JPH0582136A - 燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents
燃料電池用電極の製造方法Info
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- JPH0582136A JPH0582136A JP3239733A JP23973391A JPH0582136A JP H0582136 A JPH0582136 A JP H0582136A JP 3239733 A JP3239733 A JP 3239733A JP 23973391 A JP23973391 A JP 23973391A JP H0582136 A JPH0582136 A JP H0582136A
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- Japan
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- carbon black
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- fuel cell
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 白金をカーボンブラックに安定に担持でき、
かつ、得られる燃料電池の起電力を低下させることなく
白金使用量を低減した燃料電池用電極の製造方法を提供
する。 【構成】 〔Pt2(X)2(NH3)2〕Bn〔Pt
4(X)4(NH3)4〕Bn〔Pt4(Y)8〕〔P
t(Z11)4〕〔Pt(Z2)2(Z31)4〕Bn
〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z12)
2(Z32)2〕Bn (式中のXは窒素原子と酸素原子で白金にキレート配位
する有機化合物、Bは任意の陰イオン、nは任意の整
数、Yはカルボキシル基を含む有機化合物、Z11,Z
31は同一でも異なっていてもよく、白金に単座で配位
する配位子、Z12,Z32は同一でも異なっていても
よく白金にキレート配位する有機化合物、Z2はハロゲ
ン原子、Bおよびnは上記と同じものを示す。)のいず
れかの式で表される白金化合物の少なくとも1つをカー
ボンブラックに固着させ、これを還元して白金とする。
得られた電極原料は、所要に応じて、撥水処理等を施
し、ロール圧廷等してシート状にする。このシートを樹
脂膜の両面にホットプレスして燃料電池用電極を得る。
かつ、得られる燃料電池の起電力を低下させることなく
白金使用量を低減した燃料電池用電極の製造方法を提供
する。 【構成】 〔Pt2(X)2(NH3)2〕Bn〔Pt
4(X)4(NH3)4〕Bn〔Pt4(Y)8〕〔P
t(Z11)4〕〔Pt(Z2)2(Z31)4〕Bn
〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z12)
2(Z32)2〕Bn (式中のXは窒素原子と酸素原子で白金にキレート配位
する有機化合物、Bは任意の陰イオン、nは任意の整
数、Yはカルボキシル基を含む有機化合物、Z11,Z
31は同一でも異なっていてもよく、白金に単座で配位
する配位子、Z12,Z32は同一でも異なっていても
よく白金にキレート配位する有機化合物、Z2はハロゲ
ン原子、Bおよびnは上記と同じものを示す。)のいず
れかの式で表される白金化合物の少なくとも1つをカー
ボンブラックに固着させ、これを還元して白金とする。
得られた電極原料は、所要に応じて、撥水処理等を施
し、ロール圧廷等してシート状にする。このシートを樹
脂膜の両面にホットプレスして燃料電池用電極を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池用電極の製造
方法に関する。特に、ガス拡散電極の製造方法に関す
る。
方法に関する。特に、ガス拡散電極の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池用電極としてはいくつかの種類
のものが提案されている。特に、ガス拡散電極には、特
開昭60-86767号公報に記載されているごとく、白金を担
持したカーボンブラックを使用することが提案されてい
る。従来のカーボンブラックへの白金の担持方法には、
例えば白金コロイド液を、カーボンブラックを含有する
水溶液と混合して担持する方法がある。米国特許第4136
059 号明細書には、塩化白金酸イオンを含有する水溶液
にジチオン酸ナトリウムを添加し白金コロイドを作製
し、これにカーボンブラックを加えて白金をカーボンブ
ラックに担持する方法が開示されている。また、米国特
許第4044193 号明細書には、白金化合物H3Pt(SO3)2OHま
たはNa6Pt(SO3)4 の水溶液とカーボンブラックを混合し
て白金を担持したカーボンブラックの製造法が開示され
ている。そして、このようにして白金を担持したカーボ
ンブラックを用いて、ガス拡散電極が製造される。
のものが提案されている。特に、ガス拡散電極には、特
開昭60-86767号公報に記載されているごとく、白金を担
持したカーボンブラックを使用することが提案されてい
る。従来のカーボンブラックへの白金の担持方法には、
例えば白金コロイド液を、カーボンブラックを含有する
水溶液と混合して担持する方法がある。米国特許第4136
059 号明細書には、塩化白金酸イオンを含有する水溶液
にジチオン酸ナトリウムを添加し白金コロイドを作製
し、これにカーボンブラックを加えて白金をカーボンブ
ラックに担持する方法が開示されている。また、米国特
許第4044193 号明細書には、白金化合物H3Pt(SO3)2OHま
たはNa6Pt(SO3)4 の水溶液とカーボンブラックを混合し
て白金を担持したカーボンブラックの製造法が開示され
ている。そして、このようにして白金を担持したカーボ
ンブラックを用いて、ガス拡散電極が製造される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法により作製されたガス拡散電極の性能
は、白金の担持方法やカーボンブラックの種類に大きく
依存し、さらにロットごとのバラツキが大きいという問
題点があった。また、かかる従来法にあっては、使用す
る白金量が多くなるという問題点があった。これは、使
用する白金のうちカーボンブラックに担持されない白金
が生じてしまうとか、ガス拡散電極における液体‐気体
‐固体の3相界面で反応が行われるが、このような3相
界面に存在していない白金はなんら反応に寄与しないか
らである。そのため多量の白金を使用することにより、
コスト高となるという問題があった。
うな従来の方法により作製されたガス拡散電極の性能
は、白金の担持方法やカーボンブラックの種類に大きく
依存し、さらにロットごとのバラツキが大きいという問
題点があった。また、かかる従来法にあっては、使用す
る白金量が多くなるという問題点があった。これは、使
用する白金のうちカーボンブラックに担持されない白金
が生じてしまうとか、ガス拡散電極における液体‐気体
‐固体の3相界面で反応が行われるが、このような3相
界面に存在していない白金はなんら反応に寄与しないか
らである。そのため多量の白金を使用することにより、
コスト高となるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の問題に着目してなされたもので、特定の白金化合物
をカーボンブラックに固着させ、これを還元して白金と
することにより、白金をカーボンブラックに安定に担持
させることができ、かつ、電極製造に際し、使用する白
金量を低減し、しかも起電力を低下させないことを見出
し、本発明を完成するに至った。
来の問題に着目してなされたもので、特定の白金化合物
をカーボンブラックに固着させ、これを還元して白金と
することにより、白金をカーボンブラックに安定に担持
させることができ、かつ、電極製造に際し、使用する白
金量を低減し、しかも起電力を低下させないことを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】従って、本発明の燃料電池用電極の製造方
法は、次の一般式I〜III 〔Pt2(X)2(NH3)2 〕Bn または〔Pt4(X)4(NH3)4 〕Bn -------------I (式中のXは窒素原子と酸素原子で白金にキレート配位
する有機化合物、Bは任意の陰イオン、nは任意の整数
を示す。) 〔Pt4(Y)8 〕 -------------- II (式中のYはカルボキシル基を含む有機化合物を示
す。)または、 〔Pt(Z11)4〕〔Pt(Z2)2(Z31)4 〕Bn または 〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z2)2(Z32)2 〕Bn ------------- III (式中のZ11, Z31は同一でも異なっていてもよく、白金
に単座で配位する配位子、Z12, Z32は同一でも異なって
いてもよく白金にキレート配位する有機化合物、Z2はハ
ロゲン原子、Bおよびnは上記と同じものを示す。)で
表される白金化合物の少なくとも1つをカーボンブラッ
クに固着させ、次いで、これを還元して白金とするを特
徴とする。
法は、次の一般式I〜III 〔Pt2(X)2(NH3)2 〕Bn または〔Pt4(X)4(NH3)4 〕Bn -------------I (式中のXは窒素原子と酸素原子で白金にキレート配位
する有機化合物、Bは任意の陰イオン、nは任意の整数
を示す。) 〔Pt4(Y)8 〕 -------------- II (式中のYはカルボキシル基を含む有機化合物を示
す。)または、 〔Pt(Z11)4〕〔Pt(Z2)2(Z31)4 〕Bn または 〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z2)2(Z32)2 〕Bn ------------- III (式中のZ11, Z31は同一でも異なっていてもよく、白金
に単座で配位する配位子、Z12, Z32は同一でも異なって
いてもよく白金にキレート配位する有機化合物、Z2はハ
ロゲン原子、Bおよびnは上記と同じものを示す。)で
表される白金化合物の少なくとも1つをカーボンブラッ
クに固着させ、次いで、これを還元して白金とするを特
徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いられる白金化合物は上記一般式I、II, III
で表される化合物から選択される。一般式I…〔Pt2(X)
2(NH3)2 〕Bn または〔Pt4(X)4(NH3) 4 〕Bn におい
て、XはNとOで白金にキレート配位する有機化合物の
中から任意に選択できるが、好ましくはα‐ピロリド
ン、α‐ピリドン、2‐ピリジノール、1‐メチルウラ
シル、ウラシル、チミン、ピバリン酸アミド、アセトア
ミド、3,3‐ジメチルグルタルイミド、グルタルイミ
ド等である。nは白金の電荷により異なるが2から6ま
での整数を表わす。Bは任意の陰イオンから選択され
る。例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イ
オン、硝酸イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸
イオン等である。
おいて用いられる白金化合物は上記一般式I、II, III
で表される化合物から選択される。一般式I…〔Pt2(X)
2(NH3)2 〕Bn または〔Pt4(X)4(NH3) 4 〕Bn におい
て、XはNとOで白金にキレート配位する有機化合物の
中から任意に選択できるが、好ましくはα‐ピロリド
ン、α‐ピリドン、2‐ピリジノール、1‐メチルウラ
シル、ウラシル、チミン、ピバリン酸アミド、アセトア
ミド、3,3‐ジメチルグルタルイミド、グルタルイミ
ド等である。nは白金の電荷により異なるが2から6ま
での整数を表わす。Bは任意の陰イオンから選択され
る。例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イ
オン、硝酸イオン、酢酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸
イオン等である。
【0007】一般式Iで示される化合物は、例えばJour
al of American Chemical Society(ジャーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー)第104 巻89
7-898 ページ(1982 年) やJounal of American Chemica
l Society (ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサイアティー)第101 巻1434ページ(1979年) に記
載されている方法で合成できる。例えば、〔Pt4(α‐ピ
ロリドン)4(NH3)4〕(NO3)6は以下の合成法で得られる。
CIS-〔Pt(OH)2(NH3)2 〕を0.15M含む水溶液7mLに1mm
olのα‐ピロリドンを加える。0.1N NaOH でpHを7に調
整した後、溶液を暗闇中で80℃、4時間保つ。溶液の色
は暗赤色に変化する。溶液を室温に冷却後HNO3を数滴添
加し、NaNO3 を0.75g 加え、-5℃で24時間保つ。暗赤色
結晶を得る。
al of American Chemical Society(ジャーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー)第104 巻89
7-898 ページ(1982 年) やJounal of American Chemica
l Society (ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサイアティー)第101 巻1434ページ(1979年) に記
載されている方法で合成できる。例えば、〔Pt4(α‐ピ
ロリドン)4(NH3)4〕(NO3)6は以下の合成法で得られる。
CIS-〔Pt(OH)2(NH3)2 〕を0.15M含む水溶液7mLに1mm
olのα‐ピロリドンを加える。0.1N NaOH でpHを7に調
整した後、溶液を暗闇中で80℃、4時間保つ。溶液の色
は暗赤色に変化する。溶液を室温に冷却後HNO3を数滴添
加し、NaNO3 を0.75g 加え、-5℃で24時間保つ。暗赤色
結晶を得る。
【0008】一般式II…〔Pt4(Y)8 〕においてYはカル
ボキシル基を有する有機化合物の陰イオンを表し、カル
ボキシル基を有する有機化合物の中から任意に選択でき
る。例えば、CH3COO- 、CH3CH2COO - 、NH2CH2COO - 、
NH2CH(CH3)COO - 、ph-COO- 、CH3-ph-COO- 、等があげ
られる。一般式IIで示される化合物は第4版実験化学講
座(丸善 1991年) 第17巻452 ページに記載されている
方法で合成できる。例えば、〔Pt4(CH3COO)8〕は以下の
合成法で得られる。5gのK2PtCl4 を20mLの温水に溶解
し、150mL の氷酢酸を加える。この時、K2PtCl4 が沈澱
してくるがかまわず酢酸銀を8g加える。このスラリー
状のものをスターラーでかき混ぜながら3〜4時間還流
する。放冷後、黒色の沈澱をろ別する。ロータリーエバ
ポレーターを用い、褐色のろ液をできるだけ濃縮するこ
とにより(5mL以下) 酢酸を除く。この溶液にアセトニ
トリル50mLを加え放置する。生成してくる沈澱をろ別
し、再びろ液を濃縮する。この濃縮液に対して同様な操
作を2〜3回繰り返す。最後の濃縮液にジクロロメタン
を20mL加え、シリカゲルカラムに吸着させる。ジクロロ
メタン‐アセトニトリル(5:1)で溶離し赤色の溶出
液を集め、濃縮し、結晶を得る。
ボキシル基を有する有機化合物の陰イオンを表し、カル
ボキシル基を有する有機化合物の中から任意に選択でき
る。例えば、CH3COO- 、CH3CH2COO - 、NH2CH2COO - 、
NH2CH(CH3)COO - 、ph-COO- 、CH3-ph-COO- 、等があげ
られる。一般式IIで示される化合物は第4版実験化学講
座(丸善 1991年) 第17巻452 ページに記載されている
方法で合成できる。例えば、〔Pt4(CH3COO)8〕は以下の
合成法で得られる。5gのK2PtCl4 を20mLの温水に溶解
し、150mL の氷酢酸を加える。この時、K2PtCl4 が沈澱
してくるがかまわず酢酸銀を8g加える。このスラリー
状のものをスターラーでかき混ぜながら3〜4時間還流
する。放冷後、黒色の沈澱をろ別する。ロータリーエバ
ポレーターを用い、褐色のろ液をできるだけ濃縮するこ
とにより(5mL以下) 酢酸を除く。この溶液にアセトニ
トリル50mLを加え放置する。生成してくる沈澱をろ別
し、再びろ液を濃縮する。この濃縮液に対して同様な操
作を2〜3回繰り返す。最後の濃縮液にジクロロメタン
を20mL加え、シリカゲルカラムに吸着させる。ジクロロ
メタン‐アセトニトリル(5:1)で溶離し赤色の溶出
液を集め、濃縮し、結晶を得る。
【0009】一般式III …〔Pt(Z11)4〕〔Pt(Z2)2(Z31)
4 〕Bn または〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z 2)2(Z32)2 〕Bn に
おいて、Z11 、Z31は同一でも異なっていてもよく白金
に単座で配位する配位子の中から任意に選択される。例
えば、NH3 、エチルアミン、メチルアミン等がある。Z
12 、Z32 は同一でも異なっていてもよく白金にキレー
ト配位する有機化合物の中から任意に選択される。例え
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,3‐
ブタンジアミン、1,3‐ペンタンジアミン、シクロヘ
キサンジアミン、1,10‐フェナントロリン、ビピリジ
ン等のジアミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、アスパラギン酸等のアミノ酸類、2‐アミノエタ
ノール、2‐アミノプロパノール、2‐アミノ‐2‐フ
ェニルエタノール等のアミノアルコール類等があげられ
る。Z2はCl、Br、I等のハロゲン原子を表わす。Bは任
意の陰イオンから選択される。例えば、塩化物イオン、
臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオ
ン、硫酸イオン、過塩素酸イオン等である。nは任意の
整数を表わす。一般式IIで示される化合物は第4版実験
化学講座(丸善 1991年) 第17巻512 〜513 ページに記
載されている方法で合成できる。例えば、〔Pt(en)2 〕
〔PtCl2(en)2〕ClO4(en はエチレンジアミンを表わす)
は以下の合成法で得られる。〔Pt(en)2 〕Cl23.9g と
〔PtCl2(en)2〕Cl2 4.6gを水50mL中に溶解する。この溶
液に60%HClO4 を10mL加える。ただちに赤色針状結晶が
析出するので、吸引ろ過して集める。粗結晶(1g)を
水(20ml)に溶かし、2滴の60%HClO4 を加えて再結晶す
る。
4 〕Bn または〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z 2)2(Z32)2 〕Bn に
おいて、Z11 、Z31は同一でも異なっていてもよく白金
に単座で配位する配位子の中から任意に選択される。例
えば、NH3 、エチルアミン、メチルアミン等がある。Z
12 、Z32 は同一でも異なっていてもよく白金にキレー
ト配位する有機化合物の中から任意に選択される。例え
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,3‐
ブタンジアミン、1,3‐ペンタンジアミン、シクロヘ
キサンジアミン、1,10‐フェナントロリン、ビピリジ
ン等のジアミン類、グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、アスパラギン酸等のアミノ酸類、2‐アミノエタ
ノール、2‐アミノプロパノール、2‐アミノ‐2‐フ
ェニルエタノール等のアミノアルコール類等があげられ
る。Z2はCl、Br、I等のハロゲン原子を表わす。Bは任
意の陰イオンから選択される。例えば、塩化物イオン、
臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、酢酸イオ
ン、硫酸イオン、過塩素酸イオン等である。nは任意の
整数を表わす。一般式IIで示される化合物は第4版実験
化学講座(丸善 1991年) 第17巻512 〜513 ページに記
載されている方法で合成できる。例えば、〔Pt(en)2 〕
〔PtCl2(en)2〕ClO4(en はエチレンジアミンを表わす)
は以下の合成法で得られる。〔Pt(en)2 〕Cl23.9g と
〔PtCl2(en)2〕Cl2 4.6gを水50mL中に溶解する。この溶
液に60%HClO4 を10mL加える。ただちに赤色針状結晶が
析出するので、吸引ろ過して集める。粗結晶(1g)を
水(20ml)に溶かし、2滴の60%HClO4 を加えて再結晶す
る。
【0010】次に、上記白金化合物のカーボンブラック
への固着について説明する。一般式I、IIまたはIII で
示される白金化合物の少なくとも1種を任意の溶媒に溶
解し、これにカーボンブラックを加えて、白金化合物を
カーボンブラックに固着させる。用いる白金化合物、カ
ーボンブラックの量、および溶媒の種類や使用量は任意
でよい。カーボンブラックへの固着方法は例えば次の様
にして行なう。
への固着について説明する。一般式I、IIまたはIII で
示される白金化合物の少なくとも1種を任意の溶媒に溶
解し、これにカーボンブラックを加えて、白金化合物を
カーボンブラックに固着させる。用いる白金化合物、カ
ーボンブラックの量、および溶媒の種類や使用量は任意
でよい。カーボンブラックへの固着方法は例えば次の様
にして行なう。
【0011】一般式Iで示される〔Pt4(α‐ピロリド
ン)4(NH3)4〕(NO3)62gを水100mL に溶解する。カーボ
ンブラック5gをこの溶液に加える。室温で数時間放置
する。ろ別し白金化合物が固着したカーボンブラックが
得られる。カーボンブラックを溶液に加えた後、30%H2
O2を20mL加えると、〔Pt2(α‐ピロリドン)2(NH3)2〕が
固着したカーボンブランクが得られる。また、一般式II
で示される化合物の場合は次の様にして行なう。一般式
IIで表される化合物〔Pt4(CH3COO)8〕10gをアセトニト
リル100mL に溶解する。この溶液にカーボンブラック70
gを加える。室温で2時間放置後ろ過する。白金化合物
が固着したカーボンブラックが得られる。
ン)4(NH3)4〕(NO3)62gを水100mL に溶解する。カーボ
ンブラック5gをこの溶液に加える。室温で数時間放置
する。ろ別し白金化合物が固着したカーボンブラックが
得られる。カーボンブラックを溶液に加えた後、30%H2
O2を20mL加えると、〔Pt2(α‐ピロリドン)2(NH3)2〕が
固着したカーボンブランクが得られる。また、一般式II
で示される化合物の場合は次の様にして行なう。一般式
IIで表される化合物〔Pt4(CH3COO)8〕10gをアセトニト
リル100mL に溶解する。この溶液にカーボンブラック70
gを加える。室温で2時間放置後ろ過する。白金化合物
が固着したカーボンブラックが得られる。
【0012】さらに、一般式III で示される化合物の場
合は次の様にして行なう。例えば、〔Pt(en)2 〕〔PtCl
2(en)2〕ClO4(en はエチレンジアミンを表わす)15gの
水300mL に溶解し、この溶液にカーボンブラック200gを
加える。室温で数時間攪拌する。白金化合物が固着した
カーボンブラックが得られる。本発明の一般式I、II、
III で示される白金化合物は、カーボンブラック表面へ
の固着力が強くカーボンブラックに強く結合される。こ
のような強固な結合力は従来の白金化合物では得られ
ず、本発明の白金化合物で始めて達成されたものであ
る。
合は次の様にして行なう。例えば、〔Pt(en)2 〕〔PtCl
2(en)2〕ClO4(en はエチレンジアミンを表わす)15gの
水300mL に溶解し、この溶液にカーボンブラック200gを
加える。室温で数時間攪拌する。白金化合物が固着した
カーボンブラックが得られる。本発明の一般式I、II、
III で示される白金化合物は、カーボンブラック表面へ
の固着力が強くカーボンブラックに強く結合される。こ
のような強固な結合力は従来の白金化合物では得られ
ず、本発明の白金化合物で始めて達成されたものであ
る。
【0013】次に、白金化合物の還元について説明す
る。この段階で白金化合物を還元して白金にすることが
できるが、白金化合物を固着したカーボンブラックをそ
のまま用いて次の工程に進むことができる。白金化合物
の還元は、白金化合物を固着したカーボンブラックを任
意の溶媒に分散しておきこれに還元剤を添加する。還元
剤は任意のものを用いることができる。例えば、LiAl
H4、NaBH4 、ジチオン酸塩等があげられる。また、白金
化合物の還元はカーボンブラックを焼成することによっ
ても得られる。白金化合物が加熱分解する温度以上に焼
成すればよく、200 ℃以上の温度が好ましい。また、カ
ーボンブラックを含む電極を作製し、これに電子を注入
することによっても白金化合物を白金に還元できる。
る。この段階で白金化合物を還元して白金にすることが
できるが、白金化合物を固着したカーボンブラックをそ
のまま用いて次の工程に進むことができる。白金化合物
の還元は、白金化合物を固着したカーボンブラックを任
意の溶媒に分散しておきこれに還元剤を添加する。還元
剤は任意のものを用いることができる。例えば、LiAl
H4、NaBH4 、ジチオン酸塩等があげられる。また、白金
化合物の還元はカーボンブラックを焼成することによっ
ても得られる。白金化合物が加熱分解する温度以上に焼
成すればよく、200 ℃以上の温度が好ましい。また、カ
ーボンブラックを含む電極を作製し、これに電子を注入
することによっても白金化合物を白金に還元できる。
【0014】本発明に係る白金化合物または白金を含有
するカーボンブラックは、燃料電池のガス拡散電極とし
て用いられる。燃料電池の種類はガス拡散電極を搭載し
た燃料電池なら任意のものから選択できる。燃料電池の
技術およびガス拡散電極の技術については、「燃料電
池」(高橋武彦著 共立出版1984年) や、「燃料電池設
計技術」(笛木和雄、高橋正雄監修サイエンスフォーラ
ム 1987年) 、「電池‐その化学と材料」(竹原善一郎
著大日本図書 1988年) に記載されている。
するカーボンブラックは、燃料電池のガス拡散電極とし
て用いられる。燃料電池の種類はガス拡散電極を搭載し
た燃料電池なら任意のものから選択できる。燃料電池の
技術およびガス拡散電極の技術については、「燃料電
池」(高橋武彦著 共立出版1984年) や、「燃料電池設
計技術」(笛木和雄、高橋正雄監修サイエンスフォーラ
ム 1987年) 、「電池‐その化学と材料」(竹原善一郎
著大日本図書 1988年) に記載されている。
【0015】燃料電池の構成は一般に、 (負極)燃料/電解質/酸化剤(一般的には酸素)(正
極) と書くことができる。ここで、燃料を負極活物質として
酸化反応を行わせ、酸素を正極活物質として還元反応を
行わせ、負極と正極を連結することにより、電気を取り
出すものである。燃料と電解質間、および酸素等の酸化
剤と電解質間は多孔性電極で隔てられている。上記酸
化、還元反応はこの多孔性電極で行われる。本発明にお
いてはガス拡散電極が好ましく用いられる。
極) と書くことができる。ここで、燃料を負極活物質として
酸化反応を行わせ、酸素を正極活物質として還元反応を
行わせ、負極と正極を連結することにより、電気を取り
出すものである。燃料と電解質間、および酸素等の酸化
剤と電解質間は多孔性電極で隔てられている。上記酸
化、還元反応はこの多孔性電極で行われる。本発明にお
いてはガス拡散電極が好ましく用いられる。
【0016】ガス拡散電極は電池反応を起こす場所であ
り、同時に集電体となるので適当な多孔度を持ち、機械
的強度が強く、ガスおよび電解質に侵されない良好な電
子導電体である必要がある。本発明における電極構成材
料としてはカーボンブラックが好ましく用いられる。カ
ーボンブラックの技術に関しては、「カーボンブラック
便覧」(カーボンブラック協会編 図書出版社 1971
年) に記載されている。本発明においては、カーボンブ
ラックは任意のものが使用できる。例えば、ガスブラッ
ク、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、
ナフタリンブラック、アントラセンブラック、松煙、油
煙等があげられる。カーボンブラックの粒径は任意でよ
い。また、カーボンブラックに対して、摩砕等の機械的
処理、真空中、酸素中、オゾン中、空気中での加熱処理
や5酸化バナジウム等の触媒の存在下での酸化処理、過
酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム、臭素水等による化
学処理、高温熱処理等各種の処理をほどこしてもよい。
り、同時に集電体となるので適当な多孔度を持ち、機械
的強度が強く、ガスおよび電解質に侵されない良好な電
子導電体である必要がある。本発明における電極構成材
料としてはカーボンブラックが好ましく用いられる。カ
ーボンブラックの技術に関しては、「カーボンブラック
便覧」(カーボンブラック協会編 図書出版社 1971
年) に記載されている。本発明においては、カーボンブ
ラックは任意のものが使用できる。例えば、ガスブラッ
ク、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、
ナフタリンブラック、アントラセンブラック、松煙、油
煙等があげられる。カーボンブラックの粒径は任意でよ
い。また、カーボンブラックに対して、摩砕等の機械的
処理、真空中、酸素中、オゾン中、空気中での加熱処理
や5酸化バナジウム等の触媒の存在下での酸化処理、過
酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム、臭素水等による化
学処理、高温熱処理等各種の処理をほどこしてもよい。
【0017】ガス拡散電極内では電解質や電極反応で生
成する水との接触状態が電極反応に大きな影響を及ぼす
ので、ガス拡散電極内への電解液や水の浸透を制御する
必要がある。そのため、フッ素を含有する撥水剤を用い
てもよい。撥水剤は任意のものを用いることができる
が、好ましくはフッ素を含有するポリマーが用いられ
る。また、ガス拡散電極ではイオン交換樹脂を用いるこ
ともできる。イオン交換樹脂としては陽イオン交換樹脂
を好ましく用いることができる。特に好ましくは、フッ
素とSO3 基を含有する陽イオン交換樹脂である。例え
ば、トリエチルホスフェートを可塑剤にしたフルオロカ
ーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混
合樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸を素材とする
樹脂等の陽イオン交換樹脂が用いられる。
成する水との接触状態が電極反応に大きな影響を及ぼす
ので、ガス拡散電極内への電解液や水の浸透を制御する
必要がある。そのため、フッ素を含有する撥水剤を用い
てもよい。撥水剤は任意のものを用いることができる
が、好ましくはフッ素を含有するポリマーが用いられ
る。また、ガス拡散電極ではイオン交換樹脂を用いるこ
ともできる。イオン交換樹脂としては陽イオン交換樹脂
を好ましく用いることができる。特に好ましくは、フッ
素とSO3 基を含有する陽イオン交換樹脂である。例え
ば、トリエチルホスフェートを可塑剤にしたフルオロカ
ーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混
合樹脂、パーフルオロカーボンスルホン酸を素材とする
樹脂等の陽イオン交換樹脂が用いられる。
【0018】燃料電池の電極の作製は、例えば電気化学
第53巻812 〜817 ページ(1985 年)に記載されている方
法によって作製することができる。白金化合物または白
金を含有するカーボンブラックにポリテトラフルオロエ
チレン溶液およびパーフルオロカーボンスルホン酸を素
材とする樹脂溶液を加える。これらの混合物を充分混練
した後、ロール圧延してシート状とし、真空乾燥する。
次に、このシートをパーフルオロカーボンスルホン酸を
素材とする樹脂膜にホットプレスして、電極を作製でき
る。カーボンブラック上の白金化合物は上記工程の任意
のところで還元でき、還元の方法は上述の方法を任意に
用いることができる。
第53巻812 〜817 ページ(1985 年)に記載されている方
法によって作製することができる。白金化合物または白
金を含有するカーボンブラックにポリテトラフルオロエ
チレン溶液およびパーフルオロカーボンスルホン酸を素
材とする樹脂溶液を加える。これらの混合物を充分混練
した後、ロール圧延してシート状とし、真空乾燥する。
次に、このシートをパーフルオロカーボンスルホン酸を
素材とする樹脂膜にホットプレスして、電極を作製でき
る。カーボンブラック上の白金化合物は上記工程の任意
のところで還元でき、還元の方法は上述の方法を任意に
用いることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0020】比較例1 H2PtCl4 1.3 gを水100mL に溶解し、これにアセチレン
ブラック(電気化学(株)製)5gを添加し、室温にて
6時間攪拌した。ろ過し、水洗した。アセチレンブラッ
クからは0.28gのPtが検出され、Ptのアセチレンブラッ
クへの吸着量は30%であった。
ブラック(電気化学(株)製)5gを添加し、室温にて
6時間攪拌した。ろ過し、水洗した。アセチレンブラッ
クからは0.28gのPtが検出され、Ptのアセチレンブラッ
クへの吸着量は30%であった。
【0021】実施例1 〔Pt4(α‐ピロリドン)4(NH3)4〕(NO3)62gを水100mL
に溶解し、これにアセチレンブラック(電気化学 (株)
製)5gを添加し、室温にて3時間攪拌した。ろ過し、
水洗した。アセチレンブラックからは0.92gのPtが検出
され、Ptのアセチレンブラックへの固着量は99%であっ
た。
に溶解し、これにアセチレンブラック(電気化学 (株)
製)5gを添加し、室温にて3時間攪拌した。ろ過し、
水洗した。アセチレンブラックからは0.92gのPtが検出
され、Ptのアセチレンブラックへの固着量は99%であっ
た。
【0022】実施例2 〔Pt4(α‐ピロリドン)4(NH3)4〕(NO3)62gを水100mL
に溶解し、これにアセチレンブラック(電気化学 (株)
製)5gを添加し、さらに30%H2O2水を20mL加えた。室
温にて1時間攪拌した。ろ過し、水洗した。アセチレン
ブラックからは0.92gのPtが検出され、Ptのアセチレン
ブラックへの固着量は99%であった。
に溶解し、これにアセチレンブラック(電気化学 (株)
製)5gを添加し、さらに30%H2O2水を20mL加えた。室
温にて1時間攪拌した。ろ過し、水洗した。アセチレン
ブラックからは0.92gのPtが検出され、Ptのアセチレン
ブラックへの固着量は99%であった。
【0023】実施例3 実施例2において、カーボンブラックとしてアセチレン
ブラック(電気化学 (株) 製)の代わりにシストS(東
海カーボン (株) 製)を用いた他は実施例2と同様に処
理した。シーストSからは0.90gのPtが検出され、97%
のPtが固着されていた。
ブラック(電気化学 (株) 製)の代わりにシストS(東
海カーボン (株) 製)を用いた他は実施例2と同様に処
理した。シーストSからは0.90gのPtが検出され、97%
のPtが固着されていた。
【0024】実施例4 実施例1において〔Pt4(α‐ピロリドン)4(NH3)4〕(N
O3)6の代わりに〔Pt4(CH 3COO)8〕を等モル量用いた以外
は実施例1と同様操作を行った。ろ液は無色透明であっ
た。アセチレンブラックからは0.90g のPtが検出され、
97%のPtがアセチレンブラックに固着されていた。
O3)6の代わりに〔Pt4(CH 3COO)8〕を等モル量用いた以外
は実施例1と同様操作を行った。ろ液は無色透明であっ
た。アセチレンブラックからは0.90g のPtが検出され、
97%のPtがアセチレンブラックに固着されていた。
【0025】実施例5 実施例1において〔Pt4(α‐ピロリドン)4(NH3)4〕(N
O3)6の代わりに〔Pt(en) 2 〕〔PtCl2(en)2〕ClO4(en は
エチレンジアミンを表わす) を等モル量用いた以外は実
施例1と同様に操作を行った。アセチレンブラックから
は0.89gのPtが検出され、96%のPtがアセチレンブラッ
クに固着されていた。
O3)6の代わりに〔Pt(en) 2 〕〔PtCl2(en)2〕ClO4(en は
エチレンジアミンを表わす) を等モル量用いた以外は実
施例1と同様に操作を行った。アセチレンブラックから
は0.89gのPtが検出され、96%のPtがアセチレンブラッ
クに固着されていた。
【0026】比較例2 比較例1において作製した白金化合物を固着したアセチ
レンブラックを用いて電極を以下の手順で作製した。ア
セチレンブラック42gを水100mL に分散しジチオン酸ナ
トリウムを1g添加して白金化合物を白金粒子に還元し
た。ろ過し洗浄した。この白金粒子を担持したカーボン
ブラック42gを水100mL 中に分散し、これに 水剤とし
てポリテトラフルオロエチレン24gを加え、さらに陽イ
オン交換樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸粉
末及びパーフルオロカーボンスルホン酸の低級脂肪族ア
ルコールと水との混合溶媒溶液(ナフィオン117 溶液デ
ュポン社製) 60gを加えた。これらの混合物を充分混練
した後、ロール圧延してシート状とし、真空乾燥した。
次にこのシートをナフィオン膜に110 ℃、250kg/cm 2 で
ホットプレスした。ナフィオン膜のもう一方の面に上記
膜を同様にホットプレスした。白金の付量は片面につき
0.2g/cm2 であった。起電力を測定したところ、0.1 W
であった。
レンブラックを用いて電極を以下の手順で作製した。ア
セチレンブラック42gを水100mL に分散しジチオン酸ナ
トリウムを1g添加して白金化合物を白金粒子に還元し
た。ろ過し洗浄した。この白金粒子を担持したカーボン
ブラック42gを水100mL 中に分散し、これに 水剤とし
てポリテトラフルオロエチレン24gを加え、さらに陽イ
オン交換樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸粉
末及びパーフルオロカーボンスルホン酸の低級脂肪族ア
ルコールと水との混合溶媒溶液(ナフィオン117 溶液デ
ュポン社製) 60gを加えた。これらの混合物を充分混練
した後、ロール圧延してシート状とし、真空乾燥した。
次にこのシートをナフィオン膜に110 ℃、250kg/cm 2 で
ホットプレスした。ナフィオン膜のもう一方の面に上記
膜を同様にホットプレスした。白金の付量は片面につき
0.2g/cm2 であった。起電力を測定したところ、0.1 W
であった。
【0027】実施例6 実施例1において作製した白金化合物を固着したアセチ
レンブラックを用いて電極を以下の手順で作製した。実
施例1で作製した白金化合物を固着したアセチレンブラ
ック16gを水100mL に分散しこれにジチオン酸2gを添
加し白金粒子に還元した。ろ過し洗浄した。この白金粒
子を担持したカーボンブラック16gを水100mL に分散
し、これに 水剤としてポリテトラフルオロエチレン24
gを加え、さらに陽イオン交換樹脂としてパーフルオロ
カーボンスルホン酸粉末及びパーフルオロカーボンスル
ホン酸の低級脂肪族アルコールと水との混合溶媒溶液
(ナフィオン117 溶液 デュポン社製) 60gを加えた。
これらの混合物を充分混練した後、ロール圧延してシー
ト状とし、真空乾燥した。次にこのシートをナフィオン
膜に110 ℃、250kg/cm2 でホットプレスした。ナフィオ
ン膜のもう一方の面に上記膜を同様にホットプレスし
た。白金の付量は片面につき0.2 g/cm2 であった。起
電力を測定したところ、0.5 Wであった。
レンブラックを用いて電極を以下の手順で作製した。実
施例1で作製した白金化合物を固着したアセチレンブラ
ック16gを水100mL に分散しこれにジチオン酸2gを添
加し白金粒子に還元した。ろ過し洗浄した。この白金粒
子を担持したカーボンブラック16gを水100mL に分散
し、これに 水剤としてポリテトラフルオロエチレン24
gを加え、さらに陽イオン交換樹脂としてパーフルオロ
カーボンスルホン酸粉末及びパーフルオロカーボンスル
ホン酸の低級脂肪族アルコールと水との混合溶媒溶液
(ナフィオン117 溶液 デュポン社製) 60gを加えた。
これらの混合物を充分混練した後、ロール圧延してシー
ト状とし、真空乾燥した。次にこのシートをナフィオン
膜に110 ℃、250kg/cm2 でホットプレスした。ナフィオ
ン膜のもう一方の面に上記膜を同様にホットプレスし
た。白金の付量は片面につき0.2 g/cm2 であった。起
電力を測定したところ、0.5 Wであった。
【0028】実施例7 実施例6においてアセチレンブラックを8gとした他は
実施例6と同様にして電極を作製した。白金の付量は片
面につきて0.1 g/cm2 であった。起電力を測定したと
ころ、0.2 Wであった。
実施例6と同様にして電極を作製した。白金の付量は片
面につきて0.1 g/cm2 であった。起電力を測定したと
ころ、0.2 Wであった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一般式I〜III で表される白金化合物をカーボンブラッ
クに固着させ、これを白金に還元することにより、白金
をカーボンブラックに安定に担持させることができ、ま
た、起電力を低下させることなく使用する白金量を低減
でき、さらに、ロット変動のない燃料電池陽電極の製造
方法を提供できる。
一般式I〜III で表される白金化合物をカーボンブラッ
クに固着させ、これを白金に還元することにより、白金
をカーボンブラックに安定に担持させることができ、ま
た、起電力を低下させることなく使用する白金量を低減
でき、さらに、ロット変動のない燃料電池陽電極の製造
方法を提供できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の一般式I〜III 〔Pt2(X)2(NH3)2 〕Bn または〔Pt4(X)4(NH3)4 〕Bn ------------- I (式中のXは窒素原子と酸素原子で白金にキレート配位
する有機化合物、Bは任意の陰イオン、nは任意の整数
を示す。) 〔Pt4(Y)8 〕 --------------- II (式中のYはカルボキシル基を含む有機化合物を示
す。)または、 〔Pt(Z11)4〕〔Pt(Z2)2(Z31)4 〕Bn または 〔Pt(Z12)2〕〔Pt(Z2)2(Z32)2 〕Bn -------------- III (式中のZ11, Z31は同一でも異なっていてもよく、白金
に単座で配位する配位子、Z12, Z32は同一でも異なって
いてもよく白金にキレート配位する有機化合物、Z2はハ
ロゲン原子、Bおよびnは上記と同じものを示す。)で
表される白金化合物の少なくとも1つをカーボンブラッ
クに固着させ、次いで、これを還元して白金とすること
を特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3239733A JPH0582136A (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 燃料電池用電極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3239733A JPH0582136A (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 燃料電池用電極の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0582136A true JPH0582136A (ja) | 1993-04-02 |
Family
ID=17049123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3239733A Pending JPH0582136A (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 燃料電池用電極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0582136A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004335252A (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-25 | Cataler Corp | 燃料電池用電極触媒およびその製造方法 |
JP2007324092A (ja) * | 2006-06-05 | 2007-12-13 | Ishifuku Metal Ind Co Ltd | 白金又は白金合金担持触媒の製造方法 |
WO2010047254A1 (ja) * | 2008-10-24 | 2010-04-29 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用電極触媒の製造方法、及び燃料電池用電極触媒 |
JP2011136993A (ja) * | 2009-12-31 | 2011-07-14 | National Cheng Kung Univ | 白金錯体、その製造方法と応用 |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP3239733A patent/JPH0582136A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004335252A (ja) * | 2003-05-07 | 2004-11-25 | Cataler Corp | 燃料電池用電極触媒およびその製造方法 |
JP2007324092A (ja) * | 2006-06-05 | 2007-12-13 | Ishifuku Metal Ind Co Ltd | 白金又は白金合金担持触媒の製造方法 |
WO2010047254A1 (ja) * | 2008-10-24 | 2010-04-29 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用電極触媒の製造方法、及び燃料電池用電極触媒 |
JP2011136993A (ja) * | 2009-12-31 | 2011-07-14 | National Cheng Kung Univ | 白金錯体、その製造方法と応用 |
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