JPH0580123B2 - - Google Patents

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JPH0580123B2
JPH0580123B2 JP2216332A JP21633290A JPH0580123B2 JP H0580123 B2 JPH0580123 B2 JP H0580123B2 JP 2216332 A JP2216332 A JP 2216332A JP 21633290 A JP21633290 A JP 21633290A JP H0580123 B2 JPH0580123 B2 JP H0580123B2
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JP
Japan
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iron core
temperature
magnetic material
magnetic
sensing magnetic
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Makoto Saito
Minoru Gunji
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
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Publication of JPH0580123B2 publication Critical patent/JPH0580123B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C9/00Emergency protection arrangements structurally associated with the reactor, e.g. safety valves provided with pressure equalisation devices
    • G21C9/02Means for effecting very rapid reduction of the reactivity factor under fault conditions, e.g. reactor fuse; Control elements having arrangements activated in an emergency
    • G21C9/027Means for effecting very rapid reduction of the reactivity factor under fault conditions, e.g. reactor fuse; Control elements having arrangements activated in an emergency by fast movement of a solid, e.g. pebbles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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    • Y10S403/01Magnetic

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Electromagnets (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は炉内温度が異常に高くなつた時に、外
部から特に制御を行わなくても保持している制御
棒を自動的に炉心に挿入し、原子炉を緊急停止さ
せるキユリー点電磁石に関するものである。 [従来の技術] 高速増殖炉等では異常発生時に制御棒を炉心に
挿入する機構を備えている。この炉停止機構とし
て、環境温度によつて磁力が変化する電磁石を用
いて制御棒の保持−切り離しを行う方式が提案さ
れている。第8図及び第9図はその概念図であ
る。 電磁石10は互いに吸着−分離可能な上部鉄芯
12と下部鉄心14、及び上部鉄芯12に巻装し
たコイル16を具備し、下部鉄芯14の一部に適
当なキユリー点をもつ温度感知磁性材18を組み
込んだものである。上部鉄芯12は制御棒駆動装
置20から吊り下げられ、下部鉄芯14に制御棒
22が連結される。電磁石10の環境温度が温度
感知磁性材18のキユリー点を超えると、該温度
感知磁性材18が非磁性になるため磁気回路の磁
気抵抗が大きくなり、コイル16に給電し続けて
いても磁力が低下する。従つて外部から指令を与
えなくても制御棒22は落下し、炉心24の中に
挿入される。 この方式は自己作動型炉停止機構と呼ばれ、従
来のように常に原子炉内の状況を計測し、異常が
検知された場合、それを判断して制御棒挿入の指
令を与えるという過程が不要な点で、信頼性が極
めて高いと考えられている。 [発明が解決しようとする課題] 上記の炉停止機構の作動原理は単純であり既に
特性が確認されているが、実際の原子炉プラント
に適用するにはいくつかの問題がある。第一に電
磁石は既設の制御棒案内管内に設置されるため厳
しい寸法制限(例えば百万kW級の高速増殖炉で
は90mmφ)を受け、その寸法制限下で制御棒重量
より十分に大きな磁力を確保する必要がある。理
論的には制御棒重量を超える磁力があればよい
が、余裕が少ないと定常運転中の小規模地震や流
体振動等より誤作動する危険性が高く、プラント
運転上支障が大きい。 他方、制御棒を切り離すためには、温度感知磁
性材のキユリー点以上では磁力が制御棒重量より
十分に低下する必要がある。磁気は電気と異なり
空間でもある程度の磁化率を有するため、温度感
知磁性材が非磁性となつても基本的にはある程度
の磁力が残留する。残留磁力を小さくするには温
度感知磁性材の部分を大きくすればよいが、温度
感知磁性材の最大磁化率は一般に鉄芯材(鉄)の
それより小さいため、温度感知磁性材の部分をあ
まり大きくすると磁気回路の磁気抵抗が増大し、
定常温度時の磁力が低下する。特に炉停止機構の
電磁石では限られた空間内で大きな磁力を発生さ
せる必要上、定常運転温度では鉄の飽和磁束密度
に近い状態で使用されるため、温度感知磁性材の
磁気抵抗、特に鉄と温度感知磁性材との接合面の
確保は大きな問題となる。つまり定常運転温度で
は磁束は温度感知磁性材中を通るため、磁気抵抗
は電気抵抗と同じく温度感知磁性材の断面積及び
長さで決まるが、キユリー点以上では温度感知磁
性材が非磁性となるため、磁束は温度感知磁性材
の部分に無関係に空間を通るので鉄芯全体の磁気
抵抗は温度感知磁性材を除いた鉄芯の形状、配置
で決まる。従つて優れた磁力特性を発現させるた
めには温度感知磁性材の形状及び空間的な配置を
工夫する必要がある。 第10図は電磁石の下部鉄芯の一例(設計例
)を示している。温度感知磁性材18aは外周
部下隅に設置されており、温度応答性向上のため
スリツト26aを設けてある。この構造では鉄芯
材28aと温度感知磁性材18aの外周側での接
合面F1を内側に広げること(接合面拡張部f)
で接合面積を確保しており、その結果、定常運転
温度では制御棒重量の約3倍の保持力が得られ
る。キユリー点以上での残留磁力については、温
度感知磁性材が非磁性になつた場合、前記接合面
F1が中央鉄芯に対して垂直になるため両者が効
果的に遮断され、制御棒重量の1/6程度になり炉
停止機構としては十分な磁力特性が得られる。 しかし、電磁石には磁力特性の他に、環境温度
がキユリー点を超えた場合に磁力が迅速に低下し
て制御棒を速やかに切り離す温度応答性能が要求
される。高速増殖炉等で最も厳しい条件下では2
〜3秒程度の時間遅れで作動することが求められ
ている。上記の設計例は温度応答性があまり良
くない。その理由は、鉄芯材と温度感知磁性材の
接合面積を確保するため深いスリツトが切れず、
温度感知磁性材に温度応答性の悪い厚肉部分が残
ることによる。一般的にフインそのものは環境温
度の変化に対して速やかに昇温する(温度応答性
が高い)が、厚肉部の応答性は著しく悪い。磁界
解析結果によれば、温度応答性が高いフイン部の
みがキユリー点を超えただけでは電磁石の磁力は
制御棒重量より低くはならず、厚肉部のかなりの
部分がキユリー点まで昇温する必要があることが
分かつた。更に熱伝導解析結果によれば、内部の
厚肉部が作動に必要な温度まで昇温するには、冷
却材が理想的にスリツトに流入すると仮定しても
6秒以上かかることが判明した。 温度応答性を高めるには温度感知磁性材全体を
フイン構造にすればよいが薄肉構造になり、磁束
の通る面積が減少し磁力の不足を招く。特に温度
感知磁性材は飽和磁化率が鉄より小さいため影響
が顕著に現れる。構造的に最もネツクとなるのは
鉄芯材と温度感知磁性材の接合面積の不足であ
る。これを補うため考えられたのが第11図に示
す設計例である。温度感知磁性材18bを内外
の長い鉄芯材28bで挾み、接合面F2の面積を
確保している。この構造では温度感知磁性材全体
にスリツト26bを切つているため温度応答性は
良いが、キユリー点以上で残留する磁力が大きく
なる欠点が現れる。第1表に前記設計例と比較
した保持力試験の結果を示す。
【表】 このように設計例では保持力に対する残留磁
力の比が設計例より著しく大きくなる。因に設
計例と同じ保持力を得るためには更に大きな電
流をコイルに供給する必要があり、これに伴い残
留磁力は60Kg(制御棒重量と同等)になるため、
環境温度がキユリー点を超えても切り離しが困難
になる。これは対向する鉄芯材の面積が大きいた
め、温度感知磁性材がキユリー点以上で非磁性と
なつても対向する鉄芯材間を通つて流れる磁束の
総量が多くなることによる。本設計例の磁力に
よつて制御棒の保持及び切り離し動作は原理的に
は可能であるが、設計例に比べれば余裕が少な
く、定常運転時の誤作動及び異常温度時の不作動
に対する危険性が大きい。設計例は温度応答性
を改善するために磁力特性が犠牲になつている。 なお、定常運転中の振動等による誤作動(落
下)を防ぐために特殊な振動吸収機構が開発され
ている。試験室における理想条件下では制御棒重
量の2倍の130Kg程度の磁力があればS2相当の強
地震下でも誤作動しないことが確認されている
が、実際の原子炉プラント中の状況や経年変化の
影響を考慮すると、初期状態では余裕を見込んで
少なくとも2.5倍(約160Kg)の磁力を有すること
が望ましい。 他方、温度応答性能については、炉停止機構の
導入が強く求められている大型高速増殖炉では最
も厳しい要求として次の条件が想定されている。
それは、電磁石回りの冷却材温度が30℃/秒で昇
温した場合に電磁石の作動遅れ時間が3秒以下で
あることである。ここで昇温速度は流量喪失事故
と炉停止失敗が重なつた場合を想定したもので、
事故事象の中でも最も急激な温度上昇である。な
お、作動遅れ時間とは電磁石回りの冷却材温度が
作動設定温度(冷却材温度が無限にゆつくり昇温
した場合の作動温度)に達してから実際に作動す
るまでの時間である。電磁石の温度応答性能はこ
の作動遅れ時間で評価される。 以上のように前記設計例又はを基本とした
場合、保持力特性と温度応答性のどちらかが犠牲
となり、両特性が同時に大型高速増殖炉で求めら
れる最も厳しい性能を満足することはできなかつ
た。 本発明の目的は、保持力特性と温度応答特性の
両方の性能要求を同時に満たすことができ、且つ
温度感知磁性材が変わつても所望の性能を発揮で
きるように容易に設計できる構造の電磁石を提供
することにある。 [課題を解決するための手段] 本発明は、軸対称構造をとり互いに吸着−分離
可能な上部鉄芯と下部鉄芯、及び上部鉄芯に巻装
したコイルを具備し、下部鉄芯はフイン構造で且
つその一部に鉄芯材より低いキユリー点をもつ温
度感知磁性材を有し、環境温度の上昇時に上部鉄
芯と下部鉄芯を分離して該下部鉄芯に連結されて
いる制御棒の切り離しを行う原子炉停止機構の電
磁石である。 そして上記の目的を達成するため本発明は上下
に二分割可能な鉄芯のうち、制御棒と連結される
下部鉄芯の構造を改良したものである。即ち第1
図A,Bに示すように、温度感知磁性材32を下
部鉄芯30の外周部下隅に組み込み、下部鉄芯3
0の外周部での温度感知磁性材32と外側鉄芯材
34との接合面Fが対称軸を中心軸c−cとする
円錐の側面形状とし、その円錐の頂部開き角θを
60度以上で120度以下の範囲内に設定したもので
ある。なお符号35は内側鉄芯材を表している。
また下部鉄芯30の外周側、即ち温度感知磁性材
32とそれに接する外側鉄芯材34の一部がフイ
ン構造になつている。このフイン構造は、好まし
くはフインの肉厚の最も厚い部分が4mm以上8mm
以下、フイン間のスリツト36の幅が2mm以上4
mm以下で、スリツト36は温度感知磁性材32の
最も奥まで切り込まれ、温度感知磁性材32全部
をフイン構造にすることである。なお第1図Aに
示す斜視図では複雑になるためスリツトは省いて
描いてある。 このような構造は以下に示す実験結果などから
導き出された。初めにフイン形状は温度応答性能
を確保する観点から決定される。ここでは応答性
能の目標値として現時点で大型高速増殖炉で想定
される最も厳しい値を採用した。即ち冷却材流量
喪失事故を想定し、冷却材の温度が30℃/秒で昇
温した場合に2秒以下の時間遅れで作動する応答
性能である。設計はフイン部のみの温度変化によ
つて必要な磁力特性が得られることを前提とし、
熱伝導解析によりフイン厚みを決定した。本目標
を満足するにはフイン部の最も厚い部分の板厚は
8mm以下にすればよいことが簡単な熱伝導理論よ
り導かれる。下限値については薄いほど応答性は
良いが、薄くなるとフインの枚数が増え、スリツ
トが狭くなりナトリウム流入量の点で不利とな
る。具体的な厚みは要求される保持力、温度感知
磁性材の飽和磁化率で決まるが、百万kW級高速
増殖炉を想定した第2表の条件では、次に示す手
順で決まるスリツト幅の下限値2mmを採るとフイ
ン厚みは約4mmとなる。
【表】 スリツト幅の下限値は冷却材がスリツト中に十
分に流れ込むという観点から決定される。スリツ
ト中の流量はスリツト奥行き、高さ等に加え、冷
却材の粘性等によつて変わるため、第2表の条件
を基にスリツト中に流入したナトリウムからフイ
ンへの熱伝導量を評価し2mm以上とした(第2図
参照)。上限値はフインの有効断面積を確保する
点から決定される。具体的な値は要求される保持
力と温度感知磁性材の飽和磁化率で異なるが、フ
インの最大厚み8mmの場合で約4mmとなる。 次に目標の磁力特性を得るのに必要な鉄芯材/
温度感知磁性材の接合面積を求める。先に決定し
たフイン形状において、必要な接合面積を確保で
きるように接合面形状を決める円錐の開き角を決
定する。電磁石の磁力にとつて最も大きな障害と
なるのは温度感知磁性材部分の磁気抵抗である。
飽和磁化率が鉄芯材より小さくスリツトが切られ
るため、断面積が鉄芯材部分より小さくなるから
である。温度感知磁性材は作動させたい温度、即
ちキユリー点で決まるので、飽和磁化率は採用す
る温度感知磁性材の磁化率として自動的に定ま
り、一方、温度応答性能の要求の観点から温度感
知磁性材のフイン形状が決まれば、磁気抵抗を決
める残された因子は鉄芯材と温度感知磁性材の接
合面の面積である。本発明では接合面を円錐状に
しているから、その頂部開き角によつて調整でき
る。ここで開き角が大きく180度に近い場合、前
記設計例のように接合面が水平である場合に比
べて接合面積の増加は僅かであり、円錐形状の接
合面方式を導入する効果は小さい。比較的明瞭な
15%以上の接合面積増加が得られる120度を開き
角の上限に採用した(第3図参照)。逆に開き角
があまり小さくなると、キユリー点以上で温度感
知磁性材が非磁性になつた時の鉄芯材間の対向面
積が増大し、前記設計例のように残留磁力が増
加する。第4図に示すように、磁界解析によれば
60度以下になると残留磁化が急激に増大する。そ
こで開き角の下限を60度とした。 [作用] 外周部での温度感知磁性材と鉄芯材との円錐側
面形状の接合面は、その頂部開き角を適当な値に
選定することで接合面積を変え、定常運転時の磁
力に対する異常発生時の残留磁力の比を最適状態
に調整される。またこれによつてフイン構造を構
成するスリツトを温度感知磁性材の奥深くまで形
成可能となり、温度応答特性が改善される。 [実施例] 第5図及び第6図は480℃で作動する原子炉停
止機構の電磁石の例である。電磁石40は互いに
吸着−分離可能な上部鉄芯42と下部鉄芯44と
の組合せからなる。上部鉄芯42は、中央部とそ
れを取り囲む外周部とが上部で連続した形状をな
し全て鉄芯材からなり、その空間部分にコイル4
6を巻装した構造である。上部鉄芯42は制御棒
駆動装置(図示せず)から吊り下げられる。下部
鉄芯44は中央部とそれを取り囲む外周部とが下
部で連続した形状をなし、外周部下隅に適当なキ
ユリー点をもつ温度感知磁性材48を組み込み、
それ以外は鉄芯材45からなる。下部鉄芯44の
外周側部分での温度感知磁性材48と鉄芯材45
との接合面Fが頂部開き角θの円錐の側面形状に
なつている。そして外周部、即ち温度感知磁性材
48とそれに接する鉄芯材45には放射状に多数
のスリツト50が形成されたフイン構造になつて
いる。下部鉄芯44からは制御棒(図示せず)が
吊り下げられる。なお上部鉄芯42と下部鉄芯4
4との対向面には自己融着防止金具54,55が
それぞれ組み込まれている。 温度感知磁性材48はFe−50%Ni合金からな
る。定常運転温度(430℃)における温度感知磁
性材の飽和磁化率は約0.7テスラで、鉄芯材(鉄)
のそれの約1/2である。フイン52は中心から半
径方向に放射状に厚くなつており最外周部の厚み
は6mmである。またスリツト幅は3mmであり、温
度感知磁性材48のほぼ全域にわたつて深く切り
込まれている。鉄芯材45と温度感知磁性材48
の接合面Fの円錐の頂部開き角θは、前記第2表
の条件で磁力として制御棒重量の約3倍(195Kg
程度)が得られるように、磁界解析により90度に
設定した。スリツト50は温度感知磁性材48の
ほぼ全域まで深く切り込まれているが、前記円錐
状接合面のため接合面積(磁路面積)は十分に確
保されている。試験結果によれば磁力は定常運転
温度では制御棒重量の約2.8倍の185Kg、500℃で
は1/6以下の10Kgであり、磁力の点では前記設計
例に遜色ないものになつている。 次に温度変動に対する応答性を解析によつて確
認した。温度の過渡状態の近似として、応答性の
優れたフイン部のみ温度がキユリー点を超えたと
仮定した場合、保持力は約35Kgまで低下するとい
う結果が得られた。これは制御棒重量の約1/2で
あり、フイン部のみの温度応答で制御棒を切り離
せることを示している。実際には残された僅かな
厚肉部の表面部分もある程度昇温するので、残留
磁力は更に低くなる。厚肉部をもう少し減じて全
体の磁力を15Kg程度下げることにより、フイン部
の温度変化だけで170Kg→20Kgとバランスの良い
磁力特性の電磁石が得られる。本実施例の電磁石
はナトリウム中で実際に温度応答性能が試験さ
れ、30℃/秒の昇温速度を与えた結果、1.5秒以
内の時間遅れで作動することが確認された(第7
図参照)。なお同図において曲線Aは最小2乗法
による近似曲線を表している。 以上、保持力特性に関しては前記設計例に遜
色なく、温度応答性が顕著に改善されることが分
かる。 [発明の効果] 本発明は上記のように鉄芯中に導入する温度感
知磁性材と鉄芯材と接合面を円錐側面状にしたか
ら、水平面にする方式に比べて同じ半径方向の距
離でも接合面積を大きくでき、磁気回路の磁気抵
抗が増大することなく温度感知磁性材にスリツト
を深く切り込むことができ、厚肉部を小さくでき
る。これによつて電磁石の磁力を犠牲にすること
なく環境の温度変化に対する電磁石の作動応答性
能を改善できることになる。 原子炉停止機構の電磁石では、作動させたい温
度に合わせて温度感知磁性材を選択する必要があ
るが、温度感知磁性材によつて飽和磁化率は異な
つているので、従来の方式では飽和磁化率が低い
場合は応答性か磁力のどちらかが犠牲になる。し
かし本発明では温度感知磁性材の最大磁化率が変
わつても必要な接合面積の確保には円錐の開き角
を変えるだけでよく、原理的に同じ保持力特性と
温度応答性が得られるので設計が容易となり、適
用範囲が拡大する。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは本発明の原理を示す斜視図、第1図
Bはその断面図、第2図はナトリウムからフイン
への伝熱量とスリツト幅の関係を示すグラフ、第
3図は接合面積増加率と円錐頂部開き角との関係
を示すグラフ、第4図は残留磁力と円錐頂部開き
角との関係を示すグラフである。第5図は本発明
の一実施例の一部破断斜視図、第6図はその下部
鉄芯の構造説明図、第7図は温度応答性能の試験
結果を示すグラフである。第8図は原子炉停止機
構の概念図、第9図はその部分拡大図、第10図
は設計例の下部鉄芯構造図、第11図は設計例
の下部鉄芯構造図である。 30……下部鉄芯、32……温度感知磁性材、
34……外側鉄芯材、35……内側鉄芯材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 軸対称構造をとり互いに吸着−分離可能な上
    部鉄芯と下部鉄芯、及び上部鉄芯に巻装したコイ
    ルを具備し、下部鉄芯はフイン構造で且つその一
    部に鉄芯材より低いキユリー点をもつ温度感知磁
    性材を有し、環境温度の上昇時に上部鉄芯と下部
    鉄芯を分離して該下部鉄芯に連結されている制御
    棒の切り離しを行う電磁石において、温度感知磁
    性材は下部鉄芯の外周部下隅に組み込まれ、下部
    鉄芯の外周部での温度感知磁性材と鉄芯材との接
    合面は対称軸を中心とする円錐の側面形状をな
    し、その円錐の頂部開き角が60度以上120度以下
    の範囲にあることを特徴とする原子炉停止機構の
    電磁石。 2 下部鉄芯の外周部がフイン構造であり、フイ
    ンの肉厚の最も厚い部分が4mm以上8mm以下、フ
    イン間のスリツト幅が2mm以上4mm以下である請
    求項1記載の電磁石。
JP2216332A 1990-08-16 1990-08-16 原子炉停止機構の電磁石 Granted JPH0498805A (ja)

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FR9109885A FR2665974B1 (fr) 1990-08-16 1991-08-02 Electro-aimant pour systeme d'arret de reacteur nucleaire.
US07/740,616 US5114663A (en) 1990-08-16 1991-08-05 Electromagnet for nuclear reactor shutdown system

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