JPH058282A - 超高分子量ポリエチレン異型パイプの製造方法および製造装置 - Google Patents

超高分子量ポリエチレン異型パイプの製造方法および製造装置

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JPH058282A
JPH058282A JP3166670A JP16667091A JPH058282A JP H058282 A JPH058282 A JP H058282A JP 3166670 A JP3166670 A JP 3166670A JP 16667091 A JP16667091 A JP 16667091A JP H058282 A JPH058282 A JP H058282A
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weight polyethylene
molecular weight
ultra
screw
die
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JP3166670A
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Takeshi Shiraki
木 武 白
Iwatoshi Suzuki
木 岩 俊 鈴
Kunie Hiroshige
重 国 衛 広
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断面形状が異型である超高分子量ポリエチレ
ンパイプを簡便に効率よく製造することができる方法お
よびその製造装置。 【構成】 超高分子量ポリエチレンをスクリュー押出機
に供給して溶融、混練し、ダイから超高分子量ポリエチ
レンの溶融物を連続して押出し、所定の断面形状のテー
パー部を有するテーパーコアによって拡径させながら所
定の引取速度で引き取るとともに、テーパーコアの所定
位置で超高分子量ポリエチレンが冷却固化を開始するよ
うにすることにより超高分子量ポリエチレン異型パイプ
を製造する方法および製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超高分子量ポリエチレン
異型パイプの製造方法および製造装置に関し、特に、断
面形状が異型である超高分子量ポリエチレンパイプを簡
便に効率よく製造することができる方法およびその方法
に好適に用いることができる製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリエチレンは、耐摩耗性、
自己潤滑性、耐薬品性等に優れており、この特性を利用
して各種用途が考えられている。例えば、ロール、パイ
プ、鋼管等の外周面を被覆して耐摩耗性、自己潤滑性、
耐薬品性、耐久性等を付与するために、これらのロー
ル、パイプ、鋼管等を超高分子量ポリエチレン収縮パイ
プに内挿した後、この収縮パイプを収縮させて被覆する
ことが行われている。この超高分子量ポリエチレンから
なるパイプの製造は、従来、圧縮成形による方法や超高
分子量ポリエチレンの丸棒を機械研削する方法などによ
って行われている。また、超高分子量ポリエチレン製フ
レキシブルチューブを製造する方法として、超高分子量
ポリエチレンをスクリュー押出機で溶融し、マンドレル
がスクリューの回転に伴って回転するL/Dが5のチュ
ーブダイから溶融押出成形する方法が提案されている。
(特公平2−31270号公報)
【0003】ところで、超高分子量ポリエチレンの上記
特性を生かした用途が広がるにつれて、断面形状が異型
のものも要求されるようになってきている。例えば、多
角形の断面を有するロールを超高分子量ポリエチレンで
被覆する場合には、該多角形の断面に対応する内部断面
形状を有する超高分子量ポリエチレン収縮パイプが有用
である。また、搬送ラインのガイドレールに断面多角形
の鋼管が使用されているが、この場合も多角形パイプの
断面に対応する内部断面形状を有する超高分子量ポリエ
チレン収縮パイプが有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法によって得られるパイプまたはチューブは、円筒状の
ものであり、これらの従来の方法によっては、断面が異
型のものを簡便に効率良く製造することが困難であっ
た。また、異型ダイを用いてプロファイルを押出成形す
る技術もあるが、断面が多角形のパイプを成形する技術
は未だ確立されていない。
【0005】そこで本発明の目的は、断面形状が異型で
ある超高分子量ポリエチレンパイプを簡便に効率よく製
造することができる方法およびその方法に好適に用いる
ことができる製造装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、超高分子量ポリエチレン異型パイプの製
造方法であって、極限粘度〔η〕が5.0dl/g以上
の超高分子量ポリエチレンをスクリュー押出機に供給し
て溶融、混練し、該スクリュー押出機のスクリューに連
結され、スクリュー押出機のスクリューの回転とともに
回転するインナーダイが内部に配設されてなる、L/D
比が少なくとも10であるダイから、超高分子量ポリエ
チレンの溶融物を連続して押出して粗成形物に成形した
後、該粗成形物を、所定の断面形状のテーパー部を有す
る、前記インナーダイに連結されたテーパーコアによっ
て、最大拡径部分の内周長がインナーダイの外周長の
1.2〜3.0倍になるように拡径させながら、スクリ
ュー押出機における超高分子量ポリエチレンの押出速度
の5倍以下の引取速度で引き取るとともに、テーパーコ
アの定形部において超高分子量ポリエチレンが冷却固化
を開始するようにする工程を含む超高分子量ポリエチレ
ン異型パイプの製造方法を提供するものである。
【0007】また、本発明は、超高分子量ポリエチレン
異型パイプの製造方法に用いる装置として、溝付シリン
ダーと該溝付シリンダーに内挿された圧縮比1〜2.5
のスクリューとを有するスクリュー押出機と、該スクリ
ュー押出機のスクリュー先端に連結され、スクリューの
回転とともに回転するインナーダイおよび前記溝付シリ
ンダーに連結されるアウターダイからなり、L/D比が
少なくとも10であるダイと、前記インナーダイの先端
に連結され、インナーダイの回転とともに回転するシャ
フトと、該シャフトと同調回転しないように該シャフト
に装着されているテーパー成形部材とからなるテーパー
コアとを有し、前記テーパー成形部材が、所定の断面形
状を保持しながら下流方向にテーパー状に該断面形状が
拡大されて形成されてなるテーパー部と、該テーパー部
に連設された定形部とから構成されることを特徴とする
超高分子量ポリエチレン異型パイプの製造装置を提供す
るものである。
【0008】以下、本発明の超高分子量ポリエチレン異
型パイプの製造方法および製造装置について、詳細に説
明する。
【0009】本発明の方法によって得られる超高分子量
ポリエチレン異型パイプの素材である超高分子量ポリエ
チレンは、エチレンを主成分とするものであり、例え
ば、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分としエチ
レンと該エチレンと共重合可能な単量体との共重合体な
どが挙げられる。このエチレンと共重合可能な単量体と
しては、例えば、炭素数3以上のα−オレフィンなどが
挙げられる。
【0010】この炭素数3以上のα−オレフィンとして
は、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1
−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1
−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1
−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセン等が
挙げられる。
【0011】この超高分子量ポリエチレンは、パイプ成
形時にこの超高分子量ポリエチレンの溶融物が後記のイ
ンナーダイとの共廻りによる捩れやインナーダイの撓み
による偏肉を起こさず、肉厚の均一な異型パイプが得ら
れる点で、極限粘度〔η〕が5.0dl/g以上のもの
であり、好ましくは極限粘度〔η〕が 8〜30dl/
gである。
【0012】本発明の方法によって得られる超高分子量
ポリエチレン異型パイプは、140℃における各辺の収
縮率が20%以上のものであり、被覆される芯材に対す
る被覆応力が大きい超高分子量ポリエチレン異型パイプ
が得られる点で、140℃における各辺の収縮率か40
〜150%のものが好ましい。
【0013】以下、主として断面が正三角形(△)をな
す超高分子量ポリエチレン異型パイプを製造する方法を
例にとり、図1〜4に示す本発明の超高分子量ポリエチ
レン異型パイプの製造装置の実施態様に基づいて、本発
明の方法および装置を詳細に説明する。
【0014】図1に示す超高分子量ポリエチレン異型パ
イプの製造装置は、基本的にスクリュー押出機1と、該
スクリュー押出機1に装着されたダイ2と、ダイ2に連
設されたテーパーコア3と、引取機4とを有するもので
ある。
【0015】スクリュー押出機1は、図2に示すとお
り、溝付シリンダー5と、該溝付シリンダー5に内挿さ
れたスクリュー6とを有し、さらに原料である超高分子
量ポリエチレンを供給するホッパー7を有するものであ
る。
【0016】溝付シリンダー5の内径は、所望の外径の
異型パイプが得られるように適宜選択される。また、ス
クリュー6は圧縮比1〜2.5、好ましくは圧縮比1.
3〜2.0のものが用いられる。このスクリューの有効
長さ(L/D)は、通常、20〜28程度である。スク
リューの圧縮部長さは、有効長さ(L/D)の25〜8
0%程度である。また、スクリューフライトピッチは、
通常、0.4〜0.8程度である。このスクリュー6の
回転数は、通常、10〜30r.p.m.程度である。
また、ホッパー7は、原料が粉体である場合にシリンダ
ー内の空気のバックフローを容易にし、ホッパーブリッ
ジによる原料の落込み不良を防止できる点で、二段ホッ
パーが好ましい。
【0017】このスクリュー押出機1の周壁には、供給
される超高分子量ポリエチレンを加熱溶融するために、
電熱ヒーターを有する加熱バレル8が配設され、また、
その加熱温度を調節するために、水冷バレル9が配設さ
れている。このスクリュー押出機1における加熱温度
は、通常、超高分子量ポリエチレンの融点以上340℃
以下の温度、好ましくは160〜330℃に調節され
る。
【0018】このスクリュー押出機1に装着されるダイ
2は、インナーダイ10とアウターダイ11とから構成
され、アウターダイ11内にインナーダイ10が内挿さ
れている。インナーダイ10はスクリュー押出機1のス
クリュー6の先端12に連結され、スクリュー6の回転
とともに回転する。また、アウターダイ11は、スクリ
ュー押出機1の加熱バレル8の先端13に装着される。
このダイ2は、L/D比が少なくとも10、好ましくは
20〜50であるものである。また、インナーダイ10
は、スクリュー6の回転とともに回転するので、内部を
流通する超高分子量ポリエチレンとの滑りを良好にする
ために、連結部からテーパー状に細くし、途中で一定の
外径にするとともに、表面にフッ素樹脂を被覆したもの
が、好ましい。このダイ2の外周壁には、ダイ2中を移
動する超高分子量ポリエチレンの溶融物の温度を調節す
るために、電熱ヒーター14が配設されている。このダ
イ2における加熱温度は、通常、160〜250℃程度
に調節される。
【0019】本発明の製造装置において、ダイ2のイン
ナーダイ10には、図3に拡大図を示すテーパーコア3
が連設されている。テーパーコア3は、インナーダイ1
0の先端16に連結されているシャフト17と、該シャ
フト17に遊嵌されているテーパー成形部材18とを有
する。インナーダイ10の先端16に連結されたシャフ
ト17は、スクリュー6に連結されているインナーダイ
10とともに回転する。このシャフト17の外径は、通
常、インナーダイの外径よりも細くし、また、長さは、
通常、10〜50cm程度である。
【0020】またテーパー成形部材18は、軸受27に
よりシャフト17に遊嵌され、シャフト17と同調して
回転しないようにシャフト17に装着されている。この
テーパー成形部材18は、ダイ2から押し出された粗成
形物を所望の内部断面形状を有する異型パイプに成形す
るために、所定の断面形状を保持しながら下流方向にテ
ーパー状に該断面形状が拡大されて形成されてなるテー
パー部19と、該テーパー部に連設された定形部20と
から構成されるものである。このテーパー部19は、図
1〜4に示す実施態様においては、図3に示すように、
断面外形が正三角形(△)をなし、この断面外形(△)
が連続して下流方向にテーパー状に拡大して形成されて
なるものである。このテーパー部19の稜線21および
22のシャフト17の軸方向に対する傾斜角度は、ダイ
から押出される粗成形物を有効に拡径することができ、
また、この拡径に際してのテーパー部と超高分子量ポリ
エチレンとの間の摩擦抵抗を、成形作業を容易に行うこ
とができる範囲に調整することができる点で、シャフト
17の軸方向に対して、通常、3〜30度、好ましくは
5〜10度程度に形成される。また、定形部20は、テ
ーパー部19の最大拡大部23の外形と同一の断面形状
をなし、図3に示す実施態様では、最大拡大部23と同
一の断面形状を有する三角柱状をなすものである。
【0021】このテーパー成形部材18のテーパー部1
9と定形部20の表面に、テフロン等のフッ素樹脂によ
るコーティングを施しておくと、超高分子量ポリエチレ
ン成形物との摩擦係数が低減し、成形を円滑に行うこと
ができるため、好ましい。
【0022】このテーパー成形部材18において、軸方
向におけるテーパー部19/定形部20の長さの比は、
通常、0.2〜1程度、好ましくは0.3〜0.7程度
に形成される。また、テーパー部19の最大外周長、す
なわち円筒状部20の外周長は、熱収縮性に優れた異型
パイプが得られるように、少なくとも前記インナーダイ
の外周長の1.2〜3.0倍であり、好ましくは前記イ
ンナーダイの外周長の1.5〜3.0倍、さらに好まし
くは1.7〜2.5倍である。
【0023】また、本発明の製造装置は、図1に示すよ
うに、引取機4を有するものである。この引取機4は、
超高分子量ポリエチレン異型パイプの引取方向に直列に
2対、好ましくは4対配設されているロール24を有す
るものである。このロール24に、製品形状に対応した
溝を形成しておくと、変形の小さい異型パイプが得られ
るため、望ましい。
【0024】本発明の方法は、この製造装置において、
まず極限粘度〔η〕が5.0dl/g以上の超高分子量
ポリエチレンをスクリュー押出機1に供給して溶融、混
練し、ダイ2から超高分子量ポリエチレンの溶融物を連
続して押出して円筒状の粗成形物に成形した後、適正な
肉厚の良好な異型パイプが得られるように、テーパーコ
ア3によって最大拡径部の内周長がダイ2のインナーダ
イ10の外周長の1.2〜3.0倍、好ましくは1.5
〜3.0倍、さらに好ましくは1.7〜2.5倍になる
ように拡径させる。
【0025】このとき、熱収縮率が大きい異型パイプが
得られるように、テーパーコアによって成形される異型
パイプがテーパーコア3のテーパー部19において冷却
固化を開始するように調整される。この冷却固化開始点
がテーパー部19に位置するようにする調整は、ダイ2
における粗成形物の押出速度、テーパーコア部材3のテ
ーパー部19とインナーダイとの間の距離、あるいは空
気または水による冷却を施す位置を適宜選択することに
より、行うことができる。例えば、冷却水槽25とテー
パーコア部材3の間の距離を調整し、該冷却水槽25中
に浸入するテーパーコア3の下流側先端の長さを調整す
れば、簡便で効果的に行うことができる。
【0026】拡径されて形成された異型パイプは、冷却
槽25にて冷却されながら、引取機4によって引き取ら
れる。この引取機4における引取速度は、粗成形物にた
るみが生ぜず、成形作業が容易であり、かつ長手方向の
熱収縮率が小さい超高分子量ポリエチレン異型パイプが
得られるように、スクリュー押出機における超高分子量
ポリエチレンの溶融物の押出速度の5倍以下、好ましく
は1.1〜3倍となるように調整される。
【0027】引取機4により引き取られて得られる本発
明の超高分子量ポリエチレン異型パイプは、切断機26
により、所要の長さに截断することができる。この切断
機26は、例えば、丸鋸式の自動切断機等の常用の装置
を用いることができる。
【0028】以上、断面内形が正三角形(△)の超高分
子量ポリエチレン異型パイプの製造方法および製造装置
を主として例にとり、本発明の方法および装置を説明し
たが、本発明は、この実施態様に限定されず、使用する
テーパーコアの形状を適宜選択すれば、該テーパーコア
の形状、特にテーパー部の断面外形に対応する断面内形
を有する異型パイプを効率よく製造することができる。
例えば、矩形、楕円等の形状のテーパー部を有するテー
パーコアを使用すれば、断面内形が矩形、楕円等の断面
内形を有する超高分子量ポリエチレン異型パイプを得る
ことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明を詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超え
ない限り、これらの実施例に何ら制約されるものではな
い。 (実施例1)図1に示す収縮パイプの製造装置と同じ構
成を有し、各部の仕様が下記のとおりである装置を用い
て超高分子量ポリエチレン異型パイプを製造した。 押出機:スクリュー外径 30mmφ スクリュー有効長さ(L/D) 22 フライトピッチ 18mm スクリュー圧縮比 1.8 ダイ:ダイ長さ 750mm ダイ出口におけるアウターダイ内径 20mmφ ダイ有効長さ(L/D) 37.5 インナーダイ外径 15mmφ (外周長:47.1mm) インナーダイ先端に連結されたテーパーコア:アルミニウム金属で一体成形さ れた、断面が正三角形状であり、テーパー部と定形部とを有し、表 面がテフロンコーティングされている。 テーパー部:最大外周長 94.2mm (一辺:31.4mm) 長さ 100mm 定形部:最大外周長 94.2mm (一辺:31.4mm) 長さ 150mm さらに、この装置は、超高分子量ポリエチレンの粗成形
物を冷却する冷却水槽、ロール式引取機およびパイプ切
断機を有する。
【0030】この装置に、超高分子量ポリエチレン
(〔η〕:15.1dl/g、融点:136℃、嵩比
重:0.43g/cc)の粉末樹脂(三井石油化学工業
(株)製、ハイゼックスミリオン240M)を供給し、
水冷バレル(C1 )、および3ゾーン(C2 ,C3 ,C
4 )に分けた加熱バレルにおける温度を、それぞれ20
℃、290℃、330℃および330℃に調整し、また
3ゾーン(D1 ,D2 ,D3 )に分けたダイの温度をそ
れぞれ230℃、180℃および170℃に調整し、ス
クリュー回転数12rpm、押出速度18cm/min
で粗成形物を押出成形した。ダイ出口において、押出さ
れる円筒状の粗成形物を押出方向にナイフで切開しなが
ら冷却水槽を通し、30cm/minの速度で回転する
ロールを備えるロール式引取機に誘導した後、ナイフに
よる切開を止めて、テーパーコアのテーパー部によって
粗成形物を拡径し、テーパーコアの定形部先端を約10
cm、冷却水槽に浸入させ、粗成形物の冷却固化がテー
パー部の中間で開始するように調整し、内周の一辺が3
1.3mmで内周長94.0mm、肉厚0.85mmお
よび膨比(内周比:パイプの最大拡径部分の内周長/イ
ンナーダイの外周長)が2.0倍の超高分子量ポリエチ
レン製の三角形収縮パイプを製造した。得られた超高分
子量ポリエチレン製の三角形収縮パイプの熱収縮率を下
記の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0031】熱収縮率の測定 収縮パイプを140℃のエアーオーブン中にて1時間加
熱した後、23℃で24時間経過後の内周長の寸法を測
定し、下記式によって熱収縮率を求めた。熱収縮率=
{(加熱前の内周長−加熱後の内周長)/加熱前の内周
長}×100
【0032】(実施例2)インナーダイ先端に連結され
たテーパーコアとして、断面形状が正方形であり、下記
の仕様のテーパー部と定形部とを有しているものを使用
した以外は、実施例1と同様にして、内周の一辺が2
0.5mm、肉厚1.0mmおよび膨比(内周比)1.
74倍の超高分子量ポリエチレン製の断面形状が正方形
の収縮パイプを製造し、その熱収縮率を測定した。結果
を表1に示す。 テーパー部:最大外周長 84mm (一辺21mm) 長さ 100mm 定形部:最大外周長 84mm (一辺21mm) 長さ 150mm
【0033】(比較例1)引取速度を110cm/mi
nにした以外は、実施例1と同様にして、内周の一辺が
31.3mmで内周長が94.0mm、肉厚0.25m
mおよび膨比(内周比)2.0倍の超高分子量ポリエチ
レン製の三角形収縮パイプの製造を試みたが、肉厚が薄
いため、パイプを押し潰した状態で引取らざるを得ず、
断面が三角形の形状を保持することができず、三角形収
縮パイプを得ることができなかった。
【0034】(比較例2)インナーダイ先端に連結され
たテーパーコアとして、断面の形状が正三角形であり、
下記の仕様のテーパー部と定形部とを有しているものを
使用し、さらに引取速度を22cm/minにした以外
は、実施例1と同様にして、内周の一辺が49.5mm
で、内周長148.5mm、肉厚0.7mmおよび膨比
(内周比)3.2倍の超高分子量ポリエチレン製の三角
形収縮パイプの製造を試みたが、膨比が大きいため、テ
ーパー部での拡径抵抗が大きくなり、パイプを押し潰し
た状態で引取らざるを得ず、断面が三角形の形状を保持
することができず、三角形収縮パイプを得ることができ
なかった。 テーパー部:最大外周長 150mm (一辺50mm) 長さ 160mm 定形部:最大外周長 150mm (一辺50mm) 長さ 160mm
【0035】
【0036】
【発明の効果】本発明の超高分子量ポリエチレン異型パ
イプの製造方法によれば、断面形状が異型である超高分
子量ポリエチレンパイプを簡便に効率よく製造すること
ができる。この超高分子量ポリエチレン異型パイプは、
超高分子量ポリエチレンの有する優れた耐摩耗性、自己
潤滑性、耐薬品性等の特性を生かして、各種用途に用い
ることができる。例えば、食品混練用ローラーの被覆、
自動搬送ラインのガイドレールの被覆等の用途に用いる
ことができる。また、本発明の製造装置は、この超高分
子量ポリエチレン異型パイプの製造に好適に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超高分子量ポリエチレン異型パイプ
の製造方法の主要工程を説明する図。
【図2】 本発明の超高分子量ポリエチレン異型パイプ
の製造装置の主要部を説明する模式断面図。
【図3】 本発明の超高分子量ポリエチレン異型パイプ
の製造装置のテーパーコアを説明する斜視図。
【図4】 本発明の超高分子量ポリエチレン異型パイプ
の製造装置のテーパーコアを説明する正面図。
【符号の説明】
1 スクリュー押出機 2 ダイ 3 テーパーコア 4 引取機 5 溝付シリンダー 6 スクリュー 7 ホッパー 8 加熱バレル 9 水冷バレル 10 インナーダイ 11 アウターダイ 12 スクリュー6の先端 13 加熱バレル8の先端 14 電熱ヒーター 16 インナーダイ10の先端 17 シャフト 19 テーパー部 20 定形部 21 テーパー部19の稜線 22 テーパー部19の稜線 23 テーパー部19の最大拡大部 24 ロール 25 冷却槽 26 切断機 27 軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00 B29L 22:00 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高分子量ポリエチレン異型パイプの製
    造方法であって、 極限粘度〔η〕が5.0dl/g以上の超高分子量ポリ
    エチレンをスクリュー押出機に供給して溶融、混練し、 該スクリュー押出機のスクリューに連結され、スクリュ
    ー押出機のスクリューの回転とともに回転するインナー
    ダイが内部に配設されてなる、L/D比が少なくとも1
    0であるダイから、超高分子量ポリエチレンの溶融物を
    連続して押出して粗成形物に成形した後、 該粗成形物を、所定の断面形状のテーパー部を有する、
    前記インナーダイに連結されたテーパーコアによって、
    最大拡径部分の内周長がインナーダイの外周長の1.2
    〜3.0倍になるように拡径させながら、スクリュー押
    出機における超高分子量ポリエチレンの押出速度の5倍
    以下の引取速度で引き取るとともに、テーパーコアの定
    形部において超高分子量ポリエチレンが冷却固化を開始
    するようにする工程を含む超高分子量ポリエチレン異型
    パイプの製造方法。
  2. 【請求項2】 超高分子量ポリエチレン異型パイプの製
    造方法に用いる装置であって、 溝付シリンダーと該溝付シリンダーに内挿された圧縮比
    1〜2.5のスクリューとを有するスクリュー押出機
    と、 該スクリュー押出機のスクリュー先端に連結され、スク
    リューの回転とともに回転するインナーダイおよび前記
    溝付シリンダーに連結されるアウターダイからなり、L
    /D比が少なくとも10であるダイと、 前記インナーダイの先端に連結され、インナーダイの回
    転とともに回転するシャフトと、該シャフトと同調回転
    しないように該シャフトに装着されているテーパー成形
    部材とからなるテーパーコアとを有し、 前記テーパー成形部材が、所定の断面形状を保持しなが
    ら下流方向にテーパー状に該断面形状が拡大されて形成
    されてなるテーパー部と、該テーパー部に連設された定
    形部とから構成されることを特徴とする超高分子量ポリ
    エチレン異型パイプの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102217848B1 (ko) * 2019-11-08 2021-02-19 보성포리테크(주) 발장걸이용 환봉 코팅장치 및 이를 이용한 고밀도 폴리에틸렌이 코팅된 환봉
CN115091734A (zh) * 2022-05-13 2022-09-23 广东省科学院生物与医学工程研究所 波形流道聚合物毛细管制备方法及波形流道聚合物毛细管

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CN115091734B (zh) * 2022-05-13 2024-05-10 广东省科学院生物与医学工程研究所 波形流道聚合物毛细管制备方法及波形流道聚合物毛细管

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