JPH0581924A - 導電性ゴム - Google Patents

導電性ゴム

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JPH0581924A
JPH0581924A JP3241432A JP24143291A JPH0581924A JP H0581924 A JPH0581924 A JP H0581924A JP 3241432 A JP3241432 A JP 3241432A JP 24143291 A JP24143291 A JP 24143291A JP H0581924 A JPH0581924 A JP H0581924A
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JP
Japan
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rubber
silver concentration
conductive
silver
weight
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Withdrawn
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JP3241432A
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English (en)
Inventor
Akinori Yokoyama
明典 横山
Tsutomu Katsumata
勉 勝又
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時時に導電性が変化せず、絶縁破壊を生じ
ることなく、信頼性の高い導電性ゴムを提供する。 【構成】 平均組成がAgx1-x (ただし、MはN
i,Co,Cu,Feより選ばれた1種以上の金属、
0.001≦x≦0.4)で表わされ、表面の銀濃度が
平均の銀濃度より大きく、かつ、内部から表面にむかっ
て、銀濃度が次第に増加する領域を有する合金粉末と、
合金粉末100重量部に対して3〜500重量部のゴム
弾性を有するバインダーとが含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性ゴムに関し、より
詳細には耐酸化性に優れ、銀のエレクトロマイグレーシ
ョンが起こりにくい導電性ゴムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁性ゴム中に導電性金属粒子を分散さ
せて得られる導電性ゴムは電子部品の接続,スイッチに
用いられ、例えばプリント基板,フレキシブルプリント
基板,液晶表示素子,プラズマ表示素子,IC,LS
I,チップ抵抗器,チップコンデンサー等との接続、あ
るいは、導電性ガスケット、および特殊のスイッチに用
いられている。
【0003】上記の導電性金属粒子としては銀,銅,ニ
ッケル,コバルト,鉄,ステンレス鋼,銀メッキ粉末が
知られている(特公昭47−3019号公報,特開昭6
0−243277号公報,特開昭61−163975号
公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導電性
ゴムを電子部品の接点としたり(例えば、液晶ディスプ
レイと印刷配線基板の接合)、加圧して導電性を有する
スイッチ材料として用いるにはいくつかの問題点があ
る。
【0005】例えば、特開昭62−188184号公報
には次のような技術的内容が開示されている。
【0006】絶縁性の接着剤成分と導電性粒子とよりな
る接着剤組成物において、導電性粒子を、プラスチック
類またはゴム類あるいは天然性高分子のような高分子物
質のほぼ全表面に被覆し、導電性粒子を分散させて導電
性の金属薄膜を形成する。
【0007】被覆層の厚みは、0.01〜0.5μmが
適用可能であり、厚みが薄いと導電性が低下し、厚みが
増すと高分子物質または接着剤成分との熱膨張収縮の差
が大きくなることから、温度変化に対する追随性がなく
なる。
【0008】しかしながら、金属の被覆層の厚みが薄い
ために剥がれたり、被覆層に割れが発生することがあ
り、信頼性が不充分である。
【0009】また、導電性金属層としてCu,Al,N
i,Sn,Znなどを用いる方法があるが、金属が酸化
され、経時的に導電性が低下したり充分な特性が得られ
ていない。
【0010】銀が導電性粒子として用いられてもいる
が、高湿度の条件下で、電圧印加中に銀のイオンが絶縁
層中を移行して(エレクトロマイグレーション)、絶縁
劣化,短絡につながる。
【0011】そこで、本発明の目的は、経時的に導電性
が低下することおよび絶縁破壊を生じることがなく、信
頼性の高い導電性ゴムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の導電性ゴムは、平均組成がAgx
1-x (ただし、MはNi,Co,Cu,Feより選ばれ
た1種以上の金属、0.001≦x≦0.4)で表わさ
れ、表面の銀濃度が平均の銀濃度より大きく、かつ、内
部から表面にむかって、銀濃度が次第に増加する領域を
有する合金粉末と、該合金粉末100重量部に対して3
〜500重量部のゴム弾性を有するバインダーとが含ま
れていることを特徴とする。
【0013】本発明で用いられる合金粉末は本発明者ら
により先に出願されている合金粉末(特開平2−282
401号公報)を用いることができる。開示内容によれ
ば、粒子表面の銀濃度は粒子平均の銀濃度より高く、粒
子内部より表面に向かって銀濃度が増加する領域を有す
ることが開示されている。
【0014】本発明で用いる合金粉末は、同様に粒子表
面の銀濃度が平均の銀濃度より高く、かつ粒子内部より
表面に向けて銀が増加する領域を有しており、特に、表
面の銀濃度が平均の銀濃度の2.1倍以上の粒子が好ま
しい。さらに好ましくは、4倍以上である。
【0015】ここで、銀濃度とはAg/(Ag+M)原
子比で示される。
【0016】本発明で用いられる合金粉末の銀濃度X
は、好ましくは0.01〜0.2であり、さらに、0.
03〜0.15が好ましい。Xが0.001未満の場合
には、酸化され易く、導電性が充分でない。銀濃度Xが
0.4を越える場合には、銀のエレクトロマイグレーシ
ョンが起こり易い。
【0017】本発明で用いられる合金粉末の表面銀濃度
測定は以下の方法による。すなわち、XPS(X線光電
子分光分析装置)を用いて試料台上に取り付けた粉末を
取り出し角度90°,10-8Torr アルゴンガス雰
囲気で測定し、エッチング(3keV、10-7Tor
r、アルゴンガス、5分間)と測定を繰り返し行い、最
初の2回の平均値を表面の銀濃度とした。
【0018】また、本発明で用いることのできる合金粉
末の平均粒径は0.1〜1000μmである。1000
μmを越える場合には、分散性と加工性が劣る。また、
0.1μm未満の場合にはかえって接触抵抗が増加して
導電性が劣る。本発明で用いる平均粒径とはレーザー回
折法で測定した体積積算平均粒径を示すものである。測
定には、エチレングリコール分散媒中に0.1〜10g
/cm3 の濃度で分散しSALD1100(島津製作所
製)で測定した。本発明で用いる合金粉末の平均粒径
は、好ましくは、1〜300μm、さらに2〜50μm
が好ましい。
【0019】合金粉末の粒子形状としては、球状,箔片
状,立方体状,柱状,樹枝状,針状,塊状,不定形状,
ホイスカー状およびそれらの混合物を用いることができ
る。
【0020】本発明は、かかる組成の合金粉末をゴム弾
性を有するバインダー中に分散させた導電性ゴム組成物
を提供するものであるが、かかる組成の合金粉末がゴム
中に分散された状態で粒子どうしの接点が導電性を与え
るために、粒子の表面の接触抵抗が重要な因子になる。
本発明で用いられる合金粉末は、少量の銀を含有するの
にもかかわらず表面に銀が高濃度に濃縮されているため
耐酸化性に優れるものである。また、銀がM(ただし、
MはCu,Fe,Ni,Coより選ばれた1種以上)と
合金化しているために銀の耐エレクトロマイグレーショ
ンに対しても優れた特性を有するものである。粘着付与
剤,シランカップリング剤,チタンカップリング剤,加
硫剤,酸化防止剤,微粉末シリカ系充填剤を必要に応じ
て加えることができる。
【0021】ゴム弾性を有するバインダーには多くの種
類があり、天然ゴム,SBR,NBRなどカーボンブラ
ックによる導電化されやすさの比較検討は多数報告され
ており、IIR(ブチルゴム)が低抵抗になりやすいこ
とは有名である。しかしながら厳密な意味で化学組成と
導電化されやすいさの関係は明確でない。
【0022】広く使われているこれらのゴムはジエン系
のもので、高分子主鎖中に二重結合をもっている。この
不飽和結合は加硫時の反応を生じる場所であって重要で
あるが、その反面酸化を受けやすくゴムの老化しやすい
欠点の原因ともなっている。このためジエン系ゴムでは
老化防止剤の添加が必要となる。またゴム中には、この
他にも可塑剤,加硫促進剤,加硫剤およびそれらの加硫
反応後の生成物などの低分子量物質が溶け込んでいる。
これらの物質はゴム中を拡散移動し、導電充填剤の粒子
表面に吸着されて接触抵抗を増大させ、あるいは製品の
表面に折出(ブルーム)して電極との接触を害すること
がある。ETPやシリコーンゴムなどの主鎖中に不飽和
ないゴムでも、化学薬品によって加硫(架橋)する場合
には低分子の反応生成物はやっかいな存在である。これ
を避けるためには電子線や放射線による架橋を試みると
良い。
【0023】本発明で用いるゴム弾性を有するバインダ
ーは、具体的にはスチレンブタジエンブロック共重合
体,カルボキシル変性スチレンブタジエン共重合体,ス
チレンイソプレン共重合体,スチレン−エチレン−ブチ
レン共重合体,マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブ
チレン共重合体,ポリブタジエンゴム,クロロプレンゴ
ム,カルボキシルポリクロロプレンゴム,スチレン−ブ
タジエンゴム,イソブチレン−イソプレン共重合体,カ
ルボキシル変性ポリイソブチレンゴム,ニトリルゴム,
カルボキシル変性ニトリルゴム,シリコーンゴムから選
ばれた1種以上であるが中でもポリブタジエンゴム,ク
ロロプレンゴム,カルボキシルポリクロロプレンゴム,
スチレン−ブタジエンゴム,イソブチレン−イソプレン
共重合体,カルボキシル変性ポリイソブチレンゴム,ニ
トリルゴム,カルボキシル変性ニトリルゴム,シリコー
ンゴムが好ましい。
【0024】シリコーンゴムを用いる場合にはRn Si
(4-n)/2 で示され、このRがメチル,エチル,プロピ
ル基などのアルキル基,ビニル基,アリル基などのアル
ケニル基,フェニル基などのアリール基、あるいはこれ
らの基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部
をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチ
ル基などのような同種または異種の非置換または置換1
価炭素水素基、nが1.9〜2.05の正数とされる。
好ましくはこのRの50モル%以上がメチル基とされる
オルガノポリシロキサンからなるものとされるが、これ
はその粘度が500〜1000000cp、好ましく
は、1000〜500000cpのものが良い。
【0025】シリコーンゴムの硬化方法は、公知の方法
でよく、例えば、有機過酸化物,有機酸の金属触媒,白
金系触媒で硬化させるものでよい。
【0026】シリコーンゴムは耐オゾン性,耐熱老化性
に優れており老化防止剤を必要とせず、生ゴムの可塑性
が大きく可塑剤の添加を要しないなど、導電ゴム用ボリ
マーとして優れたものである。過酸化物架橋の場合の過
酸化物の分解生成物,主鎖が切断されて生じた低分子量
のポリシロキサンなどの低分子量不純物は、製品を高温
空気浴中でポストキュアー処理(たとえば250℃で5
時間)することで除去でき、その結果製品は完全に三次
元網状化したポリマーの中に導電充填剤および無定形シ
リカ等の安定な固体粉体が分散した系となる。このよう
に低分子量物を溶存していない導電シリコーンゴムは体
積抵抗が安定しており、また接点用導電ゴムとして優れ
ている。
【0027】シリコーンゴムの粘度が低いことは混合,
カレンダーあるいは押出しなどの塑加工時にカーボンブ
ラックのストラクチャーの破壊が生じにくく、また化学
的に安定であることはカーボンブラック粒子表面への化
学結合を生じにくくしており、それらの結果として低抵
抗値の製品が得られ、加工条件による導電性の変動が生
じにくいあつかいやすい導電ゴム配合物となる。
【0028】導電性ゴムの加工は以下のようにして行わ
れる(『新導電性樹脂の実際技術』株式会社シーエムシ
ー)。
【0029】素練りはゴム加工の最初の工程で、添加剤
を加えるに先立ってゴムだけを練り、その後の工程に適
した可塑度に調整する。天然ゴムでは必須であるが、合
成ゴムでは重合度の制御などで可塑性がコントロールさ
れているので特に必要としない場合が多い。しかしCR
のような結晶性のゴムや一部のシリコーンゴムのように
製造後の経時的可塑度低下を示すものでは必要となる。
【0030】導電性ゴムではポリマーの可塑度がそれ以
降の工程における加工条件による抵抗値の変動に影響す
るので、素練り後に一定した可塑度であることが望まし
い。
【0031】混合はゴム中に充填剤を練り込んで分散さ
せ、また薬剤や可塑剤を溶解させる工程で、密閉容器中
で羽根軸を回転させるニーダー型の機械(バンバリーミ
キサー等)や、せん断混合作用を強化したスクリュー式
押出機である連続混合機などが用いられる。旧来のロー
ル機もまた広く使われている。金属粉などの導電充填剤
もここで加えられる。導電粒子の分散状態と製品の導電
性は密接な関係があるから、混合工程は導電ゴムの工程
中最も注意深くコントロールされる。
【0032】同一の配合比率でも手順を変えると分散状
態が異なったものとなり、導電性その他の物性がちがう
ものになる。たとえば、金属粉と可塑剤を同時に加える
か、あるいは別々にするかで抵抗値は異なる。また二種
以上のゴムをブレンド使用する場合ではロールにどちら
のゴムを先に乗せるかによっても充填剤の最終的な分布
が異なる場合がある。
【0033】導電性ゴム配合物の混合工程は、機械の運
転条件から作業手順の細部に至るまで注意深くコントロ
ールされなければならない。
【0034】塑性加工は未加硫のゴム組成物は加硫に先
立って塑性加工される。この時材料中にせん断力が作用
するので当然ながら導電性に変化を生じる。
【0035】カレンダー(複数の圧延ロール)によるシ
ーティングを行うと導電充填剤粒子の分布状態に配向を
生じるので、長さ方向が幅方向より低抵抗になる。同様
な導電異方性はスクリュー押出機による加工によっても
生じる。いずれも機械の温度や加工速度、および材料の
供給条件で左右されるので、これらの条件を一定にしな
ければ製品の抵抗値は場合によっては一桁以上変動する
ことがある。
【0036】塑性加工されたプリフォームは、金型に充
填され油圧プレス等による加圧下で加熱されて加硫ゴム
となる。高温度と、そのためによる粘度低下により前工
程までに生じた傾向による異方性の緩和や、分散粒子の
再凝集が生じる。しかしこれらは加硫の進行にしたがっ
て進みにくくなり、最終的に粒子は加硫ゴム中で固定さ
れるわけである。したがって金型内部での流動により生
じる導電異方性は製品にそのまま持ち込まれる傾向があ
って特に加硫が進行しはじめてからの流動は大きな影響
を及ぼす。このため圧縮成型でのプリフォームの形状,
トランスファーあるいはインクジェット法でのゲートや
スプルーおよびランナーの形状設定や、金型まわりの温
度設定が重要なポイントとなる。
【0037】硬化方法としては、熱硬化,電子線硬化,
光硬化などの公知の方法が用いられる。また、加工性,
スクリーン印刷性を与えるために、適当量の接着剤の溶
剤を加えることもできる。
【0038】本発明の導電性ゴムはゴム弾性を有するバ
インダーを、銀合金粉末100重量部に対して、3〜5
00重量部含有するが、500重量部を越える場合には
良好な導電性が得られず、また、3重量部未満の場合に
は加工性がおとり、また、接点の接触不良を起こし易
い。好ましくは、10〜200重量部である。
【0039】
【作用】本発明によれば、合金粉末は、銀の含有量が少
ないにもかかわらず表面に銀が高濃度に濃縮されている
ために、耐酸化性に優れる。また、本発明によれば、合
金化しているために銀の耐エレクトロマイグレーション
に対しても優れた特性を有する。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0041】(実施例1)銅顆粒粉114.3g、銀の
顆粒粉21.6gを混合し、黒鉛るつぼ中に仕込み、不
活性雰囲気中(窒素中)で1700℃まで加熱溶解し
た。融液をるつぼ先端に取り付けたノズルより窒素雰囲
気中へ100g/秒で噴出した。噴出と同時に、ボンベ
入り20kg/cm2 G(ゲージ圧)の窒素ガスを融液
に対してガス質量速度/液質量速度比2で噴出し、融液
を微粉化した。
【0042】得られた粉末は平均粒径18μmの球状粉
であった。
【0043】得られた粉末の表面近傍の銀濃度Ag/
(Ag+Cu)をXPS(X線光電子分光分析装置:K
RATOS社製XSAM800)で測定した。測定はエ
ッチング,測定を繰り返し5回行った。測定条件は、粒
子を試料台に両面テープで張り付け、10-8Torrア
ルゴン、試料面に対して取り出し角度90°の条件で測
定した。エッチング条件は、圧力:10-7Torrアル
ゴンガス中で加速電圧3keVで5分間行った。測定と
エッチングを繰り返し行った。XPSの測定の結果、表
面より銀濃度は0.7,0.6,0.45,0.3,
0.22であり、表面の銀濃度は0.65であった。ま
た、ICP(高周波誘導結合型プラズマ発光分析計)を
用いて硝酸中に溶解した合金粉末を測定したところ粒子
平均の銀濃度は0.1であり、表面の銀濃度は平均の銀
濃度の6.5倍であった。
【0044】得られた粉末100重量部に対して、市販
のシリコーンゴム(信越化学社製)50重量部、加硫剤
1部を添加してニーダーで充分に混合して180℃で1
0分間加熱して加硫したところ、この導電性ゴムは比抵
抗値で6Ω・cmであった。
【0045】(実施例2)実施例1で得られた銅合金粉
末100重量部に対して、カルボキシル変性ニトリル−
ブタジエンゴム4重量部、クロロプレンゴム1重量部、
フェノール樹脂0.5重量部、メチルエチルケトン10
重量部を充分に混合してフレキシブル基板と透明ガラス
基板との間に25μmのかかる組成物を装着した。さら
に、フレキシブル基板の外側から100kg/cm2
の圧力で加圧し、さらに、160℃,30kg,20s
で加熱,加圧したものの、接触抵抗を4端子法で測定し
た。これを100℃,1000時間空気中で放置したと
ころ導電性の変化はほとんど観測されなかった。
【0046】(実施例3)ニッケル顆粒粉末5.87
g、銅顆粒粉末114.3g、銀顆粒粉末10.8gを
混合し、黒鉛るつぼ中に入れ1700℃まで窒素雰囲気
中で加熱溶解した。
【0047】得られた融液をるつぼ先端より窒素雰囲気
中へ噴出した。噴出と同時に、ボンベ入り15kg/c
2 Gの窒素ガスを融液に対してガス質量速度/液質量
速度比2.5で噴出し微粉化した。得られた粉末は、平
均粒径19μmの球状粉末であった。
【0048】同様にして粒子表面の銀濃度Ag/(Ag
+Ni+Cu)を測定したところ、表面より銀濃度は
0.6,0.55,0.45,0.33,0.23であ
り、表面の銀濃度は0.575、また、平均の銀濃度は
0.05であり、表面の銀濃度は平均の銀濃度の11.
5倍であった。
【0049】得られた粉末100重量部に対して、付加
型シリコーンゴム10重量部を混合した。この組成物に
スクリーン印刷可能になるまでキシレンを加えて感圧導
電性シリコーンゴム組成物を得た。さらに厚さ100μ
mで印刷し、150℃,1時間加熱硬化した。得られた
導電性ゴムの抵抗は非加圧時には100MΩ以上である
が、加圧時(1kg/cm2 G)には100Ωの導電性
を示した。
【0050】また、80℃,90%湿度中1000時間
放置後の導電性ゴムの抵抗値は、非加圧時,加圧時とも
初期値と変化なかった。
【0051】(実施例4)コバルト顆粒粉末23.57
6gと鉄顆粒粉末22.34gと銀顆粒粉末21.6g
を混合し、ボロンナイトライド製るつぼに入れ、窒素雰
囲気中で1700℃まで中高周波誘導加熱し溶解した。
【0052】得られた融液をるつぼ先端より窒素雰囲気
中へ噴出した。噴出と同時に、ボンベ入り15気圧の窒
素ガスを融液に対してガス質量速度/液質量速度比2で
噴出し微粉化した。得られた粉末は、平均粒径20μm
の球状粉末であった。
【0053】同様にして、粒子表面の銀濃度Ag/(A
g+Co+Fe)を測定したところ、表面より銀濃度
は、0.7,0.6,0.5,0.4,0.25で表面
銀濃度は0.65であった。また、粒子平均の銀濃度
は、0.2であった。したがって、表面の銀濃度は平均
の銀濃度の3.25倍であった。
【0054】得られた粉末100重量部に対して、付加
型シリコーンゴム9重量部を混合した。この組成物にス
クリーン印刷可能になるまでキシレンを加えて感圧導電
性シリコーンゴム組成物を得た。さらに、厚さ100μ
mで印刷し、150℃,1時間加熱硬化させた。得られ
た導電性ゴムの抵抗は非加圧時には100MΩ以上であ
るが、加圧時(1kg/cm2 G)には80Ωの導電性
を示した。
【0055】また、80℃,90%湿度中1000時間
放置後の導電性ゴムの抵抗値は、非加圧時,加圧時とも
に初期値と変化なかった。
【0056】(比較例1)市販の銅粉末(平均粒径5μ
m)100重量部と付加型シリコーンゴム5重量部を混
合し、スクリーン印刷可能になるまでキシレンを添加し
た。ペースト組成物を100μmの厚み程度で印刷し、
150℃,1時間加熱硬化した。得られた感圧導電性ゴ
ムの抵抗は、非加圧時には100MΩであったが、加圧
時(1kg/cm2 G)には500Ωであった。さら
に、100℃,1000時間空気中で放置したところ、
加圧時の導電性が1MΩまで増加していた。
【0057】(比較例2)市販銀粉(平均粒径2μm)
100重量部と付加型シリコーンゴム5重量部を比較例
1と同様にして混合し、加熱硬化した。得られた導電性
ゴムは非加圧時には、100MΩ以上であったが、加圧
時には40Ωであった。80℃,90%湿度中で電圧5
0Vを印加したまま放置したところ、非加圧状態でも5
00Ωの導電性を示し、銀がエレクトロマイグレーショ
ンを起こした。
【0058】(比較例3)銀顆粒粉75.6gと銅顆粒
粉19.05gを実施例1と同様にして窒素ガスを用い
て微粉化した。得られた粉末は平均粒径18μmであっ
た。また、銀の粒子平均銀濃度は0.7であった。粉末
100重量部に対して、付加型シリコーンゴム10重量
部を混合して加熱硬化した。得られた導電性ゴムの抵抗
は非加圧時には100MΩ以上であったが、80℃,9
0%湿度中1000時間放置後、非加圧時でも100Ω
であり、銀のエレクトロマイグレーションが生じてい
た。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
合金粉末は、銀の含有量が少ないにもかかわらず表面に
銀が高濃度に濃縮されているために、耐酸化性に優れ
る。また、本発明によれば、合金化しているために銀の
耐マイグレーションに対しても優れた特性を有する。
【0060】本発明による導電性ゴムは、プリント基
板,フレキシブルプリント基板,液晶表示素子,プラズ
マ表示素子,IC,LSI,チップ抵抗器,チップコン
デンサー等の2つの電極間に介在させて用いる接続部品
や、導電性ガスケット,加圧時に導電性を有する導電性
ゴムスイッチとして用いることができる。
【0061】数々の用途の中で最も用いられているのが
ゴム接点スイッチである。電卓やパソコンキーボードの
廉価なものに多く用いられている。ゴム接点が弾性的で
適度な抵抗値があるので、チャタリングが生じない。ま
た、接触面積が金属接点より広いので多少の塵の侵入に
も耐える。
【0062】導電ゴムの歪による抵抗変化を利用した感
圧導電性ゴムの変化幅は大きく、非加圧時に絶縁状態と
して加圧時の抵抗は数mΩとすることが可能で、当然の
ことながらスイッチ素子として用いることができる。
【0063】シートの感圧導電性ゴムを用いたスイッチ
は、櫛目の電極対を有したプリント基板に感圧導電性ゴ
ムシートを乗せるだけで、薄型化でき、しかも多数のス
イッチを一挙に構成できる特徴があり、近年ワードプロ
セッサ用の入力タブレットとして用いることができる。
【0064】平面状の抵抗耐と感圧導電性ゴムを用いた
アナログ出力の座標センサも提案され、センサ面上のあ
る点を押すと、その座標位置が出力されるわけで、手書
き文字入力タブレットなどへの応用が考えられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均組成がAgx1-x (ただし、Mは
    Ni,Co,Cu,Feより選ばれた1種以上の金属、
    0.001≦x≦0.4)で表わされ、表面の銀濃度が
    平均の銀濃度より大きく、かつ、内部から表面にむかっ
    て、銀濃度が次第に増加する領域を有する合金粉末と、
    該合金粉末100重量部に対して3〜500重量部のゴ
    ム弾性を有するバインダーとが含まれていることを特徴
    とする導電性ゴム。
  2. 【請求項2】 前記ゴム弾性を有するバインダーがスチ
    レンブタジエンブロック共重合体,カルボキシル変性ス
    チレンブタジエン共重合体,スチレンイソプレン共重合
    体,スチレン−エチレン−ブチレン共重合体,マレイン
    酸変性スチレン−エチレン−ブチレン共重合体,ポリブ
    タジエンゴム,クロロプレンゴム,カルボキシルポリク
    ロロプレンゴム,スチレン−ブタジエンゴム,イソブチ
    レン−イソプレン共重合体,カルボキシル変性ポリイソ
    ブチレンゴム,ニトリルゴム,カルボキシル変性ニトリ
    ルゴム,シリコーンゴムから選ばれた1種以上を含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の導電性ゴム。
  3. 【請求項3】 前記合金粉末の粒子の表面の銀濃度が粒
    子平均の銀濃度の2.1倍以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の導電性ゴム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7285152B2 (en) 2003-05-08 2007-10-23 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing chain-structure metal powder

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