JPH0582473B2 - - Google Patents

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JPH0582473B2
JPH0582473B2 JP59278520A JP27852084A JPH0582473B2 JP H0582473 B2 JPH0582473 B2 JP H0582473B2 JP 59278520 A JP59278520 A JP 59278520A JP 27852084 A JP27852084 A JP 27852084A JP H0582473 B2 JPH0582473 B2 JP H0582473B2
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JP
Japan
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borazine
boron nitride
coating layer
substrate
hydrogen
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JP59278520A
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JPS61153279A (ja
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Masaru Yagi
Noritoshi Horie
Yoshitaka Maekawa
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Tungaloy Corp
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Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、基体表面に窒化ホウ素からなる被覆
層を気相反応法により形成させる硬質窒化ホウ素
被覆材料の製造方法に関する。
(従来の技術) 窒化ホウ素は、主として3種類の結晶構造のも
のが存在し、その1つは常圧で容易に合成される
硬質で潤滑性にすぐれた六方晶型窒化ホウ素であ
り、他の2つは、高圧、高温という特殊な条件で
合成される硬質で緻密な立方晶型窒化ホウ素及び
ウルツ鉱型窒化ホウ素である。これらの窒化ホウ
素の内、立方晶型窒化ホウ素は、製造方法が確立
されており、又ダイヤモンドに次いで高硬度で、
しかもダイヤモドが鉄との親和性が高いのに対し
立方晶型窒化ホウ素は鉄との親和性が低いことか
ら、例えば鉄系材料の切削工具として注目されて
いる材料である。このように鉄との親和性が低
く、高硬度、高熱伝導性、高電気絶縁性を有する
立方晶型窒化ホウ素を被覆層として基体表面に形
成する方法が種々追求されている。
従来、基体表面に窒化ホウ素からなる被覆層を
形成させる方法としては、大別すると化学蒸着法
(CVD)と物理蒸着法(PVD)がある。この内、
前者の方法としては、ハロゲン化ホウ素又はジボ
ランの如きホウ素含有化合物とアンモニア又はヒ
ドラジンと水素との反応ガス中で行なう方法があ
る。一方後者の方法としては、イオンビームデポ
ジシヨン法、イオン注入法又はイオンビームデポ
ジシヨン法と蒸着法を組合せた方法もしくはイオ
ン注入法と蒸着法を組合せた方法がある。
(発明が解決しようとする問題点) 従来、基体表面に窒化ホウ素からなる被覆層を
形成する方法の内、化学蒸着法による場合は、軟
質な六方晶型窒化ホウ素からなる被覆層であつて
硬質な窒化ホウ素の被覆層が形成され難いという
問題がある。物理蒸着法の内、イオンビームデポ
ジシヨン法による場合は、高真空高電圧用装置と
イオンビーム発生装置及び集束装置が必要で設備
容量に対する処理量も少ないために高価に付くと
いう問題があり、イオン注入法による場合は、処
理に要する時間が長く、しかも高硬度の窒化ホウ
素の被覆層が形成され難いという問題がある。こ
れらのイオンビームポジシヨン法又はイオン注入
法と蒸着法を組合わせた場合は、得られる被覆層
の解析からは高硬度な立方晶型窒化ホウ素の含有
が確認されているけれども実用化できるだけの被
覆層が形成されていないという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決したもの
で、特に基体表面に緻密で硬質な窒化ホウ素の被
覆層を低温で容易に形成することができる方法を
提供することを目的とする。
(発明を解決するための手段) 本発明の硬質窒化ホウ素被覆材料の製造方法
は、水素又は水素及び不活性ガスとボラジン及は
ボラジン誘導体を直流、高周波又はマイクロ波に
よる放電中を通過させた混合ガス、もしくは水素
を直流、高周波又はマイクロ波による放電中を通
過させた後ボラジン又はボラジン誘導体を不活性
ガスとで混合した混合ガスを200℃〜1300℃に加
熱した基体表面に導入して窒化ホウ素からなる被
覆層を基体表面に形成させる方法である。この本
発明の方法を具体的に説明すると、金属、合金、
焼結合金、セラミツクス又は複合材料からなる基
体の表面を必要によつては研削、研摩又はラツピ
ングなどの加工を施した後水、中性洗剤、有機溶
剤などで洗浄したり、必要によつては蒸気洗浄、
超音波洗浄又は表面エツチングを行ない、次いで
基体を乾燥後反応容器内にセツトする。この反応
容器を真空に排気した後水素とボジラン又はボジ
ラン誘導体もしくは水素と不活性ガスとボラジン
又はボラジン誘導体を反応容器内に送入して直
流、高周波又はマイクロ波により発生した放電中
を通過させた混合ガスを200℃〜1300℃に加熱し
た基体表面に導入して窒化ホウ素からなる被覆層
を基体表面に形成することができる。また、反応
容器を真空に排気した後水を反応容器内に送入し
て直流、高周波又はマイクロ波により発生した放
電中を通過させた後ボラジン又はボラジン誘導体
と不活性ガスとで混合した混合ガスを200℃〜
1300℃に加熱した基体表面に導入して窒化ホウ素
からなる被覆層を基体表面に形成することができ
る。ここで使用するボラジン又はボラジン誘導体
とは、化学式がB3N3H6のボラジン又はBXNYHZ
(X、Y、Zは、それぞれ整数を表わす)で表示
されるボラジン誘導体を示し、ボラジン誘導体と
しては、例えば化学式がB5N5H8のボラゾナフタ
レン、B6N6H10のボラジビフエニル、B3N5H8
2,4−ジアミノボラジンなどがある。このボラ
ジン又はボラジン誘導体は、水素ガス又はAr、
Kr、Xe、Ne、Heなどの不活性ガスをキヤリア
ガスとして反応容器内に送入することができる。
水素とボラジン又はボラジン誘導体もしくは水素
と不活性ガスとボラジン又はボラジンを直流、高
周波又はマイクロ波により放電中を通過させてな
る混合ガスを基体表面に導入するときは、反応容
器内に設置する基体の位置は、放電領域内もしく
は放電領域外で放電中を通過した混合ガスが排出
口側に対流している対流領域内であつてもよい。
また、水素を放電中に通過させた後ボラジン又は
ボラジン誘導体とでなる混合ガスを基体表面に導
入するときには、反応容器内に設置する基体の位
置は、放電領域内よりもむしろ放電領域外で混合
ガスが排気出口側に対流している対流領域内の方
が望ましい。ここで使用する基体は、加熱温度が
200℃〜1300℃と低温であることからAl、Cu、鉄
族金属又はMo、W、Ti、Taなどの高融点金属
などの各種金属、Al合金、Cu合金、鉄族金属合
金又は工具鋼を含めた各種の鋼、鋳物などの鉄系
材料もしくは粉末冶金法によつて作成される焼結
ハイス、超硬合金、サーメツトなどの焼結合金あ
るいはAl2O3系セラミツクス、ZrO2系セラミツク
スなどの酸化物系セラミツクスからSi3N4系セラ
ミツクス、SiC系セラミツクス、TiC系セラミツ
クス、TiB2系セラミツクス、AlN系セラミツク
スなどの非酸化物系セラミツクスを含めた各種セ
ラミツクス、更にこれらの金属、合金、焼結合
金、セラミツクスなどにメツキ、CVD、PVDに
よつて金属、合金又は周期律表4a、5a、6a族金
属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物もしくは
これらの相互固溶体あるいはAl2O3、AlN、など
を単層又は多重層に被覆した複合材料からこれら
金属、合金、焼結合金、セラミツクスなどの異種
材料を少なくとも2種以上積層した複合材料など
が使用できる。これら各種の基体の表面に被覆す
る窒化ホウ素からなる被覆層は、用途によつて異
なるけれども被覆層の特性を有効に発揮させるの
と被覆層内剥離を防ぐ必要から0.3μm〜30μm厚
さにすることが望ましく、特に衝撃が加わるよう
な用途に応用するときには被覆層厚さは、0.3μm
〜5μmと薄くすることが望ましい。被覆層を形
成するときの基体の加熱温度は、基体の種類又は
形状によつても異なるけれども基体と被覆層との
密着性及び被覆層の析出速度から500℃〜1100℃
が望ましい。
(作用) 本発明の硬質窒化ホウ素被覆材料の製造方法
は、室際の理論的メカニズムは明らかでないが化
学的反応性に富むボラジン又はボラジン誘導体が
分解して原子状態になり、放電中を低下して励起
状態又は原子状態にある高エネルギーの水素から
原子状態のボラジン又はボラジン誘導体がエネル
ギーを吸収してより高いエネルギーをもつ状態に
励起され、この励起されたBとNが加熱した基体
表面でB−Nの構造を形成することによつて硬質
窒化ホウ素からなる被覆層になるものである。こ
の本発明の方法は、気相反応法によつて低温で容
易に硬質窒化ホウ素の被覆層を形成することが可
能で、その被覆層は1.0μm以下の微細な粒子で緻
密な膜状の薄層になりやすく、このために基体表
面との密着性もすぐれたものになる。
(実施例) 実施例 1 反応容器内を真空排気した後水素ガス100ml/
minを供給して系内圧力を5Torrにした。次いで
Arをキヤリアガスとしてボラジン5ml/minを
反応容器内に供給し、水素ガスとArガスとボラ
ジンをマイクロ波出力300W、による放電中を通
過させて混合した混合ガスを放電領域内に設置し
て500℃に加熱したSi基体表面に導入し、窒化ホ
ウ素からなる被覆層を形成した。得られた被覆材
料を走査型顕微鏡、X線回折、オージエ分光法に
より測定した所、被覆層は1.0μm厚さで、立方晶
型窒化ホウ素からなる膜状の薄層であることが確
認できた。このようにして得た被覆層の硬さをビ
ツカース硬度計で測定した所4000Kg/mm2であつ
た。
実施例 2 反応容器内を真空排気した後水素ガス300ml/
minを供給して系内圧力を30Torrにし、この水
素をマイクロ波出力300Wによる放電中を通過さ
せてArガスをキヤリアガスとしてボラジン10
ml/minと混合した混合ガスを放電領域外でガス
排出側に設置して1000℃に加熱したSi3N4系セラ
ミツクス基体表面に導入して窒化ホウ素からなる
被覆層を形成した。得られた被覆材料を走査型顕
微鏡、X線回折、オージエ分光法により測定した
所、被覆層が1.5μm厚さで、立方晶型窒化ホウ素
の微細粒子の薄膜であつた。
実施例 3 反応容器内を真空排気した後水素ガス150ml/
minと水素ガスをキヤリアガスとしてボラジン10
ml/minを反応容器に供給し、この水素とボラジ
ンをマイクロ波出力300Wによる放電中を通過さ
せて混合した混合ガスを放電領域外でガス排気側
に設置して1000℃に加熱した基体表面に導入し、
窒化ホウ素からなる被覆層を形成した。ここで使
用した基体はJIS規格P30相当の超硬合金の表面
に1.0μmのTiCN層の内層と0.5μmのAlN層を外
層とする複合材料であつた。得られた被覆材料を
走査型顕微鏡、X線回折、オージエ分光法により
測定した所、最外層の被覆層は1.0μm厚さの立方
晶型窒化ホウ素からなる多重層の被覆材料であつ
た。
(発明の効果) 以上の結果、本発明の硬質窒化ホウ素被覆材料
の製造方法は、立方晶型窒化ホウ素からなる硬質
な被覆層が低温で容易に得られることから切削用
工具及び耐摩耗用工具に応用することができ、特
に鉄との親和性の低い立方晶型窒化ホウ素の被覆
層を形成することができることから鋼、鋳物又は
耐熱合金を含めた各種難削材料の切削用工具とし
て利用することができる。また、耐食性及び化学
的安定性にすぐれた窒化ホウ素の被覆層からノズ
ル、メカニカルシール、バルブなどの耐摩耗用工
具にも利用することができる。さらに、高電気絶
縁性、高熱伝導性及び高硬度性の被覆層から半導
体用チツプ及びペンチ、ニツパ等の電気工具部品
などにも利用できるもので産業上有用なものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水素又は水素及び不活性ガスとボラジン及は
    ボラジン誘導体を直流、高周波又はマイクロ波に
    よる放電中を通過させた混合ガス、もしくは水素
    を直流、高周波又はマイクロ波による放電中を通
    過させた後ボラジン又はボラジン誘導体を不活性
    ガスとで混合した混合ガスを200℃〜1300℃に加
    熱した基体表面に導入して、該基体表面に窒化ホ
    ウ素からなる被覆層を形成することを特徴とする
    硬質窒化ホウ素被覆材料の製造方法。
JP27852084A 1984-12-27 1984-12-27 硬質窒化ホウ素被覆材料の製造方法 Granted JPS61153279A (ja)

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DE59007568D1 (de) * 1990-04-06 1994-12-01 Siemens Ag Verfahren zur Herstellung von mikrokristallin kubischen Bornitridschichten.
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JPS61149478A (ja) * 1984-12-25 1986-07-08 Furukawa Mining Co Ltd 六方晶乃至立方晶の窒化ホウ素膜の製造方法

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