JPH0578932U - インタークーラー冷却構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行風を導入しにくい場所にインタークーラ
ーを設置せざるを得ない場合においても、プロペラシャ
フトの回転を利用してインタークーラーに十分な風を供
給し、効率よくインタークーラーを冷却できるようにす
る。 【構成】 インタークーラー２の下部にエアインテーク
カバー５を取り付ける。エアインテークカバー５の下方
にあたるプロペラシャフト４の部位に複数のフィン９を
設ける。これにより、プロペラシャフト４の回転に伴う
フィン９の回転による風を発生させ、エアインテークカ
バー５を介してこの風をインタークーラー２に導入し、
効率よく冷却する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ターボ過給機及びインタークーラーを備えた自動車等に使用される 、インタークーラー冷却構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ターボ過給機を備えた自動車等においては、ターボ過給機の効率を上げ るためインタークーラーが付設され、一般にエンジンルーム内に配設されていた 。しかしながら、近来、車室の居住スペースの拡大に伴うエンジンルームの縮小 化、又は空気抵抗の低減化による低ボンネットの自動車が増加し、このため走行 風がエンジンルームを吹き抜けるスペースが減少し、インタークーラーが冷えに くいという問題が生じていた。

【０００３】 この問題を解決するため、例えば、図８に示すようなリヤエンジン・リヤドラ イブの自動車１においては、インタークーラー２は、エンジンルーム３の前方、 かつ、プロペラシャフト４の上方に、車体フレーム、クロスメンバなどに対して 水平にもしくは車体に対し角度を付けて取付けられ、特に、図９において明らか なように、インタークーラー２の下部には走行風を導くためのエアインテークガ イド５が設けられていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような、インタークーラー２のエンジンルーム３から車 体下部等への移設においても、車体下部等にはすでに各種車体部品が装着されて いるため、インタークーラー２を装着するスペースが限られ、このため走行風の 導入が難しく、インタークーラー２が冷えにくいといった問題を解決するには至 っていなかった。

【０００５】 したがって、本考案は、上記問題に鑑みてなされたもので、インタークーラー に対して走行風を安定して供給でき、これにより十分にインタークーラーを冷や すことのできるインタークーラー冷却構造を提供することを目的としたものであ る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するための手段として、ターボ過給機及びインター クーラーを備えた車両におけるインタークーラー冷却構造において、前記インタ ークーラーの走行風導入口をプロペラシャフトに面して開口し、前記導入口に対 向した前記プロペラシャフトの部位に複数のフィンを配設した構成としたもので ある。

【０００７】

【作用】

以上のように構成することにより、インタークーラーが走行風を十分に導入で きない場所に配置されたとしても、プロペラシャフトの回転に伴い、プロペラシ ャフトに配設された複数のフィンが回転し、走行風を十分にインタークーラーの 導入口からインタークーラーに供給することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１及び２にもとづいて説明する。なお、前出の図 と同一の部材については同一の符号を付すものとする。

【０００９】 図２において示す自動車１は、リヤエンジン・リヤドライブをベースとした四 輪駆動車で、エンジンの駆動力は後輪６と、プロペラシャフト４を介して前輪７ とに伝達される。また、インタークーラー２は、エンジンルーム３の前方、かつ プロペラシャフト４の上方に、水平に配設され、配管８によりエンジンルーム３ に連結されている。インタークーラー２の下部にはエアインテークガイド５が取 付けられ、その下方にはプロペラシャフト４に固定されて、後述する複数のフィ ン10が設けられている。なお、10は燃料タンクである。

【００１０】 次に、図１により上述のインタークーラー２、エアインテークガイド５及びプ ロペラシャフト４に設けられたフィン９について説明する。インタークーラー２ は、矩形のフレーム11、及びこのフレーム11に取付けられ、図面に示さないター ボ過給機に供給される吸入空気が通過する複数の熱交換用小管12を有し、また、 フレーム11にはインタークーラー２を車体に取付けるための取付部材13が付設さ れ、さらに、熱交換用小管12は配管８によりターボ過給機に連通されている。そ して、インタークーラー２の下部にはインタークーラー２に走行風を導入するた めのエアインテークガイド５がボルト等によりフレーム11に締結されている。な お、エアインテークガイド５は、走行風の導入を効率よく行うため矩形のフレー ム11から下方に末広がりに形成されている。

【００１１】 また、エアインテークガイド５の下方のプロペラシャフト４には複数のフィン ９が設けられている。本実施例の場合、フィン９は、プロペラシャフト４と同一 材質の薄板状部材により形成され、プロペラシャフト４と同軸方向に同一間隔を おいて溶接によりプロペラシャフト４に固定されている。

【００１２】 以上のように構成することにより、インタークーラー２が、エンジンルーム３ と燃料タンク13の間のような、走行風を導入しにくい位置に配設されていたとし ても、プロペラシャフト４の回転に伴い、フィン９が一体的に回転して風を起し 、自動車の走行とあいまって、十分な風がエアインテークガイド５に案内され、 インタークーラー２に導入される。したがって、この風により、インタークーラ ー２内の吸入空気を効率よく十分に冷やすことができる。また、エアインテーク ガイド５の口の角度を変えることによって、走行風とプロペラシャフト４の回転 による風の両方を導入することも可能である。

【００１３】 上記の実施例において、フィン９は、プロペラシャフト４と同一材質の部材を 用い、溶接することによりプロペラシャフト４に固定したが、プロペラシャフト ４と異種材質の部材を用いる場合には、図３に示すように、プロペラシャフト４ に一体的に形成した突起部材14にフィン15をボルト16により延設するように締結 してもよい。また、図４に示すように、接着剤17によりフィン14を突起部材14に 固定してもよい。

【００１４】 さらに、図５及び図６において示すような構成にしてもよい。プロペラシャフ ト４の回転による風が効率よく発生できるような曲げを加えた複数のフィン18を 例えば溶接によりプロペラシャフト４に固定し、これらのフィン18を円筒形のエ アインテークカバー19により包囲する。エアインテークカバー19はその前側、即 ち、自動車の進行方向側とその後ろ側とを、プロペラシャフト４との間に多少の 間隙を設けた状態で封鎖とすると共に、前側のカバーには適当な数の孔20を形成 して空気取入口とする。また、エアインテークカバー19の上部にエアインテーク ガイドに向けて開口した送風口21を形成する。

【００１５】 このように構成することにより、プロペラシャフト４の回転に伴うフィン18の 回転により、走行風がエアインテークカバー19の孔20からカバー19内に強力に吸 引され、さらに送風口21からエアインテークガイドに向けて排出される。そして 、エアインテークガイドに向けて排出された風はインタークーラーを効率よく冷 やすことができる。

【００１６】 また、図７に示すフィンの実施例は、フィン22と従来のプロペラシャフトにあ たる本体部分23とを樹脂性の一体成形品として形成した場合の取付例を示したも のである。本体部分23は、円板部24とその外周に水平に形成された環状のフィン 取付部25よりなり、フィン取付部25の幅Ｌは円板部24の厚さより大きく設定され ている。また、フィン22はフィン取付部25の外側に等間隔をおいて形成されてい る。プロペラシャフト４の先端部にはジョイントフランジ26が取付けられ、フィ ン22をはさんで、トランスファ27の先端部にはトランスファフランジ28が取り付 けられている。そして、ジョイントフランジ26、フィン22の本体部分23及びトラ ンスファフランジ28がこの順序で複数のボルト29によりとも締めされ固定される 。なお、この実施例の作用は前述の実施例の作用と同様である。

【００１７】 なお、上記の実施例において、インタークーラーの下部にエアインテークガイ ドを取り付けた場合について説明したが、インタークーラーを配設する場所が非 常に狭く、エアインテークガイドを取り付けることができないときには、これを 取り付けずに、例えば前述の実施例において説明したエアインテークカバーを適 用することにより、十分な量の風をインタークーラーに供給でき、効率よく冷や すことができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、インタークーラーの走行風導入口をプロペラ シャフトに面して開口し、導入口に対向したプロペラシャフトの部位に複数のフ ィンを配設したことにより、プロペラシャフトの回転に伴いフィンが回転し、こ の回転により風が発生して、導入口より風がインタークーラーに導入される。こ れにより、走行風の導入が困難な位置にインタークーラーが配設されたとしても 、走行風が安定してインタークーラーに供給することができ、冷やすことができ る。したがって、インタークーラーの効率を改善することができると共に、ター ボ過給機の効率をも改善することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のインタークーラー冷却構造の一実施例
を示す説明図である。

【図２】図１のインタークーラー冷却構造を備えた自動
車の概略側面図である。

【図３】本考案のインタークーラー冷却構造に用いられ
るフィンの第２実施例を示す、図１の線Ａ−Ａについて
の説明図である。

【図４】フィンの第３実施例を示す、図１の線Ａ−Ａに
ついての説明図である。

【図５】フィンの第４実施例を示す説明図である。

【図６】図５のフィンを線Ｂ−Ｂからみた断面図であ
る。

【図７】フィンの第５実施例を示す説明図である。

【図８】従来のインタークーラー冷却構造を備えた自動
車を示す概略説明図である。

【図９】図８のインタークーラー冷却構造の部分拡大図
である。

【符号の説明】

２ インタークーラー ４ プロペラシャフト ５ エアインテークガイド ９ フィン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ターボ過給機及びインタークーラーを備
   えた車両におけるインタークーラー冷却構造において、
   前記インタークーラーの走行風導入口をプロペラシャフ
   トに面して開口し、前記導入口に対向した前記プロペラ
   シャフトの部位に複数のフィンを配設したことを特徴と
   するインタークーラー冷却構造。