JPH058130U - 超高真空容器 - Google Patents

超高真空容器

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JPH058130U
JPH058130U JP6371791U JP6371791U JPH058130U JP H058130 U JPH058130 U JP H058130U JP 6371791 U JP6371791 U JP 6371791U JP 6371791 U JP6371791 U JP 6371791U JP H058130 U JPH058130 U JP H058130U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) [目的] 角形の超高真空室を有する超高真空容器の容
器本体とフタを接合するフランジ部のシールに、安価な
銅板ガスケット使用を可能とし、各種の寸法形状に対応
しえるシール性の良好な超高真空容器を提供すること。 [構成] フランジ部を、互いに締結される外側部材と
内側部材とにより構成し、その内側部材の外周にシール
用のナイフエッジを形成せしめ、楕円状に形成された銅
板ガスケットによりシールするようにする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、各種の理化学実験等に使用される超高真空容器に関するものである 。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種の理化学実験等において、超高真空容器が多く使用されるようにな って来た。超高真空容器としては、図7に示す丸形タイプのものと、図8に示す 角形タイプのものとが存在しているが、最近は放射光や素粒子関係の実験に便利 な角形タイプの超高真空容器の需要が多くなっている。
【0003】 図7において、1は丸形タイプの超高真空室を有する容器本体、2はその容器 本体1の開口部を閉塞するフタで、両者の接合部にはフランジ部3,3が形成さ れている。又、同様に図8において、4は角型タイプの超高真空室を有する容器 本体、5はその容器本体4の開口部を閉塞するフタで、両者の接合部にはフラン ジ部6,6が形成されている。なお、図中7は両フランジ部3,3及び6,6を 互いに締付固定するボルトである。
【0004】 一般に、超高真空容器は、図7に示す丸形タイプのものにしろ、図8に示す角 形タイプのものにしろ、その超高真空室の真空度を確保することが最も重要であ り、そのためには互いに接合されるフランジ部3,3及び6,6の気密性を保持 するためにその部分を如何にしてシールするかがきわめて重要な課題となってい る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、丸形タイプの超高真空容器の場合には、図9及び図10に示すよう に、フランジ部3,3の内周に旋盤等によりナイフエッジ8を形成せしめ、両フ ランジ部3,3間に、ナイフエッジ8で締付挾持される図示のような無酸素銅製 のドーナツ状の銅板ガスケット9を介装させ、ボルト7により締付けることによ り、ナイフエッジ8のエッジ部分を前記銅板ガスケット9の表面に喰い込ませて シールするようになっている。
【0006】 このように、シール用に銅板ガスケット9を用いているのは、組立工程におい て加熱を要するため、一般にシール部材として使用されている合成樹脂材料から なる〇リングでは耐熱性に劣るためである。
【0007】 これに対し、最近需要が多くなっている角形タイプの超高真空容器の場合にも 、図11に示すように角形の壁面に沿ってフランジ部6,6の内周に角形にナイ フエッジ8を形成せしめ、角形に形成した銅板ガスケット10を用いて図12に 示すようにボルト7を締付けることによりナイフエッジ8のエッジ部分を銅板ガ スケット10の表面に喰い込ませてシールすることも可能であるが、フランジ部 6,6の内周に角形にナイフエッジ8を形成せしめるためにはきわめて高価な多 軸加工機を使用して隅部のエッジを精密に加工しなければならず、コスト的に見 てナイフエッジ8を角形に沿って形成することは採用不可能であった。
【0008】 そこで最近では、角形の超高真空容器の場合には、銅板ガスケット10の代わ りに図13に示すようにコイルスプリング11の外周にアルミ板12を円弧状に 曲げて巻きつけたヘリコフレックス(Helicofrex)というコイル内蔵型アルミニ ウムパッキング材(以下ヘリコフレックスと呼ぶ)13が登場し、これを図15 に示すようにスリット14の部分が外側になるようにして、図14に示すように 角形に形成せしめ、このヘリコフレックス13を用いて角形超高真空容器をシー ルする方法が採用されるようになってきた。
【0009】 ところが、このヘリコフレックス13を用いて角形の超高真空容器をシールす るには、図16、図17に示すようにフランジ部6,6の接合面に角形に沿って 凹状のシール溝15を設け、この凹状のシール溝15内にヘリコフレツックス1 3を収納させてボルト7により両フランジ部6,6を締付けることによりヘリコ フレックス13を圧縮せしめ、内蔵されているコイルスプリング11の弾性によ り外周に円弧状に巻きつけられているアルミ板12をシール溝15の底面に密着 せしめ、この密着度によって気密性を保持する必要がある。
【0010】 その為、気密性を高めるには角形に沿って形成されたシール溝15の底面16 を鏡面に仕上げなければならず、精密な鏡面仕上げを必要とするため、加工が非 常に面倒であった。
【0011】 又、ヘリコフレックス13そのものが非常に高価である上に、ヘリコフレック ス13は消耗品であるため、フランジ部6,6を取外す毎にヘリコフレックス1 3を取換えなければならず、超高真空容器を組立てたり再調整する過程において 、多くのヘリコフレックス13を消耗することになり、維持費が非常に高くなる など、多くの欠点があった。
【0012】 本考案は前記従来の技術に鑑みて提案されたもので、角形の超高真空室を有す る超高真空容器であっても、シール用に銅板ガスケットの使用を可能とし、加工 や組立が容易で安価に製作することができると共に、大きさに関係なく、高い気 密性を保持することができる、超高真空容器を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本考案は前記課題を解決するために、角形の超高真空室を有する容器本体とそ の容器本体の開口部を閉塞するフタとの接合部にフランジ部が形成された超高真 空容器において、上記フランジ部を、互いに締結される外側部材と内側部材とに より構成し、その内側部材の外周にシール用のナイフエッジを形成せしめ、両フ ランジ部間にナイフエッジで締付挾持される銅板ガスケットを介装させてシール することにより超高真空容器を構成せしめたもので、望ましくは、銅板ガスケッ トの外形形状をナイフエッジに合わせて楕円状に形成せしめたことを特徴とする ものである。
【0014】
【作用】
本考案の超高真空容器は前記の手段をもって構成されているので、フランジ部 を構成する内側部材の外周に一般的なフライス盤を用いてナイフエッジを構成せ しめることができ、その内側部材と外側部材とを互いに締結するだけで角形に沿 って形成されたナイフエッジを有するフランジ部を容易に構成することができる ことになる。
【0014】 又、角形に沿ってナイフエッジが形成されているので、安価な銅板ガスケット を使用することができ、この銅板ガスケットを両フランジ部間に介装させてナイ フエッジで締付挾持せしめることにより、高い気密性が確保されることになる。
【0015】 又、銅板ガスケットの外形形状がナイフエッジに沿って楕円状に形成されてい れば、超高真空容器に高真空が作用して超高真空室が縦と横で不均一に変形して も、銅板ガスケットによりその歪みが許容されるので、高い気密性が維持される ことになる。
【0016】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図1〜図6に基づいて具体的に説明する。 図1及び図3は角形の超高真空室Hを有する本考案の超高真空容器の平面図で あり、図3は容器本体101のフランジ部103を示し、図1はフタ102のフ ランジ部104を示す。 又、図2は図1における矢視A−A線に沿った断面図で、図4は図3における 矢視B−B線に沿った断面図である。
【0017】 本実施例においては、超高真空室Hは長方形状の角形に形成されており、容器 本体101のフランジ部103もフタ102のフランジ部104も、超高真空室 Hに沿って長方形状の角形に形成されている。 又、両フランジ部103,104はボルト穴105に挿通されるボルト106 により締付固定されるようになっている。
【0018】 又、容器本体101のフランジ部103は、断面がL形で、互いに組み合わさ れる内側部材107と外側部材108とにより構成され、その内側部材107と 外側部材108とは、外周に設けたボルト穴109に挿通されるボルト110を 介して互いに締結され、フランジ部103が構成されるようになっている。
【0019】 同様に、フタ102のフランジ部104は、断面がL形で、互いに組み合わさ れる内側部材111と外側部材112とにより構成され、その内側部材111と 外側部材112とは、外周に設けたボルト穴109に挿通されるボルト110を 介して互いに締結され、フランジ部104が構成されるようになっている。
【0020】 なお、各フランジ部103及び104を構成する内側部材107及び111の 外周には、両者の接合部に対向してシール用のナイフエッジ113が角形の超高 真空室Hに沿って角形に形成されており、このナイフエッジ113は各フランジ 部103,104を構成する外側部材108,112を取り外すことにより一般 的なフライス盤を使用してきわめて容易に形成せしめることができる。
【0021】 上記のようにフランジ部103,104を構成すれば、図11及び図12に示 すように、結果的に一体型のフランジ部6,6と同じ構成となり、超高真空室H に合わせて形成した銅板ガスケット114を両フランジ部103,104間に挾 持してボルト106を締付ければ、銅板ガスケット114は両フランジ部103 ,104の内側部材107,111の外周に形成されてナイフエッジ113に喰 い込み、確実にシールされることになる。
【0022】 但し、角形の超高真空容器は、その超高真空室Hの縦と横の比が異なるほど、 真空圧が印加された際に縦と横の壁面に異なる歪が発生し、図5において点線で 示すように不均一に変形する。
【0023】 従って、この場合には、銅板ガスケット114の外形形状を、図1及び図3に 示すナイフエッジ113に沿って図6に示すように特に隅部にRを持たせて楕円 状に形成し、仮に超高真空室Hが不均一に変形したとしても、銅板ガスケット1 14が歪を許容し、ナイフエッジ113に挾持された銅板ガスケット114がナ イフエッジ113から外れたり、ちぎれたりすることがないよう、銅板ガスケッ ト114に作用する応力を分散させ得るようにしておくことが望ましい。
【0024】
【考案の効果】
以上具体的に説明したように、本考案の超高真空容器によれば、容器本体のフ ランジ部とフタのフランジ部が、互いに締結される外側部材と内外部材とにより 分割して構成されているので、ナイフエッジは一般的なフライス盤を用いて内側 部材の外周にきわめて容易に形成せしめることができる。
【0025】 又、シール部がナイフエッジとなっているため、超高真空室が角形であっても 、安価な銅板ガスケットを使用して確実にシールすることができ、従来のヘリコ フレックスを使用してシールする場合に必要なシール溝の底面の鏡面仕上げの必 要もなく、維持費もきわめて安くなる。
【0026】 又、各種寸法、形状の角形の超高真空室を有する超高真空容器に幅広く適用す ることができ、真空圧の印加によって超高真空室が不均一に変形しても、楕円状 に形成された銅板ガスケットにより、確実かつ安定して気密性を保持することが できる、等多くの利点を有し、各種の理化学実験等に用いてきわめて実用的な超 高真空容器を提案し得るものである。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係わる超高真空容器の部分
平面図である。
【図2】図1における矢視A−A線に沿った断面図であ
る。
【図3】本考案の一実施例に係わる超高真空容器の部分
平面図である。
【図4】図3における矢視B−B線に沿った断面図であ
る。
【図5】超高真空室の変形を示す平面図である。
【図6】本考案の超高真空容器に使用する銅板ガスケッ
トの平面図である。
【図7】従来の丸形タイプの超高真空容器の斜視図であ
る。
【図8】従来の角形タイプの超高真空容器の斜視図であ
る。
【図9】図5に示す丸形タイプの超高真空容器の分解斜
視図である。
【図10】図5に示す丸形タイプの超高真空容器のフラ
ンジ部の断面図である。
【図11】図6に示す角形タイプの超高真空容器の分解
斜視図である。
【図12】図6に示す角形タイプの超高真空容器のフラ
ンジ部の断面図である。
【図13】一般的なヘリコフレックスの部分破断斜視図
である。
【図14】図11に示すヘリコフレックスを角形に形成
した状態を示す斜視図である。
【図15】図12における矢視C−C線に沿った断面図
である。
【図16】図11に示すヘリコフレックスを使用した角
形タイプの超高真空容器のフランジ部の断面図である。
【図17】図14に示すシール溝の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 フタ 3 フランジ部 4 容器本体 5 フタ 6 フランジ部 7 ボルト 8 ナイフエッジ 9 銅板ガスケット 10 銅板ガスケット 11 コイルスプリング 12 アルミ板 13 ヘリコフレックス 14 スリット 15 シール溝 16 底面 101 容器本体 102 フタ 103 フランジ部 104 フランジ部 105 ボルト穴 106 ボルト 107 内側部材 108 外側部材 109 ボルト穴 110 ボルト 111 内側部材 112 外側部材 113 ナイフエッジ 114 銅板ガスケット H 超高真空室

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角形の超高真空室を有する容器本体とそ
    の容器本体の開口部を閉塞するフタとの接合部にフラン
    ジ部が形成された超高真空容器において、上記フランジ
    部を、互いに締結される外側部材と内側部材とにより構
    成し、その内側部材の外周にシール用のナイフエッジを
    形成せしめ、両フランジ部間にナイフエッジで締付挾持
    される銅板ガスケットを介装させてシールするようにし
    たことを特徴とする超高真空容器。
  2. 【請求項2】 銅板ガスケットの外形形状がナイフエッ
    ジに添って楕円状に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の超高真空容器。
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