JP2807375B2 - 制御棒集合体 - Google Patents

制御棒集合体

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JP2807375B2
JP2807375B2 JP4115099A JP11509992A JP2807375B2 JP 2807375 B2 JP2807375 B2 JP 2807375B2 JP 4115099 A JP4115099 A JP 4115099A JP 11509992 A JP11509992 A JP 11509992A JP 2807375 B2 JP2807375 B2 JP 2807375B2
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茂 足立
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速増殖炉の出力制御を
行なう制御棒集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高速増殖炉の炉心は図3に示す
ように多数の燃料集合体1と、燃料集合体1の間に挿入
される複数の制御棒集合体2と、燃料集合体1の最外部
を包囲するようにして設けられる多数の遮蔽体(図示せ
ず)によって形成されている。
【0003】燃料集合体1は内部に多数の燃料ピン3を
内装してあり、下端に設けたエントランスノズル4を炉
心支持板5の開孔部に挿入することにより定位置に設置
される。そして、炉心支持板5内の高圧プレナム6から
冷却材がエントランスノズル4の冷却材流入口7を通し
て流入し、続いて燃料ピン3の間を上昇し、燃料集合体
1を除熱する。
【0004】制御棒集合体2は下部案内管8と、上部案
内管9と、制御棒本体10と、これを吊下する延長管11と
により形成されている。下部案内管8は下端に形成され
ているエントランスノズル12を炉心支持板5の開孔部に
挿入して定位置に設置される。このエントランスノズル
12には高圧プレナム6に連通する冷却材流入口13と、制
御棒本体10の内在する内側に連通する連通孔14とが設け
られている。また、制御棒本体10は内部に中性子吸収体
を内蔵し、再挿入時には下端の係合部15を下部案内管8
のダッシュポット16内に挿入して定位される。制御棒本
体10は上端から上方へ延出させた延長棒17の上端部に形
成した掴み部18により延長管11の下端部を掴むことによ
ってその延長管11に吊下される。この延長管11を制御棒
駆動機構(図示せず)によって上下動させることによっ
て制御棒本体10を炉心内に挿入したり、引抜いたりす
る。この制御棒本体10の除熱は高圧プレナム6からエン
トランスノズル12の冷却材流入口13、連通孔14とを通っ
て下部案内管8内を上昇する冷却材によって行なわれ
る。また、前記延長管11又は延長棒17の一部にばね(図
示せず)を介在し、このばねの内側または外側にベロー
ズを設け、このベローズまたは前記ばねの外側を包囲し
て二重円筒状感温部材を設け、この感温部材内およびベ
ローズ内に液体金属を封入している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常の運転時には延長
管11の上下動作により制御棒本体10の炉心内への挿入度
を調整して炉出力を調整する
【0006】また、炉出力が異常に上昇したり、冷却材
が減少する等の異常が生じると、制御棒本体10を炉心内
に緊急挿入させて炉を停止させるスクラム動作が行なわ
れる。
【0007】一方、高速増殖炉においては緊急時に何ら
かの原因で延長管11が下降できなくなって制御棒本体10
を炉心内に挿入できないというスクラム失敗の場合を想
定し、このスクラム失敗時にも炉心の反応度を臨界より
も低く抑える必要がある。これはスクラム失敗が起きる
と、原子炉出力が過剰に増大して冷却材温度が上昇し、
ひいては炉心損傷事故が生じる可能性があるからであ
る。
【0008】図4に示すようにスクラム失敗時には炉心
内においてはドップラ効果および冷却材密度効果によっ
て制御棒反応度が0の臨界よりも高い同図中線aの正の
反応度が発生する。しかし、従来の制御棒集合体におい
ては、延長管11および延長棒17が事故による冷却材温度
上昇に伴って軸方向に膨張し、制御棒本体10を炉心内に
挿入し、同図中線bの負の反応度が発生する。そして、
従来はこれらの正、負の反応度を重ね合わせた全反応度
を同図中線cのように臨界より低い負の反応度領域に保
持して、原子炉の安全性を確保している。
【0009】従来の制御棒集合体においては原子炉の起
動・停止時に軸方向に膨張、収縮し、更に事故時も考慮
すると全膨張量は膨大となる。その膨張量はばねの復元
力を生じせしめ、その復元力はベローズ内圧とバランス
する。このような圧力はベローズの健全性を確保する上
で非常な困難を招く。その結果通常の起動停止でベロー
ズに不具合が生ずるおそれがあり、事故時に作動しない
おそれがあるという課題がった。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、冷却材の温度上昇に対する応答性がすぐれ、
通常運転時の温度変化に対する炉心挿入量の変化を抑え
ることができる制御棒集合体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、高速増殖炉の炉心に設置された案
内管内昇降自在に収納される制御棒本体と、この制御棒
本体の上端から上方へ延出された延長棒と、この延長棒
の上部に設けた掴み部と係合して制御棒本体を吊下する
延長管とから成る制御棒集合体において、前記延長管の
一部にばねを介在し、この内側または外側にベローズを
設け、このベローズまたは前記ばねの外側を包囲して二
重円筒状感温部材を設け、この感温部材内および前記ベ
ローズ内に液体金属を封入し、この感温部材内と前記ベ
ローズ内を連通する連通孔を前記延長管内部に設け、こ
の連通孔から前記延長管内で分岐して前記感温部材外で
かつベローズ外の空間に連通する小孔を設け、この小孔
には前記高速増殖炉の定格運転時の前記液体金属温度以
上の温度で前記小孔を塞ぐように設定された蓋を設けた
ことを特徴とする制御棒集合体を提供する。
【0012】
【作用】本発明においては、ベローズおよびその周囲に
液体金属を封入した二重円筒状感温部材を設けている。
感温部材をベローズに比較して薄い材料で形成すれば液
体金属の温度に早く応答し、連結孔を通じてベローズ内
に液体金属が流入し膨張する。原子炉の通常起動時には
低温停止温度から定格運転時温度までの温度上昇に伴い
感温部材内及びベローズ内液体金属は膨張した分前記小
孔から感温部材外へ放出され、ベローズは伸びない。一
方、異常時には、例えば250 ℃/分というような急激な
温度変化が感温部材外の液体金属に生じると感温部材内
液体金属が温度上昇しながら熱膨張し、また前記蓋付小
孔の蓋はバイメタルにより小孔を塞ぎ、感温部材内の液
体金属が感温部材外へ放出されないため感温部材内およ
びベローズ内で膨張し、ベローズの膨張によって制御棒
が伸びる。したがって、液体金属冷却材の温度上昇に対
する応答性の向上と、通常起動,停止,運転時の温度変
化に対する炉心挿入量の変化を抑えることができる。
【0013】
【実施例】次に図1および図2を参照しながら本発明の
実施例を説明する。
【0014】この実施例は延長管11の途中にベローズ28
を設け、ベローズ28および延長管11を囲繞するような二
重円筒状の感温部材29を設け、ベローズ28の内部に延長
管11をつなぐばね30を設置したものである。図1におい
て、ベローズ28は支持板33に固定されている。
【0015】ベローズ28の近傍の詳細を図2によって説
明する。二重円筒状の感温部材30は液体金属32で満たさ
れ、上側の延長棒11に取り付けられている。ベローズ28
と感温部材29は連通孔31により連通されている。感温部
材29は下側の延長棒11とは摺動自在になっている。ばね
30は通常運転時には制御棒の自重分の伸びが発生してい
る。
【0016】また、感温部材29に結合されている延長棒
11に形成された連通孔31には外部と導通するよう小孔34
が形成されている。この小孔34には小孔34を閉塞できる
蓋35が先端に形成されたバイメタル36が設けられてい
る。この小孔34を介して感温部材内及びベローズ内液体
金属の感温部材外への放出、感温部材外からの吸引が可
能となる。この実施例の作用について説明する。
【0017】原子炉異常時に冷却材温度が上昇した場合
感温部材29のまわりの温度も上昇する。感温部材29は、
薄い円筒体であるため、その中の液体金属の温度もほと
んど時間遅れなく上昇する。感温部材29内の液体金属32
は温度が上昇しながら膨張し連通孔31、小孔34を介して
放出しようとするが、小孔の蓋35はバイメタル36の作用
により、定格運転時の液体金属温度近傍以上の温度で小
孔34を塞ぐように設定されているため、小孔34からの液
体金属の放出はなされず、ベローズ28内に進入する。こ
れにより、ベローズ28は伸びて制御棒を炉心内に挿入す
る。
【0018】また、通常起動時や通常停止時は定格運転
時温度以下にバイメタル35がなるため小孔34の蓋35は小
孔34を塞がないため、感温部材内およびベローズ内液体
金属は感温部材外へ放出又は感温部材外からの吸引がな
される。よって、ベローズは伸縮せず、制御棒の伸縮も
生じない。
【0019】一例として、円筒状感温部材29の軸方向長
さを800 mm、感温部材の内径を60mm、外径を80mm
とし、ベローズ28の直径を3.8 cmとすると感温部材の
断面積に対するベローズの断面積は約1.9 とすることが
できる。この場合、感温部材周囲の温度が250 ℃上昇す
ると応答遅れ1秒間以内で12cm以上のストロークが生
じる。この実施例により応答速度を損なわず、制御棒を
挿入できるため、原子炉の安全性を高めることができ
る。また、通常運転時の操作に悪影響を及ぼすことはな
い。
【0020】また別の実施例として、小孔34の蓋35は、
バイメタル36によって小孔34を塞ぐことで考えている
が、当該部の定格運転時の液体金属温度近傍の温度で作
用すればよいので、バイメタル36に代わって形状記憶合
金等を用いても同様の効果が期待できる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば事故時の冷却材温度上昇
を利用して制御棒本体を炉心内への周囲の温度上昇に対
する応答が早く、さらに従来より確実に挿入させること
ができ、これにより大きな負の制御棒反応度を炉心に与
えることができる。よってスクラム失敗事故が万一生じ
ても炉出力を自動的に減衰させ、かつ、長時間に亘って
未臨界状態を確保することができ、原子炉の固有の安全
性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御棒集合体の実施例を示す縦断
面図。
【図2】図1における記号Aの部分を拡大して示す部分
縦断面図。
【図3】従来の制御棒集合体を示す縦断面図。
【図4】図3における反応と事故時間との関係を示す特
性図。
【符号の説明】
1…燃料集合体 2…制御棒集合体 3…燃料ピン 4…エントランスノズル 5…炉心支持板 6…高圧プレナム 7…冷却材流入口 8…下部案内管 9…上部案内管 10…制御棒本体 11…延長管 12…エントランスノズル 13…冷却材流入口 14…連通孔 15…係合部 16…ダッシュポット 17…延長棒 18…掴み部 19…シリンダ 20…抜け止め部材 21…ピストン 22…環状係止部 23…凹部 24…作動棒 25…グリッパ 26…膨大部 27…フック部 28…ベローズ 29…感温部材 30…ばね 31…連通孔 32…液体金属 33…支持板 34…小孔 35…蓋 36…バイメタル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速増殖炉の炉心に設置された案内管内
    昇降自在に収納される制御棒本体と、この制御棒本体の
    上端から上方へ延出された延長棒と、この延長棒の上部
    に設けた掴み部と係合して制御棒本体を吊下する延長管
    とから成る制御棒集合体において、前記延長管の一部に
    ばねを介在し、この内側または外側にベローズを設け、
    このベローズまたは前記ばねの外側を包囲して二重円筒
    状感温部材を設け、この感温部材内および前記ベローズ
    内に液体金属を封入し、この感温部材内と前記ベローズ
    内を連通する連通孔を前記延長管内部に設け、この連通
    孔から前記延長管内で分岐して前記感温部材外でかつベ
    ローズ外の空間に連通する小孔を設け、この小孔には前
    記高速増殖炉の定格運転時の前記液体金属温度以上の温
    度で前記小孔を塞ぐように設定された蓋を設けたことを
    特徴とする制御棒集合体。
JP4115099A 1992-05-08 1992-05-08 制御棒集合体 Expired - Lifetime JP2807375B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS56142484A (en) * 1980-04-08 1981-11-06 Tokyo Shibaura Electric Co Nuclear reactor shutdown device
JPH04110696A (ja) * 1990-08-30 1992-04-13 Toshiba Corp 制御棒集合体

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