JPH0582841A - 超伝導多層配線構造およびその形成方法 - Google Patents

超伝導多層配線構造およびその形成方法

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JPH0582841A
JPH0582841A JP3239351A JP23935191A JPH0582841A JP H0582841 A JPH0582841 A JP H0582841A JP 3239351 A JP3239351 A JP 3239351A JP 23935191 A JP23935191 A JP 23935191A JP H0582841 A JPH0582841 A JP H0582841A
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superconducting
multilayer wiring
semiconductor
wiring structure
phase
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JP3239351A
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Atsushi Tanaka
厚志 田中
Nobuo Kamehara
伸男 亀原
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、超伝導多層配線構造およびその形
成方法に関し、絶縁層と超伝導配線層との格子定数の差
に起因する従来の問題点を解消し、本来の超伝導特性を
発揮することができる多層配線構造およびその形成方法
を提供することを目的とする。 【構成】 酸化物超伝導体から成る配線層に対する絶縁
層として、該酸化物超伝導体と構成元素が共通で結晶構
造が異なる半導体的挙動を示す絶縁層を備えて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超伝導多層配線構造お
よびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在知られている酸化物超伝導体のう
ち、Bi系層状ペロブスカイト型銅酸化物には高い臨界
温度(Tc)110Kの相があるため、種々の電子素子
等の配線材料として期待されている。Bi系層状ペロブ
スカイト型銅酸化物は、単位胞内に含まれるCu−O平
面の個数の違いに応じて臨界温度が異なる超伝導相が存
在することが知られている。これまでに明らかになって
いるところでは、下式: Bi2 Sr2 Can-1 Cun x において、n=1に対するTc=10Kの相、n=2に
対するTc=80Kの相、およびn=3に対するTc=
110Kの相が知られている。
【0003】ここで、上記式から若干組成を変えたBi
2 Sr2-x Ca1-y CuOz (x≒y)は半導体的挙動
を示す。そして上記の超伝導相および半導体相はいずれ
も、薄膜として形成した場合にはc軸が基板に垂直にな
る配向性を示す。また、そのa軸およびb軸の長さはい
ずれも5.4Åであり実質的に殆ど差がない。
【0004】超伝導膜を用いて多層配線を形成する際に
は、超伝導配線が直流に対して十分な臨界電流密度を有
すると共に、高周波特性にも優れた多層膜を形成する必
要がある。そのためには、超伝導体から成る配線層は配
向性および結晶性に優れ、また平坦性が良いことが必要
であり、一方絶縁層は、超伝導相の特性を劣化させず、
且つ超伝導相と結晶構造が近い必要がある。例えば、半
導体装置で絶縁層としてよく用いられるSiOx 等は、
超伝導体膜と化学反応を起こしてその超伝導特性を劣化
させるため、超伝導配線の絶縁層として用いることはで
きない。
【0005】そこで従来は、このような化学反応による
超伝導特性の劣化を生ぜず、例えば上記Bi系超伝導体
相と比較的結晶構造が近いMgO等が用いられていた。
しかし、従来用いられていたMgO等の絶縁層は、Bi
系超伝導体等とは格子定数に食い違いがあり、特に絶縁
層の上に超伝導配線層を形成することを繰り返す多層配
線の場合には、格子定数の差が累積されるため、良質の
超伝導体結晶を成長させることが極めて困難であり、本
来の超伝導特性を有する多層配線構造が得られないとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絶縁層と超
伝導配線層との格子定数の差に起因する上記従来の問題
点を解消し、本来の超伝導特性を発揮することができる
多層配線構造およびその形成方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の超伝導多層配線構造は、酸化物超伝導体
から成る配線層に対する絶縁層として、該酸化物超伝導
体と構成元素が共通で結晶構造が異なる半導体的挙動を
示す絶縁層を備えたことを特徴とする。また本発明は超
伝導多層配線構造は、基板上に堆積を行うことにより超
伝導多層配線構造を形成する際に、第1の基板温度で堆
積を行うことにより酸化物超伝導体から成る配線層を形
成し、該第1の基板温度とは異なる第2の基板温度で堆
積を行うことにより該酸化物超伝導体と実質的に同一組
成で結晶構造の異なる半導体的挙動を示す絶縁層を形成
することを特徴とする超伝導体多層配線構造の形成方法
により形成することができる。
【0008】また上記本発明の超伝導多層配線構造は、
基板上に堆積を行うことにより超伝導多層配線構造を形
成する際に、第1の組成物を堆積させることにより酸化
物超伝導体から成る配線層を形成し、該第1の組成物と
は構成元素が共通で組成が異なる第2の組成物を堆積さ
せることにより半導体的挙動を示す絶縁層を形成するこ
とを特徴とする超伝導多層配線構造の形成方法によって
形成することができる。
【0009】
【作用】本発明は、構成元素が共通で結晶構造が異なる
複数の酸化物結晶を、それぞれ超伝導体から成る配線層
および半導体的挙動を示す絶縁層として用いることによ
り、配線層と絶縁層の格子定数の差を実質的に解消し
た。これにより両層の接合面における格子の歪みを極め
て小さく抑えることができ、また両層間の化学的反応も
事実上起きないので、本来の超伝導特性を発揮すること
ができる理想的な状態の超伝導多層配線構造が得られ
る。
【0010】例えば、Bi系層状ペロブスカイト型銅酸
化物は、結晶構造または組成の少なくとも一方を変える
ことにより、臨界温度(Tc)が異なる複数の超伝導相
を作ることができるが、更に半導体的挙動を示す結晶を
作ることもできる。そして、超伝導相と半導体相をそれ
ぞれ配線層および絶縁層とした超伝導多層配線構造を作
成することができる。
【0011】式Bi2 Sr2 Can-1 Cun x で表さ
れる組成を有するもののうち、n=1、2、または3の
ものが実用上形成可能である。基板上への堆積方法は特
に限定する必要はなく、例えばスパッタ、真空蒸着法、
CVD法等により行うことができる。ここで、堆積を真
空中で行い、超伝導配線層の形成と半導体的挙動を示す
絶縁層の形成との間でこの真空を維持することが、各層
間の界面の汚染を防止するために好ましい。
【0012】以上のように本発明によれば、連続した成
膜工程で超伝導配線層と半導体的挙動を示す絶縁層(後
者の相を以下説明の便宜上単に「半導体相」と略称す
る)とを作り分けることができる。以下に、添付図面を
参照し、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0013】
【実施例】〔実施例1〕本発明に従って、図1に示した
超伝導多層配線構造を形成した。各層を構成する膜の堆
積はRFマグネトロンスパッタ法により行った。基板と
してMgO単結晶基板を用いた。スパッタガスとしては
Ar:O2 =1:1の混合ガスを、ターゲットとしては
Bi:Sr:Ca:Cu=3.0:2.0:1.0:
3.0の酸化物ダーゲットを1枚用い、0.1Torr
の真空中で、アルゴンおよび酸素プラズマ下で下記の手
順により成膜を行った。
【0014】先ずMgO基板1を650℃に加熱してス
パッタを行い、スパッタを継続して行いながら、基板温
度を750℃に上げ、そして再度基板温度を650℃に
下げスパッタを行った。スパッタ完了後に、850℃・
20分のアニールを大気中で行った。基板温度650℃
での最初と最後のスパッタにより絶縁層としての半導体
相2(それぞれ厚さ20nm)が形成され、これら両者
間に行った基板温度750℃のスパッタにより配線層と
しての超伝導相3(厚さ50nm)が形成された。超伝
導相3の組成はTc=80KのBi2 Sr2Ca1 Cu
2 y であり、半導体相2の組成はBi2 Sr2-x Ca
x CuOy であった。
【0015】以上の成膜工程により得られた図1の多層
配線構造10を上面からX線回折測定した結果を図2
(a)に示す。超伝導相3からの回折ピーク「A」と、
半導体相2からの回折ピーク「B」が共に観察され、両
相が形成されていることが分かる。なお、図2(b)お
よび(c)には、それぞれ基板温度650℃および75
0℃で半導体相2および超伝導相3を単独で形成した場
合の回折ピークを示す。各基板温度のスパッタに対応し
て、半導体相2のピーク「B」、超伝導相3のピーク
「A」のいずれか一方のみが観察される。
【0016】超伝導相3と半導体相2について、電気抵
抗の温度変化を測定した結果をそれぞれ図3(a)と
(b)に示す。超伝導相3は、80K付近で急激に抵抗
値が0になっており、一方半導体相2は80K付近では
5×104 Ωcmと絶縁層として十分に高い抵抗値を示
していることが分かる。
【0017】これらの結果から、80Kの超伝導配線層
3と、これに対する半導体的挙動を示す絶縁層としての
半導体層2とから成る多層膜構造が形成されていること
が分かる。 〔実施例2〕本発明に従って、図1に示した超伝導多層
配線構造を形成した。各層を構成する膜の堆積はRFマ
グネトロンスパッタ法により行った。基板としてMgO
単結晶基板を用い、スパッタガスとしてはAr:O2
1:1の混合ガスを用いた。ターゲットとしてはBi:
Sr:Ca:Cu=3.0:1.5:1.0:1.5の
酸化物ターゲット(1)および、Bi:Sr:Ca:C
u=3.0:2.0:1.0:3.0の酸化物ターゲッ
ト(2)を用いた。0.1Torrの真空中で、アルゴ
ンおよび酸素プラズマ下で下記の手順により成膜を行っ
た。
【0018】MgO基板1を730℃に加熱して、先ず
ターゲット(1)をスパッタし、次にターゲット
(2)、最後に再びターゲット(1)をスパッタした。
スパッタ完了後に実施例1と同様のアニールを行った。
以上の工程により実施例1と同様に、超伝導層3の上下
を半導体層2で挟んだ多層膜構造10が得られた。
【0019】得られた多層膜構造10について、実施例
1と同様にX線回折、電気抵抗測定および組成分析を行
い、ターゲット(2)からスパッタされた超伝導層3が
Tc=80Kの超伝導体(Bi:Sr:Ca:Cu=
2.1:2.1:1.0:2.4)から成り、ターゲッ
ト(1)からスパッタされた絶縁層2が温度80Kにお
ける電気抵抗値5×104 Ωcmの半導体(Bi:S
r:Ca:Cu=2.2:1.5:1.0:1.3)か
ら成ることを確認した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
絶縁層と超伝導配線層との格子定数の差に起因する問題
を生ずることなく、本来の超伝導特性を発揮することが
できる多層配線構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った超伝導多層配線構造の一例を示
す断面図である。
【図2】図1の多層構造についてのX線回折チャートで
あり、それぞれ(a)は多層構造全体、(b)は半導体
相単独、および(c)は超伝導体相単独についての測定
結果である。
【図3】本発明に従って形成した多層配線構造の電気抵
抗を温度の関数と示すグラフであり、(a)は超伝導
相、(b)は半導体相についての測定結果である。
【符号の説明】
1…MgO基板 2…半導体相 3…超伝導相 10…多層配線構造

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超伝導体から成る配線層に対する
    絶縁層として、該酸化物超伝導体と構成元素が共通で結
    晶構造が異なる半導体的挙動を示す絶縁層を備えたこと
    を特徴とする超伝導多層配線構造。
  2. 【請求項2】 前記酸化物超伝導体が、Bi系層状ペロ
    ブスカイト型銅酸化物であることを特徴とする請求項1
    記載の超伝導多層配線構造。
  3. 【請求項3】 前記Bi系層状ペロブスカイト型銅酸化
    物が、下式: Bi2 (Sr1-x Cax ) n+1 Cun x (n=1,
    2,または3、0<x<1、z>0) で表される組成を有することを特徴とする請求項2記載
    の超伝導多層配線構造。
  4. 【請求項4】 前記Bi系層状ペロブスカイト型銅酸化
    物が、下式: Bi2 S r2-x Cay CuOz (x>0、y>0、z
    >0) で表される組成を有することを特徴とする請求項3記載
    の超伝導多層配線構造。
  5. 【請求項5】 基板上に堆積を行うことにより請求項1
    記載の超伝導多層配線構造を形成する際に、第1の基板
    温度で堆積を行うことにより酸化物超伝導体から成る配
    線層を形成し、該第1の基板温度とは異なる第2の基板
    温度で堆積を行うことにより該酸化物超伝導体と構成元
    素が共通で結晶構造の異なる半導体的挙動を示す絶縁層
    を形成することを特徴とする超伝導体多層配線構造の形
    成方法。
  6. 【請求項6】 基板上に堆積を行うことにより請求項1
    記載の超伝導多層配線構造を形成する際に、第1の組成
    物を堆積させることにより酸化物超伝導体から成る配線
    層を形成し、該第1の組成物とは構成元素が共通で組成
    が異なる第2の組成物を堆積させることにより半導体的
    挙動を示す絶縁層を形成することを特徴とする超伝導多
    層配線構造の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記堆積をスパッタにより行うことを特
    徴とする請求項5または6記載の超伝導多層配線構造の
    形成方法。
  8. 【請求項8】 前記堆積を真空中で行い、前記超伝導体
    から成る配線層の形成と前記半導体から成る絶縁層の形
    成との間で前記真空を維持することを特徴とする請求項
    5から7までのいずれか1項に記載の方法。
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