JPH0579286A - 管路布設工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】開削による管路の布設工法において、コストの
低減を図れ、作業性がよく、さらには人力作業が大幅に
軽減出来、しかも道路等の占有期間及び必要占有面積を
小さく抑える。 【構成】開削により管路を布設する工法において、予
め、開削しながら地上より、パイロットチェーン等５を
一定区間埋設した後、パイロットチェーン等５並びに掘
削溝２をガイドとして、バンド１８で結束連結した複数
本の小口径管路１又は単一の中口径管路１′を必要に応
じ管路１，１′先端に取り外し自在に被着した管路引込
み用治具８の外周端内側全域又は等間隔から滑剤βを注
出しつつ土中に引込むことにより、管路１，１′を布設
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、開削による管路の布設
工法、詳しくは、予め開削しながら地上より、チェーン
・ワイヤあるいは単管を一定区間埋設した後、チェーン
・ワイヤあるいは単管並びに、掘削溝跡をガイドとし
て、結束連結した複数本の小口径管路又は、単一の中口
径管路を土中に引き込むことにより、管路を布設する施
工作業に供される管路布設工法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図９は従来技術を説明するための図であ
る。同図において、１は複数本の小口径管路、１′は単
一の中口径管路、２は掘削溝、３は掘削機械、４は掘削
した周辺地山の崩壊を防止するための土留、αは工夫で
ある。従来より、開削により結束した複数本の小口径管
路１又は単一の中口径管路１′を布設する工法として、
まず、所定の深さまで掘削し、土留４を設置した後、前
記管路１，１′を地上より工夫αが複数人員掛りで掘削
溝２内に埋設し、その後埋戻しする作業が一般的に行な
われていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これは管路１を地上よ
り埋設するため、管路１，１′埋設のための作業溝幅が
必要で掘削溝２を広く要し、また、管単位長ごとの管路
埋設作業となり、掘削溝２の掘り置き時間が長く堅固な
土留４を要するため、管路１，１′埋設の能率が低いと
いう問題点があった。こゝにおいて、本発明は、コスト
の低減が図れ、作業性がよく、さらには人力作業が大幅
に軽減できる管路布設工法を提供せんとするものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明が次に列挙する新規な特徴的構成手法を採用すること
により達成される。即ち、本発明の第１の特徴は、開削
により管路を布設する工法において、予め、開削しなが
ら地上より、チェーン・ワイヤあるいは単管を一定区間
埋設した後、チェーン・ワイヤあるいは単管並びに、掘
削溝跡をガイドとして、結束連結した複数本の小口径管
路又は、単一の中口径管路を土中に引き込むことによ
り、管路を布設してなる管路布設工法である。

【０００５】本発明の第２の特徴は、前記第１の特徴に
おける結束連結した複数本の小口径管路又は単一の中口
径管路が、当該管路先端に取り外し自在に被着した管路
引込み用治具の外周端内側全域又は等間隔から滑剤を注
出しつつ土中に引き込んでなる管路布設工法である。

【０００６】

【作用】本発明は、前記のような手法を講じ、開削によ
り管路１，１′を布設する工法において、予め、開削し
ながら地上より、チェーン・ワイヤあるいは単管を一定
区間埋設した後、チェーン・ワイヤあるいは単管並び
に、掘削溝２跡をガイドとして、結束した複数本の小口
径管路１又は、単一の中口径管路１′を土中に引き込
み、管路１，１′を布設することにより、従来の地上か
ら管路１，１′を布設する工法に比べ、地上から管路
１，１′を布設する必要がなく予め、開削により埋設し
たチェーン・ワイヤあるいは単管並びに、掘削溝２跡を
ガイドとして、任意の時期にジャッキ等を用いて目的の
管路１，１′を土中に引き込むことで、管路を布設でき
る。

【０００７】

【実施例】本発明の施工例を図面について説明する。図
１は本施工例のパイロットチェーン等の埋設ステップを
示す断面図、図２は同・管路布設作業ステップを示す断
面図、図３は結束した小口径管路群の拡大端面図、図４
は単一の中口径管路の端面図、図５は小口径管路群先端
部に亙り被着した引込み治具の拡大縦断面図、図６は同
・拡大正面図、図７は本施工例の作業進捗フロー図、図
８は本施工例により管路の布設を完了したステップを示
す断面図である。

【０００８】図中、５は管路引込み用チェーン又はワイ
ヤ、単管等（以下、パイロットチェーン等）、６は管路
引込み用ピット、７は管路引込み用ピット６内に設置さ
れた管路引込み用ジャッキ、８はキャップ状管路引込み
用治具、９は管路結束連結用ピット、１０は滑剤注入装
置、１１は滑剤送給パイプ、１２は放射状分岐注出口、
１３，１４は引込み治具固定ボルトとナット、１５はパ
イロットチェーン等接続ロッド、βは滑剤である。な
お、図９に示す従来工法におけるものと同一のものは同
一符号を付した。

【０００９】こゝで、本施工例の作業手順を図７を参照
して説明する。まず、本施工例の初期工程としてのパイ
ロットチェーン等の埋設ステップＩにおいては、パイロ
ットチェーン等５を埋設しようとする路上Ｇに沿って掘
削機械３により例えば幅約２０〜４０ｃｍ、深さ約１ｍ
４０ｃｍの幅狭な掘削溝２を削成した後、路上Ｇよりパ
イロットチェーン等５を連続的に搬入布置し埋戻す工程
を順次繰り返しながら前進する。

【００１０】次いで、本施工例の中間工程としての管路
布設用立抗築造ステップIIにおいては、埋戻した掘削溝
２の始端と終端にそれぞれ管路引込み用ピット６と管路
結束連結用ピット９を構築し、管路引込み用ピット６内
に管路引込み用ジャッキ７を設置するとともにそれと電
気コード１６で接続した操作制御装置１７を管路引込み
用ピット６近傍の路上Ｇにセットする一方、管路結束連
結用ピット９近傍の路上Ｇにセットした滑剤注入装置１
０から滑剤送給パイプ１１の放射状分岐注出口１２を引
入れてスタンバイする。

【００１１】引続き、本施工例の最終工程としての管路
布設作業ステップIII においては、管路結束連結ピット
９内で滑剤送給パイプ１１を中心に通した先頭の小口径
管路１をバンド１８で結束し滑剤送給パイプ１１の放射
状分岐注出口１２を小径口管路１の先端に引出し、図５
乃至図６のように管路引込み用治具８を固定ボルト１３
とナット１４で小口径管路１先端に取り外し自在に被着
する。その後パイロットチェーン等５の終端を管路引込
み用治具８のパイロットチェーン等接続ロッド１５端に
適宜連結する一方、パイロットチェーン等５始端を管路
引込み用ジャッキ７に連結して操作制御装置１７を操作
することにより管路引込み用ジャッキ７と滑剤注入装置
１０を運転稼動する。

【００１２】そうすれば、先頭の小口径管路１はパイロ
ットチェーン等５に牽引され埋戻し土中に掘削溝２に案
内され引摺り込まれて行くが、その際滑剤送給パイプ１
１を通して滑剤βが管路引込み用治具８外周端内側の等
間隔に位置する放射状分岐注出口１２から一斉に滑剤β
を注出せしめ、小口径管路１の外周を包み土砂との摩擦
抵抗を大幅に減じ小さな牽引力で管路を布設することが
可能となる。

【００１３】先頭の小口径管路１が土中にある程度侵入
した時点で二番手の小口径管路１を中心に滑剤送給パイ
プ１１を包み込むように縛束バンド１８で結束するとと
もに先頭の小口径管路１尾端に二番手の小口径管路１先
端を適宜結合具１９で連結する。この結束連結作業を先
頭の小口径管路１が管路引込み用ピット６に到達するま
で繰り返し行なわれ、これと平行して管路引込み用ピッ
ト６内に手繰り込まれたパイロットチェーン等５は順次
管路引込み用ピット６外に撤去されて行く。先頭の小口
径管路１が管路引込み用ピット６内に到達と同時に図８
に示すよう管路１が布設され完了する。

【００１４】なお、パイロットチェーン等の埋設ステッ
プＩと管路布設用立抗築造ステップIIとは施工環境等の
施工条件によっては前後逆転しても良いし、管路布設用
立抗築造ステップIIと管路布設作業ステップIII は任意
の時期に実施することが出来るとともに土砂質が小口径
管路１の推力に対し摩擦抵抗力が比較的小さい場合には
滑剤注入装置１０と滑剤送給パイプ１１は省略可能であ
ることは言うまでもない。又、滑剤β注出には周方向等
間隔に開口する放射状分岐注出口１２に代えて周方向全
域に亙り開口延在する注出口を採用しても良い。さら
に、本施工例では小口径管路１を主に説明したが中口径
管路１′を用いて施工する場合も結束作業が省略される
だけで後は同様に行なわれる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、予め開
削により地上から、パイロットチェーン・ワイヤあるい
は単管を埋設した後、パイロットチェーン・ワイヤある
いは単管並びに、掘削溝をガイドとして管路引込み用ピ
ット内より引き込み用ジャッキで管路を引き込んで布設
するため、地上からの管路布設のための作業が不要な
上、パイロットチェーン・ワイヤあるいは単管が埋設で
きる２０〜４０ｃｍの幅でよいため掘削幅が狭くなり能
率も向上するので、大幅のコストダウンが可能となる。

【００１６】それに、本工法はチェーン・ワイヤあるい
は単管を埋設しておくことにより、都合の良い時期又
は、管路を必要とする時期に管布設作業に取りかかるこ
とにより、目的の管路を布設することができる。しか
も、管路の結束・連結作業をピット内の同一箇所ででき
るため、これらの作業はクレーン等を用いた機械化によ
り、人力による作業が大幅に減少するとともに、作業能
率が大幅に向上する。また、管単位長ごとの掘削の必要
がなく、任意な単位長での布設ができるため、掘削溝の
掘り置き時間が短く、簡易な土留で施工が可能となり、
人力による作業を大幅に減少することができることか
ら、作業能率が大幅に向上する。

【００１７】さらには、本工法は開削によりガイドを埋
設し、それを引き込み目的の管路を布設するため、地下
埋設物の多い場所での施工や転石・玉石の多い場所も容
易に施工でき、また、引き込み用治具に付けた注出口か
ら土砂の間に滑剤を注入するため、土砂との摩擦抵抗が
大幅に減じ小さな力で管路を布設することができ、長距
離、曲線の管路布設に対しても十分適用できる。加え
て、パイロットチェーン・ワイヤあるいは単管を埋設後
に、道路等地表は埋め戻せるから、道路等の占有の期間
及び必要占有面積を小さく抑えることができる等優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の施工例において、パイロットチェーン
等を開削により掘削した掘削溝に地上より、順次埋設し
ている状態を示す断面図である。

【図２】同上、埋設されたパイロットチェーン等を引き
込み用ジャッキで土中に引き込みながら複数本の小口径
管路又は単１の中口径管路を布設している状態を示す断
面図である。

【図３】同上で用いる複数本の小口径管路をバンドによ
り結束した状況を示す端面図である。

【図４】同上で用いる単一の中口径管路の端面図であ
る。

【図５】同上で用いる管路の先端部に被着固定された引
き込み治具の拡大縦断面図である。

【図６】同上で用いる同拡大正面図である。

【図７】同上、作業進捗フロー図である。

【図８】同上により、地中において管路の布設が完了し
た状態を示す断面図である。

【図９】従来工法で管路を埋設している状態を示す断面
図である。

【符号の説明】

１…小口径管路 １′…中口径管路 ２…掘削溝 ３…掘削機械 ４…土留 ５…パイロットチェーン等 ６…管路引込み用ピット ７…管路引込み用ジャッキ ８…管路引込み用治具 ９…管路結束連結用ピット １０…滑剤注入装置 １１…滑剤送給パイプ １２…放射状分岐注出口 １３…引込み治具固定ボルト １４…引込み治具固定ナット １５…パイロットチェーン等接続ロッド １６…電気コード １７…操作制御装置 １８…バンド １９…結合具 α…工夫 β…滑剤 Ｇ…路上

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開削により管路を布設する工法において、
   予め、開削しながら地上より、チェーン・ワイヤあるい
   は単管を一定区間埋設した後、チェーン・ワイヤあるい
   は単管並びに、掘削溝跡をガイドとして、結束連結した
   複数本の小口径管路又は、単一の中口径管路を土中に引
   き込むことにより、管路を布設することを特徴とする管
   路布設工法
2. 【請求項２】結束連結した複数本の小口径管路又は単一
   の中口径管路は、当該管路先端に取り外し自在に被着し
   た管路引込み用治具の外周端内側全域又は等間隔から滑
   剤を注出しつつ土中に引き込むことを特徴とする請求項
   １記載の管路布設工法