低
減化を図るのが困難なものであった。

【０００４】また、これによると、結合リッジ部４の端
面とマイクロストリップ線路３の端面を精度良く位置合
せして、その部位の微小な面積を金箔５を用いて精度良
く溶接しなければ良好な変換特性を得ることが困難なた
めに、その組立て作業を含む製作作業が非常に面倒であ
るという問題を有していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のリッジ導波管ーマイクロストリップ線路変換器で
は、挿入損の低減化を図るのが困難であると共に、その
製作作業が面倒であるという問題を有していた。

【０００６】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、挿入損の低減化を図り得、且つ製作作業性の簡略
化を図り得るようにしたリッジ導波管ーマイクロストリ
ップ線路変換器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、断面略矩形
状のリッジ導波管の管路の一端におけるＨ面の一方面側
に結合リッジ部を設けると共に、前記Ｈ面の他方面側に
管路に略平行なマイクロストリップ線路を有した誘電体
基板を配置し、前記結合リッジ部及びマイクロストリッ
プ線路を接続させてなるリッジ導波管ーマイクロストリ
ップ線路変換器において、前記誘電体基板の一部を前記
リッジ導波管内に収容して、前記マイクロストリップ線
路と前記リッジ導波管の結合リッジ部を重ね合せて接続
するように構成したものである。

【０００８】

【作用】上記構成によれば、電磁界は誘電体基板の作用
により結合リッジ部の下面における集中度の向上が図れ
ると共に、マイクロストリップ線路と結合リッジ部が重
ね合されて連続されることにより、接続箇所の乱れが最
小限に規制される。これにより、放射波の発生が少なく
なるとともに反射損失が大きくなり、挿入損失が低減化
される。

【０００９】また、誘電体基板のマイクロストリップ線
路はリッジ導波管の結合リッジ部に重ね合されて接続さ
れることにより、従来のような金箔等の別部材を用いる
ことがなくなる。従って、組立て作業を含む製作作業の
簡略化の促進が図れる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照して詳細に説明する。

【００１１】図１はこの発明の一実施例に係るリッジ導
波管ーマイクロストリップ線路変換器を示すもので、同
図（ａ）は正面図、同図（ｂ）は断面図、同図（ｃ）は
同図（ｂ）のＡーＡ´を断面にした断面図である。すな
わち、図において、１０は略断面矩形状のリッジ導波管
で、その一端のＨ面の一方面側には結合リッジ部１０ａ
がＨ面の他方面側方向に、例えば階段状に漸次接近する
ように形成される。

【００１２】また、リッジ導波管１０の一端のＨ面の他
方面側には延設部１０ｂが設けられ、この延設部１０ｂ
には誘電体基板１１がその先端が結合リッジ部１０ａに
対向するように管内に収容されて設置される。この誘電
体基板１１には管路に略平行なマイクロストリップ線路
１２が結合リッジ部１０ａに対応して形成され、このマ
イクロストリップ線路１２の先端部が結合リッジ部１０
ａにＬ寸法だけ重ね合されて電気的に接続される。

【００１３】上記構成において、リッジ導波管１０を伝
播したマイクロ波は結合リッジ部１０ａよりマイクロス
トリップ線路１２に直接的に伝送されると、所望の変換
特性を有して伝送される。この際、電磁界は誘電体基板
１１の作用により結合リッジ部１０ａの下面における集
中度の向上が図れると共に、マイクロストリップ線路１
２と結合リッジ部１０ａが重ね合されて連続されること
により、その接続箇所の乱れが最小限に規制される。こ
れにより、図２に示すように、反射損が図中実線で示す
特性Ａとなり、図中一点鎖線で示す従来の反射損の特性
Ｂに比して向上し、結果として、挿入損が図中実線で示
す特性Ｃとなり、従来の挿入損の特性Ｄに比して向上す
る。これは、実験的に確認されるところである。

【００１４】このように、上記リッジ導波管ーマイクロ
ストリップ線路変換器は、誘電体基板１１の一部をリッ
ジ導波管１０内に収容して、マイクロストリップ線路１
２とリッジ導波管１０の結合リッジ部１０ａを重ね合せ
て接続するように構成した。これによれば、電磁界が誘
電体基板１１の作用により結合リッジ部１０ａの下面に
おける集中度の向上が図れると共に、マイクロストリッ
プ線路１２と結合リッジ部１０ａが重ね合されて連続さ
れていることにより、接続箇所の乱れが最小限に規制さ
れて、放射波の発生が少なくなり、かつ反射損失が大き
くなり、挿入損失の低減化が図れる。

【００１５】また、これによれば、誘電体基板１１のマ
イクロストリップ線路１２はリッジ導波管１０の結合リ
ッジ部１０ａに重ね合されて接続されることにより、従
来のような金箔等の別部材を用いることがなくなるの
で、組立て作業を含む製作作業の簡略化の促進が図れ
る。

【００１６】なお、上記実施例では、結合リッジ部１０
ａを階段状に形成した場合で説明したが、これに限るこ
となく、例えば傾斜状に形成することも可能である。ま
た、結合リッジ部１０ａとしては、階段状や傾斜状に限
ることなく、各種形状構成のものにおいて適用可能であ
る。よって、この発明は上記実施例に限ることなく、そ
の他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を
実施し得ることは勿論のことである。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、挿入損の低減化を図り得、且つ製作作業性の簡略化
を図り得るようにしたリッジ導波管ーマイクロストリッ
プ線路変換器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係るリッジ導波管ーマイ
クロストリップ線路変換器を示した図。

【図２】図１の特性を示した図。

【図３】従来のリッジ導波管ーマイクロストリップ線路
変換器を示した図。

【符号の説明】

１０…率字導波管、１０ａ…結合リッジ部、１０ｂ…延
設部、１１…誘電体基板、１２…マイクロストリップ線
路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 清裕 神奈川県川崎市幸区小向東芝町１番地 株 式会社東芝小向工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面略矩形状のリッジ導波管の管路の一
   端におけるＨ面の一方面側に結合リッジ部を設けると共
   に、前記Ｈ面の他方面側に管路に略平行なマイクロスト
   リップ線路を有した誘電体基板を配置し、前記結合リッ
   ジ部及びマイクロストリップ線路を接続させてなるリッ
   ジ導波管ーマイクロストリップ線路変換器において、 前記誘電体基板の一部を前記リッジ導波管内に収容し
   て、前記マイクロストリップ線路と前記リッジ導波管の
   結合リッジ部を重ね合せて接続するように構成したこと
   を特徴とするリッジ導波管ーマイクロストリップ線路変
   換器。