JP2009060710A - 地中ケーブルの移設工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルの切り替え,管路の新設,マンホールの新構築を無くし、移設工期を従来よりも短くする地中ケーブルの移設工法を提供することである。
【解決手段】移設区間を掘削して管路を露出させ(ステップS1)、露出させた管路を吊り上げておき(ステップS2)、目的の深度に掘り下げる(ステップS3)。管路を割取ったうえで(ステップS4)、目的の深度に管路を移設し(ステップS5)、半割管を用いて管路を復元してから管路の補強と埋め戻しを行う(ステップS7)。この工法によれば、管路をそのまま目的の深度に移設すればよいので管路を新設する必要がなく、移設区間の掘削は行うもののマンホールを新たに構築する必要がない。したがって、移設工期を従来よりも短くでき、移設コストを安く抑えられる。
【選択図】図1
【解決手段】移設区間を掘削して管路を露出させ(ステップS1)、露出させた管路を吊り上げておき(ステップS2)、目的の深度に掘り下げる(ステップS3)。管路を割取ったうえで(ステップS4)、目的の深度に管路を移設し(ステップS5)、半割管を用いて管路を復元してから管路の補強と埋め戻しを行う(ステップS7)。この工法によれば、管路をそのまま目的の深度に移設すればよいので管路を新設する必要がなく、移設区間の掘削は行うもののマンホールを新たに構築する必要がない。したがって、移設工期を従来よりも短くでき、移設コストを安く抑えられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、地中に埋設された管路を移設することにより、管内に通されたケーブルの移設を行う地中ケーブルの移設工法に関する。
例えば道路の新設等のような環境変化が生じると、これまで埋設されていた管路では法令上要求される深度(土被り)が不足する場合がある。管路に通されたケーブルを移設する従来の工法としては、支障区間(すなわちマンホール相互間)について既に敷設された管路とは別個に管路を新設し、既設された管路を通るケーブルから新設された管路を通るケーブルに切り替えを行っていた。支障区間の距離が長い場合は新たにマンホールを構築し、必要な支障区間について管路を新設していた。
一方、管路を新設(敷設)するにあたっては、地面から掘削を行う工法ではなく、地中を掘り進む工法の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。この工法では、ドリルヘッドに組み込んだ発信器から発信される信号を検知器で検知することにより、ボーリングの先端位置を確認しながら掘り進む。
特開平9−158674号公報
しかし、前者の工法では、ケーブルの切り替えや管路の新設、あるいはマンホールの新構築等を行う必要がある。ケーブルの切り替えを行うにあたっては停電させなければならず、2回線受電の場合には一方の回線を停電させても他方の回線で受電可能であるものの、自然災害等が発生した場合には全面停電になりかねない。管路を新設する場合には、移設工期が長期になるだけでなく、コストも嵩んでいた。同様にマンホールを新たに構築する場合には、さらに道路の車線規制が必要となった。
一方、後者の工法では、マンホールを新たに構築する必要がなくなる。ところが、地中にどのような配管等(例えば水道管やガス管等)が敷設されているのかが分からない場合もあり、配管等の損傷を考慮すると地中(特に都市部)を掘り進むのは困難である。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、ケーブルの切り替え,管路の新設,マンホールの新構築を無くし、移設工期を従来よりも短くする地中ケーブルの移設工法を提供することを目的とする。
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、移設箇所を掘削し、地中に埋設されており管内にケーブルが通されている管路を露出させる露出工程と、前記露出工程によって露出した管路を吊り上げて保持する吊上工程と、移設先の深度まで掘削する掘削工程と、前記管路のうち屈曲区間について撤去する管路割取工程と、前記吊上工程によって吊り上げていた前記管路を、前記掘削工程によって掘削した深度まで移設する移設工程と、前記屈曲区間について半割管を用いて管路を復元するとともに、鉄筋コンクリート巻きによる補強を行ったうえで埋め戻す復元補強工程とを有することを要旨とする。
解決手段1によれば、吊上工程で管路を吊り上げておき、掘削工程で目的の深度に掘り下げ、管路割取工程で屈曲区間(深度が変化する区間)の管路を除去し、その後の移設工程で目的の深度に管路を移設する。復元補強工程では半割管を用いるものの、鉄筋コンクリート巻きによる補強を行うので、屈曲区間以外の管路と同等以上の強度が得られる。この工法によれば、管路をそのまま目的の深度に移設すればよいので管路を新設する必要がなく、該当区間の掘削は行うもののマンホールを新たに構築する必要がない。したがって、移設工期を従来よりも短くできるとともに、移設コストを安く抑えることができる。
(2)解決手段2は、解決手段1に記載した地中ケーブルの移設工法であって、移設箇所の近隣にあるマンホールから管路を通るケーブルの引き出し又は戻し入れを行う引戻工程を有することを要旨とする。
解決手段2の工法によれば、単にケーブルを引戻せばよいのでケーブルの切り替えを行う必要がない。したがって、移設工期を従来よりもさらに短くでき、移設コストをさらに安く抑えることができる。
(3)解決手段3は、解決手段1または2に記載した地中ケーブルの移設工法であって、引戻工程では、ケーブルの複数箇所にスリングをそれぞれ取り付け、当該複数箇所のスリングをほぼ均一の張力で引っ張ることにより引き出しを行うことを要旨とする。
一箇所にスリングを取り付けてケーブルを引戻そうとすると、引き出し量に必要な張力が当該ケーブルの許容最大張力を超える場合もある。許容最大張力を超えて引っ張るとケーブルに損傷を及ぼしかねない。解決手段3によれば、複数箇所に取り付けたスリングをほぼ均一の張力で引っ張るので、張力が分散される。引き出し量に必要な張力がケーブルの許容最大張力を超える場合でも、張力が分散されるために許容最大張力よりも小さくなる。したがって、ケーブルへの損傷を防止することができる。
本発明によれば、管路をそのまま目的の深度に移設すればよいので管路を新設する必要がなく、マンホールを新たに構築する必要がない。したがって、移設工期を従来の工法よりも短くできるとともに、移設コストを安く抑えることができる。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は垂直方向(縦方向)に管路を移設する工法の一例であって、図1〜図11を参照しながら説明する。図1には移設工法の処理過程にかかる一例をフローチャートで表す。図2には移設箇所の一例を断面図で表す。図3は図2に示すIII−III矢視断面図であって、管路を露出させた状態を表す。図4には吊り上げの準備を断面図で表す。図5には管路を吊り上げた状態を断面図で表す。図6には目的の深度まで掘削した後の状態を断面図で表す。図7には管自体の撤去例を断面図で表し、移設した直後の状態を図8に表す。図9にはケーブルの引き出し例を断面図で表す。図10には復元する管路の構成例を表す。図11には復元した管路を補強する例を断面図で表す。
実施の形態1は垂直方向(縦方向)に管路を移設する工法の一例であって、図1〜図11を参照しながら説明する。図1には移設工法の処理過程にかかる一例をフローチャートで表す。図2には移設箇所の一例を断面図で表す。図3は図2に示すIII−III矢視断面図であって、管路を露出させた状態を表す。図4には吊り上げの準備を断面図で表す。図5には管路を吊り上げた状態を断面図で表す。図6には目的の深度まで掘削した後の状態を断面図で表す。図7には管自体の撤去例を断面図で表し、移設した直後の状態を図8に表す。図9にはケーブルの引き出し例を断面図で表す。図10には復元する管路の構成例を表す。図11には復元した管路を補強する例を断面図で表す。
まずケーブル移設工法の処理過程について、その概略を図1を参照しながら説明する。はじめに移設箇所を掘削して地中に埋設された管路を露出させる(ステップS1;露出工程)。管内(すなわち管路の内側)にはケーブルが通されている。通されるケーブルは任意であり、例えば電力線,通信線,電話線等が該当する。ステップS1で露出させた管路を吊上装置により吊り上げて保持する(ステップS2;吊上工程)。管路を吊り上げて保持する状態は、後述するステップS5で管路を移設するまで続く。
続いて、目的の深度(すなわち移設先の深度)まで掘削し(ステップS3;掘削工程)、掘削後に屈曲区間の管路は上部から切り込みを入れて撤去する(ステップS4;管路割取工程)。そして、ステップS2で吊り上げていた管路をステップS3で掘削した深度まで垂直方向に移設する(ステップS5;移設工程)。
管路の移設を終えた後、移設箇所の近隣にあるマンホールから管路を通るケーブルの引き出し又は戻し入れを行う(ステップS6;引戻工程)。最後に、屈曲区間について半割管を用いて管路を復元するとともに、鉄筋コンクリート巻きによる補強を行ったうえで埋め戻す(ステップS7;復元補強工程)。以下では、各工程の適用例について説明する。
1.露出工程
図2に一例として表した管路10は、一部の移設区間Kでは深度L4(例えば0.7[m])に埋設され、他の区間では深度L2(ただしL2>L4;例えば1.2[m])に埋設されている。移設区間Kは移設箇所に相当する。なお、本例では移設区間Kの近傍にはマンホールM2が既設されている。
図2に一例として表した管路10は、一部の移設区間Kでは深度L4(例えば0.7[m])に埋設され、他の区間では深度L2(ただしL2>L4;例えば1.2[m])に埋設されている。移設区間Kは移設箇所に相当する。なお、本例では移設区間Kの近傍にはマンホールM2が既設されている。
上述した移設区間Kについて、図3に表すように所定の溝幅で矢板12(例えば軽量鋼矢板)を地盤に打ち込み、これら両側の矢板12間の地盤を掘削して管路10を露出させる。本例では所定の深度L6まで掘削し、4本の管路10(送電線用が2本、通信線用が1本、予備が1本)からなる。これらの4本の管路10を支持するため、図面の前後方向に対して所定の間隔ごとに枕14(二点鎖線で図示)が予め設けられている。
2.吊上工程
管路10を露出させた後、図4に表すように腹起し材16および腹起しパイプ20を多数設置する。一部の腹起し材16には吊上装置18をそれぞれ設置し、各吊上装置18に備わるロープ18aを管路10にそれぞれ巻き付ける。腹起しパイプ20は、矢板12間の溝幅を維持する。その後、図5に表すように吊上装置18を作動させて管路10を吊り上げて保持する。なお、図3に表す枕14は管路10とともに吊り上げるか、あるいは予め枕14を取り外してから管路10を吊り上げる。
管路10を露出させた後、図4に表すように腹起し材16および腹起しパイプ20を多数設置する。一部の腹起し材16には吊上装置18をそれぞれ設置し、各吊上装置18に備わるロープ18aを管路10にそれぞれ巻き付ける。腹起しパイプ20は、矢板12間の溝幅を維持する。その後、図5に表すように吊上装置18を作動させて管路10を吊り上げて保持する。なお、図3に表す枕14は管路10とともに吊り上げるか、あるいは予め枕14を取り外してから管路10を吊り上げる。
3.掘削工程
管路10を吊り上げて保持した後、図6に表すように両側の矢板12間の地盤を目的の深度(すなわち移設先の深度)まで掘削する。本例では深度L6から深度L8(ただしL8>L6)まで掘削している。
管路10を吊り上げて保持した後、図6に表すように両側の矢板12間の地盤を目的の深度(すなわち移設先の深度)まで掘削する。本例では深度L6から深度L8(ただしL8>L6)まで掘削している。
4.管路割取工程
管路10は地中でも圧力に耐えられるように、硬質の素材(例えば耐衝撃性硬化塩化ビニル(EIP)など)で形成され、深度が変化する区間すなわち屈曲区間Ka(図2を参照)については曲管が使用されている。そのため、屈曲区間Kaの管路10をそのままの状態で垂直方向に吊り下ろす移設を行うことはできない。そこで、屈曲区間Kaの管路10についてカッター22を用いて上部から切り込みを入れて割取りし、屈曲区間Kaの管路10にかかる管自体を曲管を含めて撤去する。
管路10は地中でも圧力に耐えられるように、硬質の素材(例えば耐衝撃性硬化塩化ビニル(EIP)など)で形成され、深度が変化する区間すなわち屈曲区間Ka(図2を参照)については曲管が使用されている。そのため、屈曲区間Kaの管路10をそのままの状態で垂直方向に吊り下ろす移設を行うことはできない。そこで、屈曲区間Kaの管路10についてカッター22を用いて上部から切り込みを入れて割取りし、屈曲区間Kaの管路10にかかる管自体を曲管を含めて撤去する。
ところで、図7(A)に表すようにカッター22を用いて管路10を上部から切り込む際には、管内を通るケーブル24を損傷しないように切り込む必要がある。この場合、次の二つの施策のうちで一方または双方を講じて行うのが望ましい。第1の施策は、カッター22の刃22aが所定量(例えば9[mm])以上に切り込まないように、図7(B)に表すようにアダプタ22bを備えることである。第2の施策は、管路10のソケット部分の一部を取り除いた後、管路10の内部に防護半切鋼管26を挿入することである。
5.移設工程
管自体の撤去によって管内を通るケーブルのみとなり、管路10は移設区間Kのうちで屈曲区間Kaを除いた直線部分を垂直方向(図6に表す矢印D2方向)に移設することができる。通常は1回線ごとに線路停止を行い、対応する管路10を垂直方向に移設する。こうして移設した後の管路10等の状態を図8に表す。図8では、図3と同様に管路10を支持する枕14(二点鎖線で図示)を表している。
管自体の撤去によって管内を通るケーブルのみとなり、管路10は移設区間Kのうちで屈曲区間Kaを除いた直線部分を垂直方向(図6に表す矢印D2方向)に移設することができる。通常は1回線ごとに線路停止を行い、対応する管路10を垂直方向に移設する。こうして移設した後の管路10等の状態を図8に表す。図8では、図3と同様に管路10を支持する枕14(二点鎖線で図示)を表している。
6.引戻工程
移設区間Kの管路10を深度L4から深度L2に移設すると、移設区間K以外の区間との関係では管内を通るケーブル24が余るために管内で緩む。そこでケーブル24の緩みを解消するため、図9に表すように移設区間Kに近隣するマンホールからケーブル24を引き出す。本例では、隣接する一方側のマンホールM2にケーブル24相互間を接続する接続箱38が設置されているため、隣接する他方側のマンホールM4から作業者Cがケーブル24を引き出している。なお、引き出し時に接続箱38に負荷が掛からないようにするため、拘束用クリートを取り付けるのが望ましい。
移設区間Kの管路10を深度L4から深度L2に移設すると、移設区間K以外の区間との関係では管内を通るケーブル24が余るために管内で緩む。そこでケーブル24の緩みを解消するため、図9に表すように移設区間Kに近隣するマンホールからケーブル24を引き出す。本例では、隣接する一方側のマンホールM2にケーブル24相互間を接続する接続箱38が設置されているため、隣接する他方側のマンホールM4から作業者Cがケーブル24を引き出している。なお、引き出し時に接続箱38に負荷が掛からないようにするため、拘束用クリートを取り付けるのが望ましい。
上述したケーブル24の引き出しは引き出し装置を用いて行う。この引き出し装置は、揚重装置30、テンションメーター32、金車34、ロープ36a,36b、二つのナイロンスリング28等を有する。二つのナイロンスリング28は、マンホールM4で移設区間Kに近いほうのケーブル24に間隔を空けて取り付ける。各ナイロンスリング28は、金車34を通したロープ36bの両端部をそれぞれ取り付ける。ナイロンスリング28はスリングに相当する。揚重装置30と金車34との間はロープ36aで接続する。テンションメーター32は揚重装置30にかかる張力(すなわち引き出し張力)を表示する。揚重装置30にかかる張力は、ロープ36bを通じて二つのナイロンスリング28に分散されてケーブル24に伝わる。
作業者Cがテンションメーター32に表示される張力を監視しながら揚重装置30を操作すると、ロープ36aが矢印D6方向に移動し、金車34で分岐するロープ36bが矢印D4方向に移動し、ナイロンスリング28を通じてケーブル24を引き出す。引き出し量は、移設前後の管路長に基づいて計算により求める。引き出し張力(T)は、摩擦係数(μ),単位長さ当たりのケーブル重量(W)および移設区間Kまでのケーブル24の長さ(L)に基づいて計算式(例えばT=ΣμWL)により求める。
7.復元補強工程
ケーブル24の引き出しを終えると、管路割取工程で割取りした割取部分の管路を復元し、さらに埋め戻しを行う。管路の復元ではケーブル24が既に敷設された状態のため、元の円筒形の部材を用いることができない。そのため、図10(A)および図10(B)に表す半割継手42および半割管44を用いて復元管路40を形成する。この復元管路40は、二つの半割管44の内側にケーブル24を収容し、さらに二つの半割継手42の内側に半割管44を収容する。半割継手42は凸状に形成された四つの継手部を有し、締結部材42a(例えばボルトとナット等)を用いてそれぞれ固定する。締結部材42aの他に、必要に応じてステンレスバンド等を用いて固定してもよい。管の接合部には、防水対策としてテーピングを施す。半割継手42および半割管44を用いて形成した復元管路40は、圧力(すなわち土圧)に耐えるだけの強度を有しないので、図11に表すように復元管路40の周りに鉄筋48を縦横に配置したうえでコンクリート46で固定する。すなわち鉄筋コンクリートで補強する。最後に管路10および復元管路40を埋め戻す。
ケーブル24の引き出しを終えると、管路割取工程で割取りした割取部分の管路を復元し、さらに埋め戻しを行う。管路の復元ではケーブル24が既に敷設された状態のため、元の円筒形の部材を用いることができない。そのため、図10(A)および図10(B)に表す半割継手42および半割管44を用いて復元管路40を形成する。この復元管路40は、二つの半割管44の内側にケーブル24を収容し、さらに二つの半割継手42の内側に半割管44を収容する。半割継手42は凸状に形成された四つの継手部を有し、締結部材42a(例えばボルトとナット等)を用いてそれぞれ固定する。締結部材42aの他に、必要に応じてステンレスバンド等を用いて固定してもよい。管の接合部には、防水対策としてテーピングを施す。半割継手42および半割管44を用いて形成した復元管路40は、圧力(すなわち土圧)に耐えるだけの強度を有しないので、図11に表すように復元管路40の周りに鉄筋48を縦横に配置したうえでコンクリート46で固定する。すなわち鉄筋コンクリートで補強する。最後に管路10および復元管路40を埋め戻す。
上述した実施の形態1によれば、以下に表す各効果を得ることができる。
(a1)吊上工程で管路10を吊り上げておき、掘削工程で目的の深度(本例では深度L8)に掘り下げ、管路割取工程で屈曲区間Kaの管路10(管自体)を除去し、その後の移設工程で目的の深度に管路10を移設した(図4から図7を参照)。復元補強工程では半割継手42および半割管44を用いるものの、鉄筋コンクリート巻きによる補強を行うので(図11を参照)、屈曲区間Ka以外の管路10と同等以上の強度が得られる。この工法によれば、管路10をそのまま目的の深度に移設すればよいので管路10を新設する必要がなく、該当区間の掘削は行うもののマンホールを新たに構築する必要がない。したがって、移設工期を従来よりも半分以下に短くでき、移設コストを半分近くまで安く抑えられる。また、停電作業時間も従来より減らすことができる。
(a1)吊上工程で管路10を吊り上げておき、掘削工程で目的の深度(本例では深度L8)に掘り下げ、管路割取工程で屈曲区間Kaの管路10(管自体)を除去し、その後の移設工程で目的の深度に管路10を移設した(図4から図7を参照)。復元補強工程では半割継手42および半割管44を用いるものの、鉄筋コンクリート巻きによる補強を行うので(図11を参照)、屈曲区間Ka以外の管路10と同等以上の強度が得られる。この工法によれば、管路10をそのまま目的の深度に移設すればよいので管路10を新設する必要がなく、該当区間の掘削は行うもののマンホールを新たに構築する必要がない。したがって、移設工期を従来よりも半分以下に短くでき、移設コストを半分近くまで安く抑えられる。また、停電作業時間も従来より減らすことができる。
(a2)単に管路10を移設しただけでは管内のケーブル24が緩むので、引戻工程でケーブル24の引き出し行った(図9を参照)。この工法によれば、単にケーブル24を引戻せばよいのでケーブル24の切り替えを行う必要がない。したがって、移設工期を従来よりもさらに短くでき、移設コストをさらに安く抑えることができる。
(a3)二箇所に取り付けたナイロンスリング28をほぼ均一の張力で引っ張る構成としたので、ケーブル24を引っ張る張力が分散される(図9を参照)。引き出し量に必要な張力がケーブル24の許容最大張力(例えば5000[N/m])を超える場合でも、張力が分散されるために許容最大張力よりも小さくなる。したがって、ケーブル24への損傷を防止することができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は横方向に管路を移設する工法の一例であって、図1と図12を参照しながら説明する。なお、移設を行う工法等は実施の形態1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2は横方向に管路を移設する工法の一例であって、図1と図12を参照しながら説明する。なお、移設を行う工法等は実施の形態1と同様であり、図示および説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図1に表すフローチャートについて実施の形態1と異なるのは、ステップS5では吊り上げた状態の管路10を横方向に移設し、ステップS6のケーブルを引き出すことなく管路の補強と埋め戻しを行う点である。ただし、横方向への移設を可能とするために、地盤に打ち込む矢板12の溝幅を実施の形態1よりも広く確保する必要がある。
図12には横方向に移設する例を表す。すなわち同一の移設区間Kで掘削した範囲において、移設元の深度L6に対して階段状に移設先の深度L8となるように掘削を行う必要がある。移設区間Kの管路10の移設は、当該区間全体を回転させるように矢印D8に向かって移動させる。移動後はそのまま埋め戻しする。
上述した実施の形態2によれば、管路10を露出させ(ステップS1)、管路10を吊り上げておき(ステップS2)、目的の深度に掘り下げ(ステップS3)、管路10を割取ったうえで(ステップS4)、目的の深度に管路10を移設し(ステップS5)、管路の補強と埋め戻しを行う(ステップS6)。この工法によれば、移設区間Kの全体について回転するように移設を行えばよいので、管路長およびケーブル長がほとんど変化しない。言い換えれば、ケーブル24の引き出しや戻し入れを行う必要もない。したがって、移設工期を従来よりも短くでき、移設コストを安く抑えられる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための最良の形態について実施の形態1,2に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に表す各形態を実現してもよい。
以上では本発明を実施するための最良の形態について実施の形態1,2に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に表す各形態を実現してもよい。
実施の形態1では、移設区間K以外の区間にかかる管路10が深度L2であるとき、移設区間Kにかかる管路10を深度L4から深度L2に移設するために、ケーブル24の緩みを解消するために引き出し行った(図2,図9を参照)。この形態に代えて、移設区間K以外の区間にかかる管路10が深度L4であるときは、引戻工程でケーブル24の長さが足りなくなるために戻し入れを行う(図1のステップS6を参照)。ただし、管路10を移設した後に戻し入れを行うとケーブル24自体が伸びたり損傷する可能性もある。よってケーブル24の戻し入れを行うのは、ステップS4の管路割取工程を終えた後であって、ステップS5の移設工程を行う前が望ましい。
これに対し、移設区間K以外の区間について一方側の区間にかかる管路10が深度L2であって、他方側の区間にかかる管路10が深度L4である場合には、引き出し量と戻し入れ量がほぼ同じになる。したがって、ケーブル24の引き出し又は戻し入れを行わなくてもよくなり、引戻工程を実行しなくて済む(図1のステップS6を参照)。
その他、管路10について、移設区間Kで移設前後の深度、移設区間K以外の両区間にかかる深度との関係により、引き出し量および戻し入れ量の一方または双方を計算で求め、計算量に従ってケーブル24の引き出し又は戻し入れを行えばよい(図1のステップS6を参照)。すなわち、引き出し量が戻し入れ量よりも多い場合は実施の形態1と同様の工程に従って行い、戻し入れ量が引き出し量よりも多い場合は引戻工程を先に行ってから移設工程を行うのが望ましい。
10 管路
12 矢板
14 枕
16 腹起し材
18 吊上装置
18a ロープ
20 腹起しパイプ
22 カッター
22a 刃
22b アダプタ
24 ケーブル
26 防護半切鋼管
28 ナイロンスリング(スリング)
30 揚重装置
32 テンションメーター
34 金車
36a,36b ロープ
38 接続箱
40 復元管路
42 半割継手
42a 締結部材
44 半割管
46 コンクリート
48 鉄筋
K 移設区間
Ka 屈曲区間
L2,L4,L6,L8 深度
M2,M4 マンホール(支障)
12 矢板
14 枕
16 腹起し材
18 吊上装置
18a ロープ
20 腹起しパイプ
22 カッター
22a 刃
22b アダプタ
24 ケーブル
26 防護半切鋼管
28 ナイロンスリング(スリング)
30 揚重装置
32 テンションメーター
34 金車
36a,36b ロープ
38 接続箱
40 復元管路
42 半割継手
42a 締結部材
44 半割管
46 コンクリート
48 鉄筋
K 移設区間
Ka 屈曲区間
L2,L4,L6,L8 深度
M2,M4 マンホール(支障)
Claims (3)
- 移設箇所を掘削し、地中に埋設されており管内にケーブルが通されている管路を露出させる露出工程と、
前記露出工程によって露出した管路を吊り上げて保持する吊上工程と、
移設先の深度まで掘削する掘削工程と、
前記管路のうち屈曲区間について撤去する管路割取工程と、
前記吊上工程によって吊り上げていた前記管路を、前記掘削工程によって掘削した深度まで移設する移設工程と、
前記屈曲区間について半割管を用いて管路を復元するとともに、鉄筋コンクリート巻きによる補強を行ったうえで埋め戻す復元補強工程とを有する地中ケーブルの移設工法。 - 請求項1に記載した地中ケーブルの移設工法であって、
移設箇所の近隣にあるマンホールから管路を通るケーブルの引き出し又は戻し入れを行う引戻工程を有する地中ケーブルの移設工法。 - 請求項1または2に記載した地中ケーブルの移設工法であって、
引戻工程では、ケーブルの複数箇所にスリングをそれぞれ取り付け、当該複数箇所のスリングをほぼ均一の張力で引っ張ることにより引き出しを行う地中ケーブルの移設工法。
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