JPH0755980A - 原子炉停止装置 - Google Patents

原子炉停止装置

Info

Publication number
JPH0755980A
JPH0755980A JP5161667A JP16166793A JPH0755980A JP H0755980 A JPH0755980 A JP H0755980A JP 5161667 A JP5161667 A JP 5161667A JP 16166793 A JP16166793 A JP 16166793A JP H0755980 A JPH0755980 A JP H0755980A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control rod
temperature
bellows
extension
armature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5161667A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisato Matsumiya
壽人 松宮
Koji Matsumoto
浩二 松本
Katsumi Yamada
勝己 山田
Shigeo Kasai
重夫 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP5161667A priority Critical patent/JPH0755980A/ja
Publication of JPH0755980A publication Critical patent/JPH0755980A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】冷却材の温度上昇に対する応答性が優れ、熱伸
張量増加による安全裕度を拡大し、炉停止達成可能な原
子炉停止装置を提供する。 【構成】上部動作軸28の上端に可動アーマチュア33を設
け、この可動アーマチュア33を包囲して固定アーマチュ
ア34を設ける。可動および固定アーマチュア33,34の上
方の延長棒(図示せず)の下面に電磁石39を設ける。固
定アーマチュア34の外周面に内筒21と外筒22とからなる
二重円筒状感温部23を設け、内部に液体金属を収納す
る。下部動作軸29と内筒21との間に太径ベローズ41を設
け、また、上部動作軸28と固定アーマチュア34との間に
小径ベローズ35を設けてそれぞれ弾性的に支持する。通
常運転時には電磁石39と可動アーマチュア33が吸引して
制御棒10を支持し、異常時には温度上昇により電磁石39
と可動アーマチュア33のギャップが開き磁束が切れ、制
御棒10は落下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速増殖炉に設置される
原子炉停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高速増殖炉の炉心は図5に示すよ
うに多数の燃料集合体1,1と、この多数の燃料集合体
1,1の間に挿入される複数の制御棒10と、多数の燃料
集合体1,1の最外部を包囲するようにして設けられる
多数の遮蔽体(図示せず)によって形成されている。
【0003】燃料集合体1はラッパ管内に多数の燃料ピ
ン3を結束して収納し、ラッパ管の下端に設けたエント
ランスノズル4を炉心支持板5の開孔部に挿入すること
により炉心内の定位置に装荷される。
【0004】そして、炉心において炉心支持板5内の高
圧プレナム6から冷却材が燃料集合体1内にエントラン
スノズル4の冷却材流入口7を通して流入し、続いて燃
料ピン3の間を上昇し、上端の流出孔から流出して燃料
集合体1を除熱する。
【0005】原子炉停止装置2は炉心内の下部案内管8
と、炉心上方の上部案内管9と、下部案内管8内を上下
動する制御棒10と、この制御棒10を吊下する延長棒17に
掴み部18を介して接続する延長管11等とから構成されて
いる。
【0006】下部案内管8は下端に接続されているエン
トランスノズル12を炉心支持板5の開孔部に挿入して定
位置に設置される。このエントランスノズル12には高圧
プレナム6に連通する冷却材流入口13と、制御棒10の内
側に連通する連通孔14とが設けられている。
【0007】また、制御棒10は中性子吸収体を内蔵して
おり、炉心内への再挿入時には下端に設けた係合部15を
下部案内管8のダッシュポット16内に挿入して定位置に
載置される。制御棒10は上端から上方へ延出させた延長
棒17と、この延長棒17の上端部に形成した掴み部18によ
り延長棒11の下端部を掴むことによって延長管11に吊下
される。
【0008】この延長管11を制御棒駆動機構(図示せ
ず)によって上下動させることによって制御棒10を炉心
内に挿入したり、引き抜いたりする。この制御棒10の除
熱は高圧プレナム6からエントランスノズル12の冷却材
流入口13、連通孔14とを通って下部案内管8内を上昇す
る冷却材によって行われる。
【0009】また、延長棒17は図6に示したように延長
棒17の間を切断して二分割し、この分割した延長棒17,
17間の中央部にばね19を取り付け、このばね19の外側に
長尺のベローズ20を設け、このベローズ20の外側を包囲
して内筒21および外筒22からなる二重円筒状感温部23を
設け、この感温部23内およびベローズ20内に液体金属を
封入している。
【0010】内筒21と外筒22との上下両端間にはそれぞ
れ環状封止部材24,25が介在され液密に閉塞されてい
る。内筒21の上端は上部の延長棒17に接続し、その上方
の延長棒17には内筒21と連通する連通孔26が設けられて
いる。ベローズ20の両端には支持部材27,27が設けら
れ、支持部材27,27はそれぞれ上部と下部の延長棒17,
17に固定されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】通常の運転時には延長
管11の上下動作により制御棒10の炉心内への挿入度を調
整して炉出力を調整する。また、炉出力が異常に上昇し
たり、冷却材が減少する等の異常が生じると、制御棒10
を炉心内に緊急挿入させて炉を停止させるスクラム動作
が行われる。
【0012】一方、高層増殖炉においては緊急時に何ら
かの原因で延長管11が下降できなくなって制御棒10を炉
心内に挿入できないというスクラム失敗の場合を想定
し、このスクラム失敗時にも炉心の反応度を臨界よりも
低く抑える必要がある。これはスクラム失敗が起きる
と、原子炉出力が過剰に増大して冷却材温度が上昇し、
ひいては炉心損傷事故が生じる可能性があるからであ
る。
【0013】図7に示すようにスクラム失敗時には炉心
内においてはドップラ効果および冷却材密度効果によっ
て反応度が0の臨界よりも高い同図中線aの正の反応度
が発生する。
【0014】しかし、従来の熱膨張式原子炉停止装置に
おいては、延長管11および延長棒17が事故による冷却材
温度上昇に伴って軸方向に膨張し、制御棒10を炉心内に
挿入し、同図中線bの負の反応度が発生する。
【0015】そして、従来はこれらの正,負の反応度を
重ね合わせた全反応度を同図中線cのように臨界より低
い負の正の反応度領域に保持して、原子炉の安全性を確
保している。なお、図中線dは燃料の軸伸びによる負の
反応度、線eは燃料の径方向膨張による負の反応度を示
している。
【0016】従来の熱膨張式原子炉停止装置において
は、原子炉異常時スクラム失敗事象の冷却材温度上昇に
感応し、感温部の液体金属が熱膨張し、負の反応度効果
によって原子炉の安全性を高めているが、更に十分な安
全余裕を確保することの観点から以下の課題がある。
【0017】(1) 感温部の液体金属が昇温されるまでに
時間を要し、制御棒膨張による負の反応度効果が十分即
効的に得られない。 (2) 十分な安全裕度確保の観点から更に負の反応度効果
を得ることが重要であり、熱伸張量を増大することが要
望されている。 (3) 熱伸張機構は炉停止に十分な時間余裕を確保する観
点から優れた受動的安全性を有するが、炉停止達成には
十分な能力を有しない。このため更に高度な安全機能を
付加するために炉停止能力を持つことが重要である。
【0018】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、冷却材の温度上昇に対する応答性が優れ、熱
伸張量増加による安全裕度を拡大し、炉停止達成可能な
原子炉停止装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は炉心に設置され
た案内管内を昇降自在に収納される制御棒と、この制御
棒の上端から上方へ延出された延長棒と、この延長棒の
上部に設けた掴み部と係合して制御棒を吊下する延長管
を有する原子炉停止装置において、第1の発明は延長棒
を分割した上部動作軸と下部動作軸との間に伸縮自在の
ばねを設け、このばねの伸縮と連動するベローズを設
け、このベローズとばねの外側を包囲して二重円筒状の
感温部を設け、この感温部とベローズ内を連通させ、そ
の内部に液体金属を封入し、前記上部動作軸の上方の延
長棒下端に電磁石を設け、この電磁石に吸着し前記上部
動作軸を吊下する可動アーマチュアを設けるとともに可
動アーマチュアを包囲して固定アーマチュアを設けてな
ることを特徴とする。
【0020】第2の発明は前記延長棒を分割した動作軸
にベローズを設け、このベローズの外側を包囲して二重
円筒状感温部を設け、この感温部内とベローズ内を連通
させ、それらの内部に液体金属を封入し、この封入した
液体金属の飽和蒸気圧と前記動作軸の断面を適した条件
に保持して制御棒の保持に必要なばねを排除したことを
特徴とする。
【0021】第3の発明は前記延長棒を上下部の動作軸
に二分割し、前記下部動作軸の上端にピストンを設け、
このピストンおよび前記下部動作軸を包囲して二重円筒
状感温部を設け、この感温部内と前記ピストンと上部動
作軸との間に形成される伸張部空間を連通し、前記感温
部内および伸張部空間内に液体金属を封入し、かつ、前
記ピストンと前記感温部内面との間にパッキンを介在
し、しかも液体金属の所定温度での蒸気圧Ps と、前記
ピストンの断面積Aと、前記ピストンに加わる制御棒の
流体中での重量をWおよび前記ピストンの下面に加わる
圧力をP0 とし、定格運転時においてPs /(P0 −W
/A)<1と、所定温度でPs /(P0 −W/A)≧1
となるように設定することを特徴とする。
【0022】第4の発明は前記可動アーマチュアと、こ
の可動アーマチュアに吸着する電磁石との間に熱膨張部
材またはバイメタル部材を設けたことを特徴とする。
【0023】
【作用】第1の発明において、通常運転時には電磁石と
可動アーマチュアが吸着して制御棒は保持されている。
炉心損傷事象の起因事象となる可能性がある極低頻度事
象のスクラム失敗事象に対して本発明は以下の作用によ
り炉心損傷を防止する。
【0024】外部電源喪失などの異常時に、万一スクラ
ムに失敗した場合、炉出力と流量の不整合により冷却材
温度上昇が生じる。この時、動作軸、延長管周囲の冷却
材温度も上昇するため、感温部内の液体金属の温度が上
昇し、熱膨張が生じ、この熱膨張により感温部および延
長棒と動作軸の間の伸張部空間の内部圧力が上昇する。
この圧力によってばねが伸張し、ベローズが収縮し、制
御棒は下方に押し下げられるため、炉心に負の反応度が
投入され、炉出力が低下する。
【0025】その後、更に冷却材温度が上昇し続けると
可動アーマチュアを押し下げる力が働く。これによって
可動アーマチュアと電磁石との吸着面が解離し、保持力
を失った制御棒は自由落下する。この結果、炉心に大き
な負の反応度が挿入され、炉出力が急速に低下し、冷却
材が沸騰することなく炉停止が達成される。
【0026】第2の発明において、通常運転時には感温
部と延長軸と動作軸の間の伸張部空間に密封封入されて
いる液体金属の飽和蒸気圧と制御棒の重量とが釣り合っ
て、制御棒は保持されている。極低頻度事象のスクラム
失敗事象に対し、本発明は以下の作用により、炉心損傷
を防止する。
【0027】外部電源喪失などの異常時に、万一スクラ
ムに失敗した場合、炉出力と流量の不整合により冷却材
温度上昇が生じる。この時、動作軸、延長棒の周囲の冷
却材温度も上昇するため、感温部内の液体金属の温度が
上昇し、内部の液体金属が沸騰する。
【0028】沸騰によって、感温部および延長棒と動作
軸の間の伸張部空間の内部圧力が上昇し、この圧力によ
って、ベローズが収縮し、制御棒は下方に押し下げられ
るため、炉心に負の反応度が投入され、炉出力が低下す
る。
【0029】第2の発明では制御棒スプリングが不用と
なるため、動作時の熱膨張圧力を低くすることができ、
構成部品に負担がかからず、更に液体の熱膨張による伸
張に対し、相変化による大きな熱膨張が期待できる。
【0030】第3の発明において、通常運転時には感温
部と伸張部空間内に密封されている液体金属の飽和蒸気
圧と制御棒の重量が釣り合って、制御棒は保持されてい
る。極低頻度事象のスクラム失敗事象に対し、本発明は
以下の作用により、炉心損傷を防止する。
【0031】外部電源喪失などの異常時に、万一スクラ
ムに失敗した場合、炉出力と流量の不整合により冷却材
温度上昇が生じる。この時、動作軸、延長棒の周囲の冷
却材温度も上昇するため、感温部内の液体金属の温度が
上昇し、内部の液体金属が沸騰する。
【0032】沸騰によって感温部および伸張部空間内の
圧力が上昇し、この圧力によりピストンは下方に押し下
げられ、制御棒は炉心内に挿入される。このため炉心に
負の反応度が投入され、炉出力が低下する。
【0033】その後、更に冷却材温度が上昇し続ける
と、制御棒は延長棒から切り放され保持力を失った制御
棒は自由落下する。この結果、炉心に大きな負の反応度
が挿入され、炉出力は急速に低下し、冷却材が沸騰する
ことなく炉停止が達成される。
【0034】第4の発明においては温度が上昇するとバ
イメタル部材の変形によりアーマチュアと電磁石との間
に間隙が生じ切り離され、制御棒は落下する。極低頻度
事象のスクラム失敗事象に対し、本発明は以下の作用に
より、炉心損傷を防止する。
【0035】外部電源喪失などの異常時に、万一スクラ
ムに失敗した場合、炉出力と流量の不整合により冷却材
温度上昇が生じる。この時、動作軸、延長棒の周囲の冷
却材温度も上昇する。このため、バイメタル部材の低熱
膨張部材と熱膨張部材共に温度が上昇するが、熱膨張差
の違いによりバイメタル部材は延長棒の接着位置を支点
に外側に湾曲する。
【0036】この湾曲によって制御棒を吊下する掴み部
材が開き制御棒は自由落下し、制御棒は炉心内に挿入さ
れる。このため炉心に負の反応度が投入され、炉出力が
急速に低下し、冷却材が沸騰することなく炉停止が達成
される。
【0037】
【実施例】図1および図2により本発明に係る原子炉停
止装置の第1の実施例を説明する。なお、図2は図1に
おいて制御棒10が電磁石から切り離されて落下した状態
を示している。
【0038】すなわち、図1中符号28は上部動作軸で、
29は下部動作軸を示しており、これらの上下部動作軸2
8,29は図5における延長棒17の一部を分割したもの
で、図6における延長棒17,17に相当するものである。
【0039】上部動作軸28の下端には爪部30が設けられ
ており、上部動作軸28の下部は下部動作軸29の上端部に
設けられたスライド部31内に挿入され、スライド部31の
爪部32に上記爪部30が引掛かることによって上部動作軸
28と下部動作軸29は連結されている。
【0040】上部動作軸28の上部には可動アーマチュア
33が接続され、この可動アーマチュア33を包囲して固定
アーマチュア34が設けられている。固定アーマチュア34
と上部動作軸28との間には小径ベローズ35が設けられて
封止されている。
【0041】固定アーマチュア34の上面には環状溝36が
設けられ、この環状溝36内にばね37が嵌め込まれてい
る。固定アーマチュア34の下部外側面には内筒21および
外筒22からなる二重円筒状感温部23が設けられている。
【0042】内筒21と外筒22との間の上端部には封止部
材24が設けられ、また、下端部は封止されている。固定
アーマチュア34の下端部と内筒21の上部とを連通する連
通孔26が形成されている。
【0043】固定アーマチュア34の上部内に可動アーマ
チュア33が嵌め込まれたようにして上部動作軸28が固定
アーマチュア34の中央部を貫通する貫通孔38内を挿通し
ている。可動アーマチュア33および固定アーマチュア34
の上端面に電磁石39が設けられている。この電磁石39は
図示してない延長棒の下面に取り付けられている。
【0044】下部動作軸29の下端には制御棒10が接続さ
れ、下部動作軸29の爪部32と内筒21の下端には環状支持
板40を介して太径ベローズ41が設けられている。可動ア
ーマチュア33および上部動作軸28が下降することによっ
て爪部30はスライド部31内を下降してスライド部31の底
面に達し下部動作軸29を押し下げ制御棒10は炉心内に挿
入する下向きの力が与えられる。
【0045】なお、図1中、符号50はバイメタル部材を
示しており、このバイメタル部材50についてはこの第1
の実施例では直接関係しないが、後述する第4の実施例
で詳述する。
【0046】次に上記第1の実施例の作用を説明する。
万一、スクラム失敗事象が生じた場合、炉内の冷却材の
温度が上昇し、これに伴って感温部23内および小径ベロ
ーズ35と太径ベローズ41との間に形成される伸張部空間
42内に収納された液体金属の温度も上昇する。
【0047】感温部23の液体金属の熱膨張によって上下
部動作軸28,29は下向きの力を得て制御棒10は炉心に挿
入される。その後、更に冷却材の温度が上昇すると感温
部23の液体金属の熱膨張によって上部動作軸28の爪部30
と下部動作軸29の爪部32とが接触して可動アーマチュア
33は下がり、ばね37は収縮し、小径ベローズ35も収縮す
る。
【0048】この結果、図2に示したように可動アーマ
チュア33は電磁石39から切り離され、保持力が失われ、
制御棒10は延長棒(図示せず)から離れ自由落下する。
この落下により炉出力は急速に低下し、原子炉は停止す
る。
【0049】次に図3により本発明の第2の実施例を説
明する。図3中、図1と同一部分は同一符号を付して重
複する部分の説明は省略する。延長棒の一部に取り付け
られる固定アーマチュア34の下部に二重円筒状感温部23
が取り付けられており、制御棒10を接続した下部動作軸
29は内筒21の内面と太径ベローズ41により接続してい
る。
【0050】太径ベローズ41の下端は環状支持板40によ
り内筒21の下部内面に接続している。感温部23と下部動
作軸29と延長棒つまり固定アーマチュア34との間の伸張
部空間42とは連通孔26によって連通しており、その内部
には液体金属が封入している。
【0051】しかして、上記第2の実施例によれば、通
常の運転状態では液体金属の飽和蒸気圧と制御棒10の重
量がバランスしている。万一、スクラム失敗事象が生じ
た場合、冷却材の温度が上昇し、感温部23が昇温され、
引き続いて感温部23内の液体金属の温度も上昇する。感
温部23の液体金属が沸騰し、熱膨張によって下部動作軸
29は下向きの力を得て、太径ベローズ41は収縮し、制御
棒10は炉心に挿入される。
【0052】次に図4により本発明の第3の実施例を説
明する。図4に示すように、延長棒の一部に取り付けら
れる固定アーマチュア34の外側に二重円筒状感温部23が
取り付けられる。下部動作軸29の下部には制御棒10が接
続し、上部にはピストン45が接続しており、ピストン45
の外面と感温部23との間にはパッキン43が介在されてい
る。
【0053】感温部23内とピストン45と固定アーマチュ
ア34との間に形成された伸張部空間42とは連通孔26で連
通している。感温部23内と伸張部空間42内には液体金属
が封入されている。
【0054】しかして、上記第3の実施例によれば通常
運転状態では、液体金属の飽和蒸気圧と制御棒10の重量
(W)がバランスしている。万一スクラム失敗事象が生
じた場合、冷却材温度が上昇し、感温部23が昇温され、
引き続いて感温部23内の液体金属の温度も上昇する。
【0055】感温部23の液体金属が沸騰し、熱膨張によ
って下部動作軸29は下向きの力を得て、制御棒10は炉心
に挿入される。更に冷却材温度が上昇した場合、制御棒
10は延長棒から離れて落下し、負の反応度が投入され、
原子炉は停止する。ここで、パッキン43を介在した理由
はシール性を高めて液体金属の漏洩を防止するとともに
ピストン45の動作を確実にすることにある。
【0056】本実施例では制御棒10への力のつり合い式
は次のとおりである。 P+ρh=P0 −W/A (ただし、P:内圧,W:自重,P0 :外圧,h:液体
金属の高さ,ρ:密度,A:ピストンの断面積)。故
に、P=P0 −W/A−ρhとなる。
【0057】ここで、感温液体金属の蒸気圧をPs とす
ると、P>Ps では、ピストン45は押し上げられ保持
される。P=Ps で、ピストン45は落下する。h=0
で設定すると、落下条件は、P=P0 −W/Aとなり、
故に外圧と制御棒の吊り合いで決まる。
【0058】本実施例では、定格運転時において、Ps
/(P0 −W/A)<1と、所定温度でPs /(P0
W/A)≧1となるように設定することが必要である。
【0059】次に前述した図1により本発明の第4の実
施例を説明する。第4の実施例が第1の実施例と異なる
点は、可動アーマチュア33と電磁石39との間にバイメタ
ル部材50を設け、可動アーマチュア33の下部に上部動作
軸28を接続し、この先端に掴み部を取り付ける。この掴
み部は下部動作軸29を掴み、制御棒10を保持したことに
ある。
【0060】第4の実施例によれば、温度が上昇する
と、バイメタル部材50の変形により可動アーマチュア33
と電磁石39との間に間隙が生じ、切り離され落下する。
異常事象時に万一スクラムに失敗した場合、冷却材温度
上昇が生じる。この時、動作軸、延長棒の周囲の冷却材
温度も上昇する。
【0061】このため、バイメタル部材50の低熱膨張部
と熱膨張部共に温度が上昇する。熱膨張差の違いにより
バイメタル部材50は延長棒の接着位置を支点に外側に湾
曲する。
【0062】この湾曲によって制御棒10を吊下する掴み
部材が開き制御棒は自由落下し、制御棒は炉心内に挿入
される。このため炉心に負の反応度が投入され、炉出力
が急速に低下する。この結果、冷却材が沸騰することな
く炉停止が達成される。
【0063】
【発明の効果】第1の発明によれば、事故時の冷却材温
度上昇を利用して制御棒を炉心内へ挿入し、更に落下す
ることにより、従来より大きな負の反応度挿入が可能と
なり、よってスクラム失敗事故が万一生じても炉出力を
自動的に減衰させ、原子炉の固有の安全性を高くするこ
とができる。
【0064】第2の発明によれば、事故時の冷却材温度
上昇を利用して制御棒を炉心内へ挿入し、従来より大き
な負の反応度挿入が可能となり、かつスプリングが不用
なため感温部等に圧力がかからず、従来より機器の信頼
性が増す。よってスクラム失敗事故が万一生じても炉出
力を自動的に減衰させ、原子炉の固有の安全性を高くす
ることができる。
【0065】第3の発明によれば、事故時の冷却材温度
上昇を利用して制御棒を炉心内へ挿入し、従来より大き
な負の反応度挿入が可能となり、かつスプリングが不用
なため感温部等に圧力がかからず、従来より機器の信頼
性が増す。
【0066】また、ベローズが不用であるため、設計裕
度が増し、伸張量を大きくすることが可能である。更
に、最終的には制御棒が落下するため早期に炉停止す
る。よってスクラム失敗事故が万一生じても炉出力を自
動的に減衰させ、原子炉の固有の安全性を高くすること
ができる。
【0067】事故時の冷却材温度上昇を利用して制御棒
を炉心内へ挿入し、従来より大きな負の反応度挿入が可
能となり、かつスプリングが不用なため感温部等に圧力
が加わらず、従来より機器の信頼性が増す。
【0068】また、ベローズが不用であるため、設計裕
度が増し、伸張量を大きくすることが可能である。よっ
てスクラム失敗事故が万一生じても炉出力を自動的に減
衰させ、原子炉の固有の安全性を高くすることができ
る。
【0069】第4の発明によれば、事故時の冷却材温度
上昇を利用して制御棒を炉心内へ落下挿入し、従来より
大きな負の反応度挿入が可能となる。よってスクラム失
敗事故が万一生じても炉出力を自動的に減衰させ、原子
炉の固有の安全性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉停止装置の第1の実施例を
示す構成図。
【図2】図1において制御棒の落下時の状態を示す構成
図。
【図3】本発明に係る原子炉停止装置の第2の実施例を
示す構成図。
【図4】本発明に係る原子炉停止装置の第3の実施例を
示す構成図。
【図5】従来の高速増殖炉における原子炉停止装置を示
す縦断面図。
【図6】図5における延長棒17の部分を拡大して示す縦
断面図。
【図7】図5における反応度と事故時間との関係を示す
特性図。
【符号の説明】
1…燃料集合体、2…原子炉停止装置、3…燃料ピン、
4…エントランスノズル、5…炉心支持板、6…高圧プ
レナム、7…冷却材流入口、8…下部案内管、9…上部
案内管、10…制御棒、11…延長管、12…エントランスノ
ズル、13…冷却材流入口、14…連通孔、15…係合部、16
…ダッシュポット、17…延長棒、18…掴み部、19…ば
ね、20…ベローズ、21…内筒、22…外筒、23…感温部、
24,25…封止部材、26…連通孔、27…支持部材、28…上
部動作軸、29…下部動作軸、30,32…爪部、31…スライ
ド部、33…可動アーマチュア、34…固定アーマチュア、
35…小径ベローズ、36…環状溝、37…ばね、38…貫通
孔、39…電磁石、40…環状支持板、41…太径ベローズ、
42…伸張部空間、43…パッキン、44…ストッパ、45…ピ
ストン、50…バイメタル部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠井 重夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心に設置された案内管内を昇降自在に
    収納される制御棒と、この制御棒の上端から上方へ延出
    された延長棒と、この延長棒に設けた掴み部と係合して
    前記制御棒を吊下する延長管と、前記延長棒の一部を分
    割しその分割部に介在したばねと、このばねの伸縮と連
    動するベローズと、このベローズまたは前記ばねの外側
    を包囲した二重円筒状感温部と、この感温部内および前
    記ベローズ内に封入した液体金属と、前記ベローズ内お
    よび前記感温部内を連通している伸張部空間とを有する
    原子炉停止装置において、前記延長棒の下部を分割して
    上部動作軸および下部動作軸とし、前記上部動作軸に可
    動アーマチュアを設け、この可動アーマチュアと吸着す
    る電磁石を前記延長棒の下端に設けるとともに前記可動
    アーマチュアを包囲して固定アーマチュアを設けてなる
    ことを特徴とする原子炉停止装置。
  2. 【請求項2】 前記下部動作軸にベローズを設け、この
    ベローズの外側を包囲した二重円筒状感温部を設け、こ
    の感温部内および前記ベローズ内に液体金属を封入した
    ことを特徴とする請求項1記載の原子炉停止装置。
  3. 【請求項3】 前記下部動作軸の上端にピストンを設
    け、この下部動作軸およびピストンの外側を二重円筒状
    感温部で包囲し、前記感温部内および前記ピストンと前
    記上部動作軸との間に形成される伸張部空間内に液体金
    属を封入し、前記伸張部空間と前記感温部内を連通する
    連通孔を有し、前記液体金属の所定温度での蒸気圧Ps
    と、前記ピストンの断面積Aと、前記ピストンに加わる
    制御棒の流体中での重量をWおよび前記ピストンの下面
    に加わる圧力をP0 とし、定格運転時においてPs
    (P0 −W/A)<1と、所定温度でPs /(P0 −W
    /A)≧1となるように設定することを特徴とする請求
    項1記載の原子炉停止装置。
  4. 【請求項4】 前記可動アーマチュアと、この可動アー
    マチュアに吸着する電磁石との間に熱膨張部材またはバ
    イメタル部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の
    原子炉停止装置。
JP5161667A 1993-06-30 1993-06-30 原子炉停止装置 Pending JPH0755980A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5161667A JPH0755980A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 原子炉停止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5161667A JPH0755980A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 原子炉停止装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0755980A true JPH0755980A (ja) 1995-03-03

Family

ID=15739552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5161667A Pending JPH0755980A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 原子炉停止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0755980A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103077753A (zh) * 2013-01-28 2013-05-01 华北电力大学 一种基于温升热膨胀系数突变的热敏材料的非能动停堆装置
CN107818829A (zh) * 2017-11-23 2018-03-20 大连理工大学 一种核电站安全壳抗爆泄压系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103077753A (zh) * 2013-01-28 2013-05-01 华北电力大学 一种基于温升热膨胀系数突变的热敏材料的非能动停堆装置
CN103077753B (zh) * 2013-01-28 2015-06-24 华北电力大学 一种基于温升热膨胀系数突变的热敏材料的非能动停堆装置
CN107818829A (zh) * 2017-11-23 2018-03-20 大连理工大学 一种核电站安全壳抗爆泄压系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4187145A (en) Hydraulic latch scram release mechanism
US4204909A (en) Temperature sensitive self-actuated scram mechanism
US4019954A (en) Safety device for a nuclear reactor and especially a fast reactor
JPH0755980A (ja) 原子炉停止装置
US4769208A (en) Automatic safety rod for reactors
US4138320A (en) Fluidic self-actuating control assembly
US4333798A (en) Sleeve connection for reconstitutable control rod guide tube
US4734252A (en) Nuclear reactor shutdown control rod assembly
JP2723295B2 (ja) 制御棒集合体
JP2807375B2 (ja) 制御棒集合体
JPH06242277A (ja) 制御棒集合体
JP3874309B2 (ja) 高速炉用自己作動型出力制御装置
JPS639892A (ja) 制御棒駆動装置
US4770845A (en) Self-actuating reactor shutdown system
JPH05323081A (ja) 制御棒集合体
JP3132917B2 (ja) 制御棒軸伸長機構
JPH05215883A (ja) 制御棒集合体
JPH05302989A (ja) 原子炉停止装置
JP2869106B2 (ja) 高速増殖炉の原子炉停止装置
JPH04254794A (ja) 制御棒集合体
JPH0943379A (ja) 原子炉停止装置
JPS61230084A (ja) 原子炉の制御棒装置
RU2541515C1 (ru) Устройство пассивной защиты ядерного реактора на быстрых нейтронах
JP3411654B2 (ja) 主蒸気逃し安全弁装置
JPH04110696A (ja) 制御棒集合体