JPH0363971B2 - - Google Patents

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JPH0363971B2
JPH0363971B2 JP59275467A JP27546784A JPH0363971B2 JP H0363971 B2 JPH0363971 B2 JP H0363971B2 JP 59275467 A JP59275467 A JP 59275467A JP 27546784 A JP27546784 A JP 27546784A JP H0363971 B2 JPH0363971 B2 JP H0363971B2
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JP
Japan
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polymerization
conductivity
parts
light transmittance
aqueous solution
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JP59275467A
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JPS61157522A (ja
Inventor
Seizo Myata
Takeaki Koshio
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Hoechst Gosei KK
Original Assignee
Hoechst Gosei KK
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Priority to US06/809,814 priority patent/US4699804A/en
Priority to DE3544957A priority patent/DE3544957C3/de
Priority to FR8519333A priority patent/FR2575586B1/fr
Publication of JPS61157522A publication Critical patent/JPS61157522A/ja
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は導電性のきわめてすぐれた透明高分子
成形体の製造方法に関する。
現在代表的な導電性高分子としてはポリアセチ
レン、ポリパラフエニレン、ポリフエニレンサル
フアイド、ポリピロール、ポリチオフエンなどが
ある。そしてこれらの高分子は添加剤の選択によ
りp型あるいはn型半導体として、更には金属的
導体として利用することができる。
例えば電極、電池、蓄電池、半導体素子、太陽
電池、電磁波シールド材、帯電防止剤などがあげ
られる。しかしながら、このような用途に用いる
場合、これらの導電性高分子は不溶、不融で成形
加工が難しい欠点があり、また得られるフイルム
も不透明であることも実用上の障害となつてい
る。
特にポリピロールは、高い導電性と空気中での
安定性のために注目に値する導電性高分子である
が、Gardini.Adv.Heterocycl.Chem、15、67、
1973に記載されているように、均質溶液中におい
てピロールを、例えば過酸化水素で酸化すること
によつて得られるピロールブラツクといわれるポ
リピロールは粉末であり、しかも導電率を高める
ために、ハロゲンなどの電子受容体またはアルカ
リ金属などの電子供与体を後でドーピングする必
要がある。
そして、この粉末を圧縮成形したものはもろく
不透明である。
また、白金あるいは金を陽極とする電解酸化重
合も、A.F.Diaz and K.K.Kanazawa,J.C.S.
Chem.Comm.,1979,635に記載されているよう
にすでに知られているが、この方法は陽極面に不
溶、不融のポリピロールを析出させるものであ
り、この析出したポリマーから改めて目的とする
形態の成形物を得ることはポリピロールが不溶、
不融のため不可能なので、通常、電極から剥離し
たポリマーがそのまま使用されていた。このよう
に、これらの方法によるものは成形性に欠け実用
価値がとぼしく、しかも高導電化したものは黒色
不透明のものであり、光の透過率も1%以下で、
透明樹脂をコートしても光の透過率は向上しない
ものしかえられない欠点がある。
本発明者は、かかる従来の欠点を解決すべく
種々研究した結果、酸化剤を含有する高分子成形
体をピロールと気相中または液相中で水の存在下
に接触させることにより、成形体の表面および/
または内部にポリピロールが生成し、ドーピング
を行なうことなく、透明で高導電性の成形体がえ
られることを見出した。
更に、本発明者は研究を行なつた結果、ピロー
ルだけではなく、ピロール誘導体、、チオフエン、
チオフエン誘導体などの複素環化合物やその誘導
体、アニリンおよびアニリン誘導体がいずれも透
明で高い導電性を有する成形体を生成することを
見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、複素環化合物、その誘導
体、アニリン、アニリン誘導体から選んだ1もし
くは2以上の化合物と、これらの化合物の重合触
媒を含有する高分子化合物で形成した基体とを水
の存在下に接触し、前記化合物を重合して、基体
の表面および/または内部に導電性重合体を生成
することを特徴とする透明複合導電性高分子成形
体の製造方法である。
本発明でえられる成形体はドーピングを行なう
ことなく高導電性を示すほか、高い透明性と良好
な加工性を示すのが一つの特徴である。
本発明で用いられる化合物としては、ピロール
自体並びに置換されたピロール、例えばN−アル
キルピロール、N−アリールピロール、3位で置
換されたモノアルキルピロールおよびモノハロゲ
ン化ピロール、3位および4位で置換されたジア
ルキルピロールおよびジハロゲン化ピロール、チ
オフエン自体並びに置換されたチオフエン、例え
ば3位で置換されたモノアルキルチオフエンおよ
びモノハロゲン化チオフエン、3位および4位で
置換されたジアルキルチオフエンおよびジハロゲ
ン化チオフエン、アニリン自体並びにその誘導
体、例えばN−アルキルアニリン、N−ジアルキ
ルアニリン、ハロゲン化アニリン、ジハロゲン化
アニリン、ハロゲン化−N−アルキルアニリン、
ハロゲン化−N−ジアルキルアニリン、ジハロゲ
ン化−N−アセチルアニリン、フエニレンジアミ
ンおよびその置換体であるN−アルキルフエニレ
ンジアミン、N,N−ジアルキルフエニレンジア
ミン、N,N′−ジアルキルフエニレンジアミン
である。
ピロール、チオフエン、アニリン、フエニレン
ジアミンの置換された誘導体としては、重合の際
分岐することの少ないN−メチルピロール、N−
エチルピロール、N−フエニルピロール、2−ニ
トロフエニルピロール、3−メチルピロール、3
−エチルピロール、3−クロルピロール、3,4
−ジメチルピロール、3,4−ジエチルピロー
ル、3,4−ジクロルピロール、3−メチルチオ
フエン、3−エチルチオフエン、3−クロルチオ
フエン、3,4−ジメチルチオフエン、3,4−
ジクロルチオフエン、N−メチルアニリン、N−
エチルアニリン、N−ジメチルアニリン、N−ジ
エチルアニリン、クロルアニリン、ジクロルアニ
リン、クロル−N−メチルアニリン、クロル−N
−ジメチルアニリン、ジクロル−N−アセチルア
ニリン、N−メチル−p−フエニレンジアミン、
N,N−ジメチル−p−フエニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−p−フエニレンジアミンな
どが用いられる。
また重合に際しては、上記の化合物の1または
2以上を組合わせて用いることができる。
上記化合物の重合触媒としては塩化第二鉄、塩
化第二銅、硫酸第二銅などの金属塩、二酸化鉛の
ごとき金属酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムのごときペルオクソ塩、ベンゾキノンの
ごときキノン類、塩化ベンゼンジアゾニウムのご
ときジアゾニウム塩、その他フエリシアン化カリ
ウム、ヘキサクロロ白金()酸などが用いられ
る。
本発明において、基体を形成する高分子化合物
は、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、
ポリビニルブチラール、ポリアクリレート、ポリ
メタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフツ化ビニ
ル、ポリフツ化ビニリデン、ポリシアン化ビニリ
デン、ポリブタジエン、ボリイソプレン、ポリエ
ーテル、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、シリコン、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ングリコールなどの有機合成高分子化合物および
これらの誘導体などである。
これらの誘導体の中にはスチレン−アクリル酸
エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エス
テル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
どの共重合体も包含される。
また、セルロース、でんぷん、カゼイン、天然
ゴムなどのごとき天然高分子化合物、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースなどのセルロース誘導体のご
とき半合成高分子化合物、およびガラス、シリ
カ、アルミナのごとき無機高分子化合物なども基
体を形成する高分子化合物である。
これらの高分子化合物で形成された基体には、
粉、粒、フイルム、シート、板、糸、棒、パイプ
および紙などを含む織布、不織布、繊維などのほ
か、あらかじめ成形した電機部品、機械部品、ケ
ース類などの任意の形状の成形体が含まれる。
このような、高分子化合物で形成された基体に
は、あらかじめ重合触媒を含有させておくのであ
るが、あらかじめ高分子化合物に重合触媒を含有
させたのち成形して基体としてもよく、また成形
した基体に重合触媒を含浸あるいは塗布してもよ
い。
具体的には、高分子化合物の水溶液、水性エマ
ルジヨン、ゾルあるいは溶剤溶液に、重合触媒の
水溶液又は溶剤溶液を加えて混合し、この混合液
を用いて、流延法、紡糸などの成形手段で基体を
成形することができる。
また、この混合液を任意の形状の成形体、例え
ばプラスチツクフイルム、紙などにコーターで表
面コートしてもよい。あるいは金属、セラミツ
ク、プラスチツクなどで成形された成形体にスプ
レーコートしてもよい。
この方法は、複雑な形状の成形体に高導電性皮
膜を形成させるのに好適である。
皮膜の密着性が悪い場合は、成形体の表面処
理、例えばコロナ処理、化学エツチング、ウレタ
ンなどでアンカー処理することにより密着性を改
良できる。
また、紙、繊維、織布、不織布、板などに重合
触媒の水溶液又は溶剤溶液を塗布または含浸させ
て、重合触媒を含有させることができる。
重合触媒の含有量は、高分子化合物に対し、固
形分換算で1〜80重量%が適当である。しかし強
度の点から50重量%以下が好ましい。
前述の複素環化合物、その誘導体、アニリン、
アニリン誘導体の重合は、重合触媒を含有する高
分子化合物で形成した基体との水の存在下におけ
る接触により行なわれる。
前述の化合物は、基体中に含まれる重合触媒に
より重合して、基体の表面および/または内部に
導電性重合体を生成するが、この接触反応にはい
くつかの態様がある。
その一つは気相重合法である。
気相重合反応は密閉系で行なわれる。すなわ
ち、前記複素環化合物などの中から選ばれた1ま
たは2以上の化合物と水とを、密閉した雰囲気に
置き、重合触媒を含有する成形体を、同じ雰囲気
に放置するだけで重合が行なわれる。
また、前記化合物の蒸気と水蒸気とを強制的に
循環した雰囲気に、重合触媒を含有した成形体を
放置してもよい。
重合温度は、高導電率でかつ光の透過率の高い
ものをうるためには低温の方が好ましい。たとえ
ば、前記化合物の融点以下の温度であつても、化
合物には蒸気圧があるため重合時間は長くなるが
重合反応は進行する。
重合時間については、塩化第二鉄を35%含有す
るポリビニルアルコールとピロールとの重合反応
を例にとつてみると、重合温度60℃では重合時間
60分で導電率は飽和に達した。
しかし、さらに重合時間を長くすると導電率は
低下し、光の透過率も低下した。
また、同条件で重合温度を−40℃、氷の蒸気圧
0.8mmHgの下で、塩化第二鉄を50%含有するポリ
ビニルアルコールが5重量%の水分を吸湿した状
態で重合反応を開始したところ、水の影響によ
り、このような低温でも重合速度が大きく導電率
は60分で飽和した。さらに重合時間を長くすると
導電率は低下し、光の透過率も低下した。
重合反応系における水蒸気の存在および/また
は触媒含有高分子基体の水分の吸湿は、高導電率
のものをうるためにも、また重合時間を短縮する
ためにも有利である。
水蒸気は反応系に水または氷を存在させるだけ
でよく、触媒含有高分子基体に水分を吸湿させる
ためには、反応前に該高分子基体を高湿度下に放
置してもよいし、反応中に系内の水蒸気で吸湿さ
せてもよい。
吸湿量は高分子の種類によつて異なるが、水溶
性高分子であれば1〜5重量%が適当であり、水
不溶性高分子であれば通常1重量%以下である。
このような気相重合法では、電解酸化重合法な
どのウエツトプロセスと異なり、ドライプロセス
で行なわれるため、未反応の化合物を除去するな
どのための乾燥工程が不必要であり、製造上きわ
めて簡便に透明導電性成形体がえられる。
他の一つは液相重合法である。
液相重合反応は、前記複素環化合物などの中か
ら選ばれた1または2以上の化合物と水とを溶剤
に溶解するか、又は化合物が液状の場合は液状の
まま該化合物と水と溶剤と混合し、えられた溶剤
溶液に重合触媒を含有する成形体を浸漬して行な
われる。前記化合物の溶媒は、該化合物と混和
性、又は溶解性のあるものであればよく、ことに
アルコール系が適当である。
該化合物の溶媒中の濃度は、使用する化合物に
よつて異なるが、一応の目安として約10重量%以
上あればよい。
これ以下でも重合時間は長くなるが、勿論重合
反応は進行する。また、該化合物が液状のばあい
は100重量%の場合もありうる。
重合温度は、使用する溶媒又は化合物の融点以
上であればよい。しかしその範囲内で出来るだけ
低温の高導電率でかつ光の透過率の高いものがえ
られる。
液相重合反応においても、水分の存在は高導電
率のものをうるためにも、また重合時間を短縮す
るためにも有効である。
水分の量としては1〜10%が適当である。
重合時間については塩化第二鉄を30%含有する
ポリビニルアルコールとピロールのメタノール溶
液との重合反応を例にとつてみると、重合温度20
℃、ピロール:メタノール:水=85:10:5(重
量基準)の混合溶液中で重合を行なつた場合、重
合時間3時間で導電率は飽和に達した。さらに重
合時間を長くすると導電率は低下した。
液相重合反応は、前記化合物の分散液中でも、
溶液中と同様に行なわれる。
このようにえられた透明複合導電性高分子成形
体は、他の導電性高分子に特有なドーピングを行
なうことなく、高導電性および高透明性を示すも
のである。
基体の種類、形状を任意に選ぶことにより、可
撓性、加工性、形状を自由に変えることができ、
また透明性が高いため応用分野も広い。
さらに本発明の方法によりえられた透明複合導
電性高分子成形体は、透明なので、従来カーボン
や金属を分散した不透明な高分子成形体と異な
り、内部の見えるICその他の電子部品の静電防
止パツケージやクリーンルームの静電防止に適し
ており、また、任意に形状を変えることから、コ
ンピユーターハウジングの電磁波シールド材、電
磁波シールド粘着テープ、フレキシブル透明電
極、半導体素子などに用いてすぐれた効果が奏さ
れる。
次に実施例および比較例をあげて本発明を説明
する。
以下、部および%の記載は、とくに断わりのな
い限り重量基準である。
また、導電率(σ)は、σ>10-8S/cmの範囲
については四探針法により、σ<10-9S/cmの範
囲については二探子法により測定した。
また、光の透過率測定は、反射率の補正を行な
わずに波長550nmの光を用いて行なつた。
実施例 1 重合度500、導電率1×10−11S/cmのポリビニ
ルアルコールの5%水溶液65部と、5%FeCl3
溶液35部を混合撹拌して、厚さ100μmのポリエス
テルシート上に、厚さ5μmになるように前記混合
液をバーコーターで塗布し、20℃、65%RHで24
時間乾燥して、重合触媒を含有したポビニルアル
コールのフイルムをえた。
このフイルムをポリエステルシートから剥がし
て、面積100cm2の試料を切り取り、この試料をピ
ロール1mlおよび水1mlとともに、排気弁のつい
た容積0.05m3のガラス製デシケーター中に放置
し、ロータリーポンプで排気減圧した後、重合温
度−15℃で、重合時間60分間気相重合反応を行な
つた。
えられたえられたフイルムの導電率は10S/cm
(真空下で四針法による)であり、光の透過率は
50%であつた。
実施例 2 実施例1において、重合時間60分間を、10分間
および24時間に変えた以外は、実施例1と全く同
様にして気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率と光の透過率は、そ
れぞれ2×10-1S/cm、60%、および12S/cm、
45%であつた。
実施例 3 実施例1において、重合温度、−15℃を、−40℃
に変更した以外は実施例1と全く同様にして気相
重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は15S/cm、光の透
過率は45%であつた。
実施例 4 実施例1において、重合温度−15℃を、60℃に
変更した以外は実施例1と全く同様にして気相重
合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は5×10-1S/cm、
光の透過率20%であつた。更に重合時間60分を長
くして、3時間および24時間にしたところ、導電
率と光の透過率はそれぞれ、9×10-2S/cm、15
%および1×10-2S/cm、13%であつた。
このように光の透過率が低いのは重合温度が高
いと重合表面が粗面になり、光が乱反射して透明
性が低下するためである。
従つて、このフイルムの表面に透明アクリル系
エマルジヨンを3μmの厚さに塗布することによ
り、光の透過率は、それぞれ50%、45%、40%に
増加した。
実施例 5 実施例1において、ポリビニルアルコールの5
%水溶液65部を25部に、5%FeCl3水溶液35部を
75部に変更した以外は、実施例1と全く同様にし
て気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は5S/cm、光の透
過率は15%であつた。
光の透過率が低いのは、FeCl3の使用量が多い
為、重合反応が活発となり、重合表面が粗面とな
り、光が乱反射して透明性が低下するためであ
る。
従つて、実施例4と同様に透明アクリル系エマ
ルジヨンで表面コートしたところ、光の透過率は
45%となつた。
実施例 6 実施例1において、ポリビニルアルコールの5
%水溶液65部を75部に、5%FeCl3水溶液35部を
25部に変更した以外は、実施例1と全く同様にし
て気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は3S/cm、光の透
過率は55%であつた。
このフイルム中のFeCl3をアセトンで24時間抽
出したところ、光の透過率は60%と向上し、フイ
ルムの色も黄色から淡黄色に変つた。フイルムノ
導電率は5×10-3S/cmとわずかに低下しただけ
であつた。
このようにえられた導電性フイルム中の残存重
合触媒が不必要なときは、アセトンなどで抽出す
ることができる。
実施例 7 実施例1においてポリビニルアルコールの5%
水溶液65部を90部に、5%FeCl3水溶液35部を10
部に変更した以外は、実施例1と全く同様にして
気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は3×10-4S/cm、
光の透過率は60%であつた。
実施例 8 実施例1において、重合度500、導電率1×10
11S/cmのポリビニルアルコールの5%水溶液
65部の代りに、重合度500、導電率3×10-15S/
cmのポリビニルブチラールの5%アセトン溶液65
部を用い、5%FeCl3水溶液35部の代りに5%
FeCl3アセトン溶液35部を用いた以外は、実施例
1と全く同様にして気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は1.2×10-1S/cm、
光の透過率は30%であつた。
実施例 9 実施例1において、重合度500、導電率1×10
11S/cmのポリビニルアルコール5%水溶液65
部の代りに、重合度1000、導電率2×10-16S/cm
のポリカーボネートの5%ジクロロメタン溶液65
部を用い、5%FeCl3水溶液35部の代りに、5%
FeCl3アセトン溶液35部を用いた以外は、実施例
1と全く同様にして気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は3×10-3S/cm、
光の透過率は40%であつた。
実施例 10 実施例1において、重合度500、導電率1×10
11S/cmのポリビニルアルコール5%水溶液65
部の代りに、重合度1000、導電率5×10-16S/cm
のポリスチレンの5%アセトン溶液を65部を用
い、5%FeCl3水溶液35部の代りに、5%FeCl3
アセトン溶液35部を用いた以外は、実施例1と全
く同様にして気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は5×10-3S/cm、
光の透過率は30%であつた。
実施例 11 実施例1において、重合度500、導電率1×
10-11S/cmのポリビニルアルコールの5%水溶液
65部の代りに、重合度1000、導電率1×10-16S/
cmのポリメチルメタクリレートの5%アセトン溶
液65部を用い、5%FeCl3水溶液35部の代りに、
5%FeCl3アセトン溶液35部を用いた以外は、実
施例1と全く同様にして気相重合反応を行なつ
た。
えられたフイルムの導電率は1×10-3S/cm、
光の透過率は30%であつた。
実施例 12 実施例1において、重合度500、導電率1×
10-11S/cmのポリビニルアルコール5%水溶液65
部の代りに、重合度500、導電率2×10-11S/cm
のポリアクリルアミドの5%水溶液65部を用いた
以外は実施例1と全く同様にして気相重合反応を
行なつた。
えられたフイルムの導電率は2S/cm、光の透
過率は55%であつた。
実施例 13 実施例1において、重合度500、導電率1×10
11S/cmのポリビニルアルコールの5%水溶液
65部の代りに、重合度4000、導電率3×10-12S/
cmのエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジヨン
(エチレン:酢酸ビニル=2:8)の5%水溶液
65部を用いた以外は、実施例1と全く同様にして
気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は3S/cm、光の透
過率は20%であつた。エマルジヨンのフイルムは
乱反射のため透過率が低いので、実施例4と同様
にして表面コートすると、光の透過率は40%に向
上した。
実施例 14 実施例1において、重合温度−15℃、重合時間
60分を重合温度20℃、重合時間24時間に変えた以
外は、実施例1と全く同様にして、気相重合反応
を行なつた。
えられたフイルムの導電率は3S/cmであつた
が、光の透過率は5%であつた。
これは重合温度が高いと重合表面が粗面にな
り、光が乱反射して透明性が低下するためであ
る。
従つて、このフイルムの表面に透明アクリル系
エマルジヨンを3μmの厚さに塗布することによ
り、光の透過率は45%に増加した。
実施例 15 重合度500、導電率11×10-11S/cmのポリビニ
ルアルコール5%水溶液70部と、FeCl3の5%水
溶液30部を混合撹拌し、厚さ100μmのポリエステ
ルシート上に厚さ3μmになるように前記混合液を
バーコーターで塗布し、室温で乾燥して重合触媒
を含有したポリビニルアルコールのフイルムをえ
た。このフイルムをポリエステルシートと共に面
積100cm2の試料を切り取り、この試料をピロー
ル:メタノール:水=85:10:5(重量基準)の
混合溶液100ml中に浸漬し、重合温度20℃で重合
開始時間3時間、液相重合反応を行なつた。
えられたえられたフイルムの導電率は2×
10-1S/cm、光の透過率は40%であつた。
実施例 16 実施例15において、重合時間3時間を30分間お
よび24時間に変えた以外は、実施例15と全く同様
にして液相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率と光の透過率はそれ
ぞれ3×10-4S/cm、50%および1×10-2S/cm、
30%であつた。
実施例 17 実施例15において、FeCl3の5%水溶液30部の
代りに、フエリシアン化カリウムの5%水溶液30
部を用い、重合時間3時間を24時間に変更した以
外は、実施例15と全く同様にして液相重合反応を
行なつた。
えられたフイルムの導電率3×10-6S/cm、光
の透過率は30%であつた。
実施例 18 実施例15において、FeCl3の5%水溶液30部の
代りに、ヘキサクロロ白金()酸6水和部5%
水溶液30部を用い、重合時間3時間を24時間に変
更した以外は実施例15と全く同様にして液相重合
反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率2×10-7S/cm、光
の透過率は30%であつた。
実施例 19 実施例15において、FeCl3の水溶液30部の代り
に過硫酸カリウム5%水溶液30部を用い、重合時
間3時間を、24時間に変更した以外は、実施例17
と全く同様にして液相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率4×10-6S/cm、光
の透過率は65%であつた。
実施例 20 実施例15において、重合度500、導電率1×
10-11S/cmのポリビニルアルコールの5%水溶液
70部の代りに、重合度500、導電率3×10-15S/
cmのポリビニルブチラールの5%アセトン溶液70
部を用い、FeCl3の5%水溶液30部の代りに、p
−ベンゾキノンの5%アセトン溶液30部を用い、
重合時間3時間を24時間に変更した以外は、実施
例15と全く同様にして液相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率2×10-7S/cm、光
の透過率は60%であつた。
実施例 21 実施例1において、ピロール1mlの代りに、3
−メチルピロール1mlを用いた以外は実施例1と
全く同様にして気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率8×10-1S/cm、光
の透過率は55%であつた。
実施例 22 実施例1においてピロール1mlの代りに、チオ
フエン1mlを用いた以外は、実施例1と全く同様
にして気相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率4×10-5S/cm、光
の透過率は30%であつた。
実施例 23 実施例1において、5%FeCl3水溶液35部の代
りに、過硫酸カリウム5%の水溶液35部を用い、
ピロール1mlの代りに、チオフエン1mlを用いた
以外は実施例1と全く同様にして気相重合反応を
行なつた。
えられたフイルムの導電率3×10-3S/cm、光
の透過率は60%であつた。
実施例 24 実施例1において、5%FeCl3水溶液35部の代
りに、過硫酸カリウム5%の水溶液35部を用い、
ピロール1mlの代りに、3−メチルチオフエン1
mlを用いた以外は実施例1と全く同様にして気相
重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率1×10-3S/cm、光
の透過率は60%であつた。
実施例 25 実施例1において、5%FeCl3水溶液35部の代
りに、過硫酸カリウム5%の水溶液35部を用い、
ピロール1mlの代りにアニリン1mlを用いた以外
は、実施例1全く同様にして気相重合反応を行な
つた。
えられたフイルムの導電率は2×10-1S/cm、
光の透過率は65%であつた。
実施例 26 実施例15において、ピロールの85%水−メタノ
ール溶液100mlの代りに、p−フエニレンジアミ
ン:メタノール:水=5:90:5(重量基準)の
混合溶液100mlを用い、重合時間3時間を24時間
に変更した以外は、実施例15と全く同様にして気
相重合反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は2×10-6S/cm、
光の透過率は60%であつた。
比較例 1 実施例1において、5%FeCl3水溶液35部を使
用しなかつた以外は、実施例1と全く同様にして
気相反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は1×10-11S/cm
で、反応前と全く同じであつた。
比較例 2 実施例9において、5%FeCl3アセトン溶液35
部を使用せず、ピロール1mlの代りにアニリン1
mlを用いた以外は実施例9と全く同様にして気相
反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は2×10-16S/cm
で、反応前と全く同じであつた。
比較例 3 実施例10において、5%FeCl3アセトン溶液35
部を使用せず、ピロール1mlの代りに、チオフエ
ン1mlを用いた以外は実施例10と同様にして気相
反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は5×10-16S/cm
で、反応前と全く同じであつた。
比較例 4 実施例19において、過硫酸カリウムの5%水溶
液30部を使用しなかつた以外は、実施例19とまつ
た同様にして液相反応を行なつた。
えられたフイルムの導電率は1×10-11S/cm
で、反応前と全く同じであつた。
比較例 5 実施例1において、水1mlを使用しなかつた以
外は、実施例1と全く同様にして気相重合反応を
行なつた。
えられたフイルムの導電率は2×10-6S/cm、
光の透過率65%であつた。これは水分不足により
反応速度が遅いためである。従つて、更に重合時
間60分を長くして、24時間気相重合を行なつたと
ころ、えられたフイルムの導電率は3×10-4S/
cmと向上し、光の透過率は55%となつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複素環化合物、その誘導体、アニリン、アニ
    リン誘導体から選んだ1もしくは2以上の化合物
    と、これらの化合物の重合触媒を含有する高分子
    化合物で形成した基体とを水の存在下に接触し、
    前記化合物を重合して、基体の表面および/また
    は内部に導電性重合体を生成することを特徴とす
    る透明複合導電性高分子成形体の製造方法。 2 複素環化合物がピロールおよび/またはチオ
    フエンである特許請求の範囲第1項記載の透明複
    合導電性高分子成形体の製造方法。 3 複素環化合物の誘導体がN−アルキルピロー
    ル、N−アリールピロール、3位で置換されたモ
    ノアルキルピロールおよびモノハロゲン化ピロー
    ル、3位および4位で置換されたジアルキルピロ
    ールおよびジハロゲン化ピロール、3位で置換さ
    れたモノアルキルチオフエンおよびモノハロゲン
    化チオフエン、3位および4位で置換されたジア
    ルキルチオフエンおよびジハロゲン化チオフエン
    から選ばれたものである特許請求の範囲第1項記
    載の透明複合導電性高分子成形体の製造方法。 4 アニリン誘導体がN−アルキルアニリン、N
    −ジアルキルアニリン、ハロゲン化アニリン、ジ
    ハロゲン化アニリン、ハロゲン化−N−アルキル
    アニリン、ハロゲン化−N−ジアルキルアニリ
    ン、ジハロゲン化−N−アセチルアニリン、フエ
    ニレンジアミン、N−アルキルフエニレンジアミ
    ン、N,N−ジアルキルフエニレンジアミン、
    N,N′−ジアルキルフエニレンジアミンから選
    ばれたものである特許請求の範囲第1項記載の透
    明複合導電性高分子成形体の製造方法。
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