JPH058038Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はマシニングセンタ等の工作機械の前面
近傍のパレツトプールラインに設けられる工作物
洗浄装置に関するものである。

〔従来の技術〕

現在、例えばマシニングセンタ等の工作機械Ｍ
には、第６図に示す如く、ワークを取付けた複数
のパレツト３１をプールするパレツトプールライ
ン３２が設けられているものがある。そして、該
パレツトプールライン３２の一端には、工作機械
Ｍで加工されたワークを取外し、新しい加工前の
ワークを取付け段取りする段取ステーシヨン３３
が設けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

この段取ステーシヨン３３で加工されたワーク
をパレツトから取外すとき、ワークとパレツトに
は切屑が付着しているため、従来、作業者は手作
業でクーラントを利用し切屑を除去していたが、
洗浄効率が悪いという問題点があつた。そこで、
パレツトプールラインに通常の洗浄装置を設置す
ることが考えられるが、洗浄装置自身大がかりで
高価なものであると共に、洗浄装置にパレツトを
搬入・搬出する装置等が必要なため、大きなフロ
アスペースを必要とし、設備コストも高価になる
という問題点があつた。

本考案は上記の点に鑑み創案されたもので、ク
ーラントガン等で行う手作業の方法よりも洗浄効
率に優れ、段取りステーシヨンと兼用できて省ス
ペースを保ちうる工作機械の工作物洗浄装置を提
供するにある。

〔課題を解決するための手段及びその作用〕

上記課題を解決するため、本考案においては、
工作機械の前面近傍に設けられるパレツトプール
ラインの段取ステーシヨンにおいて、該段取ステ
ーシヨンにあり前記パレツトプールラインとの搬
出入口、作業用開口及び洗浄時に側壁となる側壁
カバーに囲まれた段取り兼洗浄部と、該段取り兼
洗浄部の側壁カバーとの対向側に延びた収納部
と、該収納部に常時待機せられ前記側壁カバーに
開口を有し洗浄時前記段取り兼洗浄部を覆つて前
記側壁カバーと密着するカバーと、該カバーの内
側の上部及び四方側面部に配置され洗浄液を吹出
すための複数の穴をあけたパイプと、前記カバー
に固定されたカバー移動手段と、前記パイプと連
通し洗浄液を供給する洗浄液供給部と、該供給部
の下にあり洗浄液を回収するタンクとから成り、
段取り部と洗浄部を兼用したことを特徴とする。

上記構成を採用したことにより、従来のクーラ
ントガン等で行う方法より洗浄効率に優れ、段取
りステーシヨンと兼用できるので安価で省スペー
スな工作機械の工作物洗浄装置とすることができ
た。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案の工作物洗浄装置の平面図、第
２図は同じく側面図、第３図は同じく正面図、第
４図はカバーの斜視図、第５図はカバー移動手段
の説明図である。

本考案の工作機械の工作物洗浄装置Ａは、第６
図に示す如く、パレツトプールライン３１の一端
の従来技術の段取ステーシヨン３３と同じ位置
に、該段取ステーシヨン３３と兼用の形で設置さ
れている。工作物洗浄装置Ａは、第１図乃至第３
図に示す如く、洗浄時に側壁となる側壁カバー１
を固定し、該側壁カバー１と直角な方向に位置
し、かつ、パレツトプールラインに対向する側面
部にワークをセツトしたパレツトを搬出入する搬
出入口２を有し、該搬出入口２の反対側側面の作
業用開口３を有し、前記側壁カバー１と搬出入口
２と作業用開口３に囲まれた部分をパレツトを載
置する段取り兼洗浄スペース４としている。工作
物洗浄装置Ａは更に段取り兼洗浄スペース４の前
記側壁カバー１と対向する端部側に後記するカバ
ー５を収納するための収納スペース６を形成して
いる。前記カバー５は、箱状で、前記側壁カバー
１側側面部５ａと下面部を開口し、その他の面は
閉口している。該カバー５の後端部にはカバー５
の移動手段が設置されている。該カバー５は、カ
バー移動手段により収納スペース６より段取り兼
洗浄スペース４側に移動すると、側壁カバー１と
該カバー５が密着し、工作物洗浄時の洗浄液及び
切屑が外部に飛散することを防ぐことができる。
前記カバー５を移動させる手段は、第２図及び第
５図に示す如く、前記カバー５の後端に上下方向
に取着されたシリンダ８と、シリンダ８のピスト
ンロツド８ａに取着されたチエーン９と、該チエ
ーン９を架設する上下のスプロケツト１０，１１
と、下方のスプロケツト１１と同軸に回転し、収
納スペース６に沿つて敷設されたガイド１３上に
貼着されたアタツチメントチエーン１４と噛合す
るスプロケツト１５とから構成されている。収納
スペース４には前記ガイド１３の他に、カバー４
の下部に設けられたローラ１６，１６，１７，１
７を案内するレール１８，１９が敷設され、前記
段取り兼洗浄スペース４の搬出入口２側と作業用
開口３側に延びている。

前記カバー５の内側には、上面及び四方側面部
に洗浄液を吹出すための複数の穴をあけたパイプ
７が配置されている。該パイプ７には、洗浄液ポ
ンプ２０よりＵ字状に立ち上がつたゴムホース２
１が接続されている。前記ポンプ２０の下部には
洗浄液を回収するタンク２２が設けられている。

このように構成すると、加工後のワークをセツ
トしたパレツトが搬出入口２から段取り兼洗浄ス
ペース４に搬入されると次のような動作により洗
浄が簡単に行なわれる。まず、シリンダ８のピス
トンロツド８ａの上昇によりチエーン９が回転
し、該チエーン９を架設した上下のスプロケツト
１０，１１の回転と同時にスプロケツト１５が回
転し、ガイド１３上のアタツチメントチエーン１
４上をスプロケツト１５が移動する。このスプロ
ケツト１５の移動は、カバー５の移動を意味し、
カバー５が収納スペース６から段取り兼洗浄スペ
ース４に移動し、該段取り兼洗浄スペース４を液
密的に覆う。そして、洗浄液ポンプ２０が始動さ
れ、洗浄液がタンク２２から洗浄液ポンプ２０、
ゴムホース２１、パイプ７を通つて孔からワーク
をセツトしたパレツトに吹出され洗浄が行なわれ
る。洗浄後の洗浄液はトレイを介してタンク２２
に還流される。洗浄が行なわれた加工済のワーク
をセツトしたパレツトは、作業用開口３から作業
者により段取り替えが行なわれる。

〔考案の効果〕 以上説明した如く、本考案の工作機械の工作物
洗浄装置によれば、従来のガン等で行う方法より
洗浄効率に優れ、しかも段取りステーシヨンと兼
用できるので安価で省スペースに設置することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の工作機械の工作物洗浄装置の
平面図、第２図は同じく側面図、第３図は同じく
正面図、第４図はカバーの斜視図、第５図はカバ
ー移動手段の説明図、第６図はパレツトプールラ
インの平面説明図である。 Ａ……工作物洗浄装置、１……側壁カバー、２
……搬出入口、３……作業用開口、４……段取り
兼洗浄スペース、５……カバー、６……収納スペ
ース、７……パイプ、８……シリンダ、９……チ
エーン、１４……アタツチメントチエーン、１５
……スプロケツト、２０……洗浄液ポンプ、２２
……タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械の前面近傍に設けられるパレツトプー
   ルラインの段取ステーシヨンにおいて、該段取ス
   テーシヨンにあり前記パレツトプールラインとの
   搬出入口、作業用開口及び洗浄時に側壁となる側
   壁カバーに囲まれた段取り兼洗浄部と、該段取り
   兼洗浄部の側壁カバーとの対向側に延びた収納部
   と、該収納部に常時待機せられ前記側壁カバー側
   に開口を有し洗浄時前記段取り兼洗浄部を覆つて
   前記側壁カバーと密着するカバーと、該カバーの
   内側の上部及び四方側面部に配置され洗浄液を吹
   出すための複数の穴をあけたパイプと、前記カバ
   ーに固定されたカバー移動手段と、前記パイプと
   連通し洗浄液を供給する洗浄液供給部と、該供給
   部の下にあり洗浄液を回収するタンクとから成
   り、段取り部と洗浄部を兼用したことを特徴とす
   る工作機械の工作物洗浄装置。