JPH0582685B2 - - Google Patents

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JPH0582685B2
JPH0582685B2 JP61110372A JP11037286A JPH0582685B2 JP H0582685 B2 JPH0582685 B2 JP H0582685B2 JP 61110372 A JP61110372 A JP 61110372A JP 11037286 A JP11037286 A JP 11037286A JP H0582685 B2 JPH0582685 B2 JP H0582685B2
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oxidizing agent
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film
conductive
pyrrole
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Tetsuyoshi Suzuki
Kazumi Hasegawa
Sanehiro Furukawa
Masahisa Fujimoto
Koji Nishio
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Mitsubishi Kasei Corp
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Denki Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE3689759T priority patent/DE3689759T2/de
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明はピロール系化合物及び/又はチオフエ
ン系化合物の重合体を特定の基材のいずれかの面
上にのみ有してなる導電材料に関するものであ
る。 <従来の技術> 主鎖に共役二重結合をもつ高分子、例えばポリ
アセチレン、ポリパラフエニレン、ポリチエニレ
ン、ポリピロール、ポリパラフエニレンビニレン
は、五フツ化砒素、五フツ化アンチモン、沃素、
臭素、三酸化イオウ、n−ブチルリチウム、ナフ
タレンナトリウムのようなP型あるいはN型のド
ーピング剤で処理すると電気伝導性が著しく向上
し、絶縁体から半導体、さらに導電体になること
が知られている。これらの導電性材料(所謂導電
性ポリマー)は粉状、粒状、塊状、フイルム状で
得られ目的に応じてそのまま又は成形して使用さ
れ、帯電防止材料、電磁波遮蔽材料、光電変換素
子、光メモリー(ホログラフイツクメモリ)や各
種センサー等の機能素子、表示素子、(エレクト
ロクロミズム)、スイツチ、各種ハイブリツト材
料(透明導電性フイルム等)、各種端末機器並び
に蓄電池などの広い分野への応用が検討されてい
る。 しかしながら、この種の導電性ポリマーは一般
に成形性及び加工性に乏しく、殊にフイルム状の
導電性ポリマーを得るには、特別の方法を採る必
要がある。現在のところこのような導電性ポリマ
ーフイルムとしては、重合触媒を塗布したガラス
壁にアセチレンガスを吹込んで形成した後にこの
ガラス壁より剥離して得られるポリアセチレンフ
イルムや、電気化学的酸化反応(電解酸化重合)
によつて電解電極上に形成した後にこの電極より
剥離して得られるポリチエニレンフイルムやポリ
ピロールフイルムなどが知られている。 ところが上記従来の導電性ポリマーフイルムで
は、ポリアセチレンフイルムの場合は空気中で不
安定で酸化劣化が進行し易く且つ機械的強度が弱
いという欠点があり、また上記電解酸化重合によ
り得られるポリチエニレンフイルムなどではフイ
ルムの大きさが電解電極の大きさに規制されまた
製造工程が繁雑でコスト高であるといつた欠点が
ある。 そこで、本発明者等はさきに特願昭60−225761
号で、酸化剤の存在下この酸化剤を保持しうる空
間を有する基材上で共役二重結合を有する化合物
をこの基材上に気相重合させて得られる、上記の
欠点のない新規な導電材料を提案した。 <発明が解決しようとする問題点> ところで、この種の導電性ポリマーフイルムに
おいて基材のいずれかの面にのみ導電性ポリマー
層を設けさせることができれば応用分野が更に拡
大し、例えば面状発熱体、積層型光電変換機能材
料、集電体、隔膜一体型電極材料あるいは集電体
一体型電極材料などへの応用も期待できる。 しかしながら、上記特願昭60−225761号の導電
材料においては、例えば基材の片面に導電性ポリ
マー層を形成すべく、基材の片面のみに酸化剤を
保持しようとする場合、酸化剤が基材の全空間に
浸透し保持され易いために基材の他の面にまでも
酸化剤が浸透し、上記気相重合後は導電性ポリマ
ーが基材全体に生成する結果、基材片面のみに導
電性ポリマーを生成させることは非常に注意を要
し、製造面で著しく繁雑になるという問題がある
ことがわかつた。 尚、従来技術において、酸化剤とポリマーバイ
ンダーとを含んだ溶液を適宜な基材上に塗布後ピ
ロールやアニリンの蒸気を接触させて基材上に導
電性ポリマーフイルム層を形成してなる導電性複
合フイルムがあるが、この複合フイルムでは基材
とフイルム層との間のポリマーバインダー層の存
在により複合フイルムの厚みが増大して薄膜の複
合フイルムを得にくい他、ポリマーバインダーの
存在のため、導電性ポリマー成分の濃度が低下
し、例えば集電体一体型の蓄電池用電極材料とし
て用いた場合には電極として充放電特性が低下す
るといつた欠点がある。 <問題点を解決するための手段> 本発明者は特定の基材上にピロール系化合物及
び/又はチオフエン系化合物を重合したものであ
つて、上記の如き問題点がなくて空気中で安定で
製造容易であり、これに加えて、例えば基材の片
面を任意の方向に導電化すること等が可能な導電
材料を提供することを研究した所、次の手段を用
いた場合には所期の目的を達成できることを知得
してこの発明を完成した。 すなわち本発明の導電材料は、酸化剤を保持し
得る空間を有する基材を酸化剤で処理して該基材
のいずれかの面のみに該酸化剤を保持させ、気相
雰囲気下でピロール系化合物及び/又はチオフエ
ン系化合物を該基材上で重合させ、該面に該化合
物の重合体を形成して得られる導電性の材料であ
つて、該基材は少なくとも一面が疎水性であるこ
とを要旨とするものである。 上記の如き酸化剤としては、ピロール系化合物
及び/又はチオフエン系化合物に対して重合活性
を有する化合物であり、単独又は2種類以上組合
せて使用される。通常、強酸残基やハロゲン、シ
アンを有する金属塩、過酸化物等が使用され、具
体的には、 Fe(ClO43,Fe(BF43,Fe2(SiF63,Cu
(ClO42,Cu(BF42,CuSiF6,FeCl3、CuCl2
K3〔Fe(CN)6〕,RuCl3,MoCl5,WCl6,(NH42
S2O8,K2S2O8,Na2S2O8,NaBO3,H2O2,な
どであり、これらは結晶水を有するもの又は水溶
液として得られるものも使用することができる。 また、上記基材は、上記の如き酸化剤を保持し
得る空間を有し、かつ少なくとも一面が疎水性を
示すものが使用される。疎水性は水の接触角が
90°以上のものである。酸化剤は基材のいずれか
の面のみに保持され易いように水溶液として使用
される。基材に浸透性のあるメタノール、エタノ
ール、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど
の有機溶媒を酸化剤の溶媒として使用すると、基
材の一面が疎水性を示していてもその面にも酸化
剤が容易に浸透するため、基材のいずれかの面の
みに酸化剤を保持することは困難である。そして
例えばシート状基材の一方の面の疎水性、他方の
面が親水性を示す場合には、基材を酸化剤水溶液
に浸漬することにより、または親水性の面に酸化
剤水溶液を塗布することによつて、酸化剤を基材
の親水性の面に容易に保持することができる。ま
たシート状基材の両面が疎水性の場合には、酸化
剤水溶液を一方の面に繰返し塗布するか、または
一方の面をポリエチレンオキサイド、ポリビニル
アルコールなどの親水化剤で処理し、爾後酸化剤
溶液に浸漬しあるいは親水化した面に酸化剤を塗
布することにより、この一方の面に酸化剤を保持
させることができる。更にシート状基材の両面が
親水性の場合は、一方の面をシリコン系、フツ素
系などの撥水剤で処理し疎水化した後、酸化剤水
溶液中に浸漬するか、又は親水性の面に酸化剤水
溶液を塗布することにより、親水性の面に酸化剤
を保持することができる。 また酸化剤は基材の一面上のすべての部分に保
持することもできるが、必要に応じて所定の部分
のみ保持させることもできる。すなわち基材上の
一面の特定の方向のみに酸化剤を線状に連続的に
保持すればその部分にのみピロール系化合物及
び/又はチオフエン系化合物の重合体が線状に連
続して形成され、特定の方向のみに導電性を有す
る異方導電材料が得られる。また、同様にして、
基材の一面上の任意の部位を任意の方向に導電性
を持たせることができることから、導電路形成材
料としての応用もできる。 酸化剤を保持し得る上記空間としては、使用す
る酸化剤が少なくとも分子状又は凝集物として保
持しうる空間的大きさがあればよい。その空間が
小さすぎて分子状態の酸化剤が保持し得ないか、
又はその空間が大きすぎて凝集状態の酸化剤が保
持し得ない場合は好ましくない。この空間は種々
の形状の細孔又は間隙として基体上又は内部に分
布している。その大きさは、具体的には、細孔の
場合、平均細孔径が0.001〜100μmであり、好ま
しくは0.005〜50μmである。また細孔の深さは
0.001μm以上であり、好ましくは0.005μm以上で
あること等が知得されている。 このような特性を有する平面状の基材の形態
は、具体的には、多孔性材料(板状成形物、シー
ト、フイルム、フイラメント)、織布、不織布、
などである。 また基材としては有機系、無機系のものが使用
される。有機系基材としては、ポリオレフイン
系、ポリハロゲン化ビニル系、ポリフツ素系、ポ
リエステル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポ
リビニルアルコール系、ポリアクリル系、ポリカ
ーボネート系、レーヨン系、セルロース系などの
材料及びこれらの共重合体系、混合された材料系
が使用される。また、無機系基材としては、炭素
質系、金属系、合金系、金属酸化物系、金属炭化
物系、金属窒化物系、並びにこれらの混合系など
が使用される。更に、有機系基材と無機系基材の
混合された基材も使用される。 このような基体としては、具体的には、有機系
基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフツ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリビニルアルコール、エチレン−
ビニルアセテート共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメタアクリロニトリル、ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリスチレ
ン−アクリロニトリル、ポリカーボネート、レー
ヨン、メチルセルロース、ニトロセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースなどが使用される。ま
た、無機系基材としては、活性炭、カーボンブラ
ツク、黒鉛、クロム、チタン、ニツケル、金、白
金、タンタル、銅、銀、鉄、ステンレススチー
ル、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ジルコ
ニア、酸化ベリリウム、チタン酸カリウム、炭化
ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化モリブデ
ン、炭化タンタル、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒
化ニオブなどが使用される。 本発明では、共役二重結合を有する化合物であ
るピロール系、チオフエン系化合物が単独又は混
合して使用される。好ましくはピロール又はチオ
フエンの環骨格構造の2,5位置に置換基をもた
ないピロール系又はチオフエン系化合物が使用さ
れる。ピロール系化合物として具体的には、ピロ
ール、N−メチルピロール、N−エチルピロー
ル,N−n−プロピルピロール,N−n−ブチル
ピロール,N−フエニルピロール,N−トルイル
ピロール,N−ナフチルピロール,3−メチルピ
ロール、3,5−ジメチルピロール,3−エチル
ピロール,3−n−プロピルピロール,3−n−
ブチルピロール,3−フエニルピロール,3−ト
ルイルピロール,3−ナフチルピロール,3−メ
トキシピロール、3−5−ジメトキシピロール,
3−エトキシピロール,3−n−プロポキシピロ
ール,3−フエノキシピロール,3−メチルN−
メチルピロール,3−メトキシN−メチルピロー
ル,3−クロルピロール,3−ブロムピロール,
3−メチルチオピロール,3−メチルチオN−メ
チルピロールなどである。 またチオフエン系化合物として具体的には、
2,2′−ビチオフエン,3−メチル−2,2′−ビ
チオフエン,3,3′−ジメチル−2−2′−ビチオ
フエン,3,4−ジメチル−2,2′−ビチオフエ
ン,3−4−ジメチル−3′−4′−ジメチル−2,
2′−ビチオフエン,3−メトキシ−2,2′−ビチ
オフエン,3−3′−ジメトキシ−2,2′−ビチオ
フエン,2,2′,5′,2″−タ−チオフエン,3−
メチル−2,2′,5′,2″−タ−チオフエン,3−
3′−ジメチル−2,2′,5′,2″−タ−チオフエン
などである。 ピロール系化合物及び/又はチオフエン系化合
物に対する酸化剤の使用割合は重合体の生成量と
関連するが、通常0.001〜10000モル倍であり、好
ましくは0.005〜5000モル倍である。 基材上にピロール系化合物及び/又はチオフエ
ン系化合物の重合体を形成させるのは気相雰囲気
下で行なわれる。即ち、ピロール系化合物及び/
又はチオフエン系化合物のみの蒸気、又は窒素、
アルゴン、空気、その他のガス又は混合ガスとの
共存下で、気相雰囲気下で重合体形成は行なわれ
る。全体の系は加圧、常圧、あるいは減圧下いず
れの圧力下でも行なうことができるが、通常、常
圧下で行なうのが工程管理上などの点から好まし
い。 反応温度は、ピロール系化合物及び/又はチオ
フエン系化合物が重合し得る温度なら特に規定さ
れるものではないが、通常−20〜150℃、好まし
くは0〜100℃で行なわれる。また、反応時間は
反応温度、酸化剤の量、ピロール系化合物及び/
又はチオフエン系化合物の量などとも関連する
が、通常0.01〜200時間であり、好ましくは0.02
〜100時間である。そして、重合反応後、基材上
の酸化剤を保持した部分に暗褐色〜黒色の均質な
該重合体が生成する。 一旦生成した上記の如き重合体の上に更に酸化
剤を保持し、ピロール系化合物及び/又はチオフ
エン系化合物を接触して重合反応を継続し、重合
体生成量の増加又は二種類以上の重合体の生成を
得ることができる。 重合反応が完了した後、基材上に残存するピロ
ール系化合物及び/又はチオフエン系化合物及び
酸化剤を除去する。通常、水、アルコール又は有
機系溶剤中に基材を浸漬、洗浄することにより除
去することができる。その後、通常の乾燥方法に
よつて基材を乾燥することにより本発明の導電材
料を得ることができる。 <作用> 上記のように基材の少なくとも一面を疎水性と
することで、基材のいずれかの面のみに容易に酸
化剤を保持させてこの面上にのみ導電性ポリマー
を生成させることができ、また製造容易で耐酸化
性に優れた導電材料を得ることができる。 <実施例> 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1〜3 孔径0.1〜10μm、膜厚20μmの両面が疎水性の
ポリエチレン製多孔性フイルム(縦10cm、横20
cm)の片面にFe(ClO43・8H2O−水飽和溶液を
3回塗布してフイルム片面上に均一にFe(ClO43
成分を保持した。次いで、ピロール4mlをガラス
製容器(奥行10cm、横25cm、高さ15cm)の底部に
おき、上記の処理で得た多孔性フイルムをガラス
製容器の上部より吊し、容器上部をガラス板で密
閉しピロール蒸気に接触させた。 ピロール蒸気との接触とともに多孔性フイルム
は黄色から暗緑色に、更に黒色に急速に変色し、
多孔性フイルムの片面上にポリピロールが生成し
た。第1表に示す所定の接触時間経過後フイルム
を取出し、メタノール中に30分間浸漬して、未反
応ピロール及びFe(ClO43成分を抽出除去した。
この操作を3回継続した後、風乾すると可撓性の
ある片面が黒色のフイルムが得られた。 このフイルムの膜厚、並びにフイルム片面上に
電極を置いてフイルム片面の水平方向の電気伝導
度を測定した結果を第1表に併せて示した。
【表】 尚、電気伝導度は四端子法により測定した。 また、フイルムの片面上と他面上とに電極を置
いてフイルムの垂直方向の電気伝導度をそれぞれ
測定した所、いずれも10-10Scm-1以下であり、
片面のみの導電化を行なえたことが確認できた。 実施例 4 厚さ0.5mmのナイロン製不織布(縦10cm、横20
cm)の上面に、ポリフルオロエチレンプロピレン
を分散した水溶液を噴霧器で噴霧したのち、温度
60℃で数時間減圧乾燥し、上記不織布上面にポリ
フルオロエチレンプロピレン層(疎水層)を形成
した。以上の処理で得られたナイロン製不織布を
実施例1と同様にしてピロール蒸気に接触させ
た。ピロール蒸気との接触により不織布のポリフ
ルオロエチレンプロピレン層のついていない部分
は黄色から暗緑色に更に黒色に急速に変色し、同
部分にはポリピロールが生成した。ピロール蒸気
との接触を2時間継続させた後に不織布を取出
し、メタノール中に30分間浸漬し、未反応ピロー
ル及び残存するFe(ClO43成分を抽出・除去し
た。この抽出・除去操作を3回継続した後風乾す
ると、第1図に示すような下面に黒色の導電層2
(ポリピロール層)、上面にはポリフルオロエチレ
ンプロピレン層からなる疎水層1をもつ、可撓性
のある不織布が得られた。この不織布の下面の導
電層2の電気伝導度は5.2×10-1Scm-1、上面の
電気伝導度は10-11Scm-1以下であり、不織布下
面のみの導電化を行なえたことが確認された。 実施例 5 最大孔径0.02×0.2μm、膜厚25μmで両面疎水性
のポリプロピレン製多孔膜(ジユラガード2400)
を使用したほかは実施例3の場合と同様に行なつ
た結果、膜厚28μmで片面が黒色の光沢のあるフ
イルムが得られた。このフイルムの水平方向の電
気伝導度は6.5×10-2Scm-1で、また垂直方向の
電気伝導度は10-10Scm-1以下であり、片面のみ
の導電化を行なうことができた。 実施例 6 界面活性剤で表面を親水化処理してある膜厚
220μm、重量75g/m2のポリプロピレン製不織布
を30%水酸化カリウム水溶液中に浸漬し、温度60
℃で1時間加熱処理した後、十分に水洗し乾燥す
ると、界面活性剤が除去されて不織布の表面は疎
水性を示すようになる。 この不織布を用いたほかは実施例2の場合と同
様にして不織布片面にFe(ClO43成分を保持させ
且つピロール蒸気に接触させるなどした所、膜厚
230μmで片面が黒色の不織布を得た。この不織布
の水平方向の電気伝導度は1.8×10-1Scm-1であ
り、また垂直方向の電気伝導度は10-10Scm-1
下であり、不織布片面のみの導電化を行なうこと
ができた。 比較例 1 30%水酸化カリウム水溶液による処理を行なわ
ない他は上記実施例6と同様の処理を行なつた結
果、酸化剤は不織布片面のみに保持することが不
可能でポリピロール蒸気接触後は不織布は両面と
もポリピロールが生成し黒色化した。この不織布
の水平方向の電気伝導度は1.5×10-1Scm-1、垂
直方向の電気伝導度は4.8×10-2Scm-1であり、
不織布片面のみの導電化を行なうことができなか
つた。 比較例 2 酸化剤溶液としてFe(ClO43・8H2O−水飽和
溶液の代りにFe(ClO43・8H2O−メタノール飽
和溶液を使用した他は実施例1と同様にして行な
つた結果、両面がポリピロール生成により黒色化
したフイルムが得られた。このフイルムの電気伝
導度は水平方向が2.8×10-1Scm-1、垂直方向が
1.8×10-2Scm-1であり、フイルム片面のみの導
電化を行なうことができなかつた。 実施例 7 孔径0.1〜10μm、膜厚80μm、縦10cm、横20cm
で両面疎水性のポリエチレン製多孔性フイルムの
片面上に、FeCl3・6H2Oの水飽和溶液で縦方向
に幅2mmの直線40本を描き、風乾後実施例1と同
様にピロールの蒸気雰囲気下においた。その結
果、片面の縦方向に黒色の幅2mmの直線40本をも
つフイルムが得られた。このフイルムは縦方向が
電気伝導度1.3×10-1Scm-1を示し、横方向及び
垂直方向は絶縁性を示した。 このようにして、フイルム片面の縦方向にのみ
導電性を有する導電性フイルムを得ることができ
た。 実施例 8 ピロールの代りに3−メチルピロールを使用
し、Fe(ClO43・8H2Oの代りにCu(BF42の40%
水溶液を使用したほかは実施例1の場合と同様に
行なつた結果、膜厚22μmで片面が黒色のフイル
ムが得られた。このフイルム水平方向の電気伝導
度は1.8×10-3Scm-1であり、垂直方向の電気伝
導度は10-10Scm-1以下であつた。 実施例 9〜15 各種のピロール化合物を、第2表に示した各種
酸化剤を各種の多孔性フイルムの片面に存在させ
気相雰囲気下で24時間接触させて重合した結果を
第2表に併せて示した。
【化】
【化】 実施例 16〜22 第3表に示す各種の不織布を使用したほかは実
施例1と同様にして行なつた結果を第3表に併せ
て示した。
【表】
【表】 なお実施例17、18、20.21、22の場合、予め各
不織布の片面にフツ素系撥水剤をスプレー塗布し
てこの片面の疎水化処理を行なつた後、酸化剤を
含む飽和水溶液に各不織布を浸漬し、疎水化処理
されていない面に酸化剤を保持させた。 実施例 23〜29 第4表に示す各種の織布あるいは不織布を使用
したほかは実施例1と同様にして行なつた結果を
第4表に併せて示した。
【表】 尚、これらの実施例において各織布、不織布
は、それらの片面にシリコン系撥水剤をスプレー
塗布してこの片面の疎水化処理を行なつた後、疎
水化処理していない面に酸化剤を塗布して保持さ
せた。 実施例 30 実施例2で得られた導電性フイルムの電気伝導
度の経時変化を測定した結果を第5表に示した。
【表】 以上の結果、本発明で得られた導電性フイルム
の電気伝導度の変化は極めて僅かであることが示
された。 実施例 31 厚さ1.0mmの発泡ニツケル板(縦10cm、横20cm)
の上面にポリテトラフルオロエチレンを分散した
水溶液を噴霧器で噴霧し、60℃で数時間減圧乾燥
した後、温度375℃でアルゴン雰囲気下で30分熱
処理を施してポリテトラフルオロエチレンを融着
した。以上の処理により得られた発泡ニツケル板
を用いた他は実施例1と同様に行なつた結果、発
泡ニツケル板下面に生成したポリピロールからな
る黒色部分の電気伝導度は1.0×10-1Scm-1であ
つた。 実施例 32 厚さ1.0mmの発泡ニツケル板(縦10cm、横20cm)
の上面にポリエチレンオキサイドを分散した水溶
液を噴霧器で噴霧した後、温度60℃で数時間減圧
乾燥したものを用いた以外は実施例1と同様に行
なつた結果、発泡ニツケル板上面に生成したポリ
ピロールからなる黒色部分の電気伝導度は1.1×
10-1Scm-1であつた。 実施例 33 孔径0.1〜10μm、膜厚20μmで縦10cm、横20cm
のポリエチレン製多孔性フイルムにポリビニルア
ルコールを分散させた水溶液をローラにより塗布
し、温度60℃で減圧乾燥を数時間行なつたものを
用いた他は実施例1と同様に行なつた結果、フイ
ルム下面に生成したポリピロールからなる黒色部
分の電気伝導度は2.5×10-1Scm-1であり、ポリ
ピロールを生成させなかつたフイルム上面部の電
気伝導度は10-11Scm-1以下であつた。 実施例 34 撥水性層を形成させる方法として、ドクターブ
レイド法(二枚の刃で形成されたスリツト間に基
材を通過させながら刃の基材の通過方向の反対側
の面にゲル状の塗装物(今の場合は撥水性剤のゲ
ル状分散水溶液)を設置し塗つていく方法)を用
い、塗装物としてゲル状ポリテトラフルオロエチ
レン分散水溶液を使用し、塗装後乾燥したものを
用いた以外は実施例1と同様にした結果、ポリピ
ロールが生成した面の電気伝導度は2.8×10-1
Scm-1であつた。またポリピロールを生成させな
かつた面の電気伝導度は10-11Scm-1以下であつ
た。 実施例 35 撥水剤の分散水溶液をポリエチレンの分散水溶
液とした以外は実施例1と同様にした結果、ポリ
ピロールが生成した面の電気伝導度は2.8×10-1
Scm-1であつた。またポリピロールを生成させな
かつた面の電気伝導度は10-11Scm-1以下であつ
た。 実施例 36 重合用モノマーとしてテトラフルオロエチレン
を用いたプラズマ重合法によつて撥水性層を形成
させた基材を用いた以外は実施例1と同様にした
結果、ポリピロールが生成した面の電気伝導度は
2.8×10-1Scm-1であつた。またポリピロールを
生成させなかつた面の電気伝導度は10-11Scm-1
以下であつた。 実施例 37 ピロールの代りに2,2′−ビチオフエン5.0g
を使用し、反応温度70℃で行なつたほかは実施例
3と同様に行なつた結果、片面が黒色の多孔性フ
イルムが得られた。このフイルムの電気伝導度は
水平方向が7.5×10-5Scm-1、垂直方向は10-10
Scm-1以下であつた。 実施例 38 ピロールの代りに3,3′−ジメチル−2,2′−
ビチオフエン5.0gを使用し、反応温度80℃で行
なつたほかは実施例3と同様に行なつた結果、片
面が黒青色の多孔性フイルムが得られた。このフ
イルムの電気伝導度は水平方向が4.6×10-4
Scm-1、垂直方向は10-10Scm-1以下であつた。 <発明の効果> 以上の如く、本発明の導電材料は製造容易で耐
酸化性も優れており、実用的価値も極めて大であ
る。かくして本発明の導電材料は帯電防止材料、
電磁波遮蔽材料、光電変換素子、光メモリー、各
種センサー、表示素子、スイツチ、各種端末機
器、蓄電池、あるいは異方導電材料、導電路形成
材料のみならず、面状発熱体、積層型光電変換機
能材料、集電体、隔膜一体型電極材料、集電体一
体型電極材料などの広い分野への適用が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
添付図面は実施例の構造図である。 1……疎水層、2……導電層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化剤を保持し得る空間を有する基材を酸化
    剤で処理して該基材のいずれかの面のみに該酸化
    剤を保持させ、気相雰囲気下でピロール系化合物
    及び/又はチオフエン系化合物を該基材上で重合
    させ、該面に該化合物の重合体を形成して得られ
    る導電性の材料であつて、該基材は少なくとも一
    面が疎水性であることを特徴とする導電材料。 2 一方の面が疎水性で他方の面が親水性の基材
    を酸化剤水溶液に浸漬するか、または該他方の面
    に酸化剤水溶液を塗布して該他方の面に該酸化剤
    を保持させることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の導電材料。 3 両面が疎水性の基材の一方の面に酸化剤水溶
    液を塗布して該一方の面に該酸化剤を保持させる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の導
    電材料。 4 両面が疎水性の基材の一方の面を親水化剤で
    処理して得られるものであることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の導電材
    料。 5 親水性の基材の一方の面を撥水剤で処理して
    得られるものであることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の導電材料。
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