JPH0581075U - 調理用包装フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調理器等による加熱・調理後に、食品やこれ
を収容する皿等の器が手で持つことのできる温度にまで
低下していることがわかる包装フィルムの提供を目的と
する。 【構成】 フィルム体１の少なくとも一部に熱変色性イ
ンキ２により形成された感温変色領域が設けられてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電子レンジやガスオーブン等によって食品等を加熱・調理する際 に、上記食品等を包む調理用包装フィルムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、家庭において、電子レンジやガスオーブン等の調理器を用いて食品を 加熱・調理する際には、食品を皿等の器に載せ、その状態で食品を家庭用ラップ フィルム等の包装フィルムで包み、これを上記調理器に入れ加熱・調理すること が行われている。また、コンビニエンスストアー等において販売されるレトルト 食品には、その包装にラップフィルム等の包装フィルムが用いられており、家に 持ち帰って電子レンジ等で加熱するだけですぐに食卓に供することができるよう になっている。このようなラップフィルムには、通常、耐熱性を有する収縮フィ ルムが用いられ、加熱後、所定温度に低下すると収縮してピンと張るようになっ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記調理器による加熱・調理後、調理器内の食品を手で取り出 す際に、上記食品やこれを収容する器の温度が手で持つことのできる温度にまで 低下しているかどうかが、上記調理器の外から見ただけではわからず、このため 、上記食品等が熱いうちに手で持って外に取り出そうとして手を火傷したり、食 品等から手を離して下に落としたりすることがある。したがって、上記調理器に よる加熱・調理後に、食品等の温度が手で持つことのできる温度にまで低下して いることが上記ラップフィルム等の包装フィルムで報知することができれば便利 であり、このような包装フィルムが強く要望されている。

【０００４】 この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、調理器等による食品の加 熱・調理後に、上記食品やこれを収容する皿等の器の温度が手で持つことのでき る温度にまで低下していることを報知できる調理用包装フィルムの提供をその目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、この考案の調理用包装フィルムは、フィルム体の 少なくとも一部に感温変色領域が形成されているという構成をとる。

【０００６】

【作用】

すなわち、この考案の調理用包装フィルムは、フィルム体の少なくとも一部に 感温変色領域が形成されているため、この調理用包装フィルムで包装した食品を 調理器等で加熱・調理した後に、上記食品やこれを収容する皿等の器の温度が手 で持つことのできる温度になると、これに接触しているフィルム体の感温変色領 域が変色し、この感温変色領域の変色により上記食品等の温度が手で持つことの できる温度にまで低下していることが報知され、このことが調理器等の外からわ かる。したがって、上記感温変色領域の変色を確認してから食品を調理器等から 外に取り出すようにすれば、手を火傷することがなくなり、また、食品等を手で しっかりと持つことができて下に落とすこともなくなる。

【０００７】 つぎに、この考案を詳しく説明する。

【０００８】 この考案の調理用包装フィルムは、フィルム体の少なくとも一部に感温変色領 域が形成されて構成されている。

【０００９】 上記フィルム体の材料としては、ポリ塩化ビニリデン系樹脂，ポリ塩化ビニル 系樹脂，ポリエチレン系樹脂，ポリブタジエン系樹脂等があげられる。

【００１０】 この考案の感温変色領域を形成する熱変色性インキとしては、所定の温度にな ると色調を変化するものが使用される。このような熱変色性インキは、特に限定 するものではなく、従来公知の熱変色性インキをそのまま使用することができる 。しかしながら、食品やこれを収容する器を手で持つことのできる温度が５５℃ 程度であることから、具体的には、５５℃か、もしくはそれよりも若干低い温度 で色調が変化するものが好ましい。例えば、５０℃以下で無色または有色で、５ ０℃を超えると赤色等の有色を顕出または赤色系の色に変色する熱変色性インキ を使用する。このような熱変色性インキとしては、各種樹脂材に練り込みやすい ように微粉末状としたものであっても、塗布もしくは印刷に適するように溶剤に 溶解して液状としたものであってもよく、また、エポキシ系樹脂，尿素系樹脂等 からなるマイクロカプセルに封入されたものであってもよい。マイクロカプセル 内に密封収容された熱変色性インキは、その内部において熱変色するから色調が 明瞭に顕出し、また耐久性が良好となる。

【００１１】 上記感温変色領域は、例えばフィルム体の成形樹脂材に熱変色性インキを所定 量混合して練り込み、これを用いて従来公知の方法でフィルム体を成形すること によりフィルム体の全体に形成される。また、フィルム体の所定部分に熱変色性 インキで印刷像を、スクリーン印刷等の従来公知の印刷方法で印刷することによ りフィルム体の少なくとも一部に形成される。

【００１２】 つぎに、実施例について説明する。

【００１３】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例の調理用包装フィルムを示している。すなわち、こ の調理用包装フィルムは、５０℃以下では青色で、５０℃を超えるとピンク色が 現れる熱変色性インキ２（松井色素化学工業社製，クロミックカラー）をポリ塩 化ビニリデン系樹脂３に混合した成形材料を用い、従来公知の方法でフィルム体 １を成形することにより得られる。このようにして得られた包装フィルムは熱変 色性インキ２が上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂３中に均一に分散されている。

【００１４】 上記包装フィルムを使用する場合、まず、食品（例えば、冷凍されたハンバー グ）を皿に載せこれを包装フィルムで包む。ついで、これを電子レンジで加熱・ 調理する。この場合、加熱温度が５０℃を超えると、上記包装フィルムがピンク 色に変色する。調理後、所定時間が経過すると食品および皿の温度が手で持つこ とのできる温度にまで低下し、このとき上記包装フィルムが元の青色に戻るため 、食品および皿の温度が手で持つことのできる温度になったことがわかり、電子 レンジから食品を手で持って取り出す。このとき、皿を手で持っても、手を火傷 をすることがなく、また、皿をしっかりと持つことができるため、手を皿を離し て下に落とすことがない。

【００１５】 図３は他の実施例を示している。この包装フィルムには、そのフィルム体１の 表面に、熱変色性インキ２で「高温につきノータッチ」という文字が、従来公知 のスクリーン印刷法により印刷されている。そして、フィルム体１の表面に上記 文字を保護するために被覆材層４が形成されている。この場合には、電子レンジ での加熱・調理時に、高温になると、「高温につきノータッチ」という文字が現 れ、調理後、食品やこれを収容する皿が手で持つことのできる温度にまで低下す ると消える。なお、上記被覆材層４としては、フィルム体１を形成する樹脂材と 同種の樹脂材を使用することが、フィルム体１と被覆材層４との一体化を図るた めに望ましい。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように、この考案の調理用包装フィルムによれば、この調理用包装フィ ルムで包装した食品を調理器等で加熱・調理した後に、上記食品やこれを収容す る皿等の器の温度が手で持つことのできる温度になると、これに接触しているフ ィルム体の感温変色領域が変色し、この感温変色領域の変色により上記食品等の 温度が手で持つことのできる温度にまで低下していることが報知され、このこと が調理器等の外からわかる。したがって、上記感温変色領域の変色を確認してか ら食品を調理器等から外に取り出すようにすれば、手を火傷することがなくなり 、また、食品等を手でしっかりと持つことができて下に落とすこともなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の調理用包装フィルムを示
す断面図である。

【図２】この考案の他の実施例を示す断面図である。

【図３】上記他の実施例において文字が現れた状態を示
す説明図である。

【符号の説明】

１ フィルム体 ２ 熱変色性インキ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルム体の少なくとも一部に感温変色
   領域が形成されていることを特徴とする調理用包装フィ
   ルム。